SCMの概要:ラスト1マイル 01/06/30 BACK
通信業界(といっても有線通信ですが)には「ラスト1マイル」という言葉があります。これは通信線を引く場合、基幹となる線を引くのは比較的容易であっても最後のユーザ一人一人まで引くのが大変であるということをあらわしています。例えば現在NTTでは光ファイバーを全国的に普及させようとしていますが、大都市間で基幹線を引くことはそれなりにできてもその先の家庭1件毎に引くのは時間、コスト、手間等が加速度的に増えるであろうということは容易に推測できます。
これは有線通信である以上宿命のようなものですが、これを一挙に解決するのが無線通信です。携帯電話の普及もその一例であり、発展途上国では、有線通信のインフラ整備に膨大な投資が必要なため、携帯電話の方が先に普及するとも言われています。もちろん雑音に弱いといった無線通信技術の品質向上や電波の割り当て等の問題は依然として残っていますがこれも少しづつクリアする努力が進んでいます。
陸運業界では、これに該当するのが鉄道輸送とトラック輸送ではないかと思います。鉄道輸送は長距離のターミナル間の輸送のみを取れば効率的ですが、実際には、有線通信の「ラスト1マイル」に当る発駅までの輸送と積み替え、着駅での積み替えと輸送に時間と手間がかかり、トータルでは必ずしも効率的ではありません。その点トラック輸送はポイントからポイントへといわば無線通信のようなもので「在庫期間やコストを削減したい」という荷主の要求に応えることが出来、これが鉄道を抜いた1つの要因ではないかと思われます。
さらに宅配便の普及は従来の企業ユーザから、家庭・個人ユーザという全く異質のユーザにまでネットワークを広げたという点で画期的なものです。これも「ラスト1マイルの克服」が成功のべ―スの1つであることは明らかだと思います。最近本の配送等で進められているコンビニでの受け取りはこのラスト1マイルの変形とも言えそうです。
もっともトラック輸送の普及は高速道路をはじめ全国の道路ネットワークいうインフラの整備が大前提であったことは言うまでもありません。
グローバル規模での競争が進む中、これからの陸運業界はスピードと効率化によるグローバルベースでのラスト1マイルの克服、企業ユーザと個人ユーザという異質のユーザへの対応をどのように進めるか、等の点にもビジネスチャンスがあるのではないかと思われます。
古田中 孝一