SCMの成り立ち:『日本の自動車業界』 01/10/20 BACK
SCMは数年程前に日本に紹介され、今ではほとんどの企業の関心事になっています。しかし、そのSCMはどこから始まったのでしょうか。実は、その源流の大きな1つは日本の自動車業界なのです。
■ 自動車業界がモデルになった
@1980年代。日本は「Japan as No1」で紹介された通り元気で、逆にアメリカは不況が続いていた。このためアメリカは日本が強い理由を研究し始めた。この研究対象の中に日本の自動車業界があった。
Aトヨタのカンバン方式や改善はそれ以前にも世界的に有名になっていた。しかし、これはまだ製造現場でのモデルという位置付けで見られていた。今度は、これが経営モデルとして研究された。
Bトヨタは企業城下町であり、近隣のグループ会社・外注会社と色々な協業を行っていた。
・共に強い分野を持ち寄り、完成車の設計・開発を行う。(デザインイン)
・6ヶ月情報、3ヶ月情報、1ヶ月情報、旬間という生産計画をトヨタが内示し、それに基づいた確定生産計画によってジャストインタイム生産・納入を実現した。(情報共有)
・関連する企業群が共同で改善を行い、それによって市場競争力を協力して勝ち取っていた。市場競争力が出ることは、関連する全ての企業に仕事が確保できるということになる。(企業間の共同改善)
■ アメリカがさらに発展させた
アメリカは、日本自動車業界のやり方を研究し、その後次のような発展を行いました。
@日本の仕事のやり方を誰にでも理解ができるようにプロセスとして表現しようとした。
A最も良いとされるプロセス(ベスト・プラクティス)の研究が始まった。
B日本の企業間連携はIT時代以前から行っていたものである。これをITを活用することでさらに良いプロセスモデルにできないかを研究した。
Cプロセスの性能を把握・評価するための指標を設定し、それによるプロセス実力を計測できるようにした。(メトリックス)
D自動車業界から始まった原理を発展・適用し、他の業界にも普及が始まった。
このように競争相手を研究し、その原理を追求し、それを発展させて実施したのです。何と凄いことでしょうか。90年代以降は日米の力関係は完全に逆転しています。今度は日本が研究し、さらに上回ることを開発する番なのです。
入江
淳一(IDC)