SCM概要:『リスクマネジメント』 02/08/23 BACK
サプライチェーンマネジメント(SCM)はリスクマネジメントであると言えます。リスクを予め予測し、これに如何に対応するかでSCM観点から見た対応を取ることです。
■ リスクと対応の例
@リスク:電子部品が入手できない為、製品の組立ができない。自社は規模が小さく、調達力が足りないために、品薄時には主要部品の確保が困難である。
対応:電子部品の調達市場に振り回されるならば、商社や大手調達企業に依存し、調達機能をアウトソーシングする。これにより、品薄時の確保・品余り時の相場買いによる価格低減や、自社に調達要員を置かずに済むというメリットが出てくる。
Aリスク:OEM販売先が業界再編により、事業を取りやめる。自社が部品提供をしている製品が製品統合により廃止される。
対応:販売先の情報を常に取り、動向を掴むことがまず第一に必要なことである。そういうリスクが予想される場合には、長期的取引形態に持ち込む。これができたらリスク回避及び販売コスト低減も実現できる。
Bリスク:自社の主力販売先が購入先を集約化することにより、自社の取引がなくなる。
対応:販売先が購入先を集約化することは必然的である。その為、自社は重視する顧客には3番手までに入っておく。3番手までに入らない場合は、そこには経営資源(販売パワー・生産順序・価格・対応人的パワー等)は投入しない。3番手に入っている顧客には1番になれるように重点策を取る。
■ リスクマネジメントがSCMである
今までに、SCMは次の定義として説明していた。
@SCMは企業間の情報連携により、ムダ・ムラ・ムリを削減するものである。
ASCMは実需場面と企業をつなぐものである。離れた場所でも、直接取り引きしてなくともITにより実需が分かるものである。実需とは小売業のPOSであり、産業財組立の場合は部品が実際に消費される場所である。
BSCMは実需に合わせて対応するものである。仮需はあくまで参考情報に留めて、実需に合わせて調達・生産・物流を行うものである。
CSCMは計画系である。需要予測・生産計画・調達計画等の計画を通じて、需要対応・滞留在庫・生産性というトレードオフを考慮した全体的な最適の姿を計画という内容で作り、指示するのがSCMである。
そこにSCMはリスクマネジメントであるという定義を追加する。
@リスクを先読みし、それに如何に対応するかがSCMである。リスクに対し、自社だけで対応せず、チェーンで協力して対応することも現在は可能である。
Aリスクに対して、自社業務機能の内外設定で対応することもあり得る。
Bリスクに対して、契約条件で対応することもあり得る。
Cリスクに対して、自社の経営資源配分を戦略とすることもあり得る。
Dリスクは製造・物流のような1つの果たすべき役割であり、これを担うことを商品とすることができる。
既に企業は1社では存在していません。企業間の活用仕合により、成り立っています。企業の壁は崩れているのです。この前提のために、リスクには以前よりも遙かに対応しやすくなっています。リスクをどこに置くかが、チェーン設計の1要素になっているのです。そのリスク対応も、まずは情報収集から始まります。
入江 淳一(IDC)