SCM概要:『SCMとTOC』 02/04/13 BACK
サプライチェーンマネジメント(SCM)とTOC(制約条件管理)の2つは、互いに関係があるよう言われていますが良く分かりません。一体、どのような関係があるのでしょうか?
■ SCMから見たTOC
@メーカーの社内SCMの重要部分は生産計画である。その中で、毎日の工場・ラインの計画(日程計画・順序計画)を作るのは中核部分である。この部分にTOC:DBR(ドラム・バッファ・ロープ)の考えを盛り込んでスケジューリング・ロジックを提供する。
ASCMはスピード化という言葉で表現できる。市場変化にキャッシュフロー経営的に対応する為には、業務のスピードを上げなければならない。TOCはDBRで生産現場の、CC(クリティカルチェーン)で開発・設計のスピード化に対応している。
BSCMは全体最適を謳っている。この点は同様である。しかし、その具体論は余り明確ではない。標準プロセス(SCOR等)を核にして情報共有を果たすことに主点をおいている。TOCはこれに対して、方針制約や全体最適化の問題解決手法(思考プロセス:TP)という内容を提供しているように見える。
■ TOCから見たSCM
@SCMでは、企業間の情報連結を主張しているように感じる。ここで情報連携や中抜きや協業を行うことがチャネル全体での全体最適化に通じると見ている。
ASCMはメーカー・卸・小売の計画系に重点を置いていると見ている。需要動向変化に対応する、全社を一元的に管理し、全体を最適化する「計画」を作ることに重点があると感じている。この領域に重点を置けば、計画系パッケージ(SCMソフト)ベンダーが強い。
BSCMは、仕事のプロセスを明確に作り、その中でBPR(プロセス改善)を行うように主張しているように感じている。製造・物流の現場には入らず、業務面を重点サポートする。
■ 両者の関係は
@SCMもTOCも全体最適を目指している。究極の目的は一致している。
A昨今の企業環境に対応する為に、スピード対応を図ることで両者は一致している。
BSCMは情報面・プロセス面からアプローチし、TOCは現状からの問題解決を図り、全体最適化に近づける方法を取る。TOCは現場的・ボトムアップ的・即効効果と言える。
CTOCは現場と経営を利益という観点からつなぎ、SCMは業務と現場を情報でつなぐものであると言える。
DSCMは標準プロセス・ITという武器を持ち、TOCは思考プロセス・スループット管理という武器を持つ。攻め所が異なる。
SCMもTOCも、この20年程に生まれた思想・手法です。その為、需要<<供給を背景にしています。この両者は同じ目的の為に、アプローチや攻め所が異なる共通の思想を持った相補完するものと位置付けてよいでしょう。
入江 淳一(IDC)