SCM概要:『責任の明確化』             01/12/26        BACK

サプライチェーンマネジメント(SCM)はIT(情報技術)を最大限に活用し、自社だけでなく関係企業までの広い範囲で最適化を図ろうとするものです。その為には、情報の共有化・業務プロセスの整流化と共に、責任の明確化が重要になってきます。

■ 「責任を明確にする」こと

@商品の売れ方を見て、今後の生産計画を設定・変更する。製造現場と需要動向を見、在庫の動向や今後のはけ具合を想定して、在庫計画を設定する。商品が生まれた後から終わるまでの欠品と在庫と生産・物流効率を、商品面から責任を持つ。
A商品を開発することから、死ぬまでの全フェーズでの責任を持つ。商品コンセプトを決め、価格を設定し、販売促進策を創り出して行く。商品面から売上と利益貢献額と販促経費の面から責任を持つ。
B生産面の固定リソース(設備・人員)を最大限に活用し、出来高を増やし、欠品をなくし、在庫を引き下げる。生産という機能面からの責任を持つ。物流も同様である。

このような責任を誰が持っているかを明確にしなければ、SCMはうまく機能しない。責任というリスクと、コントロール範囲という権限を併せ持たねばならない。

■ 「責任を明確にする」とは

SCMで言う「責任を明確にする」は従来とは何が変わって来たのでしょうか?
@従来のプロセス改善では、関係する人が集まってより良いプロセスに改善してきた。これはBPRの原点として残っている。しかし、従来は運用面での責任については曖昧なままだった。
A集団で協議・決定する方式だと、日々環境が変化する状況では実質不可能である。スピードが要求された為に、小人数に責任を帰結させる運用が必要なのである。
B小人数で広い範囲をコントロールできてこそ、全体最適な判断ができる。各部門代表者が協議・決定するよりも、全体利益の責任者が多大な権限を持つべきなのである。「全体から個別へ」である。

スピード時代にはSCMが必要とされています。SCMには小人数の意志で決断する責任体制が不可欠なのです。そして、少人数で判断・決定できる業務プロセスや情報が必須になるのです。従来から言われてきた日本の責任体制、これがSCMを契機として変わってくるかもしれません。

                                  入江 淳一(IDC)