SCM概要:『市場との同期化』             03/06/22           BACK

 サプライチェーンマネジメント(SCM)は、メーカーから見ると市場との同期化と言うことができます。

■ 市場の特性

@何が売れるか分からない。その為に、需要予測を行うのが大変に難しい。
A売上を少しでも上げるために、新商品をドンドン市場投入する。他社も同じ商品政策を採り、似たような商品が店頭に並ぶことになる。
B既存商品とそれほど違いが見つけられない商品を売るために、テレビコマーシャル等で盛んに需要を喚起させる。
C消費者はその時々で新商品コマーシャルに誘われて商品を手に取り購入するが、元々大きな特徴がない商品のため長く続けて購入しない。次の新商品が出るまでしか続かない。これにより、@に戻る。

■ 市場とのタイムラグを無くす

@売れるかどうか分からないものを、在庫をもって対応することは大変にリスクが大きい。その為に売れるものを追加補充生産をすることになる。
A店頭で売れたものを迅速に把握できると、次の対応の意志決定を迅速に行うことができる。実需を如何にタイムラグなくして把握するかがSCM成功のポイントである。
B自社商品が店頭に置いてあり、そこから売れた商品の実需は本来全て把握したい。しかし、実需を入手できる販売チャネルは制約される。この制約を減らすこともSCM成功ポイントである。
C本来は売れた数量だけリアルタイムに生産することが理想かもしれない。しかし、生産にはやはり効率があり実力がある。その為にどの期間でまとめて生産するかを決めることが重要だ。月単位のまとめ生産では生産リードタイムが長くなり、市場とのタイムラグが大きくなる。週次でのまとめ、日次でのまとめになるに従い、市場とのタイムラグは小さくなる。
D原資材は、本来は売れた数量に必要なもの・必要な量だけリアルタイムに調達することが理想かもしれない。調達についても、市場とのタイムラグを少なくし、リアルタイム的に調達する調達チェーン構築もSCM成功ポイントである。
E上記のように、変動する市場に対し、タイムラグなく把握し、タイムラグと効率を両立した生産・調達を果たし、リードタイムが短い物流供給体制を作るのがSCMである。

■ 市場同期化の為の企業間最適

@小売業と直取引をしているメーカーはそれほど多くない。ほとんどの企業は販売チェーン内に多くの企業が関与している。また、調達チェーンとして多くの取引先がある。市場とのタイムラグを無くすためには、自社だけではできることは限られているのである。
A市場とのタイムラグをなくすことを理想の姿と考えて、自社の設備投資・情報システム・金・人材投入を投入することは有効な企業基盤強化策になる。今後にも普遍的で有効な「あるべき姿」であるし、今ならばまだ競争優位性を発揮することができるだろう。
B市場とのタイムラグをなくすことを目指すならば、販売チェーン・調達チェーン上の企業も選ばないといけない。同じ目的を持ち、同じように市場タイムラグに協力できる企業とだけしか連携して進めないだろう。

市場とのタイムラグを無くすことは、メーカーにとって有力な「勝ち組策」です。これを目指して、全ての経営資源を投入することを考えてみませんか。

                                                        入江 淳一(IDC)