SCM概要:『スピードの臨界点』             05/02/20          BACK


スピードが競争力となる時代と言われています。そのスピードがどれほど速く(短く)なると、次の世界が拓けてくるのでしょうか。


■ スピードによる革新

@日本は南北に長い国であり、地域の季節差が大きい。夏は沖縄から始まり、関西・関東を通って北海道に訪れる。冬は逆である。消費者の嗜好変化が激しく商品の販売予測が付きにくくても、沖縄で売れた実績を最大消費地:関東での生産・仕入数量に活用できれば売りは大幅に伸び、リスクははるかに小さくなる。この為には、生産・仕入のスピード1ヶ月が許容限度であろうか。

A自社の製品(顧客から見たら部品)は特殊品であり、顧客にとって必要不可欠のものである。しかし、必要時に急いで数個という注文が来る。迅速に対応できれば、3倍までの価格差は問題ない。相手の業務が進むことに較べたら、重要なのは価格ではない。受注〜納品までのスピードが競合他社の半分(3日)であれば、値引き競争がなく無競争の環境が出現する。


■ スピードによる改革を創る

@大幅なスピード向上によって、顧客にとって大きな価値・自社にとって大きなリスク低減が生まれることがある。それが事業競争力を大幅に向上させる。自社の「ビジネスモデル」と言える状態になる可能性がある。競合他社がなくなり、無競争が実現できる場合がある。

Aスピードがこれ位になれば、事業競争がこうなる。この仮説追求がまず始めに必要である。目的はないが頑張って改善したら、競合他社よりも大幅にスピードで勝っていたといたという偶然はあり得ない。やはり、誰かが意図的に狙い、それを実現するために全社で知恵を絞ってスピードUPが実現したのだ。

Bスピードはすべての企業で平等な競争である。規模が小さい企業でも大企業と較べて不利にならない。製品開発力で既に負けている企業でも、スピードで勝てば有利な事業展開ができる。

Cスピードを競争力の要因にするならば、スピードで勝つことを事業戦略の重点に置いたならば、その為の全社展開が必要となる。製造現場での小ロット生産に適した設備、スピードを何より重視する管理指標・評価制度等。方針が明確になれば全社がそれに基づき動き始める。


スピードを軸にして、どの水準になればどういう世界が拓ける、これを探し出すのがビジネスモデル探しです。そして、これが実現できたらそれが独自性です。誰かが先見を検討し、意図的に狙わないと決して実現しません。

                                                 入江 淳一(IDC)