SCM概要:『Win-Winって何だろう?』 02/03/10 BACK
サプライチェーンマネジメント(SCM)の重要な言葉として「Win-Win」があります。取引に関係する参加者(企業、消費者)が双方共に勝つという意味です。この言葉はどんなものなのでしょうか?
■ 日産の例はWin-Win?
最近の日産「V字回復」として次のことが新聞に出ていました。ただし、数値は適当です。
@それまでの調達先100社を20社に絞った。生き残った20社は品質や価格を総合評価して決めた。
A20社を選定するにあたっては、従来の取引実績によらず、今後の最適な取引先という観点から設定した。この結果、系列は完全に崩壊した。
B80社は日産分の仕事は失った。しかし、20社は仕事量が大幅に増えた。
C日産としては、取引先集約による価格交渉力及び管理の手間という大きなメリットが出た。(集中購買)
D生き残った20社は販売単価は下がっても、量が莫大に増えた為に売上・利益は上がった。日産も周知の如く復活してきた。
このケースは、Win-Winなのでしょうか?20社に目を向ければそう言えるでしょうし、80社に目を向ければとんでもないと言えるのでしょうか?
■ Win-Winって何だろう?
Win-Winとは双方にとってメリットのある「勝ち-勝ちの関係」と訳されています。その内容にはどのような関係があるのでしょうか。セットメーカーA社と部品メーカーB社で示します。
@A社とB社が共同で改善し、コストを減らした。(共同改善)
AA社とB社が両者の技術を活かし、共同で設計から始めた。(デザインイン)
BA社とB社がさらに顧客のC社に対して、協力して販路を開拓した。
CA社とB社が互いの強い機能を活かして、協力しあった。(共同物流等)
色々なケースが考えられますが、決して全員がよくなるといういう図式ばかりとは限りません。特に提供する(部品メーカーB社)側には大変な競争が前提となります。
日本人はWin-Winを情緒的な美談として理解したがっているようです。しかし、大変な競争原理を背景にして、生き残った企業だけがWin-Winを勝ち取ることができるのかもしれません。企業競争力のない弱者を思いやる余裕はどこにもないのです。
入江 淳一(IDC)