部分最適:『曖昧言葉で現場混乱』 02/12/8 BACK
トップは色々な所で勉強しています。講演を聞きに行き、自社に何か参考になることはないかと常に意識しています。しかし、そのことが会社の混乱を引き起こす場合があります。
■ 曖昧言葉で現場混乱
@トップが聞いてきた言葉を、社内に流すことで全社が混乱する場合がある。結構多く見られる。
A例えば、CS(顧客満足)という言葉を聞き、トップはこれだ!と思い、さっそく会社に戻って発表する。これからはCSが重要だ。CSをさっそく始めよう。
Bしかし、CSと唐突に言われた幹部社員は何のことか分からない。反対はしにくいし、反対をすべきものではないが、何をやってよいかが全く分からない。
C幹部によっては、CSと言われたその通りを自分の部署に戻って繰り返すことがある。これからはCSだ!CSを始める、と。
Dしかし、下に流せない人達は具体的に何をやっては良いかは無論分からない。しかし、全社方針であるから反対はできない。しょうがないから毎朝「CS」と連呼するような奇妙な行動が始まってくる。
E社員は「CS」という言葉だけを強制され、その結果実質的に何もやってないけど、トップにはさも何かやっているかのように報告されていく。その結果単に嫌な言葉として歴史に残っていくことになる。タブー視される言葉になる。
■ トップ未消化は伝わらない
@トップは勉強熱心な人が多い。勉強したからトップになれたことと、トップだからという責任感から勉強する。
A良いと感じたことをドンドン社内に運んでくるトップが実際にはかなりいる。社内が消化できるか、社内に受け入れられるか、今やるべきか、自社の文化に合うか、を全く考えずに単純な運搬工に徹する人がいる。
Bトップが消化できていない言葉は、まず社内に伝わらない。浸透しない。これは肝に銘じておくべき事である。まずは、その骨子と共に、具体的には何を指しているか、具体的にどうするかということがトップが理解できていないと、受け入れる社内は混乱するだけである。
Cトップに新しい言葉を覚えさせ、導入させようと企む業界も存在する。コンサルタント業界やIT業界が多い。まんまと、これに乗せられるトップがいる。(別段、IT業界が悪いとは思っていません。ちゃんと聞けば良いことを言っているし、必要なことでもあると思います。しかし、それを自社に対して吟味できない人が悪いです)
D結果としてCSを導入してもダメだ、我が社はやったが何も効果は出なかった、却って雰囲気が悪くなった、というケースも出る。しかし、決してCSが悪い訳じゃない。
トップ未消化のものを社内に導入しようとしても、全社が混乱するだけです。ちゃんと吟味して導入すべきです。色々な情報を吸収することは必要としても、自分の頭で考え、自社に対して吟味でき、それをシンプルに表現できる力量が必要とされているのです。
入江 淳一(IDC)