部分最適:『部門間の不信感』             02/01/01            BACK

 サプライチェーンマネジメント(SCM)は全社での全体最適化を目指すものです。しかし、現実には社内の様々な部門間で、不信感の固まりになっている企業が多いです。

■ 部門間の不信感とは

@営業部門は生産部門が完了する納期を信頼せず、さばを読んだ短い納期で工場に依頼する。そういう依頼をして始めて、顧客の要望する納期に間に合うことになる。
A生産部門は営業部門の受注見込みを信頼せず、自部門で独自の需要予測を別個に行う。しかし、経営会議等での議論の元は主管部門である営業が弾いた予測に基づき行われる。本音と建て前が完全にずれている。
B資材部門は、生産部門の設定した生産計画を信頼せず、急に原材料が必要になっても良いように、予め多少多めに発注しておく。或いは在庫を多めに持っておく。
C物流部門は、入荷予定や出荷量の予測を信頼せず、作業員を多めに手当しておく。どんな要求が物流部門に来ても、それを所定の時間までに終了できなかったら、それは物流部門の責任になる。

不信感の源は、自分の仕事をちゃんとやろうという責任感なのです。しかし、自部門の論理で一所懸命にやればやるほど全体としては不効率になってゆくのです。

■ 不信感解消の為に

@部門の役割が明確になっていること。
A部門間へ必要な情報がタイムリーに渡ること。
B情報の精度が高くなければならない。実態とかけ離れた数値を渡すと大混乱する。
C各部門で、計画に対してある程度で仕事を処理することができること。業務遂行能力が高くないと、情報の共有化を果たしても効果は薄い。
D部門間の業際業務については、業務処理基準が明確になっていること。決して押しつけ合ってはならない。仕事が先にあり、それを円滑に遂行する為に部門があるのである。
E全体最適化という全体指標をまず設定し、それをブレークダウンする部門の指標に基づき、定期的に監視すること。

部門間の不信感は熱心の表れです。しかし、あまり長くこの現象を放って置くと、会社の体質として定着して行きますので、注意が必要なのです。SCMとはこれらを着実に構築して行くことに他ならないのです。

                           入江 淳一(IDC)