SCM以前:『コスト対効果による意思決定』            02/01/27         BACK

サプライチェーンマネジメント(SCM)には情報システムは必須のツールです。情報システムがSCMの主役では決してありませんが、全く使わないわけにはいきません。しかし現実には、情報システム導入の意思決定を経営トップが行うことができない現象が起こっています。経営者は、従来通りの「コストと効果」により情報システム導入の是非を決めようとしています。

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情報システム導入をコスト対効果により判断する

@情報システム導入の狙いをコスト低減だけで評価する。業務や意思決定のスピードアップや顧客との関係が強化されることは評価しない。
A業務や意思決定のスピードアップや顧客との関係強化は、なかなかコスト換算できない。無理にやろうとも、少し追求されると根拠不足なのが露呈される。
B情報システムは経営や業務の方針を受けてから構築するものである。しかし、その前提となる方針が経営トップや業務サイドからでて来ない。それでも情報システムから効果を出すことを強要される。
C経営の姿を具体的に構想し、情報システムに対する要件を出せるトップならば、スピードや顧客とのつながりがどのような効果を生み出すかを認識している。その為、ここではコストという効果は要求しない。
D月次決算タイミングの早期化などは経営トップが求めるが、それによる金額効果は不明確のまま止めておく。自分が関係するテーマであればこういうことは認めても、人が関与するテーマには認めない。

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コスト対効果で判断することによる情報システム部門の被害

@情報システム導入を経営者に納得させるために不必要な資料作り等の時間が多大にかかりすぎる。
A情報システムとコスト効果を結びつけるのが無謀なテーマであるものもある、ということを知っているために、モラールが著しく低下する。
B経営の意思決定が遅れるために、情報システム導入のタイミングを逸し、業務を及び経営上の利益を逸すること。
C情報システム担当役員も経営トップの味方しかせず、本来のCIOの役割を果たす人が少ない。最近は役員室が経営上の大きな大きな障害になっている面もある。
D情報システムの効果を全てコスト等の金額換算するために、本来の狙いがゆがむことがある。コストを重視する方針で進まなければならなくなる。
E経営にとって必要なコスト以外の視点がおろそかになる。顧客の視点や、スピードの視点や、社員のスキルレベルの視点も大変に重要であるが、コストを重視するあまりこれらがおろそかになる。

最近ではIT構築の経営における役割は、大変大きくなっています。しかし自分が分からないというだけで、ITそのものに拒否反応を示している経営トップが大変に多く見られます。その結果がIT導入をコスト対効果はだけで判断するの人です。もうそういう時代ではないのですが・・・。

          入江 淳一(IDC)