部分最適:月末・月初型                 01/10/07         BACK

 月末や月初に取引が集中している業界があります。これがSCMのコンセプトからすると大いなる無駄となっています。今回は、企業間の取引慣習が部分最適になっている例を紹介しましょう。

■ 月末・月初型取引が発生する要因
@支払いは月に1回のタイミングで締めている。それを過ぎて発注すると、翌月の締め日までは同じ支払い期限である。この為に、締め日直後(月末・月初)に集中的に発注されることが多い。
A支払い期限が同じであれば在庫水準は多い方が良い。在庫を多くして顧客サービスを充実しようという慣習がある。
B在庫が完全に把握され、需要予測に基づいた在庫管理や発注がされていない。その為に在庫が多い方が良いという体質が消えていない。
C在庫を多く抱えていた時期が長年あり、在庫保管能力は充分にある。

メーカーと小売業の間を取り持つ卸業にこの傾向を持つ企業が多いようです。卸業の再編が進み、企業管理力が向上すればこの事態は減ってゆくと見込まれます。

■ 月末・月初型が及ぼす弊害
@月の半分である月末・月初に受注が集中する。
A受注通りにもの作りをすると、月末・月初は残業、その他は暇になる。
B月末・月初の需要を予測して見込生産を行うと、長期滞留在庫になる可能性がある。
C物流も月末・月初に集中し、それ以外の稼働率が低くなる。

最終需要者には月末・月初に需要量が増大するということは全くはありません。また、メーカーや物流業者にとっても月末・月初の需要集中は多大なコスト増大になります。SCMの基本コンセプトである実需に従い仕事することは業界を挙げたコスト低減になり、ひいては最終需要者に低価格で提供できることになるのです。

                                        入江 淳一