SCM以前:『押し込み販売』 01/12/01 BACK
サプライチェーンマネジメント(SCM)を実現する障害は、POSデータが集まらない等の企業間連携における障害だけではありません。メーカー自体が市場の需要を無視した「押し込み」を行うという大きな障害もまだ残っています。
■ 押し込み販売の原因
@今月の売上目標を達成する為に担当者は必死で行い、上司は部門目標達成の為に目をつぶる。
A経営トップもかつて自分達がやってきたことは認識しているが、敢えて触れない。
Bトップは売上や利益目標を指示し、その内容や実現方策には敢えて触れない。責任はトップではなく、担当者にある。この為、従来慣習がいつまで経っても改まらない。
C押し込み販売と販売支援金によるメーカーと卸業の保たれ合い。
■ 押し込み販売の弊害
@流通在庫が増える。流通業者(卸業)が余分な在庫を抱える。
A実需が見えず、市場の動きが見えない。自社からの出荷情報の意味が不明確になる。
B返品も増加する。返品に関する不必要コストが発生する。
C市場に即した企業活動を行うことができない。市場とリンクすることが困難になる。
■ 押し込み販売の解消策
@押し込み販売は禁止、というトップ方針が絶対に必要である。一時的な痛みを伴っても構造改革を進める使命感が必要である。
A押し込み販売を定期的監視するモニター指標が必要である。営業担当者毎の返品や、担当卸の在庫水準等を評価制度の中に組み入れなければならない。
B自社と卸業の間で、互いの利益の為に押し込み販売をやらない・受けない方針を明確にし、受注・発注基準によるプロセスを明確にする。
右肩上がりの時、販路拡大を狙ってメーカーと卸業が協業を行った慣習が押し込み販売です。そして、既に前時代的なやり方になっています。市場を無視して「売る」から、「売れる」への脱皮を図ることが必要なのです。市場環境が変われば、従来の最善策も悪しき慣習になる例です。
入江
淳一(IDC)