部分最適:『生産性管理』 02/02/17 BACK
メーカーは生産性という指標で管理されている企業がほとんどです。しかし、それが全体最適の弊害になっているケースが多々見られるようになっています。以前はこの指標で管理されても、それが全体最適だったのです。
■ 生産性管理とは
@入力資源に対する出力を比較するもの。出力を増やすか、入力を減らすことで、生産性が向上することになる。
A工場やラインや工程での、単位時間当たりの出来高を指標として管理すること。
B事務業務においては、投入人員や所要時間が入力資源となる。対して、出力は仕事の量となる。
Cこの生産性指標を各部門で設定し、それを向上することを目的にして課題を推進し、それにより部門評価を行う管理方式が生産性管理である。
■ 生産性管理の弊害
@ある工程が生産性を上げようとすると、作りやすいものを、まとめて、作ることにつながってゆく。設備所要時間が短い品目を作ると出来高が上がる。段取りを行わなず、大ロットで作ると、段取替えロスが少なく、出来高が多くなることになる。
A市場ニーズからいくと、必要なものを必要な量だけ必要な時に作る(JIT)ということになる。しかし、これをやると生産性は落ちることになる。会社は、JITと共に相反する生産性を同時に方針として出している場合がある。
B相反するJITと生産性を求められると、自部門の直接評価される指標に誘導される行動を取る。在庫や顧客という指標は、ラインや工場全体の指標であるため、一部門に対する強制力は弱い。対して、生産性指標は部門別に明確に出る。その為、全体最適指標は見向きもされないようになる。
Cまとめて作ると、その分次工程の前に仕掛在庫が溜まることになる。生産性という部分指標は上がっても、顧客対応力や在庫という会社全体の指標が落ちることになる。
D80年代までは売り手市場と見て良い。その時期には、在庫や顧客対応で管理するよりも、売れるのが前提ということで生産性で管理した方が会社の利益に貢献した。その時期に育った人は、自分の生産性管理が却って会社の利益に反していることを気づかない人が多い。
生産性管理が全て悪ではありません。しかし、まずリードタイムや顧客対応や在庫という全体指標が合って、それを満足した上で部門別の生産性で管理するという、指標の優先度が必要なのです。それに合わせて行動則を徹底することが必要になるのです。
入江 淳一(IDC)