部分最適:『作らない工場』 01/09/16 BACK
責任や評価は、全社の方向を形成する力を持っています。社員は責任や評価に基づき行動して行きます。そして、工場は通常損益責任を持っています。しかし、その責任が弊害を起こしている場合もあります。今回は部分最適として、工場の損益責任に関することを解説しましょう。
■ 作る工場が損益を出す
@作れば作るほど生産効率は向上します。まとめて作れば生産性は向上します。
A期末に製品在庫を多く保持していると、現在の財務会計制度からするとそれだけ利益が出ることになります。
B市場に合わせ、短納期や小ロット生産や需要変動に対応しようとすると期末在庫は減り、生産性を落とし、それだけ本来の工場損益責任を悪化させることになるのです。
C工場は市場を無視して効率良く作り、在庫を多数持ち、在庫が残るのは営業が売らないのが悪いとうそぶいていれば、責任・評価の点からは最高点を得ることができるのです。
このような弊害を及ぼす工場や、この観点での評価を残している企業がまだあります。
■ 作らない工場を目指す
それでは本来の工場の役割は何でしょうか。それは次のことです。
@需要に合わせて必要時にだけ、必要量を作ること。適時・適量・適品です。このような生産体制を実現することです。
A仕事量は通常変動します。仕事量に合わせて工場の能力を調整することです。設備の稼働や人員を仕事量に合わせることです。
B仕事がない場合は、作らないことです。そのような時には、前向きな改善業務を用意して置かねばなりません。
C自力で工場損益責任を達成するのに、営業から仕事を待つ受け身ばかりでは解決になりません。工場側で操業度を維持するための営業活動を始める企業も出てきています。個営業の小規模受注を待つよりも、OEM等の大型案件交渉を工場が開始しています。
このように工場損益責任は使い方次第で悪用される弊害にもなります。前向き活動のエネルギーにもなります。だからこそ責任・評価は有力な武器になるのです。
入江
淳一(IDC)