部分最適:『予算重視型』                  01/09/29      BACK

サプライチェーンマネジメント(SCM)は市場対応を目的とします。しかし、現状では市場対応から大きく外れた運用をしている企業があります。それは予算重視型ということです。市場の需要動向に留意せず、予算を重視した運用を行っているということです。

予算重視型とは
@来期予算を作るのは経営管理上必要です。しかし、必要以上に予算作りに労力を注いでいる場合です。全商品単品毎の詳細な予算を多大な労力を使って作っている企業がありました。
A調達リードタイムや生産リードタイムが長いものをその時の需要性から判断するのでなく、期初に設定した予算に基づき発注する場合です。販売部門でリードタイム分の先の需要予測を行わない場合に予算を使って発注する場合もあります。
B期初の予算に基づき最も生産効率が良いように生産し、生産効率が高いことで社内から評価させる場合です。

予算はあくまで期初に設定した予想です。その期初に予想したものがそのまま当たるとは限りません(当てることは難しいです)。定期的に需要を見直い、それに基づき発注や生産を行うべきなのです。

何故予算重視型になるのか
@売り手市場の時代には、予算を目標にして管理を行っていました。その時代の仕事のやり方がそのまま制度として定着しているのです。特にベテランの人は、過去の売り手市場の成功体験が抜けないのです。
A予算に基づく発注や生産をやる方が楽なんです。発注数量が予算で確定すると、取引先との人間関係を作りやすいのです。
B販売予算があり、それに基づいた生産や調達予算があります。そして、予算に基づき生産や調達しても、それを予算通り売らなかった販売部門が悪いという大義名分があるのです。

SCMは市場に合わせた運用をすることです。しかし、予算重視型は社内の事情に基づいて動きます。SCMを進めることは単なるITの活用ではなく、企業分野及び業務を市場対応型に変えることなのです。

                                     入江 淳一