部分最適:『全社最適の議論ができない』 02/09/16 BACK
サプライチェーンマネジメント(SCM)はまず全社最適の議論が必要です。しかし、実際の企業では、なかなか全体最適の視点からの議論ができていないようです。
■ 全体最適の議論ができない、とは
@議論参加者が自分の部門の利益代表になってしまい、全社の利益よりは自部門の利益だけを主張する。
A自分の都合で、他部門に対する要望だけに固執する。主張内容は、自部門が他部門の如何に被害者になっているかだけを繰り返す。
B部門毎の意見調整だけに終始し、事業全体がどのような姿になり、どういう方向に行くべきかの議論に行かない。
C自社の本来の議論である「顧客」という観点が全く入らない。自部門だけが発想の起点になっている。
その原因としては、次のことが挙げられます。
@会社が大きすぎて、全体を見回すことができない。会社の特定部門だけでしか生きてなかった人に、いきなり全社的な視点を持てと言う方がそもそも無理がある。
A顧客に接したり、社外に出ることがなく、従来通り中の都合を主張していけば、その中で多少改善さえしておけば良い、という認識を持っている人がいる。
B会社に入るということは、会社の指示を受けて行動することである。という考えで率先して自分で考えることができない人がいる。
C全体最適という言葉だけでは、何を目指すのかが全く不明であり、その為に各人が自分の意見を主張するだけに終わってしまう。
D全体最適という評価指標がない。感覚的なものであるために、意見の言い合いだけに終始してしまう。
■ 全体最適の議論を行う為には
@部門代表でなく、全社の視点から議論するように、議論の前提を置く。
A部門代表の視点から脱却できない人は議論に出さない。
B前向きな議論ができても全体最適な姿は時間がかかる。初めからある程度時間を想定しておく。
C市場環境や自社の置かれている状況や、自社の問題点を客観的に把握し、一歩づつ共有化していく。
Dいきなり詳細なことを議論するのでなく、今後の基本方針等の考え方から意見の共有化を図って行く。
E常日頃から、議論をする訓練をしておく。研修やプロジェクト等で会社の全体最適な姿を出す等の議論を行うべきである。
F議論を発展的に結論付ける為には、やはり方針が途中段階において出されなければならない。会社をどういう方向に進ませるかの基本方針がないと、議論が発散してしまう。
既に社内の問題を解決すれば、利益が取れるという時代は終わっています。企業は如何に環境や顧客に価値を提供して行くかが存在基盤です。その為に顧客等に如何に適用し、その為に全社がどう動くかを舵取りして行かねばならないのです。企業の全社最適の姿を常に模索して行かねばならないのです。
入江 淳一(IDC)