SCMの構築:『2つの物流』          01/09/01        BACK

物流の重要性が増しています。物流のアウトソーシングや提案が必要とされています。しかし、物流業界では提案はまだ一般化していません。この理由の1つに、物流には2種類があり、どちらから物流を見るかで発想が全く異なるということが挙げられます。

■ 業者の物流
まず、物流作業を請け負う「業者の物流」が1つ目です。これには次のような特徴があります。
@ 荷役・配送等の物流作業をまず円滑に行うことを狙いとしています。物量の変動や急な荷が発生したときも我社にお任せ下さい、ということを荷主に訴求しています。
A 荷役・配送の作業を効率的に行うことを狙いとしています。作業を効率的に行う為の要望を荷主側に出すことも多いです。
B 物流作業をより低価格(低コスト?)で行う価格競争が、競争の主体です。

■ 荷主の物流
2つ目は「荷主の物流」です。物流作業は物流業者に任せることが多く、作業以外の物流管理を行っています。これには次の特徴があります。
@ 顧客との関係を、物流を通して実現することに狙いがあります。
A 受注に対する責任として、物流品質に留意しています。このため業者管理を重視しています。
B 顧客へのサービスレベルと物流コストというトレードオフからロジスティクスを構想構想しています。
C メーカー全社の中の物流機能として、生産や受注や設計に対して全社最適化を提案して行くことが役割です。
D 物流サービスメニューを適正なコストで全社に提供することに留意しています。
E 競合企業や顧客との物流共同化を睨みながら、数年先までの物流を構想しています。

このようにスタンスが異なれば留意することは異なります。最近は3PLと言う言葉が流行していますが、あくまで「業者の物流」を一括して受けたいという供給者側の論理であり、荷主の物流を代行するという顧客側に立った内容は(まだ)聞こえてきません。

             入江 淳一 イノベーションデザインコンサルティング(IDC)