SCM構築:『物流コストの評価』            02/07/21         BACK

 物流コストが話題を集めています。メーカーや流通業にとってまだまだ改善の目が残っており、同時に顧客サービスに直面している領域だからです。しかし、物流コスト水準の妥当性はどうして判断されるのでしょうか?通常経営者は「物流コスト/売上高」で判断していますが、これで物流管理ができるのでしょうか?

■ 「物流コスト/売上高」の弊害

@物流コスト/売上高では、物流管理の結果が正確に反映されない。むしろ偶然性に左右される。物流部門はこれで評価されても意味がない。
A売上は景気等に左右される。しかし、物流コストはセンターコストを中心にして固定費部分が多い。
B売上は横這いでも、内容的には販売単価が下がり、量が増えることで結果的に横這いになているに過ぎない場合がある。しかし、この場合は量が増える為に、物流コストはその分だけかかることになる。
C売上は横這いでも、販売単価が高い新商品が出た場合や、単価が高い商品の売上比率が高くなった場合は、物流コストは相対的に低くなる。
D偶然性に基づいた管理や評価をされても、物流管理の力は決してつかない。

■ 物量で物流管理する

@物流部門は、「物流コスト/物量」で管理すべきである。物量という物流管理指標を機軸にして管理することで責任を明確にするべきである。
A経営者は「物流コスト/売上高」で許容水準を設定するが、これを達成する為の「物流コスト/物量」水準を物流部門の目標として設定すべきなのである。
B物量は、重量・容量・数量の中で最も物流コスト発生の実態に近い指標を使うべきである。
C物量という機軸を持つことで、物流を定量的な管理で行うことができるようになる。

部門の努力が反映する管理指標・評価指標を設定することは、経営管理の重点です。これが軽視されると、管理・評価そのものが意味をなさなくなります。今回の物量のように、従来は把握できなかった指標が、ITの発達により管理できる指標になってきたのです。

            入江 淳一(IDC)