SCM構築:『e調達のウソ』                02/01/20          BACK

 最近は「e調達」の話題がマスコミから消えました。2年前の上半期には、eマーケットプレイスやe調達が華々しく持ち上げられていました。以前程の話題性はなく、e調達は定着しつつあるのかもしれませんが、未だにウソが多いのも事実です。

1.MRO(事務消耗品、修理部品等)の一部調達品だけを対象としているものが多い。しかし、MROは全調達品の内の何%を占めるのか?

2.効果のポイントとして業務コストを重点にしているものが多い。しかし、調達コストのほとんどは調達品コストである。業務コストは全調達コストの何%を占めるのか?

3.コスト低減以外に効果はあるのか?調達リードタイム短縮や、在庫を下げる効果はあるのか?

4.調達品は通常多岐に渡る。しかし、特定のネット調達サイトから調達できない。取扱商品が限定されている。

5.e調達は仕様が標準化されている電子部品等にしか使えない。メカ部品にはほとんど効果はない。

6.日本では、調達力がある企業ならばeマーケットプレイスから購入するよりも、年間で価格を決める方が安い。

7.調達力がある企業(日本No1企業)ならば、その調達価格を2番手以下と同じでは買わない。自社の調達網を他社に開放はしない。その為マーケットプレイスは普及しにくい。

8.eマーケットプレイスにはオークション・逆オークション・エクスチェンジ等の機能があるというが、実際の売買にはどれほど使う機会があるのか?これらの機能は取引の必要性から出た機能ではなく、ITから出たシーズ型機能ではないのか?

9.EDIは1対1だからダメで、eマーケットプレイスは複数を相手にするので進んでいる。1対1は古い。n対mは新しい。これはIT技術面を基準にした表現であるが、実際の利用価値を無視している。既に構築済みのEDIは重要部品等の電子商取引にはすごく威力を発揮する。

IT業界やマスコミは、不充分な情報で利用者に誤解させることで成り立ってきたように感じます。もちろん、彼らは調達の専門家ではないので、知識が不足していることも事実である。しかし、ユーザーは急激にレベルアップしています。マスコミのこういう姿勢には気が付いて来ているようです。

                       入江 淳一(IDC)