SCM構築:『IEとIT』 01/10/29 BACK
サプライチェーンマネジメント(SCM)はIT(情報技術)の産物と見られています。ITが華やかに主張しています。しかし、SCMを実現させる為にはITだけでは不可能です。過去に流行し、最近はあまり話題にならないIE(Industrial
Engineering)にも強くないと効果が出るSCMは作れないのです。
■ SCMにはIEも必要である
@メーカーSCMの主要課題はバケットの短縮化である。月次単位で運用していたものを週次単位等の細分化に変えて行くことが最重要課題である。
A週次単位で必要な製品・数量を作る為には、製造設備の段取時間短縮が必要である。これが充分でないと設備稼働率が悪化し、工場出来高が大幅に低下する。
B生産計画の通りに製造するには、設備・人・部品の安定性が欠かせない。小人化や設備停機率に関しては、IEやTPM等の従来技術が必要となる。
SCMの第一歩は旧来技術であるIEです。これがないと工場の生産性は決して向上しません。IEとITの両方が必要なのです。しかし、IEの技術を重視し、ノウハウ伝承されている企業とそうでない企業とに2極分化しているように感じます。
■ 日本はITに片寄りすぎている
@日本ではIE等の旧来技術が軽視されてきた。高度成長時代の先端技術であるIEを重視した世代は最近のITに弱く、逆に最近の若い人はITだけを重視している。本来は両方が必要なのである。
A日本ではIEは高度成長時代に流行した。ITは近年に流行した。過去の高度成長時代の成功体験がITを軽視し、その反動からか若い人は逆にITだけにのめり込んでいる。
B先進国になろうとして懸命に努力している中国は、IEとITを両方とも受け入れて身に付けようとしている。両方に強い人材が続々と育ってきている。日本はIEとITの総合力でもはや勝つことはできなくなるであろう。
過去の成功体験から脱皮することは大変なことです。しかし、それを行わねば、日本の将来はないのです。SCM解説本等の流行に惑わされず、重要なものは何かを自分で考えることが必要なのです。
入江 淳一(IDC)