リスクマネジメント:『企業間の在庫』 02/02/24 BACK
サプライチェーンマネジメント(SCM)は連続した企業間で、全体最適を目指すものです。全体最適とは、現実の会社は違ってもあたかも1つの会社の如くに共通の利益を追求するものということです。より市場に近いA社と供給側のB社を例にして説明しましょう。
■ 企業間の在庫の要素
@A社から受注時の欠品率設定により、B社の在庫基準は大きく異なる。需要バラツキに対する予防処置が在庫である。
A需要の見込みが精度良く入手できていれば、A社及びB社の在庫リスクは小さくて済む。
BA社とB社の在庫はトータルで見るべきである。A社が在庫を少なくして、その分B社に負担させても全体で見ると意味がない。一方的な在庫押しつけをやってもトータル在庫は変わらない。
■ 企業間で行うべき「在庫」というリスク
@A社とB社は受注時の欠品率において共同の基準を持つべきである。B社がA社の逆鱗に触れないように一方的な在庫サービスを行うことは全体最適に反することである。
AA社は市場に関する全ての情報(特売等)をB社に提供すると共に、共同で需要予測を行っても良い。これには、需要予測は共通の行動指針であることと、同じ業務を別々に分かれてやることはムダという意味がある。
BA社の在庫を最適化するために、B社はサポートをしなければならない。在庫はより上流のB社で持つ方が効率的である。しかし、その為に過度の多頻度配送でトータルコストがマイナスになってはならない。納入頻度やロット、納入日時は互いの効率を留意して設定されなければならない。
企業間を超えて全体最適化を目指すことがSCMであり、やっとそれが標榜させるようになりました。しかし、その内実は一部のデータ共有がやっと始まったというレベルでしょう。本来は在庫リスクを通して、両者の方針・基準を設定してゆくことなのです。
入江 淳一(IDC)