SCM構築:『リスクをビジネスにする』 02/06/23 BACK
サプライチェーンマネジメント(SCM)はリスクマネジメントである、と言えます。リスクの集大成が在庫ですが、その在庫をできるだけ上流へシフトしようとします。そのリスクが新たなビジネスになってゆくのです。
■ 在庫リスクの上流シフト
@在庫は製造リードタイム・製造品質等の実力と、需要変動に対するリスクの結果である。
A在庫は製品よりも仕掛品、それよりも部品で持つ方にシフトする。さらに、部品調達先から素早く入手するようにして、自社には極力置きたくないように移る。
Bここで部品提供企業にリスクが発生する。
■ リスクをビジネスにする
@部品在庫リスクを部品提供企業に肩代わりさせようとしている。これはそこだけ見れば、危機である。
Aしかし、そのリスクを定量化できれば、それで取引条件は変わる。購入側のリスク負担減を定量化すれば、そのリスクを取引価格に乗せることは議論できる。リスクは従来は在庫として財務諸表に載っていた。それを軽減する取引方法を持ちかければ、それは取引価格の再設定として議論できるはずである。(リスクに対して金を払うという習慣は、今後は付いて来る。)
B1社の購入側企業とだけ相対していると、自社にリスクを押し付けられたと見られる。しかし、そのような複数の購入側企業のリスクを負えば、自社のリスクはその分軽減される。自社が取り扱う製品(同じ製品)を複数企業に提供する場合、相手企業のリスクを肩代わりしても、リスクは軽くなる。
Cビジネスモデルを全てリスクという観点から捉えて、取引先のリスクを軽減する為の運用形態を提供することはビジネスになるはずである。また、自社のリスクを下げる観点から複数取引先を意図的に拡充するというリスク視点のビジネスモデルができるはずである。
日本では安全にお金は払いません。ということはリスクにもお金は払いません。しかし、現実にはリスクと相対して事業運営を行っていますし、コスト・焦げ付きは発生しています。今後はリスクを定量化し説明すれば、それが取引条件を覆す可能性もあります。リスクの観点からモデルを創るのも、重要な一手法でしょう。
入江 淳一(IDC)