SCM構築:『リスクの上流へのシフト』 02/04/20 BACK
サプライチェーンマネジメント(SCM)はリスクマネジメントと言うこともできます。需要と供給とのギャップ(量・タイミング)を如何になくすか、その対応で発生するリスクを如何に少なくするかということです。その対応策に、リスクを上流の方向へ移して行くことがあります。
■ 社内でのリスクの上流シフト
@製品よりは半製品、半製品よりは部品・原料がリスクが少ない。バラエティが小さく、加工度が少ないためコストも発生していない。これを社内でのリスク上流シフトという。
Aこれを実現する為には、よりリスクの少ない半製品・部品から必要時に速やかに製品に変えるスピードが必要になる。
B仕掛かりというノンコントロール状態ではなく、形態・量を明確に定義したコントロール状態の半製品管理が必要である。
Cリスクの根元である部品の、在庫する量・発注する量・見込発注のリスク・調達リードタイム・緊急調達先開拓を明確にして、如何に全社のリスクを減らし、スピードを向上するかを作り込まねばならない。
Dリスクの根元である部品の、部品共通化と共に改訂管理の厳密実施を実現しなければならない。
上記は社内でのリスクシフトであるが、部品さえも自社に持つ必要はなく、必要時は調達すればよいと考えるのが、リスクの企業間上流シフトである。
■ 企業間でのリスクの上流シフト
@自社で部品を持つのも、これはリスクである。できるだけ、このリスクを企業間協力で減らせるようにしたい。
A必要な部品が直ぐに調達できれば、自社では部品在庫として保持する必要はない。
B部品ベンダーが迅速に提供する為には、販売先(自社)の生産計画情報・在庫情報等が必要である。情報共有化が最大の効果をもたらす。
C部品ベンダーは同様の製品(自社から見ると部品)を他社にも提供しているとすると、できるだけ共通部品に合わせて貰えば、リードタイムは短縮化され、在庫リスクも減ってくる。
Dこれを実現する為には、部品ベンダーを集約化して任せる等の処置が必要になる。
このように、企業間でリスクをできるだけ上流へシフトできれば、企業間合計のコスト・在庫は減るでしょう。こういう企業関係を作るのがSCMです。
また、部品リスクを負わされると考えるネガティブ企業と、リスク集約を新しいビジネスチャンスとしてポジティブに捉える企業に分かれるでしょう。部品提供をうまく行うことで企業間の姿が変わって来るのです。
入江 淳一(IDC)