SCM構築:『SCMの組織』               04/02/29           BACK

 サプライチェーンマネジメント(SCM)を実現する組織とは、どのようなモノでしょうか。それは需給を少人数で一元的コントロールする部門横断的な組織です。


■ SCMセンター

@どのような姿になることがSCMだろうか。変化する・予期しにくい市場に対して、売れるモノを・売れるだけ作る、何が売れるかを俊敏に判断し、都度決定してゆく組織である。売れると予想されなければ計画を変更する組織である。調達企業側にも俊敏な動きを強い、そこでトラブルが発生したら、最適な対応を図る組織である。その結果を関係者に迅速に伝達し、全社的対応を指揮する組織である。これができないと、顧客不満足・死蔵在庫を作り出す会社になってしまう。

Aこの役割を果たす組織がSCMセンターである。販売・在庫・生産の現在の実情を把握し、早いタイミングで・少しでも最適な判断を・迅速に行うのである。そして、生産や物流に指示し、社外に対し統一した行動を指揮するのである。

BSCMセンターがこの役割を果たすためには、全社の状況が情報システムを通じて迅速・容易・精度よく入手できることが前提条件である。さらに社外情報もこの管理の中に組み入れたい。販売チャネルの実需情報や、調達先の在庫等である。


■ SCMセンターと従来組織との違い

@SCMセンターは、生産・発注・物流に対し先の粗計画に基づき準備を行わせ、実際の市場の動きに直近の計画を確定してゆく。生産・発注・物流という全社オペレーションのコントロールをする組織であり、在庫・生産・売上という大きな責任を持つ。

A従来は、部門横断的に計画を立てる一元管理部門はなかった。販売・生産・発注・物流という部門は、各々上流業務の計画を基にして計画立案していた。しかし、このやり方では計画策定サイクルが長くなり、市場変動に対し増産・減産という緊急対応が取れない。

BSCMセンターではイチイチ会議によって決定しない。会議を開かねばならないのでは意志決定が遅くなるし、責任の所在が不明確になりやすい。少数の人で最適な判断ができるように、使う情報と判断ルールを予め決めておく。判断ルールの是非が売上・在庫に直結するのである。少人数で決定権限を持つために、判断力に優れた人を集め・管理階層をなくし・副社長等経営上層部直轄とする。

C生産・在庫・物流部門は、SCMセンターからの指示に従い実施する。そうなると部門の管理者の役割は何になるのだろうか。何を・いつ・いくつ作る、は指示される。その為、設備・人員の稼働率責任は持てなくなる。コスト厳守責任も持てなくなる。必要な時に・トラブルなく・必要数量を作れるような柔軟性のある状態にすることが管理者の役割になる。設備の予防保全や人の柔軟対応多能工化や、コスト低減の為には直接費を減らすことが役割になる。そして、よりスピードアップした生産や調達方式を構築することが部門管理者の役割になる。これを推進するために、管理階層を減らし責任を明確にした組織にすべきである。

DSCMとは、生産性という内部都合の計画から、顧客起点という適時・適品・適量の引取方式に、パラダイムチェンジすることである。月次計画よりも、週次・日次計画で市場変化対応に全社を統一することである。


SCMは自社都合から市場対応の運営に姿を変えて行くことです。それを実施するためには、現場の力量をベースにした全社コントロールを指揮する組織が必要です。従来とは組織の姿も変わり、役割も変わります。何故変わらなければならないか、を全社共通認識することがSCMのスタートです。

                                                  入江 淳一(IDC)