リスクマネジメント:『生産リソース』           02/03/03        BACK

 サプライチェーンマネジメント(SCM)は、企業の枠内を超えて全体最適化を目指すことです。企業間で最適化を追求する為には、どうしても深い関係を創り上げなければなりません。その為には生産リソースのリスクも共同で管理して行かねばなりません。

■ 発注先(A社)と納入先(B社)との関係

 A社とB社が共同で、A社の顧客に共同で良い供給を行う為には、次のことが必要になります。
@B社はA社の優先度が高く、最重要な顧客になっている。A社にとってもB社は重要なパートナーになっている。
AA社はB社との間でトータルコストが低くなるような運用を共同で構築している。中期・短期の生産計画情報を提供することや、標準のB社リードタイムの共通認識や、需要変動に対する生産計画変更の幅の共同設定等も行っている。
BB社の生産リソースには設備・人がある。この稼働率をある一定以上に上げないと、B社では赤字になる。A社はB社のリソースをある程度借りる契約を予め行っている。これがなく、A社からの仕事量が大きく変動するならば、B社としてはA社からの仕事の納期はその時々の負荷状況によると返答せざるをえない。
CA社が特別な部品を作って欲しい、B社に特別な加工をして欲しい、B社で特別なユニット組立をして欲しい、これらの要求があった場合は、B社としては設備・人に対する投資や教育が必要になる。

■ 共同で管理すべきB社の生産リソース

@B社の生産リソース(設備、人)はA社との共同管理を行わないと、負荷状況をコントロールし、その中で一定の安定した納期設定をすることは難しい。
AA社とB社のしくみの中で、情報共有と共に、標準リードタイムや在庫基準等の共通ルールを設定しておかないと、連携を持った運用は難しい。
BA社からの要請がB社の設備投資等につながることは、B社にとってリスクがある。この追加分を優先的に活用した企業連携を行いたい場合は、A社にも連携責任があると認識される。この場合、A社とB社で方針を共有しあい、目的が一致しないと互いの最適化に結びつきたい。

SCM(企業連携)は言葉では大変に素晴らしい概念です。しかし、右肩上がりの企業環境と違い、横這い&大波の環境下ではなかなか安定したつき合いを維持することは困難なのかもしれません。或いは、メーカーNo1と小売業No1とのつき合いや、大メーカーと中小メーカーの連携では安定した関係ができるかもしれませんが、同レベル企業では難しくなるかもしれません。自社を武器を最大限に発揮し、顧客満足を実現する道筋を追求して行きましょう。

            入江 淳一(IDC)