SCM構築:『集中購買』 02/05/28 BACK
最近は集中購買が盛んに進められています。日産のゴーン革命から有名になりましたが、それ以前から進めていた企業はたくさんあります。この集中購買は、サプライチェーンマネジメント(SCM)には大きな関連があるのです。
■ 集中購買とは
調達を集約化して、絞込みによる量的効果を出そうという考えであり、次の3ケースがあります。
@調達品目を集約化して、1品目当りの購入量を増やし、購入単価低減と業務効率化を目指す。
A調達先を集約化して、1取引先毎の取引量を上げることで交渉を有利にし、取引先の量を背景にしたコストメリットを生かすという考えである。
B調達拠点を集約化し、同じ取引先との交渉は代表窓口で集中して行い、納入先をそれぞれの拠点にするという考えである。拠点が多ければ交渉メリットは大きい。
■ 集中購買がSCMに及ぼす影響(自社が調達する場合)
@全ての調達先と満遍なく深いシステム連携はできない。集中購買により選び残った取引先だけと、システム連携(SCM)を進めることになる。
A集中購買から入っても、次には両者の効率化・コストメリットを求めてシステム連携に行く。集中購買の先にはSCMが待っていることになる。
BSCMを進めると、調達のコストメリット・業務効率化の為に集中購買を行う。そして、調達品の層別化された一部調達品は取引先とシステム連携に入る。SCMからはじめても、集中購買は必然の流れになってくる。
C部品のコスト低減から入っても、プロセスによる効率化から入っても、結論は集中購買&SCMになる。この両者を進めなければ、競争力は出てこないであろう。
■ 集中購買がSCMに及ぼす影響(自社が納める場合)
@自社が顧客とコラボレーションを望み、深いシステム連携を行おうとしても、それはあくまで自社の言い分に過ぎない。顧客側から見ると、メリットがないと進めない。
A顧客側は集中購買を行い、取引先を集約してから深いシステム連携をはじめるようになる。従来の取引関係を一旦整理・清算してからでないと、コラボレーションははじめられない。
B顧客側は調達部品を層別化し、限定された狭い取引先と深いシステム連携を行う場合と、どこからでも調達できるものを広くWeb調達で行う場合に分かれる。自社は自社の製品特性から考えて、どちらが望むべき姿かを見極めないといけない。
SCMと集中購買は両面併せ持った方向です。今後は集中購買が加速し、少数企業だけが(ますます)勝ち組みとして明確になるでしょう。SCMとは決して全員にとっての理想論ではありません。競争に勝ち残った企業同士が、効果的につながればより強力な関係になるのです。一部企業には悲惨な結果になっても、それが顧客の為になるのです。
入江 淳一(IDC)