SCM構築:『バラエティの廃止』              03/01/18            BACK

サプライチェーンマネジメント(SCM)では、バラエティの管理が重要な成功要素になります。これにより、同業界の競合他社との収益の差が付いて行きます。

■ バラエティとは

@製品の多品種を言う。製品開発時点は大いなる期待を持って開発されたはずだが、受注が少ない・利益が少ない、しかし切り捨てる決断が付かない場合に発生してくる。このいたずらに多品種・多仕様がバラエティとなる。
A部品の多品種を言う。製品を開発する時にコスト・共通化の観点から真剣に部品を決めたはずだが、結果的に共通部品を使われていない場合は多い。これも部品におけるバラエティになる。

■ バラエティとコスト

バラエティは全てコストとなって跳ね返る。なかなか計算が難しいが、感覚的には膨大なコストになっていることは想像できる。
@製品が多品種の場合、製品毎に売りが分散され、個々製品は小ロットになる。多品種少量になると、生産効率が落ちる。在庫ロケーションも分け、別々にピッキング・出荷し、在庫管理も大変になる。これは全てコストになる。
A製品種類を増やせば、その分売上が上がるのは、類似製品じゃない場合だけである。類似品の場合は、営業の売り込みも重複することにより、セールスポイントを互いに打ち消し合うことになる。バラエティを減らし、販売方針を明確にすれば売上は上がってくる場合が多い。
B部品のアイテム種類は、そのまま組立時の部品欠品になる。また、1部品毎の量が少なくなるためバイイングパワーが小さくなり、1単位毎の購入価格が高くなり、管理工数が増え、在庫増につながる。部品種類はコストに大きな悪影響を及ぼす。
Cしかし、製品を絞ることはその分だけ売上が減るという脅しを営業から受けて、なかなか絞るに踏み切れない企業が多い。

■ 最適なバラエティ管理

@バラエティ毎の全てのコストを算出しようとする企業もある。製品別の直接費だけでなく、製造間接費を配賦計算し、物流直接費だけでなく物流間接費や営業費用も算出しようとした。
AABCは業務アクティビティ毎にドライバを設定し、製品毎に費用集計することができる。しかし、膨大な計算を行う割には、その活用(ABM)は不明確であり、あまり進められた例を聞かない。決してコストは計算すること自体には意味はない。
B製品種類が多すぎると、生産コストは上がり、小ロットを加速させる場合がある。また、営業方針が曖昧になるケースが多い。その為、いたずらにバラエティを増やさない(発生させない)ことを最初から経営方針に入れている企業もある。新しい製品を増やした場合は、その分ある製品を廃止するのである。このやり方は、経営からの狙いが明確な為に、バラエティに対する意志決定が速い。経営会議等で意志決定を仰ぐための資料も少なくてすむ。

バラエティを少なくすることはSCMの成功法則の1つです。しかし、実際はいたずらにコスト計算を繰り返し、廃止の意志決定ができない企業もあるようです。全ての数字が揃わないと意志決定をしないようですが、それなら誰で経営トップができます。しかし、数字の表面的な意味以上の深いものを知らねば決定はできるものではありません。それならば、数字が下から上がってくる前に、是非バラエティを経営管理上の重点項目に入れて、方針を明確にしておいて欲しいです。


                                                    入江 淳一(IDC)