グラビアアイドル研究所
 

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チャート解説

2006.8.21 UpDated

ここに掲載した解説は、ひでまろ(綾小路秀麿)と大三元ツモ夫氏が他サイトで行った対談を許可を得て転載したものです。(初出 2005.2.9)

2006.8.21に2004年度の解説部分を削除し、新たに「1ポイントの意味」を書き下ろしました。


−こんばんは、大三元ツモ夫です。今日は綾小路秀麿先生に、先生が2004年度より作成を開始された『グラビアアイドル・チャート』について語っていただこうと思います。

「いやあ、客観チャート作りは萌えるねえ。超萌え〜」


チャート作成までの経緯

−さて、早速ですが、先生はなぜ、この21世紀も4年も過ぎた段階で、突如まったく新しいチャート作りを始められたのですか?

「アイドルって一口にいっても、弊社基準では、歌手・声優・女優・グラビア系と大きく4系統に分かれるんだ。で、例えば歌手と声優に関しては『オリコン』という客観チャートが存在し、女優・グラビア系に関しては−結果には全く納得いかないけど−デファクトスタンダードとして『アイドル探偵団』が存在する。で、2002年までは両方を見ていろいろ総括していたんだけど、2003年末はアイドル探偵団の発行が年末に間に合わなくて総括に困った(爆)。で、大晦日に大慌てで客観チャートらしきものを自前で作成したんだけど、さて、作ったら作ったで、それが果たして正しいのか全く検証できなくてね。で、じゃあ一丁自前で客観チャートを作ってやろうじゃないか、ということになって立ち上げたんだ」

−で、グラビアアイドル・チャート作りがスタートしたわけですが、当初は3誌程度の規模でやろうとされたんですよね?

「そう。一応人間が『ゴールデン・エイティーズ』なもんで、やっぱグラビアと言えば『プレイボーイ』『平凡パンチ』『GORO』でしょうと。ところが、平パンとGOROは残念ながら廃刊、ということで、現存するプレイボーイと、GOROから激写を受け継いだ『週刊ポスト』、そして、マガジンハウスはグラビア誌から撤退しちゃったから一橋グループのライバルということで音羽グループの『週刊ヤングマガジン』の3誌で当初スタートしようと考えたんだ」

−GOROの後継はむしろ『sabra』のような気もしますが…

「うん、最近はそんな気もしてきたけど、一応週刊誌で傾向を見てみたいというのがあってね。キオスクにsabraは平積みされていないし(笑)」

−で、初回発行時にいきなり6誌に標本が倍増していましたね。

「やっぱ、始めると欲が出てね。で、より客観性を求めて『週刊現代』、『ヤングサンデー』『フラッシュ』を加えました」

−6誌ともメジャーな雑誌ですけれども…

「マニアでなく一般大衆の人気度を調査するためだね。青年誌3、中年誌3でいい感じかと。それと、発行元がカブるのもイヤだったので、当初は『ビッグコミックスピリッツ』、『ヤングジャンプ』、『フライデー』を対象外にした−これは最終的には対象に加えちゃったけどね−。ちなみに少年誌は、一番多い雑誌でも年に13組くらいしかグラビアにアイドルが登場しないので、対象外にしました」

−そして、最終的には、『ビッグコミックスピリッツ』、『ヤングジャンプ』、『フライデー』を順次追加して、主要9誌を網羅する一大チャートにまで発展しましたが、どうして対象外の3誌は、最終的に採用することになったんのですか?

「6誌だけだと、どうしても吉岡美穂と市川由衣の得点が世間一般の評価に比して低かったり、逆に佐藤寛子の順位が肌感覚よりかなり高かったりしてね。で、試行錯誤の結果、やっぱ主要9誌全部標本にしないとダメだということになって、現在に至るわけだ」

−当初対象外だった『フライデー』の、8月20・27日合併号の特集記事が、標本増加のきっかけだったとか。

「企画はパクられたような気がするんだけど(笑)、弊社9誌に『ヤングチャンピオン』、『BLT』、『sabra』を加えた12誌徹底調査を謳っててさあ、吉岡美穂の結果だけが全然違うんだよねえ」

−6誌だと11位だったのが、9誌にすると一挙に3位になったそうで。これって逆に吉岡美穂の人気がスピリッツやフライデーに偏っている証拠じゃないですか?

「まあ、そうとも言えるんだけど、各誌イチオシがあるからねえ、客観チャートの場合は極力それを平準化してやらないといけないから」

−なるほど、いろいろチャート作りにもご苦労がおありのわけですね。


チャート作成の極意

−次に、話題はチャート作成手法に移るんですけど、先生はなぜ、表紙を最重要視する方針を立てられたのですか?

「これは理由が2つあって、一つは当たり前のことなんだけど、表紙はその週の雑誌の顔であり、売り上げを左右する重要なファクターだということだね。だから、基本的にメジャーか勝負アイドルしか表紙に起用されない。つまり、今が旬を中心に、盛りをちょっと過ぎたあたりから時代の半歩先の間に収まっている。ゆえに、一般大衆の人気度を測るには一番妥当であろうと。それから、今後青少年健全育成条例が厳しくなると、将来的に全てのグラビア誌が『ビニ本化』する虞がある。そうなれば表紙の重要性はますます高くなる」

−石原都政までチャート作りに影響があったのですね。

「カッコつけて言えば、ね」

−なるほど。で、話はいよいよ核心に入って行くんですけれど、先生は表紙=3点、ピンナップ・袋とじ=2点。グラビアは巻頭及び6ページ以上=3点、4〜5ページ=2点、2〜3ページ=1点、1ページは零点、と配点されていますけど、何故このような配点にされたのでしょうか?

「本来なら、グラビアの総掲載ページ数を集計したかったんだけど、ぶっちゃけ、そこまでは手が回らなくてね。で、集計を簡素化するために得点制を編み出したんだ」

−その心は?

「まあ、一般的に、巻頭グラビアは6〜9ページ程度、準巻頭で4〜6ページ、その他で2〜3ページだから、比率で行くと大体3:2:1になる」

−なるほど、なかなか説得力がありますね。

「それに、古典経済学で言うところの限界効用の観点からも、1、2、いっぱい(爆)でOKじゃないかと」

−確かに、巻頭グラビアのページ数が倍に増えたところで、ファンならば違いは大きいと考えるでしょうが、一般大衆ならその差はほとんど感じないでしょうからね。

「それが巻頭か否か、の違いは感じるだろうけどね。だから、あえて上限を3点にしたんだ」

−一応、オーストリア学派で理論武装しているということで、次は表紙ほかの配点に行きましょう。

「で、表紙と巻頭の重み付けは同じと考えて、表紙も3点を配点した。で、ピンナップは準巻頭扱いで2点」

−ピンナップって、大きくて魅力的じゃないですか?

「でも、キオスクで広げて見るわけには行かないだろう?だから表紙よりは下と考えたんだ」

−なるほど。では、袋とじは、大抵8ページなんですけど…

「これも、開いてみないとわからない(笑)からピンナップと同じ扱いにしました」

−それと、1ページグラビアと、広告や記事は零点ですよね。

「保守的な麿としては、1ページはグラビアじゃあないでしょう、最低でも見開き2ページじゃないですか、って思うところがあってね」

−意図的に1ページグラビアを仕掛けるケースもありますけど…

「またぶっちゃけた話をしちゃうと、そこまでフォローし切れない(爆)というのが本音だけどね」

−まあ、上位30人しか見ないのであれば、切り捨てても誤差の範囲ということですね。

「そういうことで勘弁しておいて。それと、広告などを除外しているのは、基本的に編集部の意図が入って掲載されているのだけカウントしたいんだ。例えば、今プレイボーイの編集部はコイツを押しているとか、キタ〜と思っているとか、人選に出るでしょ。そこを見たいんだ」

−ということは、厳密に表象を追っているのではなくて、どちらかというと各誌編集部の方向性をリサーチしていると言った方が正しいかもしれませんね。

「そうだねえ…。ただ、グラビアが多いアイドルは広告露出も多いから、最終的には収斂していくんじゃないかと思うけどね」

−それと、各誌売り上げ部数に差がありますけど、そちらは考慮されなくてもよいのですか?

「表紙を重視している立場からすると、キオスクで平積みされるのなら無視してかまわないと思うんだ。これも限界効用で、50万部も100万部もキオスクでの扱いは変わらない」

−月曜日の朝、ヤンマガとスピリッツとポストと現代は同列に扱われていますからね。

「唯一気になるとすれば、ヤングサンデーだね。これだけは28万部と他の半分から四分の一で、キオスク的にもちょっと扱いが弱い部分もある」

−点数に売り上げ部数を加味するという考え方もありますが。

「具体的に、ヤンマガ・ヤンジャンはヤンサンの4倍、とか考えたこともあったけど、一般大衆へのインプレッションという意味では限界効用が働いているからね。それに、マニアのイメージからすると、むしろヤンジャンはグラビアでは後進国だから、ヤンジャンの得点はヤンサンの半分にしろとか言われかねないよ(笑)」

−そのあたりを縷々加味すると、とりあえず9誌は同価値でOKということですね。

「まずはそれで作ってみて、問題があれば考えるよ。今のところ、問題はなさそうだけどね」

−あと、チャートの鮮度については、どうお考えでしょう?

「編集会議で決めて、ブッキングして、撮影して印刷して…、って考えると、大体3ヶ月遅れぐらいかなあ。ただ、2004年のゴールデンウィーク号の表紙がほとんど井上和香だったことから考えると、タイムラグは編集段階でかなり調整されているような気もするから、ま、旬のチャートですって言っても問題ないんじゃないかな」


1ポイントの意味

−ところで、グラビアチャートの1点って、どのような意味を持つのでしょうねえ?

「まあ、オリコンだとズバリ得点が枚数だけどねえ」

−グラビアチャートも、たとえば1点が何万部とか、そういう数字にはならないのでしょうか?

「う〜む…、実は、なるんだ」

−ええっ!

「例えば、グラビアページ数を例にとると、『グラビア1点=約2.33ページ』という経験則があるんだ。で、調査対象12誌の平均部数が85万部ということと、雑誌1冊は平均して4人で回し読みされていることを考え合わせると、巻頭グラビア=3点は、2.33頁×3点×85万部×4人=約3千万」

−おお、凄い数字です。

「これを仮に『ページビュー(PV)』と名付けるとすると、巻頭グラビア3点は約3千万PVとなるんだ」

−へえ、のべ3千万人の眼がグラビアを舐めるわけですね。

「一方、表紙について、こちらはコンビニの店頭で考えるとすると、15歳から65歳の9割は、週に1回以上コンビニに行くそうだ。また、週刊誌が店頭に並ぶ期間は平均3日らしい。この前提で計算すると、9千万人×9割×3日÷7日で、週刊誌の表紙登場1回で約3千4百万人もの目に触れることになる」

−表紙3点=3千4百万PV、となるわけですね。

「その通り。ということはつまり、グラビアチャートの1ポイントは、表紙もグラビアも約1千万PV、ということになるんだ」

−なるほど、グラビア研の配点、特に表紙とグラビアの配合比率には、こんな秘伝の技があったわけですね。

「そうなんだ。だから、マニアの皆さんもチャートの正当性を納得してくれたんだね」

−ところで、この1ポイントって、どのくらい経済価値があるんでしょうね?

「そうだねえ。雑誌の単価で考えれば、平均85万部÷巻頭3P×定価280円=約8千万円だけど、これはちょっと高すぎだよねえ」

−そうですよねえ。

「次に、テレビCM効果で考えてみると、関東地区の視聴率1%=約40万人。これをPVで考えると、1千万PV÷40万人=25%。すなわち、GRP25%相当だね。キー局のパーコストを8万円とすると、8×25=2百万円。まあ、妥当かな」

−雑誌広告で考えるとどうなりますか?

「少年マンガ誌の裏表紙の値段は、少年ジャンプ350万円、少年マガジン260万円、少年サンデー150万円。即ち、1冊=約1円だね。で、1冊は4人で回し読むから、1千万PV÷4人×@1円=250万円となるのかな」

−ということは、大体1点=2百万円、となるのでしょうか。

「そう考えるのが妥当かな」

−となると、2005年の安田美沙子のグラビア経済価値は広告費換算で約3億円、2004年の井上和香は約5億円となるわけですね。

「で、電通調査では広告費はGDPの1.18%だから、広告効果は、1P=2百万円÷1.18%=約2億円、となりそうだね。そうなると、2005年度のみちゃの広告効果は280億円、2004年度のワカパイに至ってはナント450億円となるわけだ」

−なんか、ちょっと数字が大きいような気もしますが、エビちゃんの広告価値も1千億円以上と言われていますから、そう考えるとあながち大法螺でもなさそうですね。

「んだ、んだ」

−というわけで、今回はCoCoまでです。


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