テント質問箱

これからキャンプを始めるのにどんなテントを選んだらいいか教えてください。

テント選びでこれが絶対というのはありません。テントのよしあしは使う人のニーズや目的によって違うからです。また同じ人でも時とともにテントに求めるものが変われば、テントを買い換えることになるでしょう。

たとえば私の場合は、最初に<軽くて、コンパクトで、雨漏りがしないテント>というコンセプトで、フェールラーベン(スウェーデン)から出ているカマボコ型の山岳テントを買いました。家内と二人でキャンプするにはちょうどいい大きさで、4、5年愛用していました。ただ天井が低いのでテント内で着替えをするのに苦労しました。また北欧製のためか、密封性が高すぎて日本の風土では結露が多いのが欠点でした。

そこで子供が生まれたのを機に、<人が立てる高さで、結露の少ない綿製のファミリーテント>にしようと、マルシャル(フランス)のロッジ型テントを買いました。品のいいデザインで、どっしりしているうえ、綿の風合いが気に入っていました。でも家族やクラブで頻繁にキャンプに行くようになると、重くてかさばる、設営・撤収に時間がかかる、雨で濡れた後の手入れが大変といった短所が気になり出しました。

次に<人が立てる高さで、軽くて簡単に建てられるテント>ということで小川のドーム型テントを購入しました。素材が化繊、アルミポールなので軽量、設営・撤収が簡単、しかも6人用と広く結露も気になりません。
小川キャンパル(OGAWA CAMPAL) スクートDX6

小川キャンパル(OGAWA CAMPAL) スクートDX6

さらに今年、単身でキャンプに行くときのために、<設営・撤収が完全にワンタッチでできる>小川の「アスピート5」を買いました。今まで使っていたドームテントよりも1回り小さいのでテント内で直立することはできなくなりましたが、ワンタッチの手軽さを重宝しています。

このようにテントは利用者が何を求めるかによって同じ特徴が長所だったり、短所だったりします。だから大切なのは、そのときどきのライフスタイルや環境に応じて、自分が何を一番重視するかをはっきりさせることだと思います。

女性だけのキャンプでお薦めのテントはありませんか?

アウトドアショップに並ぶ有名ブランドのテントに惑わされることなく、自分の力量に合ったテント選びをお薦めします。女性が1人でテントを設営して撤収、それだけでヘトヘトに疲れてしまいます。ましてや必要以上に天井高のあるテントは女性一人では無理。「疲れたぁ、もう二度とイヤ!」とならないように、できるだけ簡単な構造で軽いテントが良いと思いますよ。

テントの防水対策について教えてください。

普通、テントは生地が防水加工されているうえに、外側が撥水処理されていて防水性をサポートしています。テントの外側(つまり水の入り口)である程度水を弾いてやれば、生地の防水加工にかかる負担が小さくなるからです。 チャンとしたテントならば防水加工がすぐに劣化するようなことはないので、 あまり神経質にならず、しばらく使ったら撥水性をチェックすれば十分だと思います。フライシートの表面で雨が丸い水滴にならずに、ジワーッと生地に染み込むようになったら撥水性がなくなってきた兆候ですので、フライシートの外側に市販の防水液を塗ってやればいいでしょう。

テントが購入直後から雨漏りをして困っています。

購入直後の雨漏りというのは、通常は起こりえません。この場合考えられるのは次の3つです。

(1)フライシートにフックやループなどの留め具が縫い付けられている場合、その付け根部分から漏っている可能性があります。そこはテーピングによるシーリングができない箇所なので、防水剤(シームシーラー)を塗ってやれば止まるはずです。

(2)雨漏りの箇所が特定できず、全体が漏ると思われるような場合は、 雨漏りではなく結露です。化繊テントで防水が効きすぎるとテント内は 雨漏りしたのと同じ状態になります。この現象は特に雨が降って湿度の 高いときに起こりやすいので、余計まぎらわしいのです。

(3)通販やホームセンターなどで買った三流品で十分防水処理がされていないケース。この場合でも、フライシートの外側に防水スプレーをかければある程度使えるはずです。ただし、最初から縫い目に隙間が見えるような安物テントは迷わず捨てること。

テントの雨漏りが激しくなってしまいましたが、防水スプレーで機能回復できでしょうか?

防水スプレー(正確に言うと撥水スプレー)は防水加工されたテント生地にかかる負担を軽減するためのもので、経年劣化や傷などで生地の防水加工そのものが劣化すると機能は回復しません。テントの寿命と考えて、早めに買い換えた方がいいでしょう。

雨の日に撤収して濡れたテントはどうしたらいいですか。

一番いいのは晴れた日に近くの公園などでテントを張ることです。テントの隅々まであっという間に乾きますよ。それができない場合は、ベランダで干すことになります。よくテントは陰干しじゃなくちゃだめと言いますが、マンションのベランダが南向きだったらそうも言ってられないでしょう。それにテントを使っているときはもろに直射日光にさらされているわけですからね。それよりも大切なのは、フライやインナーをまめにひっくりかえして湿った面がなくなるようにすることです。

キャンプから帰ってきて、さて濡れたテントを雨続きで「からっと乾かすことが出来そうにもない」と思った主人のすご技!なんと部屋の天井にロープを張り巡らしエアコンをドライにして密室状態!汚れを落としてから干すこと3時間。本人いわく、「からっと?」乾いたようです。さすがの私もそこまでやるかと脱帽!子供はテントやシュラフがぶら下がった部屋を「秘密基地」だと、大喜びしていました。


 ロッジドーム型って?

小川キャンパル(OGAWA CAMPAL) ティエラ5EX
小川キャンパル(OGAWA CAMPAL) ティエラ5EX

1980年代、オートキャンプが普及しはじめた頃は、テントといえばロッジ型でした。家のような形をしたテントはファミリーキャンプのイメージにもマッチしたのでしょう。ロッジ型テントの代表格は小川テントから出ていた「オーナーロッジ」。いまでもロッジ型テントをオーナーロッジと呼ぶ人がいるくらいです。ところが1990年代に入り、オートキャンプがブームになると簡単に持ち運びできて設営も楽なドームテントが登場し、急速にシェアを伸ばしました。現在ではドーム型テントはテント全体の8割を占め、ロッジ型は1割に満たない状態です。ところが21世紀に入りオートキャンプブームが過ぎて落ち着きを取り戻すと、新たにロッジ型とドーム型を組み合わせたロッジドーム型テントが登場します。ここ数年、その数はゆっくりですが確実に増えています。ドーム型テントのように簡単に扱え、しかもロッジ型テントのゆったりとした居住性を兼ね備えたロッジドーム型の人気は、オートキャンプが成熟段階に入ったことを物語っているのかも知れません。