仙台城

■2002年
●2月19日、宮城県の仙台市で仙台市文化財保護審議会が開催され、仙台城跡の「国の史跡指定が難しいのなら、仙台市の史跡指定ができないか」との新たな提案が出された。同審議会の大石会長はこれまでの経緯に触れ、「艮櫓建設の経緯などを見ると、国史跡指定が認められなくなるのではないかと心配だ」と表明。「敷地のうち市有地を国史跡として先に部分指定してもらうか、それができなければ仙台市の史跡に指定する道もあるのではないか」と提案した。しかし、市側は「(国の)部分指定は原則的に難しい。市指定も所有者の同意が必要だ」と即答を避けた。別の委員からも「市は史跡指定を目指す道筋を示してこなかった。それが不信感につながっている」と発言。(2002.4.6)


2001年
●7月12日、宮城県仙台市の「仙台城石垣修復工事専門委員会」の第2回会合が開かれた。委員からは「石垣の最下段にこれほど多くの新石材を使えば、重みに耐えられずに不等沈下を招くのではないか」と指摘。石積み工事はすでに始まっており、「専門委の意見を工事に反映するというが、なぜ石材を組む前に相談がないのか」など委員会の検討を待たずに修復工事が進んでいる状況に疑問が出された。市側は専門委による検討を尊重するため、工事のペースダウンや一時中止なども視野に入れる姿勢を示した(2001.7.27)
6月23日、宮城県仙台市役所で、「仙台城石垣修復工事専門委員会」の第1回会合が開かれた。伝統工法の尊重を求める意見などが出されたが、本格的な議論は次回以降に持ち越された。各委員から「破損した石垣の石と交換する新補石材と旧石材は形が違い、影響が心配だ」「現代工法に軸足を置きすぎではないか」などの疑問が出された。また専門家の検討組織をめぐっては、市が調査検討委を解散させた後、史学団体などから「公開の場で議論する専門家組織が必要」との指摘や批判が相次いだ。このため、市は石垣修復と艮櫓(うしとらやぐら)復元、仙台城跡発掘調査の3事業別に専門委を発足させることにした(2001.7.6)
●6月19日、仙台城石垣修復工事をめぐり、仙台市と請負業者が結んだ特記仕様書で地元の石工職人の参加をうたっているにもかかわらず、仙台市内からは1人も加わっていないことが「仙台城の石垣を守る会」の調べで判明した。共同企業体事務所は「当初から入ってもらう予定だったが、土台部分は城郭の石垣修復の経験者でなければできなかった。現在、地元に協力を呼び掛けている」と説明する(2001.7.6)
●3月21日、文化財保存全国協議会は仙台城本丸跡の石垣修復工事と艮櫓(うしとらやぐら)復元事業に関し、石垣の原状保存や櫓建設の撤回などを求める要望書を藤井黎仙台市長らに提出した。要望は、1・古い石垣の背面構造も含めた石垣全面の原状保存、2・現存石垣上への櫓建設の撤回、3・市や県史跡への早急な指定と国史跡を目指す方針の堅持、4・専門家による検討委員会の再開と市民への公開など(2001.4.3)
●2月8日、宮城県仙台市が進める仙台城本丸跡の石垣修復工事で、解体した石材の「石積み」で破損した石に替えて中国から輸入した石材を補充しているが、一部の歴史研究者から「伝統工法から逸脱している」と批判が出ている。「仙台城の石垣を守る会」は、工法の見直しや専門組織の設置を要望する。対して市は「伝統工法を取り入れており、問題ない」と反論(2001.2.11


■2000年
●12月20日、仙台郷土研究会など史学関係7団体は、仙台城本丸跡の艮櫓(うしとらやぐら)復元事業に関する要望書を仙台市に提出。「櫓は現存(3期)石垣の北東角に建設する」という決定の撤回や、専門家の検討組織を設けることなどを求めた(2000.12.25)
●11月26日、仙台市青葉区の仙台城本丸跡で石垣修復工事に伴う発掘調査の見学会が開かれた。艮櫓が建設される現存の3期石垣の北東角は、野面積みの1期、2期、3期の石垣が交差し、石垣の技術の変遷を示すものとして注目されている(2000.11.29)
●11月21日、宮城県仙台市の仙台城跡艮櫓(うしとらやぐら)復元事業で、専門家が「地下の構造をより精密に知るため再調査が必要」と市に提案していたことが判明(2000.11.24)
●11月14日、仙台市の藤井黎市長は仙台城本丸跡の艮櫓(うしとらやぐら)を、現存(三期)石垣の北東角に建設すると発表(2000.11.16)
●11月10日、宮城県仙台市は艮櫓復元事業について、北東角に建設する方針を固めたもよう(2000.11.15)
●11月7日、仙台城の艮櫓復元問題で、櫓復元予定地の地中に未発掘の石垣が埋まっているかどうかは確定できなかった(2000.11.15)
●10月28日、藤井黎・仙台市長は仙台城の石垣に復元が予定されている艮櫓の復元位置などの最終決断について11月に持ち越すと談話(2000.10.30)
●10月27日、レーダー探査により、仙台城石垣に復元が予定されている艮櫓の建設予定地の真下に新たに古い石垣が埋まっている可能性があることが判明(2000.10.30)
●10月23日、仙台城跡の石垣修復工事と艮櫓復元事業で地中レーダー探査開始。櫓の基礎のコンクリート柱を立てる場所の古い石垣の有無を把握するため(2000.10.25)
●仙台城跡の石垣修復と艮櫓復元をめぐる論争を解説した小冊子「艮櫓と石垣のとっかかりマンガ」を、千葉真弓さんがこのほど自主製作。問い合わせは「まちのほこり研究室」022(221)2811(2000.10.21)
●10月17日、仙台城跡の艮櫓復元問題について、藤井黎仙台市長は今月中に決断する方針をあらためて表明(2000.10,19) 
●仙台城復元委員会は、仙台市長には景観か史実かで問題になっている仙台城艮櫓を北東角早期に復元すべきと申し入れた(2000.10.5)

目次へ