江戸時代関連

●広島県尾道市美ノ郷町の元教員・瀬戸一登氏は、尾道の寺子屋の歴史を『尾道の寺子屋と私塾』と題して自費出版した。B5判、140頁。氏は自宅倉庫で、江戸末期に使われていた寺子屋の教科書「往来本」8冊を見つけたのを機に、本格的に研究を始めた(2001.10.3)
●静岡県富士市立中央図書館は、市内の民家に所蔵されていた江戸時代の旧東海道道中記を編集した冊子『東海道驛(えき)路の鈴』を発刊した。B5判、205ページ。500円。同道中記は、1709(宝永6)年に大曽根佐兵衛という人物が記したとされ、上方出身の男が江戸から西国への旅で中国地方出身の僧侶と道連れとなり、問答形式で各地の名所、旧跡、故事来歴の説明や関連する万葉集の歌などをやりとりする内容となっている。冊子には原文と表紙、挿絵のコピー、解読などを掲載している(2001.9.28)
●東京都新宿区在住の郷土史愛好家らによる「新宿近世文書研究会」は、江戸時代文化・文政年間の地元の様子が記された古文書「町方書上」を解読し『町方書上・市谷編』として刊行した。「町方書上」は、幕府が各町の名主に提出させ、江戸の地誌「御府内備考」の基になった。国立国会図書館に筆書きの原本がある(2001.9.28)
●岐阜県大垣市の文化財保護協会が2年前に発行した冊子「忠臣蔵大垣物語」に、郷土史家・臼井千吉氏が一章を加えて増補版として再度印刷された。事件後、幕府は大垣藩主戸田氏定と浅野長矩がいとこだったことを利用し、氏定に浅野家の領地没収や赤穂城明け渡しの説得役などを命令。大垣藩が赤穂城の無血開城に大きく貢献したとされるなど、大垣と忠臣蔵は深いつながりを持っている。増補分を執筆した臼井氏は市内に住む大垣藩士の子孫に伝わる古文書を分析し、大垣藩士の目から見た赤穂城明け渡しの実態を描いた。冊子はA5判、72ページ。一部500円。市役所分庁舎内にある同協会事務局 電話0584-81-4111内線785(2001.7.24)
●元長崎市出島史跡整備審議会委員の森岡美子氏は、同市発行の図録「出島図―その景観と変遷」(1987年)の概説書『世界史の中の出島―日欧通交史上長崎の果たした役割―』を出版した。A5判、195ページ。限定1000部。1500円。16世紀の南蛮人の渡来をはじめ、鎖国時代から開国に至るまでの日欧交渉の歴史について長崎を中心にまとめた。「胡椒と霊魂のために」「安土桃山時代のキリスト教」「江戸幕府のヨーロッパ諸国との通交と鎖国」「世界史の中の出島」「鎖国時代の長崎」「蘭学の発達」「十九世紀の国際情勢と開国」の7章と年表などで構成。問合せは長崎文献社 電話:095−821−8986(2001.7.10)
●群馬県尾島町の縁切り寺・満徳寺館長で、関東短大の高木侃(ただし)教授が『泣いて笑って三くだり半 女と男の縁切り作法』を出版した。四六判、192ページ。1500円。年代や地域によって形式が異なることなどを明らかにし、婿養子が家を追い出された際に書かされた離縁状や、将来の離婚に備えて夫から妻に渡された「先渡し離縁状」など、ユニークなものを約80枚の写真を使って分かりやすく解説している(2001.6.29)
●長崎県南高加津佐町の郷土史研究家・福田八郎氏は、同町の巌吼寺(がんくうじ)に残されていた江戸時代の古文書を書き下し文にし「巌吼庵(あん)御願書扣(ひかえ)」として自費出版した。文書は江戸時代、島原藩領主に対して1726〜1775年までに提出した同寺の願い書の控え。藩外に出掛けるため領主に許可を求める際などに提出し、寺宝として残されていた。B5判、161ページ。用語解説も付けている。1500円(2001.6.5)
●金沢市立玉川図書館近世史料館は、35冊で5000丁(1万ページ)に及ぶ「加能越三箇国高物成帳(たかものなりちょう)」を1冊にまとめ出版した。「高物成帳」は、加賀藩にあった約3400の村々の租税の基礎となる農産物の生産高や年貢率を村ごとに記した「村御印(むらごいん)」を集大成した文書。藩全体で統一して出した1670(寛文10)年の最後の村御印を中心に、1656(明暦2)年の税率の改正や、江戸後期の天保年間の生産高との比較を村ごとに記述。漆生産や炭焼きなどの雑役は金銭に換算している。同図書館では500部を作製。大学や研究機関に送るが、一部を5500円で一般に頒布する。問合せは、同史料館 電話:076-221-4750(2001.4.27)
●京都府福知山市内記の朽木彰氏は、6代藩主朽木綱貞(1713〜88年)が息子で八代藩主になった昌綱(1750〜1802)にあてた手紙25通を解読し、「大坂城在番たより」と名づけて出版した。朽木家は江戸時代前期から幕末までの約220年間、歴代の福知山藩主を務め、彰氏はその16代目になる。手紙は、綱貞が1775年に大坂城警護を命ぜられた時に、江戸で暮らしていた昌綱に書き送ったものが大半。趣味の盆石や骨とう品集め、市内巡視の様子など身の回りの出来事をはじめ、「目下の借金は2万両に達し利払いに苦しんでいる…」などと苦しい藩財政、倹約にまつわる苦労や言づてなどが記されているB5判で158ページ。自費出版で500冊作成し、うち80冊を市販。1冊3000円。問合せは桐村好文堂 電話:0773-22-3554(20014.8)