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怒っているぞ!障害者きりすて全国ネットワ−ク
ホ−ムペ−ジ http://homepage2.nifty.com/ikarinet/
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■もくじ■
* 4・11厚生労働省交渉の報告
* 4・1茨城「自立支援法の1年を考える」集会の報告
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4・11・厚生労働省交渉の報告
木村(新潟)
4月11日、怒りネットは衆議院議員会館において、67人の参加で、今年最初の
厚労省交渉を行いました。昨年10月から本格施行となった障害者自立支援法は、当
初からの矛盾や懸念をいよいよ満展開にしています。だからこそ私たちの、中身のあ
る具体的な追及は、厚労省の担当者をたびたび沈黙させ絶句させるものとなりました。
今回の交渉のテーマは、前号のニュースに載せましたが、簡単に整理すると、(1)
大田区の鈴木敬治さんの行政訴訟で、昨年11月、移動介護の支給量に一律の上限を
設けた大田区の決定が違法との判決が出たことに対して、厚労省の見解と、大田区を
はじめ同様の上限を定めている全国の自治体に対する指導を求めること。(2)基準該
当事業所やヘルパー資格による報酬単価の減算の不当性を訴え、その撤廃を求めるこ
と。(3)ヘルパーの資格要件が不合理であり障害者が推薦する人を資格に捕らわれず
認めさせること。(4)「精神障害者退院支援施設」の創設に反対し、精神障害者の福
祉を改善するよう求めること。(5)障害者への介護保険適用を行わないよう求めるこ
と。以上の5点。
厚生労働省側の出席者は、障害保健福祉部から障害福祉課の清水専門官、大城(お
おき)係長、保積係長、松山氏、地域生活支援室の内野係長、精神障害保健課の高坂
(こうさか)係長、老健局の小祝(こいわい)係員の7名。
以下、発言のやりとりを要約して報告します。怒りネット側の発言には「◇」、厚
労省側には「◆」の印をつけました。
■基準該当事業所の現実
交渉は、テーマの順序を入れ替えて、質問事項の(2)から行いました。
まず(2)の質問と要望に対する厚労省の一通りの回答があった後、基準該当事業所
の現実について、世田谷のAさんから詳細な報告が行われました。
◇A:世田谷で基準該当事業所のヘルパーをやっている。利用者は、脳性マヒで頚髄
症を患っている。措置制度の時から、自らボランティア募って介助体制を整えてきた。
91年から寝たきりの状態になって日常生活動作のすべてにおいて介助が必要となっ
ている。障害の状態はどんどん悪化している。体調や症状が刻々と変わる状況で、そ
れに合わせた対応・対処・介護が必要。単身で生活しているので、われわれヘルパーが
2
4時間見ている。頚髄症の特徴らしいが、足が燃えるような状況とか、アイスピックで
足の裏を刺される(ような痛み)など、きつい状況が日々あって、介助者はひと時もそ
の場を離れられない。夜中も、時には15分おきに体位交換したり、夜中にナースス
テーションに電話をして看護士に来てもらうこともある。しかし世田谷区は一日に1
6時間分しか支給量を認めていない。残りの8時間をどうするのか。24時間介助が
必要な状態の人が明らかに生きているのに、それに対して16時間しか認定しないのは
問題だ。
支援費になり自立支援法になって、今まで自力で確保していた介助者を、民間の事業
所に委託したら、自分のような障害者はとても生きていけないという判断から、自ら
事業所を立ち上げることにした。その障害者本人が代表者となって、これまで関わって
いたヘルパーがこの事業所に登録するという形で基準該当事業所を立ち上げた。何と
かやりくりできるようになったと思ったら、2006年4月から自立支援法になり、
重度訪問介護という形で受けるにあたり、月に25万減算となった。さらに10月から
は、また月15万から20万の減算となり、今現在月100万ちょっとしか入ってこ
ない。ひと月30日、一日24時間で割ると、時間当たり1400円位。これはヘル
パーの時給の話ではない。この中にヘルパーの交通費も入っている。保険も払わなけ
ればいけない。事務的な処理、雑費等の経費もあり、それらすべてを含んで時間当た
り1400円にしかならない。例えば新人さんが入った時、その人を研修するために
2人介護、3人介護が必要な時、お金が一切出ない。この状態で労働者を雇うような
条件をどうやって整えるのか。
加えて、寝たきりで働けない状態で費用を利用者自身に負担させるというのは、一
体どこから出せというのか。今回、検査だけの入院をしたが、本人がそういう状態な
ので介助が必要で個室でなければならなかった。差額のベッド代等を払うと、たった
4泊の検査入院だけで、13万円の負担になった。このように、一般の人よりリスク
が多く、臨時出費が出る状況で、利用者負担を強いられるのは非常に疑問。さらに貯
蓄の証明が要るということに関しても、本当にこつこつと貯めてきて、こういう事態
のために貯めていたものが、かえってサービスを受けるのに負担になるような状況は
本当におかしいと思う。コムスンのような、あれだけテレビコマーシャルなどをやっ
ている所がヘルパー不足だという。われわれ、この時間当たり1400円にしか換算
できないような中でどうやってヘルパーを募集したらいいのか、教えていただきたい。
■「基準該当事業所はコストが安い」??
続いて基準該当事業所の15%の減算について追求が行われました。
◇酒井:基準該当というのは、もともと地域生活をしていた利用者本人が中心になっ
て立ち上げたところがほとんど。そのためにこそ厚生労働省も、指定基準のひとつ下
に基準該当というのを作ったはず。支援費から自立支援法に変わるときに、基準該当
事業者だからとの理由で、指定事業者に比べて全体の報酬額が15%引き下がった。
加えて10月に、3級ヘルパーとか見なしの人は、身体に入ったら30%減算するな
ど、資格による単価の見直しによって、全体でものすごい打撃を受けている。なぜそ
うなるのか。
◇古賀:基準該当事業所15%、あるいはヘルパーで30%削減とか、その辺につい
て、見直すつもりがあるのか答えてほしい。
◆保積:基準該当事業者の報酬体系については、今後その施行状況とか皆様の意見を
踏まえながら必要に応じて検討していきたい。
◇C:それいつ頃か。
◆保積:一応3年後の見直しというのがあるので。
◇D:その間に亡くなっちゃったらどうする? 厚労省で責任取るのか?
◆保積:厚生労働省として、基準該当事業者の場合、各種の指定とか人的配置の規制
を、指定事業者に比べてコストを含めて柔軟な事業経営が可能であるということを踏
まえて差を設けている。
◇C:減算を、直ちに見直しをしていく必要があると思わないのか。
◆松山:当面重度訪問介護の特別対策ということで収入が9割を切ったところに対し
て、激変緩和という対応をしている。基準該当事業所も対象となる。
◇C:基準該当も当てはまるというのはどこに出ているのか。何か通知が出ているの
か。
◇酒井:東京都から世田谷の係の人が聞いたら、基準該当は対象にならないと言って
いた。90%は、指定事業者だけが対象になると。
◆松山:厚生労働省としては、そういう考えではない。
◇酒井:要するに厚労省は補助を基準該当でも申請が上がってくれば認めると。しか
し90%を切った所には90%に戻すと言ったが、10%は仕方ないと厚労省は言っ
てるわけでしょ。基準該当で15%減算の話になるが、あなた方は基準該当だからコ
ストが安くつくと言ったが、基準該当こそ大変だという実態を認識していただきたい。
自立支援法は、必要な人に必要な介助をというのが理念。ところがそんなこと実現さ
れているところは100%皆無。世田谷で言えば、24時間必要としていても、16
時間しか認められていない。もっとひどいところはたくさんある。どこの自治体も財
政難で実現できていない中で、やりくりの実態についてどこまで認識しているのか。
基準該当事業所はコストが安いということの根拠として、何かデータがあるのか、教
えて欲しい。
◆保積:支援費から自立支援法に移行するときに、経営実態調査というものをやって
いてそれを踏まえた形のものになっている。
◇古賀:例えば24時間の介助が必要な人に12時間しか支給されていなかったら、
実際には、報酬単価の半分でやりくりしなければいけないということ。障害者の介助
に関しては、そういう実態が多い。地域で生きていこうとする基準該当事業所では、
特にそういうことが多い。その実態をつかんでいるのか。
◆松山:市区町村の判断なので何ともいえない。
◇酒井:ではなんで基準該当はコストが安いといえるのか。逆ではないか。
◇C:実態がわからないまま空論で出しているのか。
◆松山:実態調査はやってないがボランティアとしてやっている所になってしまうの
で。
◇古賀:これまで行った実態調査は提出してもらえるか?
◆松山:データは出せない。
◇古賀:公的な根拠になっているものなら出して然るべきではないか
◇F:それを理由にやっているのに、なぜそのデータを出せないのか
◆松山:先ほどの話で言うと、半分は報酬なしのボランティアでやっている。
◇古賀:報酬単価を半分でやりくりしている。
◆松山:基準該当でなくてもそういうことはあり得ると思う。基準該当に限った話で
はないので、根本的には支給量の話になる。
◇酒井:そういうやりくりは、当事者を中心に立ち上げ基準該当事業者以外にはない
と思う。逆に、基準該当に限らないなら、なぜ基準該当だけ減算しているのか。指定
事業者では減算がない。したがって減算には根拠がない。
■ヘルパーの資格要件は無意味
ヘルパー資格による報酬単価の減算問題に対する追求は、資格要件そのものの不合
理さを浮き彫りにしました。
◇酒井:「見なし資格」の人が2級ヘルパーに比べて身体で30%減算という根拠は
何か
◆保積:基本的に見なしや3級のヘルパーは1級や2級のヘルパーに比べて、研修時
間が少なく、その内容も異なっているということで、1級2級ヘルパーとの間に、報
酬単価の違いを設けている。
◇E:労働時間や労働内容は同じではないか。
◆保積:国としてはやはり3級・1級・2級ヘルパーそれぞれ必要な研修時間を定め
ていて、それに応じて、その研修内容が異なっているので、報酬単価の違いを設けて
いる。
◇酒井:同じ時間と労働内容で入るのに、そんな減算は根拠がない。支援費が始まっ
たときに見なし資格に対して減算していない。したがって絶対的な根拠じゃない。コ
スト抑制のために、あとから作り上げたものに過ぎない。
◇古賀:支援費の時には、報酬単価に差がなかったわけで、そういうものとして働く。
それがいきなり減らされるっていうのは、ヘルパーの人生だけじゃなくて、ヘルパー
が関わっている障害者の生活を破壊する。特にヘルパーが足りなければ足りないほど、
講習なんかに行く時間がない。
◆松山:考え方としては従事者の質の向上をしたいというのがあって、1・2級の方
にヘルパーをお願いしたいということ。3級や見なしの人は研修時間が少ないことか
ら、学んでいることも少ないので報酬の差を設けている。
◇古賀:私たちはそもそも資格なんて関係ないと思っている。同一労働に対しては同
一のものを支払うのは当然だ。厚生労働省は、身体介護とか居宅介護については研修
をいろいろ求めながら、重度訪問介護に関しては10時間の研修でよく、それから重
度包括支援に関しては資格を問わないとしている。重度の障害者ほど、あまり研修が
いらないようにしている。研修はいらなくていいと思うが、一体この矛盾はどう説明
するのか。
◆保積:居宅介護については、短時間集中型の身体介護を行うというサービス。そう
いう形態を踏まえて、原則1級2級ということで、また重度訪問介護については同一
の人に対して長時間に渡ってサービスを行うという形態やサービス内容、見守りも含
んでいるので、短時間の研修でも従事できる形で配慮している。
◇G:短時間集中型だとどうして研修がたくさん必要なのか。介助する対象に対して
注意すべきことは短時間も長時間も関係ない。むしろ長時間の方がよりリスクは大き
く生まれてくる。要するに介助の理念で決めている訳じゃなくて、予算の配分で恣意
的に決めているのでは?
◆松山:長時間の介護にたいする研修の時間数だが、それは別の方々からの要望もあっ
て要は重度でコミュニケーションの難しい人ということなので、研修でどうというこ
とではなく、その方その方に関してというのが必要。だから研修でやることは極力単
純化して、10時間ないし24時間の研修に短くさせてもらっている。
◇G:短期集中でも同じことが言えないか。
◆松山:居宅介護については、それ以外にやはり介護の研修としてやるべきこともあ
る。
◇G:それ以外とは何?
◇酒井:短期集中ならなぜ長時間の研修が必要なのか?
◆松山:短期集中だからということではなくて、まず研修を受けていただくことが基
本である。1・2級関係なしで。ただその重度の方というのはコミュニケーションが
かなり困難なことから、例外として配慮している。
◇酒井:今本当に介護が足りない。とにかくなり手がない。NHKでも放映されてい
た。もう介護をやる人が逃げていく状況がどんどんできている。その人が推薦すれば
認めるという方式を検討する余地は全くないのか。
◆松山:全くないかどうかはわからない。そこはヘルパーの質という面と量という面
両方見ていかなければいけない。当然ヘルパーの数を増やさなければいけないという
ことがあるが、一方で増やせば良いかというと、そうでもないので、そこはちゃんと
研修を受けてもらって、しっかりした質のヘルパーを育てていく必要があると考える。
◇H:障害が重ければ重いほど研修が簡単で済むという矛盾について「重度の人につ
いてはコミュニケーション云々で個別のニーズがあるために一律の研修にはなじまな
い」という理解で良いのか?
◆松山:当然基本的な介護もあるので、それに対しては研修が必要と考えているが、
それ以外の個人個人に対応した、この人だったらこのコミュニケーションの方法とか、
そういった研修以外のものも必要だということ。
◇H:障害者の障害というのはすべて個別ニーズではないのか。
◆松山:やはり基本的なベースの介護の方法というのはあると思う。
◇H:より重いほど研修時間が短くていいという理由を再度明確に答えて欲しい。
◇G:それが悪いといっているわけではない。だったらすべてそうしろということ。
◆松山:包括支援の方は、重度訪問介護よりも、さらに緩和をしたということで、研
修が前提であるが、さらに重い方ということがあるので、そこは誰でもいいというわ
けではない。重度包括支援事業者の方で責任を持って選んでもらうことだが、やはり
コミュニケーション等のことがあるので、例外的に研修要件を外している。
◇古賀:みんな事業所の責任で、障害者が選ぶ人でいいということにしてしまえばい
いではないか。
◇D:普通の事業者も皆そうして欲しい。それなら納得する。
ヘルパー資格の問題は、結局松山氏が「ヘルパーの質という面と量という面両方見
ていかなければいけない」と述べているように、ハードルを高くし過ぎると現実には
誰もいなくなってしまうので、重度障害者に一定量のヘルパーを確保するためには、
ハードルを下げて調節するしかないということのようです。つまり、ヘルパーの研修
は障害者にとって必要なのではなく、国の給付を抑えるために必要だということのよ
うに思えます。なお、ハードルはさらに数倍も高くなろうとしています。数年後にヘ
ルパーは、すべて介護福祉士を基本とするような法案が出されていますが、これにつ
いては担当が違うということで、議論できませんでした。
■「個人の上限ではないので、支給に当たっては勘案して適切に」と繰り返す厚労省
テーマは質問事項(1)の「支給量の上限問題」に移った。最初に質問事項に対する
厚労省の回答がありました。質問書の(1)が6段落になっているので、回答はひとつ
ずつ行われましたが、すべて同じ文言が繰り返されました。すなわち「厚生労働省と
しては、支給決定に当たり、申請のあった障害者等について勘案事項に関する一人一
人の事情を踏まえて、適切に行うことが重要であると考えている」と。
◇鈴木:今厚労省の方から説明のあった、一人一人の必要を勘案して支給決定をする
ということは良いことだが、その通達が東京都や大田区、各地方自治体にきちっと下
まで伝わっているのかどうか疑問である。
◇I(鈴木介助者):大田区が124時間から32時間に削減したあとも、3ヶ月毎に
勘案事項調査があり個々の聞き取りによって、その度に大田区は124時間の必要性
を認めている。しかし要綱によって32時間は変えられないままきた。今回の判決後、
弁護士からこの判決の趣旨を踏まえ、これ以上同じ32時間を放置するならば、違法
を故意に放置したことになるので、国家賠償法上の責任が生じると警告した。慌てて
大田区は1月1日に要綱を変えて、「32時間の上限」を「32時間の標準」とし、
1月12日に鈴木さん宅に突然90時間の支給決定を送ってきた。これには何の聞き
取りもない。このようにまったく恣意的に移動介護の支給決定がなされている。厚労
省は、「個々の一人一人の必要性を勘案して支給決定しろ」と言うが、これが実態で
ある。要綱が変わって上限が撤廃されたので新たな時間数を支給決定できると大田区
が言うので、3月に勘案事項調査を行った。もうすぐ1ヶ月経つが、未だに支給決定
は送られてきていない。厚労省はこの大田区に対して、鈴木さんに124時間戻すよ
うにきちっと指導してくれるのか。厚労省は全国自治体に、ホームヘルプに上限はつ
けるなと、再度きちっと確認するのか。
◇古賀:各地の支給決定基準の中で上限をつけているところが結構あるが、その辺を
把握しているのか。そういう自治体に対して指導するつもりはあるか。
◆保積:多くの自治体が、勘案事項も勘案せずに一律上限を定めて支給決定するよう
な事態について厚労省としては、国庫負担基準というものは障害者個人個人の支給量
の上限ではないので、支給決定に当たって、勘案事項に関する一人一人の事情を踏ま
えて、適切に行っていただきたいということを、今後も機会をとらえて周知徹底を図っ
ていきたいと考えている。
◇古賀:厚生労働省は、国庫負担基準を作っておいて、あと勘案調査でやれと市町村
に言うが、勘案調査で増やせば増やすほど自治体が全部出すことになる。金は保証し
ないが頑張れと自治体に押し付ける。これは無責任である。特に各自治体の支給決定
基準で、新規の申請者に関しては、国庫負担基準の線に沿った低い水準をそのまま適
応する場合が多い。従来から受けてきた人と、新規の人との間に格差を生じるやり方
を厚労省が作り出している。各自治体の支給決定基準を把握するように努めているの
か。その支給決定基準に問題がある場合には、個別にきちんと指導するつもりがある
のか。
◆保積:各自治体の支給決定基準がどうなっているかは、現時点では把握していない。
法律上はシステムとして勘案事項に関する一人一人の事情を踏まえて支給決定するこ
とになっている。
◇古賀:厚生労働省が2分の1の負担分を出すことが法律に合わせることではないか。
◆保積:市町村が出した分だけ、実績の応じて国庫負担すべきではないかという点に
ついては、限られた国費を市町村に対して公平に配分する必要があるので、考えてい
ない。
◇古賀:厚労省が一人一人の状態に応じて勘案する法律を作ったのだから、それに応
じた予算を付けなかったら、自分で作った法律を自分で破ることになる。そんな無責
任な話はない。各地で支給決定基準として問題事例があって、具体的な指導の要請が
あったら指導するのか。
◆保積:これまでも各市町村に対して個別の指導という形は取ってきていないので、
この先も、先般課長会議にて周知したような形で機会をとらえて全国の市町村の担当
者に対して趣旨の周知徹底を図っていきたい。
◇酒井:各自治体が上限を設けているということについて、実態を把握しているか。
統計があるか。今後実態調査をするつもりはあるのか?
◆保積:統計とかはない。
◇酒井:実態把握は必要ないのか。今後も調査の予定はないのか?
◆保積:今後まったく考えていないというわけでもない。今すぐやるとか、今後やる
予定だとか、具体的に言うことはできない。
◇酒井:各自治体が作った支給基準がある。その基準にもあてはまらない「著しく乖離
した場合」にはそれより多く支給する場合もあると通知で出している。東京都のある市
では、低い基準表しかない中でも「著しく乖離した人」には1.5倍とか出せるとの
要綱を作っているが、それが可能なのは「平成18年4月1日時点で障害福祉サービ
スを利用しているものの内、平成18年10月1日以降、重度訪問介護および重度包
括支援を利用するものに限定して適応する」となっている。要するに、従来から多く
受けている人については適応するが、新しく支給決定を受けようとする人は「著しく
乖離」する場合の対象にしないということ。こういう例に対して、厚労省は踏み込ん
だ対応、是正をすべきではないのか。同じ長時間介護を必要としている人が、一方で
は前から受けていたからということで、基準を超えて支給を受けることができて、一
方で、これから施設を出て新たに地域で生活しようとしている人はその対象にならな
いというのはおかしい。要綱で明記しているような、かかる事例に対してどうするの
か答えて欲しい。
◆保積:国の考え方としては、支給決定基準を設けても、その支給量を一律に定める
ことが適当でないと判断される場合は、審査会等の意見を聞いたうえで個別に支給量
を決定するということなので、そういう実態が明らかになった場合の対応について、
今この場でどうすべきかを答えることは難しい。
◇古賀:東京地裁で「一律の上限は違法」という結論が出てそれが判決として確定し判
例になった。したがって、そういう上限を作っているところがあるのは明らかな違法
状態なのだから、厚労省はそのような違法状態を放置し続けるのか。調べる気もない
というのか。
◆保積:調べる気がないと答えているわけではない。
◇I:少なくとも大田区に対して指導しろ。具体的な事例としてはっきりしている。
3月の勘案事項調査で今回も124時間必要だとしながら支給決定出さないで1ヶ月
たとうとしている。具体的な事例である。しかも周知の事実。違法であるという裁判
の判断もある。即座に対応しろ。
◆保積:今この場で意思決定できない。いつするという約束もできない。
◇古賀:「通達などで指導する用意はあるか」とあらかじめ質問状を出している。一
般的に課長会議でやると言うのではなく、かかる自治体に対してどうするのかと尋ね
ている。それを検討して出てきたのではないのか。
◆保積:通達を用意するということについては、用意していないとしか答えられない。
◇G:では、これからどうしようと思っているのか。この判決の違法状態が全国に多
数ある中で、それに対して厚労省はどういう対応をしようとしているのか。通達以外
に方法があるなら述べろ。
◆保積:全国の自治体での、上限を一律に定めている状況が多いということを聞いた
ので通達については、前向きに検討する。
■「精神障害者退院支援施設」=見せかけだけの「社会的入院の解消」
紙数の関係で、残念ながら今回は報告できませんが、「退院支援施設」については、
関西の高見さんが質問を行いました。「地域に移行してゆくための選択肢のひとつ」
と言う厚労省に対して「社会的入院の解消と言いながら病院の中をぐるぐる回してい
るだけ。地域に受け皿を作らずに退院支援施設と言っても、そこにどんどん溜まって
ゆく。地域での受け皿をきちんと示せ」と迫り、退院支援施設の施行を中止するよう
強く求めました。
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茨城からの報告
4・1「自立支援法の1年を考える」集会をおこないました
沼尻 勝江
4月1日、つくば市で昨年に続いて、障害者自立支援施行1周年特別企画、「自立
支援法の1年を考える」集会を開く事が出来ました。昨年は準備会を、年明け早々か
ら開き、会場も広い会場を押さえる事が出来ましたが、今年は準備会も2回ほど、会
場も昨年の半分ほどの規模の会場でしたが、全部で50人ほどの参加者がありました。
事務局の、西村さんが、古賀さんと連絡をとってくれ、古賀さんからの紹介で飯島
勤さんを講師に迎える事が出来ました。飯島さんは、大きな障害者団体で、事務局の
お仕事もなさっているそうで、自立支援法の問題点を鋭く、指摘している人です。
●思い出したあの時の悔しさ
集会は、1時開始でした。会場が狭く、わかりずらい場所だったので、心配してい
ましたが用意した椅子が、だいぶ埋まった所で始まりました。飯島さんに、話してい
ただく時間が1時間と短い時間でしたが飯島さんの、用意してくれた資料が判りやす
く、資料にそって話してくれました。
まず、介護保険制度の問題と、障害者福祉が介護保険に統合される危険性、自立支
援法の問題点、財源の問題、資料では10項目に渡る問題を提起していただきました。
「時間が来たら途中で終わりにしますから」と、ユーモアを交えながらも最後の項目
まで話して貰えました。話を聞きながら、一旦、廃案になった自立支援法が、再び通っ
てしまったときの、悔しさ等々を思い出す事が出来ました。講演の後の質疑応答も行
われ、発言も活発にありました。
つくば市でこの1年活動してきた報告の時間をとりました。
重度で、生活保護を受けられないSさんの、自己負担の大変さ、自立生活センター
から、障害児を普通学校への会から、養護学校のスクールバスを長年運行していて、
県の方針により入札制度で、スクールバスの運行が大幅に減らされて仕事を奪われた、
常南交通から其々、報告しました。
また、川崎からわざわざつくばまでおいで下さった、小山さんにも発言していただ
きました。
●自立支援法は必要ない!
10分の休憩の後、古賀さんに「これからの闘いに向けて」と、題してこの1年の
闘いと、昨年の10月31日の日比谷に、1万5千人が集まった抗議集会の例を挙げて、
今度はもっと沢山の人数で、抗議集会を行える様に働きかけたいと、これからの闘い
の計画を話していただきました。
フリートークの時間をもうけました。報告の時に、Sさんから4月から実施される減
免の対象にならないとの報告がありました。Sさんは、実家の事情で土地の名義人に
なっているそうです。そのために24600円をこれからも支払わなければならない
と、心配していました。古賀さんが、厚労省に問い合わせをしてくれることになり、
それと共につくば市に働きかけ、Sさんを中心に、交渉をしようという事になりまし
た。
川崎の、小山さんからも意見を戴きました。鉄道の駅からも遠く、バスも少ない地
域にお住まいの方から、移動支援の支給決定が出されても、車を使った移動介助を引
き受ける事業者がない実態を、どうしていけば良いのか、との問いかけもありました。
また、茨城県職員組合からも、一緒に闘っていきましょうと話していただけました。
そして、施設職員に対する大幅賃金カットに対する闘いも報告していただきました。
もともと県立だった「知的障害者」施設は、今事業団に委託されていますが、これを
さらに指定管理者制度に移行させようとしています。その準備として、55歳以上の
職員の賃金を30%削減するなどの賃金カットを行おうとしています。事業団の職員
が多く組合に結集し160人が原告となり裁判を闘っています。こうした闘いは全国
初とのことです。
最後に自立支援を考える会から、この法律は問題も沢山あり、まだ考えて行動しな
ければなりませんが、今日は飯島さんと、古賀さんが言いたいことを、皆、話してく
れました。自立支援法は、必要ありません。撤廃に向けて頑張りましょう。と、まと
めの話がありました。
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