| 第15話 |
『度々起きる鍵紛失』
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出入り口の鍵を度々紛失する。無くすのではなくどこかに置き忘れるのだ。先日も鍵がないと云いだしたので、スペアの鍵を渡した。鍵をかけて外出から戻った母が「鍵がない」とまた騒いでいる。多分落としたのだろと姉が持っているスペアで部屋に戻ることが出来たが、母に渡したスペアキーにはここの名前がついていた。 悪い人に拾われてホントに泥棒に入られたら大変だと、建具屋さんを呼んで入り口の錠を取り替えた。その数日後、母が持っている鍵で錠がかからないと大声を出している。そんなはずはないと確認してみると、何とその鍵は紛失したはずの前の鍵だった。いくら上手にかけようとしてもかかるはずはない。しかも無くなったはずの鍵を二つも持っている。 鍵は無くしたのではなくどこかに置き忘れたのだ。それ以来、鍵に首から提げられるほど長い紐をつけた。「使ったらここに置くのですよ」と鍵の置き場所を作った。しかし、鍵をどこにでも置く癖は良くならなかった。いつも母が持って歩くハンドバッグに鍵をくくりつけることにした。 外出時はそれで良かったが、ハンドバッグを持つほどでもない外出時は、バッグから鍵を外さざるを得ない。その時は首から提げることにした。具合は良かった。それ以来、鍵はハンドバッグか母の首に下がっている。はじめからそれをすれば良かった。 しかし、まだその鍵が「どこにもない」と騒ぎが起こる。そのほとんどは、鍵が着物の奥の方に入り込んでいて首からブラブラしていないときだ。「着物の下の方を探してみた?」と聞くと「あった、あった」と安心する。 | |||