火曜しあたーその心と形とは―
劇場であり劇団でもある池袋小劇場は、これまでいろんな上演のやり方を試みてきました。そのひとつに九四年から九六年まで三十ヶ月にわたって、木下順二作による民話かたり芝居『むかし あるとき あるところ』A・B・C三つの作品を上演しつづけたのです。火曜しあたーの始まりでした。
それを十年ぶり復活させて、四・五月に『あ・り・す』を上演いたします。ルイス・キャロル原作による赤木三郎台本のうたしばい(九六年初演)です。たびたび試演をくりかえし、近くは昨年末に二日間おひろめしました。
出演者は主に四年前に開講した劇塾(関きよし主宰)に集まる若い俳優たちですが、これまでも小劇場の舞台に参加しておなじみのメンバーで、全員がキャストだけでなくすべての上演スタッフをかねていまフル回転、毎回の舞台を再創造しつづけるための準備にはげんでいます。
十年前の『木下民話』も今回の『あ・り・す』も、「夢」が特徴の一つですが、ともにただの夢ではない、登場人物は夢を見て「夢」の中で「ほんもの」に出会うのです。
五月末までの新しい火曜しあたーをよろしくおねがいいたします。
ありす関連上演記録 赤木三郎台本 関きよし演出
「ふしぎの国のありす」
ルイス・キャロル原作による赤木三郎台本 うたしばい
初演 75年 8.13−15 豊島区民センター
76年 東京都児童会館
80年 池袋小劇場
82年 東京都児童会館
全国公演 82年1月〜12月
89年 豊島公会堂 小鹿野町
「あ・り・す」
ルイス・キャロル原作による赤木三郎台本 うたしばい
96年 10.30−11.4 池袋小劇場
2000年 5.18 −21 池袋小劇場(劇団五〇鬼)
2005年 12.23 −24 池袋小劇場(試演)
2006年 4/11,18,25 5//9,23 池袋小劇場
歌芝居の『あ・り・す』 赤木三郎
この、ありす関係台本はしあわせ者で、演出家の関きよし氏に、ずうっと大切にされて、これまで、ずいぶん上演された。
わたしの手元には、舞台芸術学院の実習科第25期卒業公演で五回上演した一九八四年のチラシやパンフレット、これには、題名のしたにカッコして(75年版)と注記がはいっている。
「池袋小劇場のあゆみ」という上演記録リストによると、池袋小劇場の試演として、一九八〇年の十二月に22回、一九八一年の二月に8回上演と、しるされてあった。さて、はたして(75年版)とはなんなのだろう。
さきほど、「ありす関係台本」と妙な書きかたをしたが、このころは、題名が『ふしぎの国のありす』で、関氏とわたしの共同作業の例によって、こんど上演される「火曜しあたー」の『あ・り・す』にいたるまで、その改稿バリエーションは、おそらく数種類。三つ、四つという数ではすまない。しかも、作曲者も、いまは安達元彦氏だが、ずいぶんながい上演回数のあいだ浜名政昭氏が、はじめの作曲をなさっていて、歌にも、猫のだいなを探す歌とか、もうはぶかれてしまったものや、おなじ歌の内容でも歌詞が大幅に書きかえられたもの、それにあとからつけくわえられたものもたくさんあって、きょうごらんいただく「歌芝居」というものになってきたわけだ。
つぎつぎとくりだされて、みなさんの耳と脳をじゃぶじゃぶと洗う、斉唱、重唱、独唱、デュエット、掛けあい歌、単旋律や深いハーモニーなどなどが、みなさんをこころからたのしませながら、この物語が、ゆっくりゆっくりといつのまにか進んでいってくれるといい。
そうして、それらのウタのひとつずつが、たまらなくうれしくなつかしく、あるいは、ふるえるほどおそろしかったり、なんだか考えこませてしまったり、わらわせたり、この世のものともおもわれずうっとりさせてしまったり、と、そんなことがほんとにおこって、いつのまにか大団円。(ともかくウタばかりですからね) こんな、夢のようなことを、演出家も、俳優さんたちも、そして作曲家も、もちろん台本作者も、ねがっているのです。なんかいも見にきてね。歌も、おぼえてね。好きな歌をうたってね―、こわい歌も、きらわないでね。―――と、いうわけなのだ、というわけです。
ルイス・キャロル原作による歌芝居
赤木三郎台本 スタッフ 山内榮治
関きよし演出 やまだたけし
安達元彦音楽 関 定己
配役表
(製作、進行、上演など、すべてのスタッフ助手を兼ねる)
ありす・・・渡辺典子
花1・つの出し・公爵ふじん・カード兵1・ユニコーン・・坂井浩
花2・さかなあたま一・あおむし・料理長・カード王・・・森脇アキラ やまだたけし
花3・なが耳・三月うさぎ・カード女王・・・・・・・・・伊礼妙子
花4・くされぼうし・ぼうし屋・カード兵2・・・・・・・清水あくた
花5・尻ひげ・豚・ねむり袋・カード王子・・・・・・・・菅谷奈緒美
花6・さかなあたま二・召使い・カード兵3・黒騎士・・・大西恵介
おねえさん・花7・羽毛1・ディー・羊・船長・・・・・・岡部ささら
ねこ・花8・羽毛2・ダム・白騎士・・・・・・・・・・・大橋真琴
場面
1 大きな木の下 午後
2 花と汽車
3 揺りいすにひつじ
4 あおむしがいた
5 二人のディードル
6 公爵ふじん
7 こかげのテーブル
8 目の気球
(みじかい休憩)
8 目の気球 つづき
9 カードたち
10 チェスするひと
11 発明家白騎士の歌
12 おかしな裁判
13 大きな木下 夕方