#冷たい雪 温かい雪(後編修正版) by飛鷹 !bgm !bgs !wait30 !v27=1 !v28=1 !v35=1 !v36=1 !v5=1 \>Scene6\<\s\> 冷たい雪降る中で !wait60 !bgm夜の静けさ !mv中央公園 @1 雪が降る 空より舞い散る、儚き結晶 凍てつく風と、共に踊り、 景色を白く染めていく…… 闇に映える白銀が、 まるで全てを埋め尽くすかのように…… @402 はあ……。 私って、本当にダメな子だね……。 @1 今日は12月24日……\s つまり、クリスマスイヴ……。 私は一面雪化粧の中央公園で、 独り、ベンチに座り込んでいた……。 クリスマスといえば、恋人達の祭典のような 雰囲気が、世間では蔓延している……。 ……好きな人と聖なる夜を過ごせるのは、 とてもロマンチックだと思うけど、 それが叶わない人は、 卑屈な思いにかられてしまうのも、また事実……。 私もそんな人々の一人となってしまいました……。 ……本当は、シシト先輩と過ごしたいと 思っていたけれど……。 @0 @1 私は結局、臆病なままだった……。 シシト先輩を誘おうと思いながらも、 結局勇気が出なかった、臆病者でした……。 …………。\s シシト先輩は今頃、冬村さんと ゲームセンターで過ごしているのかな……。 今日のお昼過ぎ……シシト先輩が、 お父さんからの贈り物を、渡してくれました。 その時に、シシト先輩はじめ、岸先輩、冬村さん、 アルバートさんとも遊ぶことになりましたが…… 私は、先輩を誘う絶好のチャンスを……\s その機会を、逃してしまった……。 @402 私、バカだよね……。\s 勇気も無いくせに、どうしてプレゼントを 買っちゃったんだろう……。 @1 私達は最初に、 ショッピング街へ行くことにしました。 ウィンドウショッピングを 皆で楽しんでいたのですが…… 偶然あるものが目に映った時、 私はそれに、心が強く惹かれました。 クリスマスイヴである今日、 先輩に、これを贈りたい、と……。 その衝動に駆られたまま、 私はそれを、こっそりと買うことにしました。 気付かれないかちょっとドキドキしましたが、 無事、プレゼントとして買うことができました。 …………\sここまでは、良かったんだけど……。 そのプレゼントを早速渡すのか……\s それとも、この後二人でデートに、と誘うか……\s 私は、そこで迷ってしまい…… 結局、どちらにしても勇気が出ないまま、 時間は、過ぎていってしまい…… そして……\sタイムリミット……。 家の用事があるので、 皆と別れ、帰宅せざるをえない状況に……。 用事は終えたけど、 今の私は、ただ、独り寂しく過ごすだけ……。 …………\sそういえば、冬村さんはシシト先輩に、 ゲームセンターのメダルを奢ってもらう 約束をしていましたよね……。 だから、冬村さんは……\s 今もシシト先輩と過ごしているのかな……。 もしかしたら、シシト先輩と一緒に、 大きなクリスマスツリーを見ているのかな……。 ゲームセンターとショッピング街の間にある、 とても大きなクリスマスツリーを…… …………\s私も、見たかった……。\s 先輩と一緒に……\s二人きりで……。 ……もう、完全に私の負け、決定なのかな……。 @402 仕方、ないよね……。 @1 それに……\s 冬村さん相手なら、悔しくは無い……かな……。 !bgm @0 !bgm別れ @402 …………。 @1 悔しくないなんて……そんなの、嘘……。 本当は…… たくさん……たくさん、後悔している……。 先輩が"ごめんね"と言って下さったあの日から、 私と先輩は普通に接することが できるようにはなった……。 前みたいに、 気軽にお話したりできるようになった……。 でも、私は……\s そこから前進することが、できなかった……。 人には、誰にも踏み込まれたくない領域が、 心の中に存在する……。 オープンな性格のシシト先輩にだって、 それはきっと、あるはず……。 そこに踏み込まれそうになれば、 追い出そうともするだろう……。 私は一度、そこに踏み込みかけたのかも しれなかった……。 だから、私達はあのように、 ギクシャクしてしまったんだと思う……。 前みたいに、お喋りしたり、 一緒に歩いたりすることはできても…… どこまで近づいていいのか、わからなくて……\s また、拒まれてしまうのが、怖くて…… 大事な一歩を踏み出すことが、できなかった……。 そんな、自分の臆病さが…… こんな肝心な時に頑張れなかったことが、 凄く、情けなくて…… そのまま負けてしまったのが、悲しくて…… だから、悔しくないなんて、嘘……。 冬村さんとの勝負以前に、 私は、自分に負けていたんだから……。 @0 @1 …………。 先輩への想いを自覚してから、 私は、色んなことに気付くことができた……。 特に……今まで知らなかった 自分の一面を、見ることができた。 正直、自分がこんなにも臆病だなんて、 以前は思いもしなかった……。 先輩への恋心に気付いて、 初めて、情けないくらい臆病な自分を、 知ることができた……。 それに限らず……恋をしたら私は どうなるのか、初めて知ることができた。 実は、嫉妬しやすいこととか……。\s 独占欲が強い、ともいうのかな……? ……そんな、どこか卑屈な私は、 やっぱり嫌いだなと思う……。 それから…… 改めて、シシト先輩の事をよく見つめてみて、 気付いたこと、再確認したこと……色々あった。 トラブルへの巻き込まれやすさとか、 日常のどこかズレた感覚とかもあるけど…… そのトラブルを乗り切って、 笑って流したりしてしまう精神の強さも、 改めて実感した。 色んなことに満ち溢れていて、 それを受け止めて生きているシシト先輩が、 とても眩しくも見えた……。 そして……\s そんなシシト先輩と居ると、 嬉しくも、楽しくもなる私が居て……。 そんなふうに、シシト先輩と過ごす時間を 楽しむ私のことは、嫌いじゃない。 臆病だから、一歩前に踏み出すことは、 できなかったけど…… 他の誰よりも、シシト先輩と居る時、 私は素直になれる……。 生きている時間を、 とても充実して過ごせると、気付いた……。 シシト先輩の事を考えすぎて、 睡眠不足になってしまったことも、あったな……。 ………… だから…… 私はシシト先輩が大好きなんだって、 痛いほど、わかった……。 ……胸が、張り裂けそうになるほど…… …………。 シシト先輩にとって私は、 一体、どんな女の子なんだろう……? シシト先輩の瞳に映った私は、 どんなふうなのかな……? 臆病者な私は、 それを知ることなんて、できない、よね……。 @402 …………。 先輩は今頃、どうしているのかな……。 @1 今も冬村さんと過ごしているのかな……。 ………… 嗚呼……\s この胸の痛みも……\s 勇気が出ずに想いを伝えれなかった悲しみも…… みんな、みんな…… 雪が埋め尽くしてくれたらいいのにな……。 そして、綺麗になった気持ちをもって、 シシト先輩にこの想いを伝えたいよ……。 このプレゼントと一緒に、 私の恋心を、先輩に贈りたい……。 風と共に踊る雪の中、 私は密かに、そう、祈り、願った……。 !wait30 !mvnil @1 冷たい雪降る中、独りで……。 @0 !mv !wait60 !mvマジカルパレス @1 どれくらいそうしていただろう……。 いつの間にか、頭がボーっとしていた……。 目の前は、冷たい雪が降り続ける、 真っ白な景色……。 冷たい雪と、凍えるような風が吹く、 温もりの無い世界……。 @0 \c[6]ふわり…… @1 何かがふりかかってきたような、 舞い降りてきたような気がした……。 @400 …………? @1 そっと見てみると、白いものが 私にかかっていた。 雪のように白くて、ふわふわしていて……。 でも、それは、なんだか温かくて……。 その温もりを、いつかどこかで 感じたことがある気がした。 それだけじゃない……。 私の周りだけ、雪が、止んでいる。 何故……? 寒さで鈍ってしまった頭を働かせる。 でも、なかなか答えが出ない。 代わりに…… 「なにやってるのさ、セト……。 こんなところで、独りで……」 そんな声が、すぐ傍から聞こえた。 聞き覚えのあるその声…… 振り向いてみると、そこには…… @100 このままじゃ、風邪ひいちゃうよ? @400 シシト……先輩……? @1 私の想い人が、傘を差して、そこに居た……。 胸の鼓動が、一気に熱くなる。 その熱が、徐々に、全身に広がっていく……。 @402 せ、先輩……?\s どうして、ここに……? @102 僕は、いつもの見回りだよ。 @100 それに…… なんとなく、ここにセトが居そうな…… そんな気が、したからね……。 @1 先輩のその科白が耳に入った瞬間、 全身が強く脈打つ。 そして、さっきまではフリーズしていた思考が、 今度はオーバーヒートしそうになっている……! それによく見てみたら、私にかかっていたのは、 先輩のものらしき、白いコートだった。 つまり、覚えのある温もりというのは、 先輩の温もりということで……! ああ……さっきまで寒くて凍えてたのに、 なんだか熱い……! @100 セト……?\s なんだか顔が赤いけど、大丈夫? まさか、もう風邪をひいてるんじゃ……。 @1 違うの……! この熱は、そうじゃなくて……\s シシト先輩が、急に現れて、傍に居て……\s だから……! ああ、言葉が上手く出てこない……。 ……でも、違う……。 そんなことよりも、伝えるべきことが、 渡すべきものが、私にはある……。 @404 し、シシト先輩! @100 何?セト……。 @1 今こそ、勇気を振り絞らなきゃ……! もう、後悔はしたくない!! この雪の中で先輩に会えた、 奇跡のような偶然…… クリスマスイブの、本当の最後の\r[機会,チャンス]…… 絶対に……\s逃したくない!! @402 あ、あの……わ、私…… @404 シシト先輩にプレゼントがあるんです! @1 その言葉と共に、密かに持っていた 一つの、綺麗に包装された箱を差し出す。 ちゃんと、言えた……。 @402 受け取って、もらえるでしょうか……? @1 ああ、それでもやっぱり私は臆病なんだ……。\s 言葉が、弱気になっちゃってる……。 @100 セトから、僕に、プレゼント……? @402 は、はい……。 @1 先輩は、驚きの表情を浮かべている。 でも、その後、優しく微笑んでくれて…… @100 ありがとう……セト。 @1 受け取って、くれました……。 よかった……。\s 私、なんとか、一歩踏み出せた……。 でも、まだ、終わっていない…… 気を抜くな、私! @400 あの……開けてみてください。 @100 いいの?\s それじゃあ、開けるね……。 @0 @100 これ……本当に、僕がもらっていいの? @404 は、はい! 是非、先輩に身につけて欲しいと 思ったので! @402 ……お気に召さなかったでしょうか? @1 私が渡したのは、小さめの十字架がついた、 シルバーの男性向けなネックレス。 魔物退治をしている先輩の身の安全を祈って、 魔除けとして……と、考えたんです……。 安直な発想ですが……。 それに、普段から飾り気の無い先輩は、こういった アクセサリーは身につけないのでしょうけど…… @100 ううん……。\s 凄く、嬉しいよ。 @102 ただ……\s ここまで、心配してくれていたなんて、 少々申し訳なくも思うけどね…… @1 私の、その想い……伝わってくれました……。 @100 えっと……。 @102 う〜ん……? ごめん、上手くつけれないや……。 @1 あ……。\sそういえば、そうですよね……。 きっと、こういうものを身につけたこと、 今まで無かったでしょうから……。 …………\sここで一つ、閃いた。 すごく……\sすっごく緊張するけど……\s ここまできたんだ。やろう!! @400 じゃあ、私が先輩につけてあげます。 @100 うん。 手間かけさせちゃって、ごめんね……。 @1 少し申し訳なさそうな先輩。 @402 き、気にしないで下さい……。 @1 頑張って平静を装いながらネックレスを受け取り、 先輩の後ろへと腕を伸ばす……。 そして……\sネックレスをかけ…… @0 \c[6]ギュウっ…… @403 で、できましたよ……。 @1 先輩に、抱きつきました。 @100 せ……セト……? @403 プレゼント……。\s受け取ってくれて、 ありがとうございます……。 @100 ううん……。\s 本当に、ありがとうね、セト。 でも……本当に良かったのかな……。\s 僕、何も用意してないよ……? @402 それでも構いません……。 私が、先輩に贈りたいと思ったから、 プレゼントしたんです……。 @100 ありがとう……セト。 @403 いえ……。 @1 "ありがとう"という言葉が、 胸に、染みます……。 @402 でも……。 @1 まだ……終わりじゃない。 ここからが……本番。 @100 ……? @402 その代わりに……\s 先輩に、聞いて欲しいことがあるんです。 @100 わかった。 僕でよければ、聞くよ。 @1 お悩み相談を引き受けるような言い回し…… 実際、そういうものなのかと 先輩は勘違いしているのかな……。 でも、私が言おうとしているのは、 そういうことじゃないの……。 @402 これは、シシト先輩じゃなきゃダメな話、 なんですからね……? シシト先輩だけに聞いて欲しい、 言葉があるんです……。 @1 今、先輩に伝えよう……。 ダメでもいいから、私の想いを……。 今すぐに雪崩が起きてしまいそうなほどの、 私の、シシト先輩への恋心を……。 @402 私……シシト先輩が、好きです……。 他の誰よりも、シシト先輩が……\s あなたのことが、大好きです……。 @100 ……\sセト……。 @1 シシト先輩の温もりに包まれながら、 想いを伝えることができた……。 でも……\s きっと、冬村さんには、先を越されている……。 だから、かな……。 先輩がなにかを言う前に、 私は次の言葉を口にだしていた。 @402 シシト先輩にはもう、 冬村さんが居るでしょうから…… だから、突然こんなことを言われても、 迷惑でしょうけど…… それでも……\s 今、私の想いを伝えたかったんです……。 @1 全部、言えた……。 これで、少し楽になった……。 だから、もう、先輩から離れよう……。 名残惜しいけど、これ以上シシト先輩に 抱きついているのは、冬村さんに悪い……。 シシト先輩は、私のものじゃないから……。 @0 \c[6]ギュッ…… @403 わ…… @402 せ、先輩…… @1 シシト先輩から離れようとした時、 急に、先輩が私を少し強く抱きしめた……。 @100 セト……。\s 僕の返事も聞かないまま、 離れていく気だったの……? @1 吐息がかかるくらいに耳の近くで、 そうささやいた先輩……。 全身の血が煮えたぎるほどに、 身体が熱くなり…… 甘く、そして切ない痛みが、 胸の中で疼いた……。 @402 え……?\sせ、先輩……? @1 ど、どうして……? きっと、もう冬村さんがシシト先輩に 告白しているはずなのに……。 @100 確かに僕は、冬村さんに告白されたよ。 @1 だったら、なんで……? 断りの言葉は、聞きたくない……! それを聞いてしまったら、 心が壊れてしまいそうな気がする……。 @100 でもね……\s僕は、断ったんだ……。 @402 え……?\s ど、どうして、ですか……? 先輩、あんなに、冬村さんと 仲良さそうだったのに……。 @100 そうだね……。\s 確かに、冬村さんは仲の良い女の子だよ。 だけど…… !bgm 僕は、\sセトの事が、\s好きだから……。 !bgs(環境)心拍 !wait30 !bgs @403 \f[32]―――!!! @1 い、今……先輩は、言いましたよね……? わ、私の事が……す、好き、だって……。\s た、確かに、言いましたよね……? @403 ほ……本当、ですか……? @100 本当だよ。 昔から、セトの事が大事だった……。 @102 情け無いことに、セトの事が好きだと 気付いたのは、つい最近なんだけどね……。 @100 だから、さ……。\s 逃げないで、傍に居てほしいんだ……。 @0 !mv !bgmエンディング1 !wait45 @403 〜〜〜〜っ!!\s シシトせんぱ〜いっ!!! @1 もう、ダメ……。\s 想いが溢れてきて、涙が、止められない……! @403 せんぱい……\s シシト、せんぱい……! @1 次から次へと湧き出てくる感情で、 頭が混乱していて…… その想いにまかせて、ただひたすらに、 シシト先輩の事を呼んでしまいました……。 @100 セト……。 @1 シシト先輩も、私を優しく……。\sだけど、 少しきつめに抱きしめ続けてくれました……。 両想いになれるなんて……さっきまでは、 ほとんど思っていなかった……。 もう、冬村さんに負けてしまったものだと、 思い込んでいたから、尚更……。 だから、嬉しくて、嬉しくて……\s もう、どうしていいのか、わからない……。 今、こうしてシシト先輩の温もりに 包まれているのが、とても幸せで…… 嗚呼、幸せすぎて、苦しいよ……。\s なんだか、変になりそう……。 @403 はう〜〜…………。 @1 先輩が、頭をぽんぽんとしながら、 撫でてくれる……。 ちょっとだけ、苦笑が混じりながらも、 優しく微笑んでくれて……。 私が縋り付いて、思い切り泣いているせいで、 ちょっとだけ、困っているのかな……? @102 あんまり泣かないで……。 @100 セトは、笑ったほうが、可愛いから……。 @1 嗚呼、この人は…… 私の心臓を壊す気なんでしょうか……! そんなこと言われたら、熱に浮かされて、 おかしなこと言っちゃうかもしれませんよ!? 例えば…… @403 じゃあ……\s クリスマスプレゼントの代わりに、 キスしてください……。 @1 とか……。 @0 @1 …………\sっは!? 今、私、声に出して言っちゃった!? うっかり間違えて言っちゃったの!? @102 き、き、キス……ですか? @1 ああああ!\s先輩まで真っ赤になってる!\s 間違いなく、うっかり言っちゃったんだ! はわわわわわ…… ……でも…… 顔が真っ赤になった先輩が、 なんだか、とても可愛く見えた……。 それに……凄く、緊張するけど……\s シシト先輩と、キス、したいのは、本音だから……。 !mvnil 少し上を向いて、瞳を閉じる……。 先輩がキスしてくれるのを、待つ……。 …………。 @0 @1 待っている少しの間……\s 凄く、緊張しました…… でも……\s唇に、少しひんやりした、 柔らかい感触が伝わってきたとき、\s 緊張は、解けていきました…… まるで、雪が溶けていくように……。 そして、ひんやりした感触も、 徐々に温かいものへと変わっていった……。 シシト先輩の唇が、私の唇に、重なっている……。 微かに漏れる吐息も、直に伝わってくる……。 私自身も、溶けてしまいそう……。 ………… やがて、先輩が離れていく気配がした。 でも……まだ、離して欲しくない…… 先輩の後ろにまわした腕に、少し力をこめる。 それでシシト先輩も察してくれたのか、 少しだけ角度を変えて、口付けを続けてくれた。 シシト先輩の何もかもが、愛しくて……\s ここにある温もりが、今の私の全てとすら、 感じた……。 心まで触れているような…… そんな気がした……。 ………… ……少し、息が苦しくなってきたかな……。 漸く私達は、どちらからともなく、 唇を離した……。 !mvマジカルパレス @403 はふぅ…………。 @1 ああ、なんだか、全身の力が抜けてる……。 そのまま、シシト先輩に身を預ける形に なってしまった私……。 @100 せ、セト……?\s 大丈夫……? @403 凄く、良かったです……先輩……。 @102 え、え〜と……。 @1 シシト先輩、顔が更に赤くなった……。 私、変なこと言ったかな……? ………… い、言ったよね……。 大丈夫?って聞かれたのに、 凄く、良かったって……私、何言ってるの……? でも…… 病み付きになりそう……。 私がキス魔になったら、 シシト先輩のせいなんですからね……? 勿論、シシト先輩限定の、ですけど……。 なんというか……変な言い方ですけど、 シシト先輩限定のキス魔なら、 なる自信がある私が居たりします……。 @102 と、ところで…… @100 そろそろ、帰ろう?\s 流石に、ここでじっとしていたら、寒いし……。 @402 そう、ですね……。 @1 名残惜しいですけど……。 でも……そう言えば……。 @402 シシト先輩。\sコートかけてくれて、 ありがとうございます。 @1 首周りに、白いふわふわの羽のようなものが ついた、先輩のコート…… かけてもらいっぱなしでした。 @100 それ、まだ着たままでいいよ。 帰り道、送るからさ。 @402 で、でも、それじゃあ先輩が……。 @1 今の先輩、それほど厚着をしているわけじゃ ないから、寒いはずですし……。 @102 それに、さっきのセト、寒そうだったし……。 @1 "でも、シシト先輩の気遣いが温かいですよ"\s なんて科白は、なんだか言えなかった……。 その……変にキザっぽくて、恥ずかしくて。 それに、私も元々それほど厚着をしていた わけじゃなかった……。 @402 え、えっと……それじゃあ……。 @1 シシト先輩にくっつき、先輩の肩にも コートをかけてあげる……。 つまり、一つのコートを二人で着るという とてもベタベタなシチュエーションですが……。 @403 こ、これなら、お互い温かいですよ? @1 ある意味、温かいを超えて、 熱いかもしれませんけどね……。 @102 そ……そう、だね……。\s 凄く、照れる、けどさ……。 @1 やっぱり、シシト先輩も 同じように考えているみたい。 @403 ところで…… 先輩が白いコートを着るなんて、 少しだけ意外ですね……。 @102 まあ、そうだよね……。 @100 確かに、暗い色の方が多かったから、 敢えて白いコートというのもいいかな…… と、なんとなく思ったんだ。 @102 ……変かな? @404 いえ!むしろ、良いです!! @403 それに、このふわふわしたところ……。\s なんだか、温かい雪みたいじゃないですか。 @1 私に舞い降りた、 とても優しくて、温かい雪……。 @100 実は僕もそう思ってたんだ。 @403 やっぱりですか? @100 うん。 それじゃ、冷たい雪に降られながら、 温かい雪を着て帰ろうか。 @404 はい!! @100 あとさ……\s 明日、空いている時間、ある? @403 ……デートの、お誘いですか? @102 ま……まあ、そんなところ……かな? @1 照れてるシシト先輩……\s やっぱり、可愛い……。 @100 やっぱり、ちゃんとしたプレゼントを セトにあげたいし……。 明日……12月25日がクリスマスなんだし、 クリスマスデートということで……。 @402 街は、クリスマスムードが 減っていますけどね…… @1 12月24日が本番みたいな雰囲気が、 世間では蔓延しているよね……。 @102 まあ、その分、人ごみも少ないだろうし、 きっと一緒に行動しやすいよ? @404 そ、そうですね! @1 ロマンはイマイチだけど、 これが、先輩らしいポジティブシンキング。 それに、そんな風に考えたほうが、 きっと、楽しめる。 !mvnil それから私達は、雪が舞い散る中、 ゆっくりと帰り道を歩いていきました。 一つのコートを一緒に着て、 寄り添いながら、ゆっくりと……。 そして、別れ際…… @403 あの、シシト先輩……。 @100 何?セト。 @1 こっちを向いたところで…… @0 チュッ…… @403 それでは、また明日です! @100 う、うん……。 @1 ごめんなさい、シシト先輩……。 私、シシト先輩に対してはキス魔に なってしまったみたいです……。 ……覚悟、しておいてくださいね? @0 \s\s\s \wx \wx I wish their and your happy Christmas. !bgm !bgs