#夢見る大地 永遠の翼 三つのエピローグ by飛鷹 !wait60 白き竜神が見せた\r[過去,ゆめ]は終演を迎え、\s その墓守を名乗る者の\r[野望,ゆめ]も砕かれた。 ゆめは、儚く消えるもの……。 しかし…… 人は時として、\r[願い,ゆめ]を叶える。 !wait60 \>  Silhouette Note. After Ending story.\<\s \f[36]\>  夢見る大地 永遠の翼\<\s \> 三つのエピローグ \>Epilogue1:\<\s\> 女神 !v5=1 !v29=1 !v38=1 !wait30 !bgm黄昏 !bgs../SE/(Action)跳ね !wait30 セトとシシトは、戦いから帰ってきた。 月明りの下、銀色に光る翼を広げ、 帰りを待ちわびた者達のもとへ、二人一緒に。 !wait40 !bgs !mvシシトの部屋 !se(Action)跳ね !wait10 @440 よっと…… @130 ほいっと @1 高き空から舞い降り、 皆の前に立つ、セトとシシト。 @730 シシトさん……セトさん…… @261 お前達…… @830 二人とも…… @1 二人は、帰りを迎えてくれた者達の顔を、 一人一人見つめる。 誰もが自分達の無事を祈ってくれたこと。\s その温かさを心の中で感じ、そして…… @134 ただいま……みんな。 @441 ただいまです! @1 その言葉を告げれる喜びを、噛み締めた。 !se(Action)跳ね @832 お帰り〜!!! 私、凄くすっごく心配したんだからね!? @134 ありがとう、クロウ。 @130 お礼にもふもふしてやるぞ〜。\s この前してなかったしね。 @832 もふもふきゃっほう!! @1 クロウは思いのままに飛びついて 彼らの温もりを肌で感じ @261 私だって、心配したんだからな?\s シシトのことも……セトのことも…… @1 アルバートもまた、 涙目ながらにその思いを口にした。 @440 ありがとうございます。 アナちゃん……。 @734 二人とも…… 災厄を防いでくださり、心より感謝します。 @732 そして、何よりも…… 二人で無事に帰ってきてくださり、 ありがとうございます……。 @440 リクレールさん……。 @134 ありがとう……リクレールさん……。 @1 交わされる一つ一つの言葉に宿るのは、 帰ってきた喜びと、迎える温もり。 そして……\s優しい、感謝の気持ちだった。 @0 !mv !wait20 @260 しかし……二人とも、元気そうで安心した。 やはり、あの爆発に巻き込まれたわけでは なかったみたいだな。 @131 いや…… 実は僕ら、あのど真ん中に居たんだよね。 @262 ええええ!? @833 やはり、そうだったのか!? @731 よく、ご無事で…… @134 あれは流石にヤバかったんだけど…… @130 セトが、逸早く爆発の予兆に気付いたんだ。 @1 シシトはそっと、セトと目を合わせる。\s 微笑みと感謝を、その瞳に湛えながら。 @134 そのお陰で、僕らは、 翼で身を守ることが出来たんだ……。 @440 ギリギリでしたけど…… 間に合って、本当によかったです。 @1 セトもまた、 微笑みと、共にある感謝の想いを、瞳で返す。 @440 でも、私達に翼を与えてくださったのは、 ツバサさん達なんです。 @730 え……?\s ツバサさん達が……? @1 "ツバサ"の名を聞き、 リクレールは戸惑いを露にする。 @440 ツバサさん達のお陰で、私達は、 生きて帰ってくることができたんです。 @730 そうなのですか…… @1 彼らがセトとシシトに翼を与え、助けたとは、 一体どのような意味なのか…… 様々な可能性を思い浮かべ、期待と不安、 そして、浮き上がった罪の意識に翻弄され…… 一抹の恐れも、リクレールは抱いた。 @440 リクレールさん……。 @1 それを感じ取りながらも、 セトはリクレールに問いかける。 @440 ツバサさん達と、会ってくれませんか? @1 リクレールを苛み続けてきた、 ツバサ、ケイ、ソウガの三人に対する罪の意識を 払拭するために。 @0 !bgm !mvnil !mv !wait30 !mvシシトの部屋 @730 …………。 @1 セトさんは、今確かに、私に言った……。 「ツバサさん達と、会ってくれませんか?」と…… 私は、それが示す意味を理解するのが、 少し、怖かった……。 もし、セトさん達が彼らの遺した物――\s例えば、 彼らが宿りし剣によって助かったのなら…… 私は改めて、彼らの悲劇的な死を 受け止めなくてはいけない……。 @440 シシト先輩。剣を…… @130 うん。 @731 ……っ! @1 シシトさんとセトさんが差し出した剣……。\s それは正しく、太陽の剣と、聖なる月の剣……。 彼らの魂が眠りし、二本の剣……。 ……やはり私は、彼らの悲劇を 再び受け止めるべき、なのですね……。 でも……\s どこか、嬉しくも思う私が居ました。 私は今まで、 お墓参りをすることも出来なかった……。 ただ、彼らが描かれた絵を見つめては、 過去を悔いるばかり……。 その魂と、正面から向き合うことが、 ありませんでした……。 でも……今、その機会が与えられた。 償いにもならないでしょうけど……\s お墓にお花を添える代わりにはなるでしょうか。 @730 ………… @737 ………… @1 今こそ、向き合いましょう。\s 彼らの魂と……。 @0 !mv !bgm別れ !wait20 @737 ケイさん……\sソウガさん……\s ツバサさん……\s どうも、お久しぶりです……。 あれから、 どれだけ時が経ったでしょうか…… @1 問いかけたところで、 彼らの言葉など、返ってはこないでしょう。 私に出来るのは、 一方的に話しかけるだけのこと……。 それでも…… @737 何百年という長き時を、あなた達は、 剣の中で過ごし続けたんですよね……。 そして、何度も戦ってくださった……。 辛い思いをさせてしまい、 本当に、申し訳ありません……。 @1 幾度も思い出しては、胸が痛んだこと……\s 今も、彼らのことを想っていること……\s ずっと、忘れずにいたこと…… その想い……剣の中で眠る彼らの魂に、 少しだけでもいいから、届いてほしい…… そう願いながら、私は語りかける。 @737 そして、あなた達を救うことができなくて、 ごめんなさい……。 @1 これは、単なる自己満足的な懺悔という行為 なのかもしれませんが…… 救いたかったという想いは、 何よりも心から伝えたかった……。 @737 私のせいで、あなた達は…… @1 そして……\s謝りたかった……。\s 赦されないとわかっていても……。 @0 !mv @1 \c[5]「女神が謝ることなど、何一つ無い」 @730 え……? @1 声が、聞こえた……?\s 聞き覚えのある声が……。 それは、シシトさんの声でも、 セトさんの声でもない、懐かしい声……。 @0 !mv @1 \c[3]「それに、私達は救われていますよ。  リクレール様のお陰で」 @730 ――――! @1 そして、幻聴でもない……。 胸が、高鳴っていく…… @0 !mv @1 \c[4]「何より……俺達は、  こうしてまたリクレールに会えたしな」 @730 ツバサ、さん……?\s ケイさん……?\s ソウガさん……? @1 私は、夢でも見ているのでしょうか……? 目の前に、彼らが……\s もう、二度と会うことなど出来ないはずだった、 彼らが居るなんて……。 熱くなった鼓動が、鳴り止まない…… この再会は本物だと、 信じても良いのでしょうか……? @440 彼らは間違いなく、 ツバサさん、ケイさん、ソウガさんですよ。 @730 え……? @1 柔らかな微笑を浮かべるセトさん。 その瞳が、これは嘘なんかじゃないと 私に教えてくれている……。 @130 彼らは、守護者としての力で、 こうして人の姿を現すことができるんです。 @1 そして、シシトさんもまた……。 @134 ですから…… @130 彼らと、いっぱいお話をしてください。 リクレールさん。 @440 こうして、彼らと再会できたんですから。 @730 シシトさん……セトさん…… @1 二人とも……この再会を、 心から喜んでくださっている…… 嗚呼……胸が熱い…… @737 ありがとうございます……\s 本当に、ありがとうございます……っ! @1 \c[4]「な、なな、泣くなよリクレール!?」 @732 ご、ごめんなさい……。\s その……嬉しくて、つい……。 @1 こんなにも胸が締め付けられるほど、 喜びは、とても大きかった……。 @0 !mv @1 \c[3]「相変わらずなんですね、リクレール様」 \c[5]「ツバサの、女の涙に弱いところも  相変わらずだがな」 \c[4]「って、からかうなよ、ソウガ……」 @734 ふふっ。 あなた達も、相変わらずなんですね。 @732 本当に、よかった……。 @1 魂が剣の守護者になっても、 彼等は、生前の彼等らしいままで……。 お陰で、胸のつかえがおりた気がします。\s ほんの、少しだけ…… @731 でも…… @737 やはり、謝らせてください。 @731 私は、あなた達に、 辛い道を歩ませてしまったのですから…… @1 彼らに人間の運命を背負わせただけではなく、 悲劇の末に、剣の守護者にまでしてしまった…… それは、私の罪でしかないのですから…… @0 !mv @1 \c[3]「気負いすぎよ、リクレール様」 \c[5]「女神が居なければ、俺達の運命は、  絶望によって閉じていた」 \c[4]「それをリクレールが開いてくれたんだ。  \sずっと、感謝してたんだぜ?」 @731 それでも…… @1 私は、あなた達を救えなかった上に、 剣の守護者になったのも、元々は私のせいで…… そう、言おうとしましたが…… @0 !mv @1 \c[3]「それに、私達が剣の守護者になったのも、  私達が望んでのことですよ」 言うより前に、そう告げられた…… @0 !mv @1 \c[4]「勿論、俺も、望んでのことだぜ」 @731 ツバサさんも……? @1 \c[4]「そう言えば、リクレールは知らないか。  \s俺が魔王になりかけたこと」 @731 ツバサさんが、魔王に……!? @1 何故、私はそれに気づけなかったのでしょう。 人間が、魔王へと変えられてしまう時、 多大な苦痛に心身を蝕まれるというのに…… 私は……そんな重大な異変にすら、 気づいてあげれなかった…… @0 !mv @1 \c[4]「リクレールが帰ってからなんだが……  \s次の魔王として、俺に白羽の矢が立てられた」 \c[4]「竜神の"人間を殺せ"という意志が、  俺に流れ込んできたんだ」 \c[4]「でも……俺だって、人間を守りたかった」 \c[4]「魔王になって人間を殺すくらいなら、  そうなる前に……」 @731 それで、太陽の剣で自害を……? @1 \c[4]「ソウガとケイには、申し訳なかったけどな」 なんて、強い人なんでしょうか…… ツバサさんは、友を失った悲しみに苦しんで 自殺したのでは無かった…… 自らの意志を貫き、希望を繋ぐ為に…… ………… これほどまでに辛い道を歩んでいながら、 彼らは、今も笑っている…… それも、彼らの強さ故、なんですね……。 @0 !mv @1 \c[3]「私もソウガも、  最初はツバサの選択に怒ったけど……」 \c[5]「コイツは、どこまでも本気だった。  \sその気持ちも、理解できた。  \sだから、選択を受け入れた」 @731 そう、だったのですか…… @1 胸が、痛い……\s 引き裂かれるように、ズキズキと…… 私は、やはり罪深い…… @737 本当に、ごめんなさい……っ! あなた達を救えず、 その思いも知らず、私は……! @1 \c[4]「だ、だから、泣くなって!?」 @737 ごめんなさい……。 @1 泣いたって、罪が赦されないことくらい わかっています…… @737 でも……でも……! @1 そんな自分が赦せなくて……\s 感情も、抑えれなくて……! @0 !mv @1 \c[5]「やはり、優しいんだな……。  \sそんな女神に、罪など何も無い」 @731 ソウガさん…… @1 そんな私を慰めるように、 彼らは、優しい言葉をくださる…… @0 !mv @1 \c[3]「リクレール様は、絶望の中であっても、  私達人間に希望を与えてくれたし……」 \c[3]「こういう道を選択したのも、私達自身ですし」 @731 ケイさん…… @1 一言、一言……\s優しさと温もりという清水を 私の枯れかけた心に、しみこませる様に…… @0 !mv @1 \c[4]「そのお陰で、人間は生き残ることができた。  \s俺も、剣の守護者として  コイツらとまた一緒になれた……」 \c[4]「何より……  \sこうしてリクレールと、また会うことが出来た」 \c[4]「だから、後悔なんて全くしていないし、  不幸だとも思っていねーんだ」 \c[4]「むしろ……幸せとすら思ってるぜ」 @731 ツバサさん…… @1 "幸せとすら思っている"\s その言葉が、\r[俄,にわ]かには信じられなかった…… 私は、彼らを苦しませ続けてしまったと、 ずっと思っていたからこそ……。 ですが……本当に、幸せと……? @731 ………… @1 彼らが私に向けている表情…… それは、共に過ごした日々の中で彼らが見せた、 屈託の無い笑顔と変わらなくて…… 月のように優しく……\s太陽のように力強く……\s そして、光のように真っ直ぐな笑顔だった……。 嘘、偽りなど微塵も無い、彼らの笑顔だった…… @0 !mv @1 \c[3]「だから、私達の為に哀しい顔なんか  しないでください。リクレール様」 \c[4]「俺は、リクレールの笑顔が大好きなんだ」 \c[5]「だから、気負う必要など無い」 @732 皆さん……。 @1 …………\sようやく、理解できました。\s 彼らにも、救いがあったのだ、と……。 @0 !mv @1 \c[4]「それに、さ……\s  リクレールが人間達のことを  愛してくれたように……」 \c[4]「俺達人間もまた、  リクレールの事を愛しているんだぜ」 @730 え……? @1 あ、愛して、いる……? 思いもよらなかった言葉……\s どう応えたらいいのか、わからない……! 今……確かに、"リクレールのことを"って、 ツバサさんは仰りましたよね?\s 私の、自惚れなんかじゃなくて…… でも…… @732 あ、愛しているって……\s わ、わわ、私の、ことを……ですか……? @1 本当に自惚れじゃないのかが信じきれず、 そう聞き返すのが、私には精一杯でした…… @0 !mv @1 \c[3]「勿論ですよ、リクレール様!」 @732 まぁ……。 ど、どう応えたら\r[好,よ]いのでしょう…… @1 嗚呼……\s 私は、なんと幸せ者なのでしょうか。 人々に愛を与えるのが女神たる者……\s でも……人から愛していただけるなんて、 今まで、思ってもみなかった……。 @0 !mv @1 \c[3]「と・く・に……  \sツバサのリクレール様への想いは特別よー」 @732 え、えっと……\s と、特別というのは…… @1 \c[3]「聞いて聞いて、リクレール様!  \sツバサったら実は――」 \c[4]「ちょ、待て、ケイ!?」 @0 !mv !wait20 !mvnil !wait30 @130 ………… @134 みんな救われたみたいでよかった……\s 楽しそうだし、幸せそうだし…… @440 リクレールさんにも、 幸せが訪れたみたいですし、ね。 @1 何百年もの時を越えて訪れた再会劇。 それを見届けた私たちは、 頃合を見てこっそりと部屋を出ました。\s 折角のひと時を邪魔しないように……。 でも、様子が気になって仕方なかったので、 結局、外からじっと見守っていました。 リクレールさんの心に刻まれた深い傷……\s 少しだけでも、癒されましたよね? リクレールさんはようやく、 女神として救われたんですよね……?\s また、人としてのリクレールさんも…… @830 あれほどまでに幸せそうな女神様は、 初めて見た……。 しかし…… @832 我も今一番幸せなの〜♪\s もふもふ〜♪ @134 本当に幸せそうだねぇ、クロウ。うりうり〜 @832 はぅうん♪ @440 ………… @1 クロウさん、凄く幸せそう……\s シシト先輩も楽しそう…… @440 …………\sむぅ…… @1 私、なんだか寂しいんですけど…… @134 はい、もふもふおしまい。 @440 …………。 @1 今度は、私をもふもふして、シシト先輩……\s なんて、流石に言えないですね……。 @832 はふ〜ん……名残惜しいの…… @131 はい、ワガママ言わないの。 @440 …………。 @1 あう……。\s 偶然とは判ってますけど、なんだか、 私まで同じこと言われた気分なんですが…… @833 むぅ……我慢我慢……。 @1 私も、我慢我慢…… @830 ところで、一つ聞いてもいいか? @130 ん?何か、気になること? @830 いや……シシトに比べて、セトの格好が 大分ボロボロなのが、少し気になったのだ。 怪我自体は回復しているようだが…… @130 ああ、それは…… @134 ………… @1 質問に答えようとして、 そこで口篭もるシシト先輩……。 表情が、大きく変わった……。\s 表面こそ取り繕ってこそいますが…… @830 やはり、 二人が持つ力量の差が表れたのか? @134 違うよ……。 そんなことじゃないんだ……。 @440 シシト、先輩……? @1 先輩がかぶる、平静な表情の仮面。\s その下には、悲痛な微笑が浮かんでいる……。 @134 セトは、僕を助けてくれたんだ……。\s 身体中傷だらけになりながら、僕を…… @830 シシト……? @134 セトのお陰で、こうして 帰ってくることが出来たんだ……。 @130 セトには、とても感謝してる。 @134 感謝しても、しきれないほど、ね……。 @1 ゆっくりと語る先輩は、笑顔を見せています。 でも、その陰には……\s 自虐的な気持ちが、垣間見えました……。 @440 シシト先輩…… @0 !mv !bgm !wait20 ようやく……気がつきました。 事件の終幕で、色んな人たちが救われた中……\s 一人だけ、傷ついた人がいることに……。 !wait60 \>Epilogue2:\<\s\> 燕達 !wait30 それから、数日後…… !v5=0 !v27=2 !v35=2 !wait40 !bgm住宅街 !bgs(環境)鳥の鳴き声 !mv住宅地 !wait10 @400 …………\s 燕さんの一家は、みんな元気そうですね。 @1 事件が終わり、 前代未聞の異常気象も終わり…… 騒がしくなった世間も、最近になってようやく、 落ち着きを取り戻しはじめました。 私もシシト先輩も、 割と穏やかな日々を過ごしています。 ただ、私たちは学生、受験生でもありますから、 別の忙しさに追われ、会える時間は少ないです。 連絡こそ取り合っていますが、 後は、夜の訓練を短時間で行うだけ……。 ……正直に言ってしまえば、 寂しいというのが本音なんですけどね。 そんな日々の中でたまたま出来た、 学校帰り後の空き時間 私はシシト先輩の家に立ち寄り、 例の燕さん一家の様子を見ていました。 シシト先輩自身は、 まだ帰ってきていないみたいですが……。 やっぱり、忙しいんでしょうか……。 @402 はぁ……。 @1 燕さんの一家が元気なのは良いんですが、 シシト先輩は、時々元気が無いんですよね……。 できれば、ゆっくりお話をしたいんですが……。 @0 !mv !wait20 @100 あれ、セト? @400 あ、シシト先輩! @1 そんなこんな考えてたら、会えた……。 @100 こんなところで、どうしたのさ? @400 たまたま暇が出来たので、 ちょっと、燕さん達の様子を見に…… @100 そっか……。\s 親鳥は夫婦共々元気だし、 雛達もすくすく育っているみたいだよ。 @400 そうですね……。 @402 あの、それと…… @100 …………? @403 一番の理由は、シシト先輩に会いたくて、 だったりします……。 @100 そっか……。\s わざわざ来てくれてありがとう、セト。 @102 むしろ、大分待たせちゃったみたいで、 ごめん……。 @402 あ、いえ……。 @1 …………\s最近のシシト先輩は、 やたらと私を気遣ってくれます。 確かに、以前も気遣ってくれたんですが……\s 今のシシト先輩がしてくださるそれは、 どこか不自然。 らしくないと言いますか……\s 過剰、なんですよね……。 今みたいに、私が勝手にしたことであっても、 シシト先輩が謝ったり―― @400 あの、シシト先輩。\s 少し、お話しませんか? @100 いいけど……。 改まって、どうしたんだい? @402 改まってというわけではないんですが…… @400 色々と、ゆっくりお話がしたいんです。\s 久しぶりに、二人きりで……。 @100 ん、わかった。\s 僕の時間なら、いくらでも君にあげるよ。 @402 は、はい。 ありがとうございます……。 @1 ――時には、私の為になら、自分のことは いくらでも犠牲にしそうな様子すら見せます。 なんと言いますか……\s流石に、変ですよね?\s 自然体じゃないですし、無理していますし……。 @0 !mvnil !bgm !bgs !mv !wait20 @1 ……シシト先輩がそのように振舞う理由は、 解っているんですが……。 私はそれを、 なんとかすることが出来るのでしょうか……。 ううん……\sなんとかしたいんです。 かつてシシト先輩が、 私にしてくださったように…… @0 !mv !wait50 セトの部屋―― !wait20 !bgm安らぎ !mvシシトの部屋 !wait10 @400 では、お茶を用意しますから、 くつろいでください。 @100 う、うん……。 @404 では、少々お待ちを! @0 !se(Action)ドア開け !mv !wait30 !mv自宅 !se(Action)ドア閉め !wait10 @402 …………。 @1 やっぱり、どこか固いですね。 シシト先輩の様子……。 ……あ。\s それは私の部屋に招き入れたからでしょうか。 でも、二人きりで静かに話せる場所なんて、 他に無いですしね。 ……折角の二人きりな時間ですから、 思い切りじゃれたり、甘えたい気持ちは、 確かにありますが…… 今は、他に大切なことがありますから、 その一点に集中しましょう。 ……しかし、シシト先輩の心を、 どうしたら解きほぐせるでしょうか……。 シシト先輩……"ソレ"に関しては、 なんだか頑なになっているんですよね……。 直接的に言ったとしても、 きっと、はぐらかされてしまいますし……。 どうすれば…… @402 ……いけない。\s 私が焦っちゃダメだよね……。 @1 まずは、ちょっとずつ…… じっくりいきましょう。 @0 !mv !wait20 @400 さて、お茶の準備はできましたから、 部屋へ戻りますか。 @1 まず、リラックスしてもらえたらいいな……。 @0 !mv !se(Action)ドア開け !wait30 !mvシシトの部屋 !se(Action)ドア閉め !wait10 @404 お待たせしました! @100 あ、セト。 @102 えっと、この場合は おかえりって言えばいいのかな……? @403 それもちょっと変な気はしますけど、 どうもありがとうございます。 @1 やっぱり、ぎこちない……\s というより、普通に緊張されているんですね。 この前、私を心配して来てくださった時は、 落ち着いていたのに…… でも、あの時は気を張られていたせいで、 余裕が無かったのでしょうね…… 今も、違う意味で余裕が無いみたいですが。 ……かく言う私も、 少しドキドキしているのはナイショです。 @400 まずは、こちらをどうぞ。 @100 ありがとう。 @1 淹れたての紅茶からは程よい香りが漂って、 気分を落ち着かせるには、丁度良い感じですね。 少々渇き気味だった口と喉も潤いますし。 @0 !mv !wait20 @402 ところで……\sシシト先輩の学校でも、 "白い竜と鳥の噂"が広まっていますか? @102 あの件に関する噂か〜。 @100 結構知れ渡っちゃったみたいだよ。\s 知らない人の方が少ないんじゃないかな。 @402 やっぱり、広まるのが早いですね……。 @1 "白い竜と鳥の噂"というのは、 先日の戦いに関するもの……。 あの夜、偶然白き竜神や私たちの姿を見た人が 起点となって、広まっているらしいのです。 @100 白い竜についてはいずれ廃れるとしても、 鳥の方がちょっと問題だね……。 それが僕らだってことはバレてないから、 まだいいけど…… @402 これから"永遠の翼"を使う時は、 かなり気をつけないといけませんね……。 @100 そうだね……。 二本の剣もそうだけど、 "翼"は最後の切り札としておくべき、かな。 @102 でも、アクアフロートの外へ行くには、 やっぱり"翼"で飛ばないとだし…… @402 魔物は世界中の色んなところで 出現しますからね……。 @1 あの一件以来、 特に"永遠の翼"で空を翔けた私達の姿は、 世間で様々な憶測を呼んでいました。 アクアフロートに舞い降りた、巨大な白い鳥……\s 『それは現代に蘇った不死鳥だ!』 というファンタジックな説もあれば…… 『新型のUFOだ!』というSFチックな噂……\s 『飛行機かちょっと大きい鳥を見て錯覚した』 という現実的な推測もあるようです。 でも『男女二人が翼で空を飛んでいた』という 正解は全く出ていなくて…… これを秘密としておけるのは良いのですが、 少し残念な気もしてしまうのは何故でしょう? どちらにしても、私達にとっては 悩みのタネなんですけどね……。 でも―― @400 でも、その場合は、飛び立つ時間と場所に 気をつければいいんじゃないでしょうか? @100 後は、飛び立った後にとる軌道も、だね。 @102 目撃される可能性をゼロにすることは、 それでも流石に無理そうだけどね。\s いくら注意を払ったとしても……。 @402 う〜ん……。\s やっぱり、"翼"を使う場合においては、 そういったことは避けれないですか……。 @1 ――このような共通の悩みって、 お喋りをするには、格好の話題なんですよね。 お互いの考えていることを言い合えますし、 ちょっとずつ緊張がほぐれてきますし……。 それに―― @100 まあ、"永遠の翼"そのものは、 カメラには写らないようだし…… 僕らも変身していれば同様だから、 いざとなったら躊躇わずに使えば良い……。 そう割り切れるところは、気楽だね。 @400 そうですね……。 ところで、最近になって思い出せた セタさんの記憶なんですが…… "永遠の翼"は、ツバメさんとセタさんにも 与えられたんですよ。 !bgm @1 ――話題を発展させて、 意図したものへ繋げていくこともできますから。 ちょっとずつ、ちょっとずつ…… @100 ああ、僕もツバサさん達から聞いたよ。 最初に与えられたのが、あの二人で……\s でも、"永遠の翼"そのものが生まれたのも、 二人の力があったからこそなんだって。 @402 でも、ツバメさんとセタさんが……\s あの二人が"永遠の翼"で共に飛んだのは、 たった一回きり…… それも、竜神との戦いに終止符を打つ、 刹那の出来事だったんです。 @100 一回きり、か……。 じゃあ、白き竜神の心臓に刻まれていた、 二つの傷跡が……? @402 それが、二人が"永遠の翼"で舞い上がり、 止めを刺した時にできたものです。 @1 引き出すことができたセタさんの記憶には、 その光景が鮮明に残っていました。 何もかも焼き尽くさんばかりの炎を、 二つの翼で切り裂いていき―― ――白き竜神の心臓を、 太陽の剣と聖なる月の剣で貫く瞬間が。 そして…… その刹那、ツバメさんが見せた表情も……。 @100 僕の先祖と、セトの前世が倒した相手……\s その肉体を、今度は僕らが破壊した。 それも、太陽の剣と聖なる月の剣を持ち、 永遠の翼で空を翔けて、か……。 ここまで重なるなんて、凄いな。 @400 偶然では無いと思います。 因果と言いますか……\s そのようなものがあるんだと思います。 ツバメさん達と私達が重なるような…… @100 そう、だね……。\s 僕も、そうは思う……。 @100 でも…… @402 …………? @1 今、シシト先輩の顔や声、言葉に、 寂しさや不安の色が見えた……? 僅かに、ですが……。 @402 でも……なんでしょうか? @102 ああ、いや……なんでもないよ。 @100 とにかく……\sそのお陰でシルフェイドに、 新しい時代が訪れたんだよね? @400 そうですね。 @402 …………。 @1 まただ……。\s また、シシト先輩は、何かを隠した……。 今、隠されてしまったのは、 "不安"と"寂しさ"だと、私は見受けました。 でも、何故シシト先輩は、 そのような感情を胸に秘めているのでしょう。 "理由"が隠されてしまって、見えない……。 それに、垣間見えた"寂しさ"は、 少し前にも、先輩から感じた覚えがあります。 もう少し、じっくり探ってみないと……。 @400 新しい時代といえば…… ツバメさんは、竜神さんを倒した後、 このようなことを仰っていました。 @0 !mv !mvnil !wait10 @1 \c[3]「この竜神にも、新しい時代と世界を  見守ってもらいたいのよ」 @0 !mv !wait20 #ここにセタの台詞を入れる? @1 \c[3]「竜の神様といっても、つまるところ、  竜人みんなの親みたいなもの」 \c[3]「だから、アタシと同じような想いを  持ってるんじゃないかと思ったのよ」 @0 !mv !mvシシトの部屋 !wait10 @100 親みたいなもの、か……。 @402 だから、竜神の肉体を破壊せずに、 綺麗な姿のまま手厚く葬ったんです。 ずっと、シルフェイドの様子を 静かに見守り続けていられるように……。 二本の聖なる剣を墓標として残したのも、 似た理由だそうです。 @100 なんというか……母性的だけど、 サバサバしてて、ツバメさんらしいよね。 @400 そうですね……。 @403 実は、そのようなツバメさんに、 セタさんも憧れを抱いていたんですよ。 セタさんにとっても、ツバメさんは、 ずっと目標だったんです。 @1 私が、シシト先輩を目標にしてきたように……。 でも、ツバメさんもまた、 私としても目標なんですけどね。\s こちらは、女としての……。 @100 そしてセタさんは、 新たな竜神として歩み始めた、か……。 @400 そうですね……。\s ツバメさんは、それを見送って―― @100 …………。 @402 ――……?\s シシト先輩……? @1 また、表情が……\s 先ほど垣間見えた感情が、微かに……。 …………\sようやく、見えてきました。 二つ、あるんですね?\s その胸に抱いて、隠しているものが……。 最近、過剰なまでに気遣ってくださる理由と……\s "不安"と、以前にも垣間見た"寂しさ"の理由……\s 二つの理由が…… @0 !mv !wait20 @400 …………\sその後、セタさんは、 新しい時代の竜神として君臨しました。 白き竜神さんの"意志"と、 ツバメさんの意志も継いで……。 @100 人々が、戸惑いつつも 新しい時代を築き上げていった様子…… ツバサさん達も、剣の守護者として、 ずっと見守っていたらしいよ。 @400 そうですね……。 @402 でも、幾年かの時が流れ、アイツが……\s 墓守を名乗っていたアイツが現れました。 そして、己の野望を成し遂げる為に、 ツバメさん達の意志を踏みにじった……。 @1 ただ静かに眠り、見守り続けることを望んだ、 白き竜神の心をも……。 ……私がそれを知ったのは、 白き竜神の肉体に、剣を刺したときのこと。 私の中に一割ほど残されていた"白竜の力"が、 竜神の肉体にある"心"と共鳴し、 "帰りたい"という想いに触れたときでした。 @100 そして、因果が繋がったんだね……?\s セタさん、ツバメさん…… そして、白き竜神の\r[亡骸,なきがら]を巻き込んで…… 今回の事件……\sそして、僕らへと……。 @400 そうですね……。 @1 …………\sやっぱり、そうなんですね……? 隠している、二つの理由……\s その一つは、ツバメさん達の物語と関わること。 そして、もう一つは…… !mvnil 私達自身の、心の問題。 私の心と、シシト先輩の心の…… @0 !mv !wait50 \>Epilogue3:\<\s\> \r[両翼,セトとシシト] !wait40 !v5=1 !mvシシトの部屋 !wait10 @1 気づけば時は夕まぐれになり、部屋は、 差し込む斜陽で紅く染まっていました。 黄昏時は、その語源が示す通り、 シシト先輩の表情も読み取りづらくなる……。 @402 あの、シシト先輩……。 @1 でも、だからといって、ここで引いてはいけない。 @100 なに?セト。 @1 表情がわかりづらくたって、 シシト先輩の気持ち、感じ取れますから。 @402 一つ、正直に答えて欲しい質問が あるんですが……\s 聞いてもよろしいでしょうか? @1 先輩の心にある"ソレ"に、 もう少しで届きそうだから…… だから、もう一歩だけ……\sもう一歩だけ、 あなたの心に踏み込むことを許してください。 @100 …………\sわかった……。\s 素直に答えるよ……。 @1 観念したかのように、 苦笑いを浮かべるシシト先輩。 それは、少々強引に入り込んでいった 私に呆れたからなのか…… 或いは、そのような表情をするほど、 心の中で戸惑い続けていたのか……。 どちらにしても……\s 真っ直ぐに問わせていただきます。 @402 シシト先輩は…… 引きずっているんですね?\s 白き竜神のお墓であったことを……。 @100 っ…………。 @1 今、僅かに、身震いした……。 @402 ………… @1 やっぱり、そうなんですね……。 @0 !mvnil シシト先輩はあの時、 \r[心の傷,トラウマ]を負っていたんだ……。 !wait30 !mvシシトの部屋 @100 …………。 @1 ふと気がつくと、 いつの間にか、陽の光が大分傾いていた。 なんだかんだで僕は、それだけセトとのお話に 浸っていたということか……。 \s……セトが僕の内面を気にかけながら お喋りをしていたのには、気づいていた。 僕が隠していようと思っていたこと……\s セトは、感じ取ったんだろうな……。 @402 あの、シシト先輩……。 @100 なに?セト。 @402 一つ、正直に答えて欲しい質問が あるんですが……\s 聞いてもよろしいでしょうか? @100 …………。 @1 ついに、きたか……。 わざわざ"正直に"と前置きをしたということは、 それだけ、真剣に聞きたいということ、か……。 今までは誤魔化してきたけど……\s もう、それもできそうに無い、ね……。 ここで嘘をつくのは、裏切りにしかならない…… @100 …………\sわかった……。\s 素直に答えるよ……。 @1 僕は、セトを裏切りたくない。\s もう、二度と……。 ……でも、セトは"ソレ"を知って、 どうするんだろう……。 @402 シシト先輩は…… 引きずっているんですね?\s 白き竜神のお墓であったことを……。 @100 っ…………。 @1 平たく言えば、確かにその通りだ……。 @100 そうだね……。\s あの時のこと、引きずっているよ。 @1 墓守を名乗るアイツに身体を操られ、 セトを裏切る形になってしまったこと…… そして…… 何度も、何度も……\s この手で、セトを傷つけてしまったことを……。 !se../BGS/(環境)心拍 @100 くっ……―― @1 何かにつけ、あの時の光景が、 僕の脳裏に蘇ってくる……。 抑えつけても、ちょっとした隙を縫うように 這い出てくる……。 焼き付けられたかのように鮮明な一瞬一瞬が、\s 何度も、\s何度も、\s何度も……。 @0 !mv !wait20 @1 意思に反して振るわれる、僕の腕……\s セトの肢体に傷が走り、血の飛沫が散る瞬間…… 裏切られ、絶望を見るような、セトの瞳…… ……思い出す度に、身体が、震える。\s 胸が、\r[棘,いばら]の\r[鞭,むち]に縛られるかの如く痛み、 息の仕方を忘れそうなほど、苦しくなる……。 あの時僕は、自分の不甲斐なさのせいで、 どれだけセトを傷つけた? @402 シシト先輩……。\s 私は、傷ついてなんかいませんよ? @100 うん……。\s 君なら、そう言うと思ってた。 セトがどういう人か、 よく知っているから……。 @1 セトは、セト自身の痛いこと、辛いことを、 どこまでも耐えてしまう……。 だけど……\s いや、だからこそ…… 僕は、セトを傷つけてしまった自分が赦せない。 それは、罪と言い換えてもいい。\s いや……やはり、罪そのものか。 セトを傷つけた事実は、変わらないんだし。 "傷ついてなんかいない"という言葉だって、 僕を慰める為のものだ……。 @100 ありがとう、セト。\s 僕のことを気遣ってくれて。 @402 …………。 @1 戸惑いをみせるセトの頭を、そっと撫でる。 セトがくれた気遣いの気持ちだけでも、 僕には十分だ。 だけど……これ以上、 セトに余計な気遣いをさせちゃいけないな……。 罪を背負った人間は、償いをしなければならない。\s 本当に赦される時まで……\s 或いは、赦されたとしても、ずっと。 でも今は、僕がこんなんじゃ、 かえってセトに迷惑をかけるだけ、か……。 ずっと、気遣われっぱなしだし、 申し訳ないし…… だったら…… @100 ……僕、そろそろ帰るね。 @1 余計な負担はかけたくない。 だから、今は一旦引こう。 気遣いの気持ちはとても温かいけれど……\s もらいすぎると、甘えたくなるから……。 @100 それじゃ…… @0 !mv !wait20 @1 ゆっくりと立ち上がり、セトに背を向ける。 一つ一つの動きが遅くなってしまうのは、 名残惜しいという気持ちがあるからか……。 @0 !mv !wait20 @1 「待ってください、シシト先輩っ!」 @0 !mv !wait20 @1 ふわり、と、柔らかな何かが、僕を包んだ。 @100 …………\sセト……? @1 後ろからの、抱擁……。\s 優しく……しかし、 強く、僕を引き止めるような……。 @0 !bgm別れ !mv !wait20 @402 これは、私のわがままだということは わかっていますが…… お願いです……。\s もう少しだけ、お話させてください……。 @100 セト……。 @1 チクリ、と、胸が痛んだ。 背中から伝わってきたセトの声は、 僅かに震えていた……。 また、僕のせいで……。 @402 私は、傷ついてなんかいません。 @1 それなのにセトは、僕に慰めの言葉をくれる。 その気持ちと温もりは、 身に余るほどありがたいよ。 だけど、今は…… @100 優しい嘘は、要らないよ……。 @1 余計、辛いじゃないか…… @402 嘘なんかじゃない……! それにあの時、 本当に傷ついていたのは…… @100 セト……? @402 本当に、傷ついていたのは……\s シシト先輩……あなたのほうですよ……。 !se../BGS/(環境)心拍 @100 っ――……!! @1 傷ついていたのは、僕の方……? @100 な、何言ってるんだよ、セト。\s そんなわけない―― @402 泣いていましたよね?\s シシト先輩は、あの時。 @100 え…………? @402 身体を奪われているにも関わらず、 シシト先輩は、涙を流していましたよね? @100 た、確かにそうだけど、それは…… @1 どうして涙を流せたのかは、わからない。 ただ、君が傷ついていくことが、哀しくて……\s 傷つけてしまうことに耐えられなくて…… だから…… @402 私が斬られ、怪我を負っていく光景を、 シシト先輩は見ていたんですよね? @100 うん……。 僕の身体が、君を傷つけていく様子を、 意識を拘束する檻の中から、見ていた……。 だからっ―― @1 それなのに、僕自身は何も出来なくて――! @402 先に、固く握った拳をひらいてください。\s 手が、壊れてしまいますよ……。 @100 っ……\sごめん……。 @1 また、余計に気遣わせてしまった……。\s 気遣うべきなのは、僕なのに……。 @402 あの……確かにあの時、 私の身体は、傷つけられました。\s 絶望も、感じました……。 @100 やっぱり―― @1 "傷ついていたじゃないか"と、 僕は言おうとしたけれど―― @402 でもっ! @1 セトの語気が強くなり、言葉が遮られ―― @402 あなたには傷つけられていません! @1 その一言で僕は、 次の言葉が紡げなくなった……。 @402 そして…… 私の心は、一切傷ついていません。 あなたは私に、 希望をもたらしてくれたんですから……。 @100 …………?\s 僕が、セトに、希望を……? @402 あなたは、意識が檻に囚われても、 私を傷つけまいと\r[抗,あらが]っていた…… その意志と気持ちが、 あなたの流した涙によって、 私に伝わってきたんです。 それが私にとって、 何よりも心強い希望になった……。 だから、どんなに私の身体が傷ついても、 心まで傷つくことはなかったんです。 @100 …………。 @1 心は傷つかなかった、か……。 @0 !mvnil !mv !wait10 @1 操られた僕の身体によって傷ついたセトが、 力尽きるように崩れ落ちた時…… 僕は、意識を拘束する檻の中で、 泣いていた……。 操られた身体の瞳からも涙が流れていたことには 気づかなかったけれど…… あの時、セトの瞳が映す色は、変わった…… @441 @1 絶望から、力強い意志へと。 それは、 僕の涙に希望を見出したから、なのか…… !mvシシトの部屋 !wait10 @100 強くなったんだね、セト……。 @1 苦痛に耐え抜く強さだけじゃなく、 希望を信じ、掴み取る強さも得て…… @0 !mv @100 でも…… 僕が身体を操られたせいで、 君の身体を傷つけた…… @402 身体の傷だって、 痕も残らず綺麗に癒えているんです。 シシト先輩には、 罪なんて何も無いんです……。 @100 それでも、僕は…… @1 傷は消えたとしても、 傷つけた事実は、消えない。 その事実が、僕にとっては罪で…… @402 例え、それが罪だったとしても…… 私はあなたを赦します。 誰がなんと言おうと、 私は、心の底から、あなたを赦します。 @100 セト……。 @1 赦して、くれるのか…… @0 @1 少しきつめの抱擁が、なんだか心地良い……。 身体は僕のほうが大きいのに、 包み込まれるようで、不思議だ……。 でも、少し、物足りない…… @100 セト…… 少しだけ、緩めてくれる? @402 シシト先輩……? @1 僕も正面を向いて、セトの背中に腕を回し、 抱きしめ返す……。 でもなんだか、 縋っているみたいだな……。 気持ちのせいなんだろうか。 @100 僕は、どうしたらいいんだろう……。 @1 セトが僕を赦してくれても、 戸惑い、迷いは消えない。 うまく言葉にも出来なくて、 胸の中でうずまいたままだ……。 @402 シシト先輩は…… 自分が、赦せないんですか……? @100 ……うん。\s だから今まで、償いたくて、 必死になってたんだと思う。 @1 でも、よく考えてみればそれは、 かなり自分勝手だよね……。 それさえもセトは察していたのか。 ……本当、僕のこと、 よく見ていてくれるんだね……。 @402 あの……。\s シシト先輩は、他に、不安や寂しさを 抱えていると思うんですが…… その理由、私に話してくれませんか……? @102 …………\s なんか、セトは僕以上に僕のことを 理解しているんじゃないかって思えてきた。 @1 自分でも自分のことをそこまで 理解できていないというのに、ね……。 @402 そんなことは無いですよ。\s ただ、今はあなたに余裕が無いだけです。 あなたの意外と繊細な心が 傷ついているから……。 @102 あ、今"意外と"って言ったね? @402 え?あ、それは、その……。 @102 あ、ごめん。 @100 それは僕にとっても意外だから、 正直、気付かれた事に驚いているよ……。 @402 そう、だったんですか……。 でも、はぐらかさないでくださいね? @102 あ、バレたか……。 @1 本当、よく理解してくれている……。 @102 じゃあ……\s 笑わないで、聞いてくれるかな? @404 大丈夫です! 理由は見当をつけています! @402 おおよそ、ですが…… @100 そっか…… @1 それじゃあ、腹を括るか……。 @100 僕らってさ、辿ってきた道筋が、 ツバメさんとセタさんに似ていたよね。 重なっていると言っていいくらい……。 @402 そうですね……。 @100 でも、ツバメさんとセタさんは、 戦いを終えた後、別れた…… セタさんは、 竜神として新たな道を歩み始め…… ツバメさんは、それを見届けてから シルフェイドを去った……。 @402 …………。 @100 僕らも、それと似たように……\s セトが、僕のもとを飛び立っていくんじゃ ないかって、思っていたんだ……。 セトは、かなり成長したし、ね……。 @1 あっという間に、 僕を追い抜いてしまうくらい…… @402 そう言えば以前、私達のことを 鳥の親子に\r[喩,たと]えていましたよね……。 @100 うん……。 @402 それで、寂しさや不安を……? @100 …………\sうん……。 @402 やっぱり……。 でも……その喩えは少し間違っています。 私は、雛じゃありません。 @100 …………\sそう、だね……。 @1 立派に成長したんだ……\s 雛なんかじゃないよね。 @402 私は、その喩えなら…… @403 その喩えなら……\s 親鳥の、片割れに…… @100 え…………? @1 親鳥の、片割れ……? @403 シシト先輩が父鳥なら、 私は、母鳥に……。 私は、そうなりたかったからこそ、 頑張ってきたんです……。 シシト先輩のもとから飛び立ちたいんじゃ なくて、一緒に飛びたいんです……。 @100 セト……。 @403 それに、じ、実は……\s こ、この話は、もっと先の未来まで とっておくつもりだったんですが…… ツバメさんはセタさんに、 こ、こんなことを、仰ってたんです…… @0 !mvnil !mv !wait10 @1 \c[3]「ねえ、セタ。\sもし、アンタが  人間の女に生まれ変わったらさ……」 \c[4]「人間に生まれ変わったら、か……\s  そんな来世も悪くないな」 \c[4]「だが……私の来世がどうした?」 \c[3]「そのさ。\sもし生まれ変わったアンタが  アタシの子孫に出会ったら……」 !wait45 \c[3]「……結婚してくれない?」 !wait10 !mvシシトの部屋 !wait10 @102 え、え〜と……\s それでセタさんは、なんて答えたの……? @403 噴き出して、"何言ってるんだ!?"と ツッコミ入れてましたけど…… \sOKしちゃってました。 @102 それじゃあ、アレですか……? 僕らは、先祖と前世の決めた、 \r[許婚,いいなずけ]ってヤツですか。 @403 そ、そうですね……。 その……嫌でしょうか? @102 まさか @100 望むところだよ……セト。 @403 よかった……。 じゃあ、これで、あなたの胸にある 寂しさや不安は…… @100 消えそうだよ。 君も、\r[許婚,いいなずけ]であることを 受け入れるなら、だけどね……。 @403 あ……。\s も、勿論、喜んで受け入れます! @100 セト……。 @403 シシト先輩……。 @0 !mv !wait20 @1 どちらからともなくかわす口付け…… なんだか、結婚式における、 誓いのキスみたいだ…… 優しくて、温かくて、 心が洗われるようで、心地良い……。 それに、なんだか、安心する……。 喩えるなら……\s 自分の居場所で安らぐような、そんな気持ち。 でも……その一方で、 ドキドキしている僕もいる。 身体の奥からじんわり、 心臓の鼓動と共に、熱が生まれるように……。 それらは、相反するようでいて、似ている感情。\s そして、全部、同じものなんだ……。 セトへの……\sそして、セトと共にある想いだ…… 熱い想いも、\s波打つような想いも、\s優しい気持ちも、\s 癒されるような安らぎも…… どれも、全部、みんな…… @0 !mv !wait20 @402 あの……\sどうしたらいいんだろう?って、 先ほど言ってましたよね? @1 長い口付けを終え、 暫く互いの温もりにまどろんでいたとき、 セトはそう切りだした。 @100 うん……。\s 実はまだ、それについては迷ってる。 @403 じゃあ……\s 私に、甘えてください……。 @100 え……? @1 あ、甘える……? @403 私は今まで、シシト先輩に たくさん助けられてきました……。 シシト先輩に、たくさん 甘えさせていただきました……。 でも、シシト先輩だけ私に甘えてないのも、 なんだかズルいですよ。 @102 ず、ズルいって言われても…… @1 というか、ズルいことなのか……? @102 それに、今の状態も、 結構甘えてることになるんじゃ…… @403 じゃあ、もっと甘えてくださいっ。 @102 も、もっと……? @403 今まで一杯甘えさせてくれたお礼、 させてください……。 それでやっと、 対等になれると思うんです……。 @100 対等に、か……。 @403 そうです…… だって……\s私はあなたの…… @0 !mvnil !mv !wait40 白き竜神が見せた\r[過去,ゆめ]は終演を迎え、\s その墓守を名乗る者の\r[野望,ゆめ]も砕かれた。 ゆめは、儚く消えるもの。 しかし…… 人は時として、\r[願い,ゆめ]を叶える。 セトとシシト、二人の背に一枚ずつ、 永遠の翼が与えられたように……。 !wait30 !bgm !bgs !wait30