#夢見る大地 永遠の翼 Scene7〜9 by飛鷹 !wait60 人々を護る。\s助ける。\s救う……。\s その難しさを、私は理解しているつもりです。 私は女神として、全てを護りたいと願う。\s 助けたいと、\s救いたいと……。 しかし……\s その為に犠牲になるのは、大切なものばかり……。 あの\r[絵画,おもいで]達の、彼らのように……。 !wait60 \>  Silhouette Note.\<\s\> After Ending story.\<\s \f[36]\>  夢見る大地 永遠の翼 \>Scene7:\<\s\> その時自分にできること !v5=1 !v27=1 !v35=1 !v38=1 !wait50 !mvシシトの部屋 @134 うぅっ、はぁっ、はぁっ……。 @736 …………。 @1 目の前で苦しむ者に手を差し伸べ、\s 負傷しているのなら、傷を癒し、\s 毒に蝕まれているのなら、浄化する。 それが、女神たる者の勤め。 だから、シシトさんを蝕む毒を浄化するのも、 私がやるべきこと…… それは、"私がシシトさんを助けなければ……" という、義務感かもしれません。 しかし……それを横に置いたとしても、 私は、シシトさんを助けたい……。\s 私\r[が,・]シシトさんを助けたい。 それなのに…… @134 はぁ、はぁ……うぐっ……はぁ、はぁ……。 @731 シシトさん……。 @1 私の力では、この猛毒を浄化しきれない。\s 苦痛を和らげることもできない。 今、私ができるのは、 症状の進行を抑えることだけ……。\s しかしそれも、魔力が尽きてしまったら……。 \sシシトさんが猛毒を受けてしまったのは、 私のせいと言って間違いないでしょう。 そもそもシシトさんに魔物退治を担わせたのは、 他の誰でもなく、私なのですから……。 なのに…………\sまた、私のせいで、 犠牲を出してしまうのでしょうか……。 @731 …………。 @1 マジカルパレスで共に働いてくれた、 大切なスタッフ達を思い出す。 魔王から私を護る為にその身を呈し、 犠牲となってしまった彼らを……。 そして、魔王によって葬られてしまった、 魔法少女達を……。 今も私が、こうして生きていられるのは、 彼女らの犠牲があったから……。 そして、シシトさんが、 命懸けで戦ってくれたから……。 にも関わらず…… @731 随分と冷静なものですね、私……。 @1 一連の出来事が終わってからまだ間もない上に、 今はシシトさんが命の危機だというのに……。 普通の人なら取り乱すであろう状況で 落ち着いていられる自分に、呆れてしまいます。 セトさんは、あんなにも涙を流していたのに、 私は……。 …………\s 改めて考えてみると、私の生きた軌跡には、 多くの犠牲がありました。 だから……\s 慣れ過ぎたのかもしれませんね……。\s この道を歩むことに……。 私が人の生きる大地に降り立った時から続く、 スケープゴートの並んだ道に……。 しかし…… そんな私でありながら、 今、シシトさんを助ける力すら無いなんて、 なんと情けない話でしょうか……。 …………。\s それでも、できることをやらなければ…… "彼ら"のような悲しい犠牲は、 二度と出したくないですから。 @134 くぅっ、うう、はぁ……うぅ…… @731 シシトさん……。\s もうすぐ、セトさん達が 薬草を持ってきてくれるはずです。 だから、もう少し頑張ってください……! @1 苦しんでいるシシトさんに、 これ以上のことは何もしてあげられません…… ですが、助かる可能性も、まだ消えていません。 今の頼りは、薬草を採りに行ったセトさん達。\s 彼女達のお陰で、希望は生きている。 だから、なんとしてもその可能性へと繋ぎます! それが、今の私にできることですから……。 @0 !mv !mvnil !wait30 \s !wait50 !bgm../SE/(Action)学内歩き !wait10 !bgs../SE/(Action)学内歩き !mv住宅地 @441 はぁ、はぁ…… @830 あともう少しだ!急ぐぞ! @441 はい!! @1 毒に苦しむシシト先輩のもとへ、 一生懸命ひた走る。 胸に抱えた薬草を、 少しでも早く届けるために。 @441 シシト先輩…… まだ、大丈夫ですよね? @1 なんとか、間に合って欲しい……\s なんとしても、間に合わせたい……! @830 シシトの生命力と女神様の力を信じろ! そして、今は我らができることを 一刻も早く全うするのだ! @441 そう、ですね。 @1 私自身に、シシト先輩を治す力は無い……。 でも、リクレールさんが居たから 症状の進行が抑えられ、希望は繋がっている。 今は、その希望を手繰り寄せ、 ものにすることだけを考えれば良い……。 こうして必死に走っているのも、 そのため、なんですから。 @441 シシト先輩……\s あと少しの辛抱ですからね! !bgm !bgs @0 !mv !mvnil !wait40 @1 暗闇深まる住宅地を駆け抜け、 漸くシシト先輩のもとにたどり着く。 そして、リクレールさんの指示に従い、 すぐに薬草による治療に取り掛かりました。 薬として煎じて飲ませ、 傷口に湿布として貼り、 できる限りの処置を施しました。 後は、リクレールさんによる浄化に任せ、 シシト先輩の回復を祈るだけ…… ただ、ひたすら待つだけ…… \s…………\sその間に、 私は少し、考え事をしていました。 !bgm黄昏 !wait30 薬草による治療を始めてから、 シシト先輩の容態は確かに改善し始めました。 それを見て、リクレールさんは "セトさんのお陰ですね"と 仰ってくれましたが…… 薬草は、誰でも採ってくることができました……。 私が居なかったとしても、 クロウさんが採ってきたでしょうし……。 しかし……\s毒の進行を抑え、浄化することは、 リクレールさんにしかできない。 ですから、もしリクレールさんが居なかったら、 今頃、シシト先輩はどうなっていたか……。 それに……\sシシト先輩が倒れた時の私は、 酷く混乱し、取り乱していた。 もしあの時、クロウさんが居なかったら、 きっと私は、冷静さを取り戻せなかった……。 だから……\s シシト先輩が助かる道が開けたのは、 リクレールさんやクロウさんのお陰なんです。 リクレールさんやクロウさんが、 落ち着き、冷静に対処していたから……。 でも私は、役に立っていなくて……。\s 何もできなかったも同然で……。 そんな自分が、どうしようもなく 情けないと思いました……。 大切な人に、迷惑をかけてばかりで……\s 本当に、どうしようもなく情けなくて…… だから…… !wait40 !mvシシトの部屋 @134 ん……んん……? @131 @130 @402 シシト、先輩……? @1 シシト先輩が無事に目を覚ましたとき、 私は―― @731 シシトさん……\s よかった……っ! !se(Action)跳ね !wait30 @832 シシトぉん! 心配したんだからぁ!! !se(Action)跳ね !wait30 @132 のあっ!?\s ふ、二人とも、急に抱きつかないで!? @402 …………。 @1 ――リクレールさんやクロウさんのように、 抱きつくことはできなかった……。 本当は、無事だったという喜びで、 真っ先に飛びつきたかったですが…… 私には、そんな資格、無いですから……。 シシト先輩が毒を受けたのは私のせいで、 助けたのは、リクレールさんとクロウさん。 だから私は―― !mvnil !wait40 ――身を引くべき、ですよね……。 @0 !wait50 !mv住宅地 @1 そっと部屋を抜け出し、家を出て、 壁にもたれかかる。 ここまで出てはきたけれど、 自分の家に帰る気には、何故かなれない。 でも…… @402 これで、いいんだよね……? @1 シシト先輩は助かり、 リクレールさん達も、それを喜んでいる。 そして私は、皆さんの邪魔をしないよう、 その場から離れた。 何も間違ってない、よね……? @0 @402 はぁ…………。 @1 溜め息は、出てしまいますけどね……。 シシト先輩が回復した時は、 本当に嬉しくて、安心しました。 大切な人を失わずに済んで、 本当によかったと思いました。 ですが……\s どうしても、自分を責めたくなります……。 今日のこれまでの出来事で、 私は、自分の弱さ、情けなさを再認識しました。 そして……シシト先輩の隣に立つには、 私は相応しくない、と……\s痛感、しました……。 どんなにシシト先輩が大好きでも、\s どんなに憧れていても、\s どんなにそれを望んでいても…… 今の私は、そこには立てない……。 きっと、リクレールさんの方が ずっと相応しいでしょうし……。 スケイルさんも、似合うことでしょう。 変身すれば、クロウさんだって……。 @402 私って、本当にダメだね……。 @1 湧き出してくる劣等感。\s それが思わず、独り言として漏れてました。 でも、どうせ誰も聞いてないと 思っていたのですが……。 「ダメなんかじゃないよ」 @402 えっ……? @1 独り言に対し、返答がきたことにまず私は驚き、 そして…… @100 セト、ここに居たんだ。 @1 返答をした主に、更に驚いてしまいました。 @402 シシト先輩……?\s なんで、こんなところに。 @1 リクレールさん達のところに居たはずでは…… いえ、今はそれよりも…… @402 まだ安静にしてなきゃ駄目じゃないですか!\s 病み上がりなんですから…… @102 ああ、うん……。\s そうするべきなんだろうけど……。 クロウ達が、ね……\s ひっついて離れないもんだから、 ちょっと抜け出してきたんだよ。 @402 あ……そうですか…… @1 じゃあ、私のところにきたのは、 ただのついで、ですよね…… そうネガティヴなことを思った矢先 @100 それに、セトとお話したくて、ね。 @1 シシト先輩はすぐさまそれを否定する。 狙ってるとさえ思えるこのタイミングの良さは、 本当になんなのでしょう? そう疑問には思いつつも、 素直に嬉しいわけですが……。 ああ、でもでも……\s シシト先輩が毒を受けたのは私のせいだから、 そのことを言いにきたのかもしれませんし…… @100 …………? @1 再び悪い方向に考え出してしまって、 そっちにまた意識が取られて…… @100 セト……随分と暗い表情してるけど……\s 何か、考え事? @402 ……え? @1 気付いたら、 シシト先輩が私の顔を覗き込んでいて…… @403 あ、エ、えっと、\s な、ナンでも無イデす! @1 その近さに、かなり動揺してしまって……。 っていうか、本当近すぎですよ先輩! 思わず赤面してしまったことに 気付かれちゃいそう……! 動揺も隠し切れて無いですし! @100 んー……\sそう? @1 でもシシト先輩は、少し首を捻りなからも、 そこで少し顔を引きました。 ああ……\s かなり、ドキドキしました…… でも、なんとか隠せた……かな? @100 僕には、何かを気に病んでるように 見えたんだけど……\s違うかな? @402 え、それは…… @1 いや…… 考え事の方は、隠せてませんね……。 私って、考え事が顔に出やすいのでしょうか……。 それとも、シシト先輩が、 考え事を察するのが巧いのでしょうか。 どちらにしても、 気付かれているという意味では、同じですね。 でも……\s 考え事そのものは、話せません。 今、私が言うべきことは、 シシト先輩への謝罪だから……。 @402 あの……。 @100 ? @402 ごめんなさい、シシト先輩……。 先輩が毒に蝕まれたのは、 私のせいですよね……? 本当に、ごめんなさい……! @100 ちょ、ちょっと待って。 セトが謝ることなんて何も無いし、 それに僕は―― @402 無理にフォローなんて しなくていいですよ。 魔物が毒をもっていることに気付かず、 私は強引な突破を図ってしまった…… そのせいで私が魔物に咬まれそうになり、 先輩は私を庇った。 だから先輩は毒を受けてしまったって、 ちゃんと、理解していますから……。 @100 …………。 @402 あの時既に、シシト先輩は 魔物の持つ毒に気付いていたんですよね? だから私を庇い、身代わりになって 毒を受けたんですよね? だから…… @100 だから、謝ってるの? @402 はい……。\s 私のせいですから……。 @102 う〜ん……。\s 一つ、肝心な事に気づいてないみたいだね。 @402 肝心なこと……ですか? @100 うん。 @1 私は一体、何を見落としていたんでしょうか。\s もっと深刻なことでしょうか……。 @100 それがあるから、さっきも言ったように セトが謝る必要は無いし…… 何よりも、僕がここにきた一番の理由は、 セトにお礼を言うためだからね。 @402 よくわからないですよ……。\s 怒られたり責められる理由はあっても、 私がお礼を言われる理由なんて…… @100 確かに、あの時セトを庇った理由は、 魔物の毒に気付いていたからだけど…… @102 じゃあ、 何故僕が魔物の毒に気付けたと思う? @1 そこで、少し自嘲の笑みを浮かべる先輩。 @402 わからないです……。 @1 何故そんな表情をするのか、も……。 @102 実はね…… @1 先輩は服の袖を捲くり、 \r[左,・]腕にある傷口を露出させる。 @402 …………っ。 @1 魔法による治療も施したとはいえ、 まだ傷痕が痛々しい……。 毒による炎症の痕も、まだ残っている……。 @402 …………? @1 そこで私は、一つの違和感に気付いた。 @402 あの、先輩。\s 魔物に咬まれたのって\r[右,・]腕では? @102 うん。\s つまり、そういうこと。 @402 左腕も咬まれていたということは……。 @1 もしかして…… @102 そう。\s あの時既に、僕は一回咬まれていたんだ。 だから毒に気付けたんだよね……。 とは言っても、 咬まれたのは僕のミスなんだけどさ。 @1 だから、そんな風に自嘲気味に笑って…… @100 ただ…… 結果としては、幸運だったかもしれない。 @402 咬まれたのが幸運かもしれないって、 どういうことですか? @100 咬まれたお陰で、僕は毒に気付けた。\s だから、セトを庇うという判断ができた。 もし僕が一度も咬まれずに居たら、 セトが魔物に咬まれ、毒に蝕まれた……。 @402 あ……。 @102 それにさ、僕は毒に強いらしいんだ。 @100 もし僕以外があの猛毒を食らってたら、 即死していたかもしれないし……。 でも、僕が先に咬まれていたから、 そうはならなかった。 何より、セトを失わずに済んだ……。 結果として僕自身もちゃんと助かったし、 これでよかったんだよ。 だから……\s謝らないで。セト。 @1 そう優しく語りながら、 シシト先輩は私に微笑んでくれた……。 @402 で、でも……。\s それは、私がお礼を言われる理由には ならないですよ? それに、私を庇ったせいで先輩は 更に多く毒を受けてしまったのでは……? @100 いや……。\s セトを護る為に庇ったのは勿論だけど…… あれは同時に、 僕が生き延びるためでもあったんだよ。 @402 どういうことですか? @100 魔物を全て倒した時、僕は既に、 動けないくらい毒が進行していた……。 つまり……\sもし、セトやクロウも あの猛毒を食らっていたら…… 魔物を倒せる倒せないに関係なく、 僕らはあそこで死んでいたよ。\s 間違いなく。 みんな毒でその場から動けなくなったら、 助かりようが無いしね……。 でも、セトが無事だったお陰で、 こうして僕は助けてもらえた。 セトを庇うことで、君を護ると同時に、 僕が生き残る可能性も繋ぐことができた。 そして、繋いだ可能性をセトに託して、 実際に、僕は助かった。\s 全員無事だった。 @102 役割を一方的に押し付けてしまったのは 本当に申し訳ないと思ったし…… 何より、その意図を伝えれなかったのも マズかったなと思ってるよ。 @100 そこは、僕のミスだ。 あの時僕にできたことは、 あれだけだったけど…… でも、セト達は僕の託した役割を しっかりと果たしてくれた。\s そのお陰で、僕は助かった。 @403 …………。 @1 やっぱり、先輩は凄い……。 あの状況で即座に、毒を受けた自分含め、 全員で生き残る最良の判断ができるなんて……。 その判断力も、 先輩の強さを支えているのでしょうね。 @100 セトが居たから、僕は助かったんだ だから……\s ありがとう、セト。 @403 シシト、せんぱい……。 @1 とても、嬉しかったです。 こんな私でもシシト先輩を 助けることができたという事実が…… そして、 "ありがとう"と言ってもらえたことが…… 何より、私の事も頼りにして下さったのが、 とても嬉しくて、私は思わず…… !se(Action)跳ね @403 せんぱいっ! @100 ん…… @1 衝動に身を任せ、 抱きついてしまいました。 シシト先輩の体温が……\s 心臓の鼓動が、伝わってくる……。 @102 それにしても、今日はみんな やけに僕に抱きついてくるね。 @403 それは、皆さんも私も 先輩が心配だったわけですし…… 何より、先輩が無事で、 嬉しくて安心したからですよ。 @1 こうすることで、先輩が生きている証を 直に感じられるんですから……。 @100 そっか…… 心配してくれてありがとう。 @403 いえ……。 @1 シシト先輩の事、失いたくないですから……。 @102 ただ、少しくらい僕のしぶとさを 信じてもいいんじゃないかな? セトがあそこまで取り乱したのには、 少しだけ吃驚したよ。 @402 あ……。 @1 確かに、先輩が倒れた時私は、 酷く取り乱してしまいました。 あの状況でも落ち着いて対応できることが 私には必要ですね……。 @100 これでもしぶとさには自信があるし、 僕はそう簡単にくたばりはしないよ。 だから、ああいう時はまず、 落ち着いて……ね。 @404 了解です、シシト先輩! @100 うん。\s よろしく頼むよ。 @0 !mv !mvnil !wait40 @1 "自分のしぶとさを信じろ" というシシト先輩の科白。 その真意は、 "今回のような緊急時でも私が落ち着けるように" というものなんでしょうね。 実際、私があのまま取り乱し続けていれば、 シシト先輩の命は、もっと危なかった……。 それを、今の私はメンタルが不安定なのを考慮し、 このような形で伝えてきたんだと思います。 つまり、私は精神面もまだまだ弱い、 ということですね……。 \sもっと強くならなきゃ……。 どんな苦境であっても切り抜けてきた、 シシト先輩のように。 そして、華麗かつしなやかな強さで 弱い人を守り、助けた、あの女性のように。 目標は、とても遠いですけど……\s いつか、届いて見せます! 努力と、努力を重ねる根性だけは、 誰にも負けない自信がありますから。 @0 !mv !wait30 !bgm \s !wait60 \>Scene8:\<\s\> \r[日常,ひる]と\r[非日常,よる] 翌日のシシト―― !wait20 !v5=0 !v27=2 !v28=2 !v35=2 !mv301教室 !wait10 !se(環境)キンコンカンコン !bgmけだるい午後 @102 はふん……。\s やっと終わったぁ……。 @202 随分とだるそうだなぁ、シシト。\s 今日は朝からずっとそんな調子じゃね? @102 ああ、うん。\sちょっと、ね。 @1 昨日受けた毒の影響が、治療を終えて尚 予想以上に後をひいているせいだな……。 昨日セトに"僕のしぶとさを信じろ"って 言っちゃったけど、あれは\r[ブラフ,はったり]になるかも。 まあ、それは別にいいかな。\s 意図通りにはなってるみたいだし。 それよりも、 今は衣替えの前の時期で助かった。 制服で腕に巻いた包帯が隠せるから、 昨日の\r[非日常,よる]のことを、\r[日常,ひる]に会う人に 勘ぐられなくて済むし。 @200 にしても、シシトにしちゃあ珍しいよな。 いつもだったらどんなにボロボロでも 一晩寝れば全快して学校に来るのに。 @102 RPGのキャラクターじゃあるまいし……。 でもそんな超人じみた回復力は欲しいかも。 @202 お前の元々の回復力が 既に超人じみてると思うぜ。 @102 はっはっは @1 否定できない……。 でも、今回は毒だから回復が遅いのかな。\s いや、あの毒自体が強力だからなのかも。 @202 お前がいつもどおり元気なら ゲーセンに誘いたいところなんだが…… @200 今日はお疲れみたいだから、やめとくわ。 @102 ああ、うん……。 @200 じゃ、何あったか知らねーけど、 明日には元気になってろよ。\s そしてゲーセン行こうぜ。 @100 うん。サンキュ。 @1 なんだかんだ言っても、 リョウヘイは気が利くやつだね。 こういう時は本当助かる。 @100 さて………… @1 少しだけ思考を、昨日の\r[非日常,よる]のことに戻す。 まず、僕達をあそこへ誘導した魔物は 一体何なのかがずっと気になっていた。 あいつは僕らを"試す"と言っていた。 しかし、猛毒を持った魔物を仕向けるやり方は、 "殺す"意図が強く、"試す"とは矛盾している。 "試す"ことが目的なのか……\s "殺す"ことが目的なのか……\s それとは別の目的があるのか…… う〜ん…………?\s 頭が働かない…… @102 …………\sここで考えても仕方ないか。\s さっさと帰って休もう。 @1 今はまだ\r[日常,ひる]なんだし……。\s 何かまた動きがあるとしたら、 それは\r[非日常,よる]でのことだし。 それまでは、ゆっくり休もう。 @0 !mv !mvnil !bgm !wait40 一方セトは―― !wait30 !bgmゆったり雰囲気 !wait20 !mv薙島高校 @400 さて、学校も終わったことですし…… @404 これからの時間は、 己を鍛えるために使いましょう! @1 と、学校帰りに意気込んでみる。 今後の為にも、 更なる鍛錬が私には必要なんですから。 \s昨日の出来事は謎だらけ。 あの妙に礼儀正しい魔物もそうですし、 私達が行ったあの場所も何なのかわからない。 アクアフロートに隣接した島なんて 存在しないはずですし……。 何より、十分な推測ができるだけの情報を 私達は得ていない。 故に、今後も何かが起こるだろうとしか言えない。 だから、何があっても 対応できるようでなければいけないんです。 ……と言っても、鍛錬する以外に すべきことは思い当たらないんですけどね。 例え、このような事態ではなかったとしても。 @400 さて、どうしようかな……? @1 先輩はまだ病み上がりですから、 実践訓練はできませんし……\s できたとしても、行うのは夜ですね。 となると、私一人でもできる修行……。 @402 う〜ん……? @1 修行と言っても、具体的にどうしよう? 精神面を鍛えたいし、 戦闘技術も磨きたい。\s それに、あれも習得したいですし……。 ……あれは後で習うとして、 あとの二つはどうしましょうか……。 特に、精神を鍛えるって どうやるべきなんでしょうか? @402 そう言えば、精神を鍛えようなんて、 今まで考えたこと無かったな……。 @1 努力する気はあっても、 どう努力していいのかわからない……\sと いきなり\r[躓,つまづ]いてしまいましたか…… そういう意味では、学校の勉強は易しいと 誰かが言っていたことが納得いきました。 何をどう努力すべきか、が、 既にわかりやすく示されているのですから。 …………\s "どうすれば精神も強くなれるか"を 模索することから始めますか。 とりあえず、 とっつきやすそうなのは集中力ですかね?\s 魔法の効果にも繋がりそうですし。 それも含めて、何か、良い本は無いかな? @400 本屋へ行ってみますか。 @1 何か参考になるものが 見つかるかもしれませんし。 @0 !mv !mvnil !wait40 !mv本屋 @1 と、言うわけで本屋に来たわけですが…… @402 さて、どこから探しましょうか……。 @1 この手のノウハウ本って、 どこらへんに陳列されているんでしょう。 …\s…\s…\s… @400 あ、これは…… @1 ふと目に入ったのは、格闘術や体術の本。 そういえば、シシト先輩は本を読んで 戦闘用の技を覚えたと言ってましたね。 練習も勿論されたのでしょうけど、 本だけで技を習得したことには驚きました。 ……\sちょっと、立ち読みしてみますか。 @400 え〜と……\s 『早く前進する本』?\s 著者は、"谷クウヤ"…… @402 シシト先輩はこの本読んだのかな……? @1 先輩が本気を出すと、 私の倍以上の速さですし……。 とりあえず、 前書きを読んでみますか……。 !se(Action)ページをめくる \f[32]"氣の力\f[20]によって 通常の2倍の速度で前進する秘技を伝授!" !se(System)ジング !bgm @404 !? @1 き……氣の力!? !bgmコミカル ま、まさか……\s 氣と言えば、ドラ○ンボール!! シシト先輩は、氣の使い手なんですか!?\s あの高速移動も、それで……! もしかして先輩は、空も飛べるのでは…… @400 ……って、早合点してはいけませんね。 他の本は……\s ……『距離を越える必殺飛び蹴り』? @1 そういえば、 シシト先輩は飛び蹴りも使ってましたね。 @400 前書きは…… !se(Action)ページをめくる @1 \f[20]"飛び蹴り――それは通常の打撃技だが \f[32]氣を込める\f[20]ことで前に飛び、 距離の離れた相手にも命中させることが可能!" !se(System)ジング @404 \f[28]!! @1 やっぱり、氣!! ということは、もしかしてシシト先輩は か○はめ波も撃てるのでは!? @404 ほ、他には!? @402 『1ターンに4回動く本』……? @1 シシト先輩の運動量は確かに多いですけど、 1ターンに4回どころでは無かった気が…… でもこれで確かに、 私の運動量も近いものにはなりますね。 @404 前書きには…… @1 \f[32]"気" !se(System)ジング @404 \f[32]!!! @1 一文字目から気!!\s やっぱり、氣ですか!!\s 氣で機動力を上げているんですね!? つ、続きは!? \f[32]"気\f[20]合いで1ターンに4回動く方法を伝授!! 行動を増やせば敵を圧倒するのも簡単だ! 気合い気合い!" @402 え…………\s気合い? @1 そ、そうですよね……。\s 氣って、きっと気合いのことですよね? その方が納得行きますし……。\s でも…… @402 はぁ…… @1 ちょっと、がっかり……。 ドラ○ンボールみたいに 氣を操るようなことがあったって……\s と、期待してしまっている私がいました。 魔法少女なんてファンタジックなものに 私自身がなったせいなんでしょうか。 魔法があるんですから、 ああいった気功術があったって……。 というか、"気"の一文字を見ただけで 勘違いした私も、ちょっとアレですね……。 !bgm @402 気を取り直しますか……。 !bgmゆったり雰囲気 @1 よくよく考えてみれば、 ドラ○ンボールじゃなくても、 氣の概念はありますよね。 大きな力を生み出すという意味で捕らえれば、 きっとこれらの本も役立つはず。 多分、シシト先輩はそういった技術も 体得しているんだと思います。 @400 体術か……。 @1 そういえば昔、おじいちゃんから少しだけ 武術を習ったことがあったっけ。 とは言っても、教わったのは 正拳と、中段蹴りといった基本だけ。 学校の体育で受けた武道の授業の方が 多くの技を教えてもらえた気がします。 普段は全く使わないですが。 でも、私の戦闘における弱点って、 接近戦ですよね。 格闘術を含めた体術は 使えるようにした方がいいかも。 魔法と使い分ければ、 対応できる状況はきっと増えるでしょうし。 でも、単純に体術を使うだけでは 当然シシト先輩よりもずっと劣りますね……。 @402 う〜ん…… @1 全部買うのは金銭的に厳しいですけど、 何冊か特に役立ちそうなものを購入しますか。 @400 それにしても、昼間は平和なものですね。 @1 今朝見た情報番組でも、 大きなニュースは何も無かったですし。 ……あれ?\s それって、よく考えてみたら…… @0 !mv !bgm !mvnil \s一方、シシトは―― !wait50 !v27=1 !bgmほんわかムード !mvシシトの部屋 @102 ほふぅ……。 @1 ああ、昼間からベッドにねっころがるのは なんて心地良いんだ…… そもそも、お昼寝するなんていつ以来だっけ? !se(Action)跳ね @832 我も一緒にお昼寝するぅ〜! @104 だからってのしかかってくんな!! @1 予想はしていたけど、 クロウが飛びついてくるのはもう お決まりパターンだなぁ。 @102 全く……。\s 隣で寝るだけなら許す。 @830 シシトの隣……。 @832 ベッドの上でシシトの隣!幸せ〜\wh @102 …………。 @1 無視しておくか…… @102 昼は平和だ。 @1 夜は色々と起こるのが嘘みたいだ。 @830 確かに平和だな。 我は昼のワイドショーを見ていたが、 これといった大きなニュースは 何もやってなかったぞ。 @102 だよねえ。\s アクアフロートだし。 @1 普段は事件なんて滅多に無いし。 それに、この前の魔王の件だって、 とっくに話題としては風化したし……。 !bgm …………\sでも、待てよ? @100 ね、ねえ、クロウ。\s 本当に何も大したニュースは無かったの? @830 う、うむ。 !bgmサスペンス @100 おかしい……。\s よく考えてみたら、 それは明らかにおかしいぞ。 @833 ど、どういうことだ? 何もニュースが無いということは、 平和が保たれている証だぞ? @100 確かに普通はそうなんだけどさ。 僕らは昨日、倉庫街から あの広大な大地へ行ったよね? @830 うむ。 @100 しかも、セトとクロウは薬草を採るために もう一度あの場所へ行った。 しかも、その時は特に障害も無く、 スムーズに行って帰ってこれたんだよね? @830 ああ……。 @833 ん……?\s だ、だとしたら……。 @100 僕が言おうとしたこと、理解したね? 問題なくスムーズに行けたという事から 推測すると…… "僕らを誘導した魔物の意思に関係なく 常時自由にこちらと向こうを往来できる"\s という仮説が成り立つ。 だとしたら……\s あの場所の存在に、僕ら以外の誰かが 気付かないのはおかしくない? それに、アクアフロートに無かった場所が いきなり現れたんだ。 そんな奇妙なこと、ニュースの1つにくらい なる方が本来は普通だよね? @833 た、確かに……。\s し、しかし @100 いくら\r[人気,ひとけ]が少ない倉庫街といっても、 全く人が居ないわけじゃない。 だから、まだ誰にも気付かれていないという 可能性も、順当に考えればかなり低い。 @830 となると、考えられる可能性は…… @102 まあ、マスコミが何らかの圧力で 口止めされている可能性もあるけど…… @100 それでも、噂の流布までは止められない。 しかし実際には、 僕もセトも、そんな噂は聞いて無いし…… 情報通であるはずのリョウヘイも、 それに関する噂話をしていなかった。 @830 と、なると……。 @102 "これは異常だ"としか言えないね。 或いは、僕らだけ何かの術をかけられて 変な夢でも見させられているか。 @830 そんなことになっていれば、 流石に女神様が気付くぞ? @100 だよね……。 @1 だとしたら、これは一体どういうことだ? …\s…\s…\s… !bgm @102 う〜ん……。\s 駄目だ。これ以上は思考が進まない。 @1 っていうか、 僕は昼寝するつもりだったんだ。 !bgm安らぎ @100 ところで、女神様は? @830 シイナさんの部屋で寝ておられる。 やはり、シシトの治療で かなり疲れたらしい。 @100 そっか……。 @1 やっぱり、それだけ強力だったんだな。 あの猛毒は……。 @102 とにかく休もう。 この事については謎だらけだけど、 一つだけ良いことがわかった。 @830 なんだ?それは。 @102 とりあえず、昼は平和なまま。 日常はそのままってこと。 @100 だから今は安心して眠れる、と。 @830 しかし、それはまだ推測の域で、 少しくらい警戒しても…… @102 じゃ、おやすみ〜。 @833 …………。 @830 まあ、シシトも毒を受けた影響で、 まだ本調子では無いのだろうな……。 !bgm @830 …………。 @830 しかし、この状況……。\s シシトと二人きりで寝れる……。 !bgmコミカル @830 ゴクリ。 う…… @832 \f[36]嬉しい〜♪ @101 ええい、耳元で五月蝿いわ! 隣で寝るなら大人しくしろ!! !se(Action)殴打 @832 はふん @1 全く……\s 折角心地良い眠りに落ちれそうだったのに…… …………\s そう言えば、セトは今の状況がおかしいことに 気付いてるのかな? あ……\sもう眠気が更に…… !mvnil ………… @0 !mv !bgm !wait30 \s再び、セト―― !wait50 !bgmけだるい午後 !v35=1 !mv自宅 @404 …………。 !se(Action)ページをめくる !wait30 !se(Action)ページをめくる !wait30 !se(Action)ページをめくる …………\sやっぱり、 新聞にも何も載っていない……。 @1 G○ogleEarthでアクアフロートを見ても、 倉庫街に異変は無かったですし…… これは一体、どういうことでしょうか。 あの場所に誰も気付かないことは勿論、 カメラに映らないことも不自然です。 アクアフロートの傍に あの大地があるわけじゃない……? 不思議な力で、どこか遠い場所まで 私達は飛ばされていたのでしょうか。 @404 今夜、調べた方が良さそうですね。 @500 ところでセトや。 晩御飯はまだかのう? @400 あ、おじいちゃん。 !bgm !se(Action)ドア開け @500 うちにおらんのか?セトや〜 !bgmコミカル @401 っておじいちゃん! 徘徊に行っちゃ駄目ー!! これから晩御飯作るから!\s っていうか、私ここにいるから!! @1 \f[20]「お〜い、セトや〜。\s 晩御飯はまだか〜?」 @401 って、結局外に出ちゃってる!? !se(Action)ドア開け !wait10 @0 !mv !se(Action)ドア閉め !mvnil !wait30 !mv住宅地 @500 セトや〜 @404 くっ……。\s 何がなんでも徘徊するつもりですか。 @1 後で探すことになってしまっては、 時間が勿体無い。 @404 ならば! シシト先輩直伝の技!\s テキサス・カウボーイを使います!! @1 狙いを定めて…… !bgs../SE/(Action)ミス !wait30 …………\s縄を投げる!! !bgs !se(Action)ミス !se(Action)跳ね @404 たあっ!! !se(Action)ビシッ @500 うあー @404 よし! @1 テキサス・カウボーイとは、 投げ縄で相手を捕らえ、一気に拘束する縄術。 名の通り、カウボーイをイメージした技で、 離れたターゲットを捕らえるのに有効です! 昔シシト先輩に教えてもらった技ですが、 意外と役に立ちますね。 @400 じゃ、おじいちゃんを 無理矢理にでも引っ張って…… !bgs../SE/(Action)ズシャアアー @500 離せー。\s ワシは無実じゃーー @402 う〜ん……。\s 晩御飯ができるまで、 椅子に縛っておいたほうがいいかな? はぁ……。 @1 全く…… もしかしたら、おじいちゃんのボケの方が 私にとっては問題かもしれない……。 日常は平和でも、苦労は多いですね……。 @500 けーずーれーるー @0 !mv !bgs !mvnil @1 \sそれにしても、 ツッコミを入れてくれる人が居ないと、 なんか寂しいですね……。 !wait40 !bgm @0 !wait60 \>Scene9:\<\s\> 懐かしき\r[夢,きおく] !wait40 !v5=1 !v29=1 !bgm安らぎ !mvシシトの部屋 !se(Action)ドア開け !wait20 @260 起きろ、シシト。\s そろそろ晩御飯が出来るぞ。 @832 シシト起きて!\s ごは〜ん\wh @102 ん〜……? @100 ああ、もう夜か。\s アルバート君おはよう。 @260 この場合おはようはおかしい気がするが。 @102 気にしない気にしない。 それにしても、懐かしい夢をみたなあ。 @260 なんかニヤニヤしてるぞ、シシト。 !bgmコミカル @832 きっと、私とイチャイチャしている夢を みたのね! @101 んなわけあるか!! !se(Action)殴打 @832 はふん @100 ちなみに、夢に見たのは 結構昔の出来事だったんだけどさ。\s 面白い夢だったよ。 @260 ほう。どんな夢を見たんだ? @100 無口な女の子にストーキングされる夢。 @262 それ面白いのか!? @832 だったら我もシシトについてく〜\wh @102 クロウはやめなさい @832 えー @100 いやね。その子が電柱の影からジーっと 僕を見てたんだ。\s バレバレなのに気付かないまま。 @260 ふむ……。\s それで? @833 電柱の影とか、古典的だな……。 @100 "ついてくるんなら 別に隠れなくてもいいのに……"\s と思ってね。 「出ておいでー」と声をかけたんだけど、 出てこなくてさ。 @260 まあ、普通は出てこないな。\s 隠れるのは尾行の基本だ。 @102 まあね。 そこで、子供だましに 「ほら、アメちゃんあげるよ〜」 っていってみたら…… @830 出てこないだろう。 @260 そんな手にひっかかるわけがあるまい。 @100 うん。 @103 「そんな手にひっかからないもん!」 @100 って、ツッコミ入れてくれた。 @833 え? @102 しかも、ツッコミの勢いで 電柱の影から出てきてさー @100 「やった、狙い通り!」って、 思わずガッツポーズしちゃったよ。 @262 ツッコミが狙いだったのか!? @100 うん。 @102 その子がハッとした時のガーン顔が また可笑しくてね。 @1 ああ、思い出すとまた ちょっとニヤニヤしてしまう。 あの時はいつもそんな感じだったなあ。 @833 面白いと言うか、おかしいと言うか…… @830 ところで、その子は一体何故 シシトを尾行なんか……? @260 きっとその子は 尾行するのが楽しかったのだろう。 @102 そう思うのはアルバート君だけだと思う。 @261 そんな!?\s 尾行の楽しさがわからないのか!? @101 わからんわ!! @1 っていうか、アルバート君は何故 尾行が楽しいとか言い出すんだ。 拉致にでも目覚め……\sあ……。 !bgm !wait30 !bgm安らぎ @102 さ、さて。\s そろそろ晩御飯だったね。 @1 ここは話題を切り替えた方が賢明だ。 @833 う、うむ。 @100 ところで、リクレールさんはまだ寝てるの? @260 うむ。\s これから起こしに行くところだ。 @100 じゃあ、僕が起こしてくるよ。\s 下に降りるついでだし。 @260 では、頼む。\s 私は先に降りてるぞ。 @100 じゃ、僕らも行くか。 @0 !mv !se(Action)ドア開け !wait30 !se(Action)ドア閉め !bgm !mvnil !wait40 一方リクレールは―― !wait50 \s夢……。\s それは、無意識が\r[意識,スクリーン]に色んなものを映し出す、 とても不思議なものです。 時には、予知夢として未来を。\s 時には、不可思議な空想世界を。 時には、意識の底に眠る、過去の記憶を……。 何が原因で夢を見るのか。\s 何が切欠でその光景が選ばれるのか。\s そのようなことは、よくわかりません。 ですが…… あの\r[絵画,おもいで]が見つかった時から、 この夢を見るであろう予感はしていました。 \sそれは、遠い遠い昔の、遠い遠い世界での一幕。 !wait30 !bgs(環境)雨 !wait30 @1 \c[1]「リクレール様……。\s私達は、 このまま滅びるしかないのでしょうか……?」 @0 私が創造した、天空大陸。 当時、そこに住まう人間達は、 突如現れた竜人と魔王の脅威により、 絶滅の危機に瀕していました。 天より見守っていた私は、その惨劇に耐えかね、 絶望的な状況を打開するために、 自ら天空大陸に降り立ちました。 @736 いいえ。\s 皆さんが生き延び、再び平和な暮らしを 取り戻すことは、きっとできます。 その為には、 私と共に戦ってくれる人が必要です。 誰か、戦いの前線に立ってくださる方は 居ませんでしょうか。 @1 \c[1]「た、戦えと言われても、 あいつらの強さは並じゃ無いですよ!?」 \c[1]「戦いの腕に自信があったヤツも、 ただのトカゲ兵相手ですら、 逃げるのが精一杯だったんだ……」 \c[1]「正面から戦うなんて、とても……」 @0 惨劇の中生き残った数少ない人間達は、 大陸の北端にある洞窟に隠れ住んでいました。 この場所が、唯一竜人達の脅威が届いていない、 最後の砦だったのです。 しかし、ここが見つかるのも時間の問題……。 "戦うことになれば、 大きな力を持つ竜人には勝てない"\sと、 多くの者が、希望を失いかけていました。 そして…… @1 \c[1]「それに、仮にトカゲ兵とは渡り合えても、 あの魔王にはとてもかないやしない……」 @0 魔王という、竜の民を束ねる強靭な存在が、 人々に絶望をつきつけていました。 その為、ほぼ全ての人が、 既に戦意を喪失していたのです……。 私自身は、その圧倒的絶望を覆すほどの 希望をもたらすことは、できませんでした。 @736 私が、戦う為の力を授けます。 @731 もっとも、力を授けれる人数には、 限りがありますが…… @0 私が与えることができたのは、 ほんの一抹の希望だけ……。 強く戦う意思を持てる者でなければ、 それを活かす事などできない……。 故に、その可能性を言葉として示しても、 信じる者が居なければ、希望は儚く消えていく。 @736 この力を持った者が数人でかかれば、 あの魔王をも打ち倒せることでしょう。 @1 「「ざわ……」」 @0 実際、ほとんどの人が、 その可能性を疑っていました。 私もまた、戦う役目に名乗り出る者など もう居ないと、半ば諦めていました……。 何もかもが遅すぎたのだ、と……\s 人々の絶望に染まった顔を見て、 悟っていたのですから……。 @731 誰か……\s 誰か、人間の未来を切り開こうという 意思を持ち、戦ってくれませんか……? @0 だから、この問いかけも、 きっと無駄な足掻きになる、と……。 \s私が"彼ら"と出会ったのは、この時でした。 @1 \c[4]「その役……\s俺が、志願する」 @0 疑心に満ちた重苦しい空気を振り払うように、 勇ましく名乗り出た者…… その人こそが、 あの絵画に描かれた、彼でした。 私は、かなり驚きました。 名乗り出るものが居た事よりも、 彼の、自信に満ちた瞳に。 @731 ほ、本当に戦ってくれるのですか!? @1 \c[4]「ああ。勿論だ」 @0 不敵に……\s しかし、どこか優しさを感じる笑みを、 彼は浮かべました。 彼は、本当に不思議な人でした。 何の迷いも無く、 私の示した一抹の可能性を信じたのですから。 そして…… @1 \c[2]「お前が戦うのなら、俺も戦おう」 @0 彼が動いたことで、もう一人、 動く人が現われました。 @1 \c[4]「相棒。やっぱりお前もきてくれるか!」 \c[2]「ふっ……。当然だ。\s お前だけでは、頼りないだろ?」 @0 彼が相棒と呼んだ人物は、武骨ではありますが、 とても頼りがいのありそうな人。 そして彼らは、互いに信頼しあっている、 仲間なのでしょう。 それだけじゃなく…… @1 \c[3]「待って。\s アンタ達だけじゃ、心配よ。」 \c[4]「おう。\s お前もきてくれると思ったぜ」 @0 彼らにはもう一人、仲間が居たのです。 @1 \c[3]「まあね。\s リクレール様。私も戦うわ」 @0 クールで世話焼きな感じの……\s そして、やはり強い自信をもった仲間が。 @730 皆さん……。 @0 名乗り出た三人の方々は、昔からの幼馴染で、 いつも一緒だったそうです。 そんな彼らの絆がとても強固であることは、 初対面の私から見ても、理解できました。 また、希望とトーテムの力を託すのに、 彼らほど最適な人物も、他に居ませんでした。 諦めかけていた私もまた、 自然と彼らを信じることができたのですから。 \s それから状況は好転。 トーテムの力を得た彼らは、竜人の脅威を退け、 人間が生きる場所を取り返していきました。 そんな彼らの活躍は、次第に人々から讃えられ、 英雄と呼ばれるようになったのです。 また、彼らの戦いにおける勇姿は、 唯一生き残っていた一人の画家によって、 三枚の絵画に描かれました。 しかし……\s彼らの英雄譚は、 その快進撃だけでは終わらなかったのです。 \sそれは、人々から忘れ去られてしまった、 一つの物語の終わり……。 彼らが紡いだ英雄譚の終章は―― !wait30 !bgm../BGS/(環境)雨 !wait30 \s――悲劇の連続 \s彼らは確かに、魔王を打ち倒し、 人間達が生き延びる道を切り開きました……。 ですが、彼ら自身は―― !wait30 \s…………。\s 私は、彼らを救うことができなかった……。 彼らを犠牲にしない為に、 私もまた、共に戦ってきたのに……。 戦いに身を投じて下さった彼らに、最後には ささやかでも、幸せを与えたかったのに……。 彼らの末路は……。 !bgs !bgs(環境)雨 !bgm !bgs !wait30 悲劇の記憶は、いつまでも消えることなく、 心の中に残り続けている……。 !wait50 !mvシシトの部屋 \c[6]シイナの部屋―― @731 …………。\s やはり、あの夢はいつ見ても…… @1 懐かしくて、悲しい……。 @731 …………\s___さん……。 @1 今残っている、彼らが生きた証は、 たった一枚の絵画だけ……。 せめて私だけでも、 彼らの事を忘れないように――。 @731 …………。 @0 \c[6]コンコン @1 \f[20]「リクレールさん。起きてるー?」 @731 あ……。 @1 ドア越しに聞こえたシシトさんの声に、 私はハッとする。 こんな暗い\r[表情,かお]をしていては、 余計な心配をかけてしまいますね。 \f[20]「リクレールさーん?もう晩御飯だよー?」 @1 いつもどおり、いつもどおり……。 @730 はーい。今行きまーす! @1 病み上がりのシシトさんが、 元気になれるよう、笑顔でいなければ。 !se(Action)ドア開け !wait20 @734 お待たせしました。シシトさん。 @100 ……リクレールさん。\s よく眠れた? @730 ええ。お陰さまで。 @100 なら良いんだけど……。 \r[無理はしないでね,・・・・・・・・]? !se../BGS/(環境)心拍 @730 あ……、\sはい。 @1 少し、心臓が強く脈打った。\s 夢見が悪かった事を、 悟られたのかと思って……。 でも、今の言葉は、ただ単に 毒治療で疲労した私を気遣ってのもの……\s ですよね? @100 …………。 @734 では、下へ降りましょう! @1 過去を思い出す事はあっても、 過去に引きずられてはいけないんです。 私は、現在の世界を守る、 マジカルパレスの女神だから……。 @0 !mv !mvnil !wait40 !bgm !bgs