#夢見る大地 永遠の翼 Scene19〜21 by飛鷹 !wait60 \r[白き竜神の墓守,アイツ]の示した、災厄。\s その中心は、外――私の知らないところにある……。 それは、当然のように考えていたことでした。 いや……そもそも、 そんなこと、考えてすらいませんでしたね……。 でも……真実は、違った。 災厄の核となるものは……\s 私の、内側にあった……。 !wait60 \>  Silhouette Note.\<\s\> After Ending story.\<\s \f[36]\>  夢見る大地 永遠の翼 \>Scene19:\<\s\> 引き裂かれしもの !wait40 !v5=1 !v35=1 !mvシシトの部屋 !wait10 @400 …………。 @1 夢見る大地から帰ってきて、 身体を預けたベッドは、 程よい柔らかさで私を包んでくれる。 いつも通りの柔らかさで、 いつも通りの温かさで、 いつも通りに…… 今まで通りに…… だけど…… 私はもう、今まで通りじゃない……。 @400 もう、戻れない……か……。 今日は、眠れそうにないな……。 @1 意識は、あの時からずっと覚めたまま。 考え事は止まることなく、いつの間にか私は、 今日という日を振り返り始めていた。 もう戻れないところまで私を変えてしまった、 一連の出来事を……。 @0 !mvnil !mv !wait40 リクレールさん達の物語……\s ツバメさん達の物語……\s 私達の物語…… 今夜、三つの物語が交錯した……。 それは、\r[白き竜神の墓守,アイツ]の仕組んだ、布石だった。 私の心を揺れさせ、切欠を作り、 深淵に眠っていたものを、呼び覚ます為の……。 ……私の奥底にあったもの。\s それは、白竜の力を受け継ぎし者、セタ。 私の、\r[前世,・・]……。 それは、ツバメさんと剣を交えた記憶が、 何よりの証拠でした。 もっとも、それ以外の記憶については、 ほとんどがあやふやですが……。 でも、アイツの目的は、その更に内側――\s 白竜の力にあるんです……。 大地を瞬く間に煉獄へと変えてしまう程の、 恐ろしい、あの力に……。 \sアクアフロートへと帰る道中、 シシト先輩は、何も言いませんでした。 私が魔王を焼失させ、火の海を作り出した瞬間を 目の当たりにしながら、それについて、何も……。 私がリクレールさんの治療を受けている間も。\s 私を家まで送ってくださった、道中でも……。 先輩は、ただ、いつものように私を気遣い、 いつものように振舞っていました……。 でもやっぱり……少しだけ、違いはありました。 声色や、表情……瞳の色……。 私に見せるそれらは、僅かに変わったんです。 そこには、何かを恐れる気持ちが、 微かに垣間見えました……。 流石の先輩も、隠しきれなかったんでしょうね……。 !wait40 !mvシシトの部屋 !wait10 @400 無理もない、ですよね……。 @1 やっぱり、あの光景を目の当たりにしたら……。 むしろ、今も落ち着いている私の方が、 普通じゃないんでしょうね。 ただ…… もし、あの炎に、先輩が巻き込まれていたら…… その可能性を想像すると、身体が震えます……。 私にとって怖いのは、そういうこと……。 @402 あんな恐ろしい力……私は、要らない……。 @1 あの力は、何もかも変えてしまう……。 平穏も、世界も、秩序も…… ……私と、シシト先輩の関係も……。 いや……私とシシト先輩は、 もう、変えられようとしているんだ……。 元には戻れない関係へ……。 !wait20 !bgm別れ !wait40 先輩が背負っているのは、平和を守る使命。 それは、同じ魔法少女となった私も、 同じように背負ったはずのもの。 でも…… 今、私の中にあるのは、平和を壊せる力――\s 災厄の、核たるもの……。 それはつまり…… 私と先輩は、相反する存在になったとも 言うことができる……。 @402 相反する……。\s 先輩と……対の、立場に……? @1 …………\s今、やっと気付いた……。 私を変えてしまったあの力は、 災厄を起こすよりも先に、 シシト先輩と私を、引き裂こうとしていると……。 @402 そん、な……。 @1 嫌……。\s そんなの、嫌……。 引き裂かれるなんて、嫌……。 先輩と築いてきたものも、紡いできたものも……\s 全部壊されるなんて、そんなの、嫌……! 壊れないで欲しい……\s 壊さないで欲しい……! 先輩の隣に立ちたくて、 先輩と確かな物を育みたくて、 ずっと、ずっと頑張ってきたのに!! なのに……なんで、こんな…… ………… @402 シシト、先輩……。 @1 それでも、シシト先輩は、 変わらないでいようとしてくれたんだ……。 いつも通りでいようと……\s 今まで通りでいようと…… 変わってしまうことに、 壊されてしまうことに、\r[抗,あらが]おうと……。 それでも……シシト先輩も、 全く変わらずにはいられなかった……。 私達の間に、亀裂が入ってしまったんだ……。 @402 …………。 これも全て、アイツの狙い、布石通り…… なのかな……。 @1 "力"の発露は、アイツによって仕組まれた……。 私達に様々な真実を見せ、 白竜の力を受け継ぎし者、セタという存在を 浮かび上がらせることで……。 ……このまま私達は、アイツによって 引き裂かれてしまうんでしょうか……。 アイツが、この力を手に入れる為に……。 @402 きっと、このまま……。 @0 !mvnil !mv !wait10 @1 示されたあらゆる真実は、 その可能性を、より強固にしている……。 私と、シシト先輩に、 別れの\r[刻,とき]が、間近に迫っているんだ……。 それも、再会などありえない別れが……。 @0 !mv !wait30 一方、シシト達―― !wait40 !v27=1 !v38=1 !mvシシトの部屋 !wait10 @100 …………。 @830 眠らないのか?シシト……。 @100 ……うん。\s 今夜は、眠らないつもり。 @731 でも、シシトさんはお疲れでは……。 @102 僕は平気だよ。結構タフだから。 @100 今はそれより…… @830 ……犬山セトのことが、心配、か……。 @100 ……うん。 今夜の出来事で、 アイツの狙いがセトだと判った……。 だから、もし何かあった時、 直ぐに駆けつけれるように……ね。 @731 では、シシトさんがセトさんの傍に いてあげることは……。 @100 …………それは、しない方がいいと思う。 @1 本当は、そうしたいんだけど……。 @830 それは、何故だ? @100 いつも通りで……\s 今まで通りでいたいんだ。 僕も、セトも……。 確かに、僕が傍につけば、もしもの時、 セトを守りやすくはなる。 だけど…… それは、僕らを取り巻く因果によって、 僕らが"変えられようとしている"ことを 受け入れたことになる……。 セトに、"変わってしまった"ことを 突きつけることになってしまうんだ……。 僕は、そんなこと……したくない。 できる限り、\r[抗,あらが]いたいんだ……。\s 今までの僕らを、壊したくないんだ……。 例え、セトの内側に秘められていた力が、 破滅的なものだったとしても。 @731 そう、ですよね……。 @830 だから、ここで気を張って、 いざという時、守ろうというわけか……。 @100 ……うん。 それに、色んな真実が出てきて、 僕らのことを揺るがそうとしている。 セトの前世であるセタさんや、その力…… そして、 僕が、ツバメさんの子孫であること…… @1 ちなみにこれは、さっきリクレールさんに 告げられた、新たな事実。 僕を魔法少女ナナシとしてスカウトしたのは、 そういった背景もあったらしい。 これで、僕とセトを\r[異世界,シルフェイド]の過去に結びつける 因果が、明らかになった……。 @100 僕らは、 変わらなきゃいけないのかもしれない……。 それでも……\s 願わくば、僕らはやっぱり、 僕らのままであり続けたいんだ……。 だから、それを守る為にも…… @1 この願いが我侭なものだという事は、 理解しているけれど……。 @102 ま、もっと簡単に言ってしまえば…… @100 ……セトを、奪われたくない。\s ただ、それだけだよ。 @1 夢は、夜に見るもの。\s 朝まで続くもの……。 故に、今晩中にまたアイツが、 何かを仕掛けてくるかもしれない。 だから……奪われないために……。 @731 シシトさん……。 @737 その想い……理解、しました。 @100 …………。\s 自分勝手な想いを優先しちゃって、ごめん。 @1 僕がしようとしていることは、 最善じゃないかもしれない……。 でも、やっぱり……。 @730 いえ……。\s それが、人間らしい生き方です。 @731 私がこんなことを言っても、 説得力は無いかもしれませんが……。 @730 私は、シシトさんの人間らしい生き方や 想いまで奪ったりなど、決してしません。 @737 そんなこと……したく、ありません……。 @731 出来る限り……守りたいですから……。 @830 女神様……。 @100 リクレールさん……。 @1 リクレールさんは、変わらないんだな……\s 永い時が流れても、生きる世界が変わっても……。 人間を愛していて、守ろうと一生懸命で…… そして……変わらず、優しい。\s 女神の名に相応しいどころか、優しすぎるくらい。 だからこそ、彼ら――三人の英雄――のことが、 癒えることのない傷となっているんだ……。 @830 …………。 女神様……。\s やはり、シシトにも話してください。 @737 そう、ですね……。 @100 …………? @1 クロウ?リクレールさん……?\s 一体、何を……? @730 シシトさん。 夢見る大地で、 ツバメさん達のことだけではなく、 "彼ら"の過去も、見たのですよね? @100 え……!? @1 確か、そのことは…… @103 クロウ!? @1 リクレールさんの傷には、 決して触れないようにと言ったはずなのに! @830 すまない、シシト…… @736 クロウを責めないで下さい。 @100 っ……。 @731 私がクロウを問い詰め、聞き出したんです。 そして……\s これから真実を話すのも、私の意志です。 @737 だから、気遣わないでください……。 @100 リクレールさん……。 @730 真実を、知ってほしいんです。\s シシトさんと、セトさんの為にも。 @100 …………。 @1 強い人だ。\s 自ら、心の傷を晒すなんて……。 痛むはずなのに……\s 抉られてしまうかもしれないのに…… それでも、前に進もうとしている……。\s 前に進むと、決意している。 だったら、それを止めるほうが、 間違っている、か……。 @100 ……わかりました。\s 教えてください。リクレールさん。 真実を……\s 僕らをとりまく、因果を。 @1 物語の、繋がりを……。 @0 !mvnil !bgm !mv !wait10 \s再び、セト―― !wait40 !mvシシトの部屋 !wait10 @400 …………。 @1 私はこれから、どうしたらいいんだろう……。 アイツの張り巡らせた策略に……\s \r[古,いにしえ]から続く因果に、打ち勝てるのかな…… 少なくとも…… @402 逃れる術は、無い、よね…… @1 どう足掻いたとしても、呼ばれてしまうから……。\s 私の中にある力を、求める声に……。 力が覚醒する前にも、 発露した時にも聞こえた、あの声に。 いずれ私は、否応無くその呼び声に 引き寄せられることになってしまう。 声の主の下へ、行かざるをえなくなる…… 私達の行き先と、アイツの目的が同じというのは、 こういう意味だったんだ……。 だから、退路なんて、無い……。 でも…… @402 もし、打ち勝ったとしても…… @1 この力がある限り、 私が危険な存在であることは、変わらない……。 これは、あまりにも強大で、 災厄となれる、破滅的な力だから……。 @0 !mvnil !mv !wait10 @1 だから、もう…… 私は…… シシト先輩の傍に居ることができなくなる……。 それどころか、誰の傍にも……。 @0 !mv !wait50 \>Scene20:\<\s\> 聖なる月の剣 再び、シシト達―― !wait40 !bgm安らぎ !mvシシトの部屋 !wait10 @100 あ、そうだ。クロウ。\s リクレールさんの話を聞きがてらだけど、 撫でてあげるよ。 !se(Action)跳ね @832 本当に〜!? @102 でも飛びつくのは禁止。 @832 え〜〜 @102 一応、撫でてあげる約束したからね。 @1 それに、さっきはつい怒鳴ってしまったし、 罪滅ぼしも兼ねて、ね。 @832 ちゃんと約束覚えててくれたのね!! 撫でてっ、撫でてっ、 早く撫でてシシトぉん\wh @102 はいはい。 @832 幸せ〜〜\wh @102 …………。 @1 まったく…… こんな時でも、クロウは相変わらず、か。 なんというか、 強いというより、図太いって感じだね……。 いや、おバカなのかな。 @734 クロウとも仲良くしてくださって ありがとうございます。シシトさん。 @100 いえ。 これくらい、お安い御用ですよ。 @1 なんだかんだで、クロウには、 嫌な役割を押し付けちゃったし…… !bgm それに…… きっと、落ち着いていられるのも、 今のうちだけだから……。 @100 …………。 @1 これから、真実と向き合って、 ぶち当たった壁を乗り越えなきゃいけない。 それは、今までよりも更に、 厳しい戦いとなるだろうから……。 @730 さて……\s それでは、お話しましょうか。 シシトさん達が見た物語の続き……。 @737 "彼"が……\s "ツバサさん"が紡いだ物語を……。 @100 ツバサさん……。 @1 それが、リクレールさんの\r[絵画,おもいで]に描かれていた、 "彼"の名前なのか……。 @100 ツバサさんは、三人で魔王と戦った時、 辛うじて生き延びたんですよね? @730 そうです。 そして、二人の友が守護者として宿る、 太陽の剣を使い、初代魔王を倒した……。 ここまでは既にご存知なんですよね? @100 ええ。ツバメさん達の話で知りました。 @731 でも、真実は少し異なります……。 初代魔王は、私とツバサさんで、 母なる海の杖に封印したのです。 @100 封印……?\s 何故、そのような手段を。 !wait15 !bgm別れ !wait15 @737 魔王は、私と同じなんです……。 @731 私が人間を愛していたように、 魔王も竜の民を愛していました……。 @100 ……なるほど……。 @1 竜人を愛する初代魔王と、 人間を愛するリクレールさん。 対であり、同じ立場でもあるからこそ、 倒すことが辛かった……か……。 @731 私は、いつか人間と竜の民が わかりあえる時が来ると信じたかった……。 だから、初代魔王にも、 見守って欲しかったんです。 人間と、竜の民が歩んでいく未来を……。 @100 リクレールさんが地上に降り立ったのは、 その為でもあったんですね……。 @731 でも、私ができたことは、僅かでした……。 二つの種族を拮抗させることで、 どちらかが絶滅することは、 なんとか避けれましたが……。 それも、ツバサさん達の協力があったから 成し得たこと……。 @737 ツバサさん達が、居たからこそ……。 @830 女神様……。 @100 でも……リクレールさんが居なかったら、 人間は滅んでいたんですよ。 だから、そう自分を責めずに…… @737 いいえ……。 @731 女神が地上に降り立つという 禁忌を犯しておきながら、私は…… @737 私は……彼らを救うことが できませんでしたから……。 唯一生き残った、ツバサさんさえも……。 @100 ツバサさん、さえも……? @1 ツバサさんも救われなかったって、 どういうことなんだ……? @731 私が天界へ帰るまでの間、 ツバサさんは気丈に振舞っていました。 常に、前を向こうと…… 強く生きようとしていました。 天界に戻ってからも私は、 そんな彼を見守り、 幸せを祈り続けていたんです。 帰る直前に、シェイマさんという 画家から頂いた、三枚の絵画……。 ツバサさん、ケイさん、ソウガさんの 勇姿が描かれた唯一の絵を、 毎日見つめながら……。 @737 ですが……\s ある日、ツバサさんは…… @100 ツバサさんは……? @737 ツバサさんは……\s 突然、自害されたんです……。 友の魂が宿った、太陽の剣を使って……。 @100 なっ……!? @830 …………。 @737 大切な友を失って、彼が背負った心の傷は、 とても深かったんです……。 それなのにツバサさんは、 私を元気付けるように振舞っていた……。 本当は心が折れそうなのを我慢して、 強く生きようとして見せた……! 私は、それに気付いてあげることが できなかったんです! @100 リクレールさん……。 @731 そして…… ツバサさんの魂も、永遠の呪縛に 捕われることになってしまったんです……。 ソウガさんやケイさんと同じように…… その魂を"聖なる月の剣"に打ち込まれ、 守護者となることで……。 @100 ツバサさんも、その魂を、守護者に……? @1 聖なる月の剣、か……。 結局、三人とも同じ\r[運命,みち]を 辿ることとなってしまったんだ……。 英雄譚として語るにはあまりにも悲惨な、 物語の末路を紡いだ……。 @731 それが、彼らが"知られざる英雄"となった 理由でもあるんです……。 @100 ツバメさんの言ってたこと、ですね……。 @1 英雄は、人々の希望であるべき。 ツバメさんは、 自分が偽名を名乗って偶像を作る理由として、 そうアルバートさんに話していた……。 ……ツバサさん達の紡いだ物語は、 希望となれるだろうか? 悲劇の物語が、なれるはずが無い……。\s 人々の希望となる英雄譚には、ならない……。 出来上がるのは、 悲劇を美談に脚色した程度の物語……。 ましてや、それが希望の象徴となるであろう 太陽の剣などに纏わる話となれば…… @100 人は、生きる力として、希望を欲した……。 だから、彼らのことは……。 @737 はい……。 @731 事実と異なる伝承によって……。 @100 …………。 @1 哀しすぎる……。 彼らは、その魂を捧げ、永遠の呪縛に捕われて、 それでも未来を切り開く力へと変えたのに……。 ツバサさん達の事は、でっち上げの物語によって、 人々の記憶から消されたなんて……。 @730 でも……彼らの事を、 全ての人が忘れたわけでもありませんよ。 僅かでも、彼らの事を語り継いだ人々も、 確かに居たんです。 @100 あ……。 @1 そうだ……。 あの時から500年後でありながら、 ツバメさんは彼らの事を知っていた。 もし、語り継いだ人々が居なければ、 ツバメさんが彼らの話を知る由も無かった! @730 だからこそ、彼らの物語は、 ツバメさん達の物語へと繋がったんです。 彼らの魂を宿した、二つの剣と共に。 @100 なるほど……。 @1 そして、ツバメさん達の物語は、 僕とセトに繋がっている……。 @100 では……今度は、 ツバメさん達の物語を聞かせてください。 ツバメさんとアルバートさん、 そして、セタさんが歩んだ軌跡を……。 @1 彼女らが僕らに繋げた因果を。 @0 !bgm !mvnil !wait40 !mvシシトの部屋 !wait10 @400 …………。 @1 考え事は、夜が更けても止まらない。 覚めた意識は疲れることを知らないかの如く、 いつまでも私を悩ませ続けている……。 @0 !mv @402 セタさんは、なんでこんな力を 持っていたんでしょうね……。 @1 何故、前世の力が、 今の私に引き継がれているんでしょうか……。 そして、何故、ツバメさんと剣を交えた記憶が、 こんなに鮮明なんでしょうか……。 先輩とツバメさんを繋ぐ、血縁という因果……。\s 私とセタさんを繋ぐ、転生という因果……。 ……私とシシト先輩が、出会ったこと。\s それはある意味、長い時と世界を超えた再会。 でも…… @402 この事実を、 どう受け止めたらいいんでしょう……。 @1 "私達は私達でしかない"と考えれたら、 いくらか楽かもしれませんが…… それは、叶わないこと……。 今の状況やアイツの張り巡らせた意図が、 その思いを通じなくしているから……。 逃れられないところまで、来てしまったから……。 @0 !mvnil !wait30 !se(Action)ミス !wait5 !se(Action)バリア音 !wait5 \c[4]「ツバメ……!\s  できることならば、お前とは……\s  こんな形では剣を交えたくなかった!」 \c[3]「それは、アタシだって同じ思いだよ!  \sセタ!!」 !wait30 @1 お互いが望まなかったのに、 剣を交えざるをえなかった二人……。 それが、私とシシト先輩の未来を 暗示しているような気がしてならない……。 そんな宿命がある気がして、怖い……。 \s逃れたい……。\s 宿命があったとしても、逃れたい……! そんなことになるくらいなら、私は……! @0 !wait40 !mvシシトの部屋 !wait10 @730 ツバメさんとアルバートさんは、 旅路の中で、太陽の剣と聖なる月の剣を 見つけ出しました。 500年の時を経て、ツバメさんのもとで、 ツバサさん達は、再会を果たしたのです。 それは、ある意味では救いでした。 @830 剣の守護者としてではあるとしても、 再び共にあることができた…… @100 それはきっと、 救いとなったと僕も思います。 @731 今となっては、彼らを宿す二本の剣が どこにあるかは判りませんが…… @737 きっと、今でも三人は一緒に居ると、 できれば信じたいです……。 @100 …………。 @730 さて……。\s ここから重要なのは、 セタさんとツバメさんのお話ですね。 セタさんは、竜人の女性で、 強く立派な戦士でした。 @731 しかし、人間と竜人は、対立関係……。 故に、ツバメさんとセタさんの出会いは、 戦いによるものでした……。 @100 戦い、か……。 @731 でも、ツバメさんもセタさんも、 互いの想いを感じ取っていました……。 自分の種族を大事にする想い……\s そして、平和を願う想いを……。 @730 そんな二人の間には、 出会いを繰り返す中で、 特別な信頼が生まれたんです。 @731 ですが…… @737 立場の違い故に、 二人は、衝突を避けられなかった……。 望んでなどいないのに、 戦わざるをえなかった……。 @731 ツバメさんとセタさんの歩んだ道は、 そういうものだったんです……。 @100 …………。 @1 戦わざるをえなかった、 ツバメさんとセタさんの関係…… 決して、他人事とは言えないな……。 …………。 もしかしたら……\s \r[白き竜神の墓守,アイツ]は、僕とセトで、 それを再現する気、なのかもしれない……。 それを、最後の一手として……。 可能性としては、十分に考えられる。 でも……もし、 そんなことになったら、僕は、どうすれば……。 @731 ですが―― @100 …………。 !mvnil @0 @1 セト……。\s 君は今、何を思っているんだろう……? @0 !mv !wait50 \>Scene21:\<\s\> 二人の想い !wait40 !v5=0 !bgs(環境)鳥の鳴き声 !mvシシトの部屋 !wait10 @100 …………\s朝、か……。 @1 夜は音もなく終わりを告げ、 夢を終わらせる太陽が空に姿を現した。 何事もなく、朝を迎えることが出来たことに、 少しだけ、胸を撫で下ろす。 @100 …………。 @1 リクレールさんは、話が終わってからも 僕に付き合って起きていると言っていたけど…… 結局、途中でクロウと一緒に寝てしまった。 今、ベッドは、持ち主である僕じゃなく、 リクレールさんとクロウが独占している。 @737 ………… @1 夢見が悪いのか、 リクレールさんの寝顔は、優れない。 そして、クロウも…… @832 \f[16]女神様〜……重い〜…… @1 夢の中でもリクレールさんに 乗っかられているのか、 的確なツッコミを寝言で言っていた。 @102 全く、仲が良いんだか悪いんだか……。 @1 それでもぐっすり寝ているんだから、 やっぱり二人とも疲れていたんだろうね。 ……逆に、 とっても早起きな同居人達もいたりする。 !wait10 !bgs !mvnil !mv住宅地 !bgm../BGS/(環境)鳥の鳴き声 !wait10 @100 …………元気そうだね。 @1 最近、いつの間にか窓の傍に、 燕の巣ができていた。 そこでは、生まれてからまだ間もない雛達が、 親燕から餌を貰う為、必死に鳴いている。 そんな子供達に応えるために、 両親はせっせと餌を捕っては交互に運んでくる。 この燕一家が、最近出来た季節限定の同居人達。 @100 それにしても、燕の家族、か……。 @1 ツバメさんとの縁を考えると、不思議な気分だ。 まるで、燕達が、 僕らを傍で見守っているように思えてしまう。 燕が名前の由来であるとはいえ、 それは勝手な思い込みだよね。 でも…… ツバメさんは、この親燕のような人だったのかな、 とは考えてみる。 海を越え、遥か彼方から命懸けで渡ってきて、 子を産み、一生懸命愛情を注いで育て…… やがて、子供達が一人前になれば、 巣立つのを見守って…… ……ツバメさんの持つ母親らしさは、 どこか、燕を思わせるところもある。 @100 母親……か……。 @1 母親という存在。\s それは、セトにとって、 特に大きな影響を与えた存在……。 ツバメさんに惹かれたように、 ある意味では憧れを抱く存在であり…… 死別こそしていないものの、 セトにとっては、喪ったも同然の存在……。 セトのお母さんは……\s 自ら、セトを手放したのだから……。 昔、セトが燕の家族に嫉妬を露にしていたのも、 それが理由だと、最近わかった。 ……僕は未だに、セトのお母さんが セトを手放した理由が、理解できない。 昔、セトに母親の事を聞いてみたら、 "とても良いお母さんだった"と答えていた。 セトが手放されてしまった理由も、 "私は、いらない子だから……"と言って…… その後、俯いていた……。 二人が別れてしまった本当の理由は、 そんなことじゃないと、僕は思っている。 でも、セトにとっての真実は、 彼女が語ったことそのもの……。 事実の確かめようがない以上、 セトにとっての真実は、変えられない……。 それでも…… @100 僕は、セトに出会えて、 良かったんだろうな……。 @1 セトと出会ってからの過去を振り返ってみると、 素直にそう思うんだ。 親を失い、傷ついていたあの子と出会って、 最初は、同情から助けたりもしたけど…… 触れ合っていくうちに、 セトが凄く良い子だってわかって、\s 可愛がりがいがあるとわかって…… 気付けば、何かと世話を焼いてたっけ。 "お前、保護者か?"と、 つっこまれたこともあるくらいだし。\s やってたことは全然親っぽくないのに…… ま……そんな気分を味わっていたところは、 確かにあったかもしれないんだけど。 でも、僕とセトは、それだけじゃないから。 特別、なんだ……。\s 一つや二つの言葉では表せないくらい。 言葉をいくつ並べても、足りないくらい……。 だからこそ…… だからこそ、壊されたくないものなんだ。 セトを、失いたくないんだ……。 @100 …………\s精一杯、頑張るか。 !mvnil !bgm @1 どんなことがあってもセトを失わないよう、 心の中で、密かに誓って……。 でも、もしかしたら…… 僕らは、今、変わるべき、なのかもしれない。 "変えられない"ために……。 @0 @1 それから僕は、 いつもに比べて落ち着いた朝を過ごし、 いつも通りに学校へと向かった。 何気ない日常もまた、このまま、 変わらないで欲しいと願いながら……。 !v27=2 !wait40 !bgm高校 !mv301教室 !wait10 @300 この式を解くと、接点Tが求まり…… @102 …………。 @1 ……とは言え、徹夜した身体で授業を 受けるのは、やっぱり辛い……。 いつも通りなのは良いことだけど、 気が緩んでしまうのはマズいなぁ……。 少しの違いがあるとすれば、 この時期にしてはちょっと寒かったくらいだし。 ……とにかく、頑張ろう、僕。 まだ、気を緩める時じゃない。 @0 !mvnil !mv !bgm !wait40 そして、昼休み―― !wait40 !v28=2 !mv301教室 !se(環境)キンコンカンコン !wait10 @102 はふん…… @1 なんとか、眠気に耐え切ったぞ…… !bgmけだるい午後 !wait30 @202 おいおいシシト。 なんだか昨日より疲れてんじゃね? @102 ああ、うん……。\s 実は、徹夜しちゃってね〜。 @202 お前、頑張りすぎだろ。 テストまではまだ時間があるぜ? @102 あはは…… @1 ヤバい。 テストの事すっかり忘れてた……。 でも、こういう話をしていると、やっぱり 僕は普通の高校生なんだって実感できるなあ。 @200 ま、それはそうとして、 ちょっと聞いていいか? @100 ん?何? @200 さっきミキからメールが来たんだけどよ。 !bgm セトが珍しく、学校に来てないんだとさ。\s それも、何の連絡も無しに。 @100 ……セト、が? @202 真面目なセトにしては、本当に珍しいよな。 @200 それで、シシトにも聞いてくれってさ。 お前なら何か知ってそうだからって。 で、お前、セトから何か聞いているか? @100 …………。 @1 セトが、学校を無断で休むだなんて……。 やっぱり…… 崩れだして、いるんだ……。 変わらないままでは、いられないのか……。 @202 シシト? ……その様子だと、心当たりがあるのか? @100 …………うん。 もしかしたら、と 思ったことがあるんだけど…… どうやら、 それが、本当になってしまったみたいだ。 @1 だったら、もう…… なりふり構っていられないな…… @100 リョウヘイ。 僕、今からセトに会ってくる。 @200 …………\s何か、特別な事情があるのか? @100 うん……。\s とっても大事な……ね……。 だから…… @200 ……わかった。 先生の方は適当に誤魔化しておくぜ。 それと、ミキにも、 "セトのことはシシトに任せておけ"って 返しておく。 それで良いんだな? @100 ありがとう。凄く助かるよ。 @200 これで、貸し一つ、な。 そのうち、無理矢理にでもゲーセンに 連れて行くから、覚悟しておけよ? @102 そうしておくよ。 @200 それと…… "セトの保護者シシト" ってからかわれる覚悟も、な? @102 懐かしいな。そのアダ名。 @100 まあ……それで済むならお安いかな。 @1 色んな意味で……ね。 @100 それじゃ、もう僕は行くよ。 @200 おう。しっかりな。 @0 !mvnil !mv !wait10 @1 リョウヘイには、本当感謝しなきゃな……。 程よく察してくれるし、 どこまで踏み込むかも弁えてくれる。 良い意味で普通の、親友だ。 ……とにかく、 折角リョウヘイが気を効かせてくれたんだ。 しっかりしないとな……。 @0 !mv !wait30 !mv住宅地 !bgm../SE/(Action)学内歩き !wait10 @100 …………。 @1 学校を出て、少し早足でセトの家へと急ぐ。 そんな中、肌を切る風が、妙に冷たい。 空も、朝に比べて随分と曇ってる……。 なんだか……異様に不吉な感じだ……。 @0 @1 それから数分も経たないうちに、 空気は更に冷え込んできた。 まるで、冬になったみたいに…… そして―― !wait20 !bgm !wait20 @100 え……? @1 \r[雪,・]が、空から舞い落ちてきた。\s 6月間近であるにも関わらず……。 これは、季節はずれなんてものじゃない……。 異常……日常の域を超えた現象だ……。\s それも、何かによって引き起こされたもの……。 @100 …………。\s もう、日常すら壊れ始めているのか……。 @1 この雪が意味するもの。\s それが、ツバメさんの物語と 同じものだとしたら……。 @100 …………\s セトのところへ、急ごう。 @0 !mvnil !mv @1 崩壊が、始まっている……。 それでも…… 僕は、精一杯抗おう。\s 今が、どんなに絶望的状況であっても……。 @0 !mv !wait50 一方、セト―― !mvシシトの部屋 !wait10 @402 …………。 @1 独り閉じこもった部屋はどこまでも静かで、 世界から拒絶されたかのようにすら感じる……。 現実に、そうなりそうですが……。 或いは、 私がそうしているのかもしれませんね……。 どちらにしても、私は、独りになるべき だということは、変わりない……。 @0 @1 昨晩、考え事を続けながら、 私はいつの間にか、眠りに落ちていた。 そして……夢を、見ていました。 セタさんの記憶を辿る夢を。 私がどういう存在なのかを見せ付け、 知らしめる夢を……。 @0 @1 白竜の力を受け継ぎし者……。 アイツに操られていた魔王は、 私に向かって、そう言っていました……。 夢の中でセタさんは、白き竜神という存在から、 二つの力を受け継いでいた。 そのうちの一つ……\s それが、"白竜の力" あまりにも強大で、世界をも揺るがせる力……。 セタさんは、そんな力を持ったまま……\s \r[その力は残したまま,・・・・・・・・・]、今の私へと転生した……。 "白竜の力を受け継ぎし者"と 私が呼ばれた理由は、それ故なんです……。 そして……この力を手に入れることこそが、 \r[白き竜神の墓守,アイツ]の企み……。 この恐ろしき強大な力で、 世界の頂点に君臨する気、なんでしょうね……。 それが、一つ目の災厄……。 でも……災厄は、それだけじゃない……。 他に、二つ、災厄が存在するのです……。 @402 …………\s雪が…………。 @1 窓の外に目をやると、 空から白い結晶がいくつも舞い降り続けていた。 この雪についても、\r[私,セタさん]は知っている……。 先程見た\r[夢,きおく]の中で、白き竜神は、 人間消滅の儀式を発動させようとしていました。 その前兆として起こる現象――\s それが、季節とは無関係に降る雪……。 これから起ころうとしている、二つ目の災厄――\s それはつまり、人間の消滅なんです……。 以前、アイツが語ったのも、この事……。 そして、三つ目の災厄……。 それは――\s と、思考が、次の事柄に移ろうとした時―― @0 !mv !se(System)選択肢 !wait30 !se(System)選択肢 !wait20 @1 ――家のチャイムが静寂を破り、 私の思考を一旦停止させた。 @0 !mvnil !mv !wait30 !mv自宅 !wait10 @1 尋ねてきたのが誰か…… なんとなく、心の隅で予想―― いえ、違いますね……。 密かに、期待しているんでしょう……。 来てくれたのは、会いたくてたまらないけど、 もう、傍に居ることができない人だ、と……。 !wait20 !se(Action)ドア開け @1 揺れ動く気持ちを抑えながら、ドアを開ける。 冷たい風が吹き込んできながらも、そこには…… @100 ……やあ、セト……。 @402 ……シシト、先輩……。 @1 会いたい人が…… 傍に居て欲しいその人が、立っていた……。 でも…… @402 何故、ここに……? @1 制服を着ているから、 学校に行かれていたはず……。 日常を、日常のまま保つために…… それなのに何故、今、シシト先輩がここに……? @102 あー、セト? 外がもう寒くてたまらないから、 中に入っても、良いかな……? @402 あ、はい。 気が利かなくてごめんなさい……。 @100 …………。 @0 !mvnil !mv !wait10 私はシシト先輩を、 自分の部屋へと招き入れました。 シシト先輩は、\r[躊躇,ちゅうちょ]していましたが…… リビングだと祖父が来るから 落ち着いてお話ができないと、理由をつけて……。 でも……本当の理由は…… !wait30 !mvシシトの部屋 !wait20 @402 それで、あの…… 先輩がうちに来た理由って…… @100 セトが学校を休んだって聞いて、ね。 @402 そう、ですか……。 わざわざ心配して下さって、 ありがとうございます……。 @1 午後の授業を休んでまで来て下さって……。 ……でもそれは、もう、 いつも通りではいられない証拠……。 壊れ始めているという、合図……。 動き出してしまったら、もう…… @0 !mv !wait10 !bgm別れ !wait20 @100 ……セト……? @402 シシト、先輩……\s 私……もう、学校に行けないんです……。 @1 崩れてしまうから…… @402 もう、誰の傍にも居られないんです……。 @1 そして、逃れようもなく…… @402 私の内側に眠っていたあの力……\s あれこそが、災厄となるものなんです。 @1 私は、独りになってしまう…… @402 先輩なら、もう解っているはずです。 @1 だから…… @402 あの力は、一瞬で煉獄を生み出せる……。\s 世界を滅ぼせてしまう……。 @1 今だけでいいですから…… @402 私は、あの力が怖い……! @1 傍に、居させて下さい……。\s 運命によって別たれるその時までは……。 @100 セト……。 @0 @1 縋りつくように抱きついた私を、 先輩は、優しく受け止め、抱きしめてくれる……。 この優しさと温もり…… いつも、変わらないんですね……。 昔も、この前も、今も…… 落ち着けて、安らげて…… 愛しくて……。 でも……いずれ、失う……。 @0 !mv !wait20 @402 アイツは……\s 白き竜神の墓守は、あの力を 手中にしようとしているんです……。 そして……その為に、私達を 竜神の眠る島へ誘おうとしているんです。 @100 竜神の眠る島って、 アイツの言っていた……? @402 はい……。 @1 ずっと、先輩の温もりに包まれていたい……。 傍に居て、日々を過ごしていきたい……。 でも……それは、叶わぬ願い……。 @402 声が、呼んでいるんです……。 その島で眠る、白き竜神が、 私の中にある力を呼んでいるんです……。 @100 呼んでいるって、どういう、こと……? @402 シシト先輩……。 昨日、魔物召還装置で、 小島程度の物体が転移してきた 可能性があると仰ってましたよね……。 @100 もしかして、それが……? @402 その通りです。 転移してきたのは、竜神の眠る島……。 夢見る大地の核をなす島なんです……。 そこに、白き竜神の肉体が眠っている……。 私達が見てきた、夢を映し出す幻は、 白き竜神が見てきたものなんです。 @1 全ては、そこから始まった……。 そして、\r[異世界,シルフェイド]で紡がれた物語の続きは、 私達の世界で収束しようとしている……。 @402 竜神は、過去の夢を見続けながら、 力を取り戻そうとしているんです……。 その為に、 私を呼び寄せようとしているんです……。 @1 竜神の肉体という『器』は、 かつてそこに収めていた力を求めている……。 @100 …………。 @402 雪が降り出したのも、その為……。 人間消滅の儀式という災厄が、 発動しようとしているんです……。 だから、私達は、白き竜神が眠る島へ 行かざるをえなくなります……。 \r[白き竜神の墓守,アイツ]は、それを利用して、 力を得ようと……。 @100 だったら、僕らで、 アイツの策略も竜神も止めてしまえば―― @402 いえ…… @1 それで全てが終わりとなるなら、 どんなに良かったでしょうか……。 そんな物語を望み、紡ぎたかった……。 でも…… @402 仮に、竜神を止め、 アイツの策略を打ち破ったとしても…… 『私』という災厄は、残りますから……。 @100 …………\sやっぱり、 そう考えていたんだね、セト……。 @402 …………はい。 魔王を一瞬で焼失させてしまったのが、 私が災厄となれる、何よりの証拠……。 "白竜の力"は、底が知れない力…… そんな力がまた暴発した時、 今度は、何を起こしてしまうのか……。 @100 セトは、それが怖いんだよね……? とても強い力のせいで、何かを壊し、 誰かを傷つけてしまうかもしれない 可能性が……。 @402 その通りです……。 あの時だって、一歩間違えていれば、 シシト先輩が、あの炎に巻き込まれて…… 私自身の手で、シシト先輩を 殺してしまったかもしれないんです!! そんなことになったら、私は……っ! @100 …………。 @1 少し、抱擁がきつくなる。\s 先輩から感じる優しさも、強くなる……。 @100 でも…… 実際は、そんなことにならなかったんだよ。 @1 ゆっくりと、頭を、髪を撫でながら、 そう囁いてくれるシシト先輩……。 私を、落ち着かせようと して下さっているんですね……。 @402 そう、ですね……。\s 今回は、無事でした……。 でも…… あの力は、ただの人間である私が持つには、 あまりにも大き過ぎます……。 それでも、使いこなせるようになることも 考えました……。 ですが……例え本当に使いこなせ、 暴発、暴走する可能性が、万に一つ……\s いえ、億に一つまで下がったとしても…… 起こりうる災厄というリスクは、 あまりにも重過ぎるんです……。 アイツを倒し、竜神を止めても、 私の内に眠る\r[災厄の可能性,リスク]は残る……。 @100 …………。 @1 何も言わない先輩……。 沈黙は肯定…… そういうこと、ですよね……。 @402 でも…… \r[白き竜神の墓守,アイツ]と竜神を止めるまでは、 私も頑張って戦います。 だから、シシト先輩…… @1 私がお願いする物語の終わりを、 どうか、紡いで下さい……。 @402 \r[白き竜神の墓守,アイツ]と白き竜神を止めたら…… @1 \r[異世界,シルフェイド]から繋げられた、 呪縛ともいえる因果を、断ち切って下さい…… 私は、最後まであなたの役に立てなかった、 要らない子ですから…… できれば、あなたの手で…… @402 どうか、私を殺し―― @0 @1 一瞬、頭が真っ白になりかけた……。 シシト先輩は、 私に全てを言わせてくれなかった…… 言葉を、止めてしまったから…… 声を、塞いでしまったから…… 私の唇に、先輩が唇を重ねることで…… @0 !mv !wait50 @100 そのお願いは、言わせないよ……。\s 今も、これからも、ずっと……! @1 少しして、唇を離した時、 シシト先輩は、そう仰いました。 落ち着いるようでいて、微かに震えた……\s 怒っているとも、哀しんでいるとも思える、 そんな、声で……。 @100 もし、僕が冷徹な人間だったら……\s そのお願いを最善の手段として、 実行したかもしれない……。 でもな……! @402 っ…… @1 苦しいくらい、強く抱きしめられる…… でも、それは…… @100 僕は、セトが大事なんだ……。\s 失いたくない存在なんだ……!\s かけがえのない\r[女性,ひと]なんだ! @402 シシト、先輩……。 @1 その想いが、とても強いから……。 @100 だから……僕は、セトを殺さない。 他の誰かが……\s 例え、世界がそれを望んだとしても…… 僕は……セトを守るよ。 @402 本当に……それで、良いんですか……? @100 セトと共にあることが、 僕の望む未来だよ。 セトは、要らない子なんかじゃない。\s 僕は、君が必要なんだから……。 @402 あ……。 @1 シシト先輩が…… 私を、必要としている……。 こんなにも強く、そう想ってくださって…… その言葉も、想いも…… ずっと、私が渇望したもの…… それを今、シシト先輩が、私に……。 @0 !mv !wait20 @100 力が怖いって、言ってたよね? @402 はい……。 @1 やはりそれでも、あの力は怖い……。 @100 正直に話すと、僕も、なんだ……。 @402 先輩も、私の力が……? @102 違う違う。 @100 僕自身の力が、だよ。 生身でも魔王を貫けるほどの、ね……。 そんな僕が変身して戦うんだ……。\s 使い方を誤れば、大惨事を引き起こしうる。 同じ、なんだよ……。 僕とセトは。 @402 あ……。 @1 そうだ……。 先輩は、変身しながらも、 いつも力を抑えて戦っていた……。 そして……未だに先輩が、 全力を出したところを見たことが無い……。 誰も、先輩の全力を知らない……。 それは、きっと……。 @100 僕も、万が一が怖くはある……。 だけど……僕とセト、二人なら、 なんとかできるって思うんだ。 だから……いざとなったら、 僕がセトを止めるし、助けるよ。 二人なんだから、 互いのどちらかがダメになった時でも、 助けることができる……。 人は、助け合って生きていくんだから。 @402 でも、私は…… シシト先輩を助けれるほど強くなんか…… @100 セトは、自分の事……心が弱いと 思っているみたいだけど……。 本当は、強いんだよ。 強すぎるくらいに、ね……。 だから、自己犠牲に酔っていないのに、 自分を犠牲にできてしまう……。 セトだけが辛いことは、どんなことでも 抱え込んで、耐えてしまう……。 僕の事となると 涙を流すくらい優しいのにね。 @402 …………。 @1 言われてみて、はっとしました。 自覚していたわけでは無いですが……\s やっぱりシシト先輩は、私のこと、 しっかりと見ていて下さっているんだ……。 そこまで見透かし、理解してくださったんだ……。 @100 僕は、そんなセトの強さを知っている。 そして、セトがその強さを 引き出せるとも信じているよ。 @403 …………\sが、頑張ります! @1 シシト先輩は、私以上に私自身の事を 理解しているのかもしれませんね……。 やっぱり、この人は、 心の底から信じることができる……。 @100 昔みたいに、ただじゃれあっているような 僕らには、もう戻れないけどさ…… 変えられてしまうのなら、 僕らの方から変わろうと思ったんだ。 傍に在り、助け合える二人に、ね。 だから……\s 一緒に行こう、セト。 そして、二人で目の前の壁を乗り越えて、 僕らが紡ぐ物語の続きを作っていこう。 @403 ……はい。 必ず……一緒に、いきましょう。 @0 !mvnil !mv !wait40 私達を取り巻く状況は、 全てが絶望を作ると思っていました……。 でも、シシト先輩に教えられました。 私達は、良い方向へ変われるんだと……。\s そして、希望を生み出せるんだと……。 だから、乗り越えてみせる……。\s そう、決心しました。 !wait60 !bgm でも…… この先に、私の想像を更に超えた絶望が 待っていることに、私はまだ気付いていなかった……。 !bgm !bgs