#夢見る大地 永遠の翼 Scene4〜6 by飛鷹 !bgm !bgs !wait60 私が強くならなきゃ……\s 私がしっかりしなきゃ……\s 私が…… 昔から、ずっとそう思い続けていた。 私とお母さんが、別れて生きることになったのは、 もう、昔のこと……。 あの時、そうなってしまったのは、 私が弱かったから……。\s 私が未熟だったからなんだ……。 だから、私は…… 強く在りたい……\s 強く生きたい……\s 強く……\sと…… ずっと、それを目標にしていた。 !wait60 \>  Silhouette Note.\<\s\> After Ending story.\<\s \f[36]\>  夢見る大地 永遠の翼 \>Scene4:\<\s\> 差 !wait30 !bgm(タクミ)魔法少女戦 !wait30 !v5=1 !mv中央公園 !se(Action)跳ね !wait5 !se(Action)跳ね @1 月明かりの下で交錯する、白い影と黒い影。 !se(Action)跳ね !wait20 !se(Action)跳ね !wait5 !se(Action)跳ね @1 常人を凌駕する速度で跳びまわり、 仕掛ける間合いを探り合う。 !se(Action)跳ね @441 そこです! @1 先制を仕掛けたのは、シェルティー @441 \f[32]波動!! !se(Shooting)カノン @1 放つは魔力の弾丸 !se(Action)学内歩き !wait4 !se(Action)学内歩き !wait3 !se @130 よっ! @1 ――が、ショートステップで避けられる @441 \f[32]雷光!! !se(Action)雷光 !wait3 !se(Action)雷光 !wait3 !se(Action)雷光 @1 続けざまに振り注ぐ、槍の如き雷撃 @133 狙いが甘い! !se(Action)跳ね !wait5 !se !se(Action)跳ね @1 バック転で回避 @441 まだです! !se(Action)跳ね @1 しかし同時に大きく跳躍し―― @130 !? @1 空中からナナシ目掛け―― @441 \f[32]雷光!! !se(Action)雷光 !wait3 !se(Action)雷光 !wait3 !se(Action)雷光 !wait3 !se(Action)雷光 !wait3 !se(Action)雷光 @1 広範囲に\r[雷,いかずち]を落とす! @130 なるほど。 @133 でも―― !se(Action)跳ね !wait2 !se(Action)跳ね @1 しかし、ナナシは鋭く前進し―― !se(Action)跳ね !wait10 !se(Action)跳ね !wait3 !se(Action)跳ね 雷の隙間を潜り抜け―― @441 なっ!? !se(Action)学内歩き !wait5 !se @1 着地したシェルティーの―― @130 チェックメイト !bgm !se(Action)ミス @1 背後を取った。 @441 くっ……。 @130 …………。 @1 ナナシは掌打を寸止めの状態で、\s シェルティーは背を向けたまま、固まる。 @440 …………。\s まいりました……。 @130 …………。 @134 ふぅ……。 @1 ナナシは寸止めの体勢を解き―― @440 やっぱり、まだまだですね……私。 @1 そう呟きつつ、 シェルティーもナナシの方へと向き直る。 @0 !bgm夜の静けさ @130 まずは、お疲れ様。 昨日より、大分よくなったよ。 @441 ありがとうございます! @1 不自然な消え方をした謎の魔物との遭遇から、 3日が経ちました。 シシト先輩のもとに新しいステッキが届いたのは、 あの翌日のこと。 私は早速、魔法少女として復帰した先輩に、 戦闘訓練を願い出ました。 そして今日は、戦闘訓練の3日目。 @130 それで、今回の反省点だけど……。\s セトの犯したミスは、2つだね。 1つは、不用意に高く飛んだこと。\s もう1つは、2回目の雷光。 理由は……わかる? @440 え〜と……。 1つめは、高く跳んだせいで、 空中に居る間、身動きが取れなくなるから\s ……ですか? @130 そうだね。 2つめは? @440 …………\sすみません……。\s わからない、です……。 @130 確実に当てようとするあまり、 狙いが広範囲過ぎたんだ。 そのせいで、雷が大きくばらつき、 僕にとっては避けやすくなった。 あれは、もっと範囲を絞るべきだったね。 最悪でも、僕を後退させるくらいの 撃ち方が望ましかった、かな。 @440 なるほど……。 @1 シシト先輩の指導はなかなか厳しい。 しかし、そのアドバイスは 実践と経験に裏打ちされていて、的確。 私の欠点を見つけ、直すには最適でした。 @130 でも……\s 波動から雷光という二段での牽制は 良かったと思うよ。 @441 はい! ありがとうございます! @130 それじゃ、セトは休憩してて。 クロウ。 組み手をやりたいから、相手してくれる? @830 了解した。 人の姿でやるか?\s それとも、このままやるか? @130 最初はそのままで。\s そのあと人型でお願い。 @830 よし。 では早速始めるか。 @134 すぅ……。 @130 はぁ……。 @133 さあ来い!! !se(Action)跳ね @830 行くぞ!! @0 !mv !se(Action)ミス !wait3 !se(Action)ミス !wait10 !se(Action)ビシッ !wait5 !se(Action)殴打 !wait20 !se(Action)跳ね !wait4 !se(Action)跳ね !wait10 !se(Action)ミス !wait3 !se(Action)ミス !wait6 !se(Action)殴打 @440 …………。 @1 魔法少女として復帰したシシト先輩は、 凄く、強い。 変身しなくとも、シェルティーとしての私と 互角以上に戦えるほど……。 だから……\s 変身すれば、私よりもずっと強い。 @0 !mv !se(Action)跳ね !wait4 !se(Action)跳ね !wait10 !se(Action)ミス @133 クロウ、もう少し早くできる!? @833 む、むぅ……。 @830 やってみよう! @0 !mv !se(Action)ミス !wait4 !se(Action)ビシッ !wait4 !se(Action)殴打 !wait4 !se(Action)跳ね !wait10 !se(Action)ミス @440 …………。 @1 先輩は、さっきの実戦練習で 全力の何割を出していたんでしょう……。 かなり余裕があったのは、確かですね……。 背後を取られたとき、 私は軽く息が上がっていたのに対し、 シシト先輩は全く息が乱れてなかった。 すぐさまクロウさんとの実戦訓練を始めても、 まだまだ余裕のようですし……。 @440 本当に、まだまだ、だね……私……。 シシト先輩には、遠く及ばない……。 @1 私とシシト先輩の立場は、 同じ"魔法少女"になった。 だけど……\s ここで一つ、私は、勘違いをしていた。 それで、シシト先輩に近づいたんだ、と……\s 勝手に、思い込んでいた……。 でも実際は、形式的立場が同じになっただけで、 まだまだ、ずっと遠いまま……。 むしろ、同じ立場になることで、 シシト先輩と私の差を見せ付けられた。 とても大きな、強さの違いを……。 昔と変わらない……。\s いや、昔よりも大きくなった、差を……。 ……それは、戦いや力に限った話ではない。 シシト先輩は昔から、心が強かった。\s 強かに生きていた。 逆境も不運も乗り越えて、 前向きに生きる力強さがあった。 それだけじゃない。 シシト先輩は、イジメに遭っていた私を 助け出してくれたこともあった。 それも、一度や二度ではなく、何度も……。 そう……\s シシト先輩は、人を助ける力も持っていた。 そして今では、多くの人々を護れるほどに 強くなったシシト先輩……。 そんなシシト先輩に、私は憧れて……。 シシト先輩みたく強くなりたいと、 思うようになった……。 …………。\s 魔法少女になって、 私は、強くなったと思っていた。 だけど……。\s 私は何も変わっていない。 確かに、見た目は大人っぽくなった。\s 確かに、魔法が使えるようになった。 でも……\s心は、強くなっていない……。\s "私"という本質は、変わっていない……。 @0 !mv !wait40 @130 人って、急には変われないけどさ…… @440 え……? @1 先輩、いつの間に隣に……? @130 変わろうと思ったときから、 人は変わり始める。 だからさ…… 急激な変化は無くとも、 それを思い続け、努力し続けれるなら…… セトが望むものに。\s 目指すところに、近づき始めているよ。 @441 は……はい!\s アドバイス、ありがとうございます! @440 でも、何故突然、そのようなことを……? @131 ん〜……。\s なんとなく、言いたくなったから? @440 なんとなく、ですか……。 @130 強いていうなら、さっきのセトの顔見たら、 そう言うべきかなって思ってね。 @440 え……。 @1 やっぱり、先輩は凄い……。\s 私の考えていることを、見透かして……。 でも…… @440 私って、そんなにわかりやすいですか? @131 う〜ん……\sどうかな……? @130 あくまで、僕の勘だしね。 @440 そうですか……。 @1 もし、もっと見透かせるのなら、 私の胸の中にしまってある気持ちにも 気付いて欲しいな……\sなんて、思ってみたり。 本当は、まだ気付かれたく無いんですけどね。 自信……ありませんから……。 @130 さて……。\s 他にも何か、考え事? @0 \c[6]ペシペシ @440 あ、いえ……。\s もう特には無いです。 @0 \c[6]ペシペシ @130 そっか……。 @0 \c[6]ペシペシペシ @440 ところで、先輩。 @0 \c[6]ペシペシペシペシ @130 なに? @440 さっきから、クロウさんが…… @0 \c[6]ペシペシペシペシペシ…… @131 ああ…… !se(Action)跳ね @132 もう!\s クロウ、ペシペシするのは いい加減にしなさい!! @832 だって〜。\s 私だってシシトとお話したいの〜。 セトとばっかりお話しててずるい〜。 @132 ずるいも何もありません!! @440 …………。 @1 クロウさん、 本当にシシト先輩が大好きなんですね……。 なんだか、妬いちゃいます。 @832 シシトぉん!我も愛して〜! @132 だ〜か〜ら〜! @440 …………\sむぅ……。 @1 でも、クロウさんに取られっぱなしも つまらないです……。 悪戯、しちゃいますよ?\s 今の先輩、隙だらけですし……。 そういえば、 前からやってみたかったことが…… !bgm @440 …………。 @1 思い出したら、なんだか疼いてきました……。 !bgs(環境)心拍 @1 触ってみたい……。\s 綺麗なカーブを描く\r[それ,・・]に…… 急激に湧き出した好奇心。\s それは一気に膨れ上がり、私を突き動かす…… @131 クロウ、いい加減に…… @1 好奇心は理性を押し退け、私の体を支配し…… 手をゆっくりと、 シシト先輩の身体の\r[それ,・・]に近づけ…… @832 だって〜 @1 一気に、もにもに、と…… !bgs @132 って、\f[32]うっひゃぁん!? @442 ほえッ!? @1 ななっ!? なんかびっくり!? !bgmちょっとマズい @132 セセセセセト!?\s なな、何やってんの!? @442 ごごごごめんなさい!\s つつ、つい、触ってみたくて! @132 だからっていきなりもにもにしないで!?\s 僕のネコミミ!! @442 はは、はい! @1 それにしても、びっくりした〜……。 あんなに大きいリアクションされるとは、 正直、思いもしませんでした。 ネコミミ……弱いんでしょうか? そういえば、叫び声がなんだか 妙に艶っぽかったような……。 @131 ああもう、\sびっくりした……。 @440 ごめんなさい……。 でも……\s シシト先輩、隙だらけでしたよ? @131 う〜ん……。\s 隙をつかれて一本取られたか……。\s 僕もまだまだだね。 @440 またやっても良いですか? @131 やめて。 @440 そうですか……。 @1 ちょっと、残念……。 ……でも、またやってみたい……。 ダメと言われても、やっちゃうかも。 @0 !bgm夜の静けさ @130 さて……。 今日はもう訓練は終わりにしようか。 @440 そうですね。 @441 明日もよろしくお願いします!\s 私はいつか、先輩に追いつきます! @130 うん。 @131 ……といっても、 セトはすぐに僕を追い抜きそうだけどね。 @440 そんな……。\s シシト先輩に追いつくのは、 そう容易いことでは無いですよ。 @130 まあ……そう簡単に追いつかれないよう、 僕も頑張るよ。 一応、これでも先輩だし……ね。 @441 シシト先輩はいつでも先輩です! @1 心に決めた、尊敬できる人なんですから。 シシト先輩がどれだけ凄いか……。 それは、ずっとシシト先輩を目標にして 追い続けてきた私が、 一番よく知っているんですから……。 魔法少女としては日が浅くても、 先輩が積んだ努力がどれだけ凄いかくらい、 想像することはできます。 だから……\s そんなに謙遜しないでください。 それに……\s 私は、あなたの隣に立ちたいんですから……。 @130 …………。\s \f[18]本当に、良い子だね……。セトは。 @440 え……? @1 今、なんて……? 呟きが小さくて、よく聞こえませんでした。 @130 ん。\sなんでもない独り言だよ。 @440 そうですか……。 @1 ちょっと、気になりますが……。 @130 さて……。 !bgm 訓練が終わったのはいいけど…… @1 そこで、シシト先輩の眼が、 途端に鋭くなる。 @130 どうやら……\s早速本番みたいだよ。 @441 !? @1 その視線の先には…… @960 !bgm[追加]闇夜の死線 @441 魔物……!! @830 …………\sそいつも、この前のやつらと 同じ類のもののようだ。 @130 そうみたいだね。\s どちらにせよ、退治することになるけど。 @130 セト。\s行くよ。 @441 はい!! @1 臨戦態勢になる私とシシト先輩。 しかし―― @960 \c[2]グルルル…… !se(Action)跳ね @1 魔物は私達に背を向け、 駆け出していった。 @441 あ、逃げた!? !se(Action)跳ね @133 追うよ! !se(Action)跳ね @441 はい!! !se(Action)跳ね @830 なるべく早く捕らえるぞ! @0 !mv !mvnil !wait40 @1 一見、魔物は私達から逃げたようだった。 しかし、実際に追いかけてみると、 本気で逃げているようにも見えなかった。 それは、まるで……。 !wait20 !mv住宅地 !wait30 !se(Action)跳ね !wait20 !se(Action)跳ね !wait5 !se(Action)跳ね @960 !se(Action)跳ね @830 やつめ……またこっちを向いたな。 !se(Action)跳ね @133 ああ。\s 僕らがついてきているか、 確認しているって感じだ! !se(Action)跳ね @441 じゃあ、あの魔物はまさか…… !se(Action)跳ね @830 我らを誘導しているのかもしれないな。 !se(Action)跳ね @133 となると、あの魔物の目的で 考えられそうな可能性は、罠への誘導か!? !se(Action)跳ね @441 だったら、どうします? @133 罠にかけられる前に…… !se(Action)ミス !se(Action)跳ね \f[32]あいつを止める!! @441 は、速い!? @1 今のが、シシト先輩の本気の跳躍!? ひと跳びで、軽々と魔物の前方に……。 それも、空中で2回転と1/2捻りだなんて、 無駄にカッコイイことまでするなんて……。 !se(Action)学内歩き !wait3 !se @133 よしっ! !se(Action)跳ね @960 @1 着地した先輩は、 そのまま突っ込んでくる魔物に @133 くらえ!! !se(Action)ミス @1 真正面から正拳を―― !se(Action)跳ね !bgm @960 @133 なっ!? @441 す、すり抜けた!? @833 またなのか!? !se(Action)学内歩き @960 \c[2]………… @1 魔物は一旦立ち止まり、 再びこちらの様子を伺っている。 @130 …………。\s 今度は消えないみたいだね。 @830 やはり、我らを誘っているのか……? @440 どうします? @134 …………。 @130 ついていこう。 @830 罠かもしれないのにか? @130 引き際は見極めるつもりだよ。 それに…… このまま行かずにいたら、きっと、 あいつらについて、何もわからないままだ。 今、何が密かに起きているのか……。\s これは、それを確かめる機会だと思う。 @830 女神様は、何が起きても不思議ではないと 仰っていたしな……。 @440 そうですね……。 でも、慎重に行きましょう。 @130 それは勿論。 @830 では、行くか。 @960 \c[2]…………。 !se(Action)跳ね @1 私達がついていくことを確認した魔物は、 再びどこかへ向かい、走り出した。 あの魔物は一体、 私達をどこへ連れて行こうとしているのか……。 そして、何を見せようとしているのか……。 @0 !mv !mvnil \s !wait60 \>Scene5:\<\s\> 夢の入り口 !wait60 @1 魔物の後を追いかけながら、僕は、 昨日リクレールさんから聞いた話を 思い出していた。 @0 \s1日前の村上家にて―― !wait50 !v27=1 !bgmけだるい午後 !v38=1 !mvシシトの部屋 @100 空間の歪みに、次元シフト現象? @730 それが、現状から考えられる結論です。 @1 リクレールさんが、魔物召還装置を含め、 状況調査を終えたのは、昨日のことだった。 とはいっても、爺ちゃんに協力してもらっても、 全てを把握できたというわけでもないらしい。 とにかく、僕らは、今わかっていることについて、 順を追って説明してもらった。 @100 つまり…… 魔物召還装置は、ロボが壊そうとした時に 機能障害が発生した。 そして、装置を起動し、ゲートを開いた結果、 機能障害のせいで時空間に歪みが発生…… 更に、ゲート予備空間を展開したことが、 その歪みを広げてしまった。 その歪みによって発生したエネルギーが、 次元シフト現象を引き起こしている……。 要約すると、こういうことですか? @730 そういうことです。 そして、これは推測なのですが…… まず、先日遭遇した魔物達は、 時空間の歪みを無理矢理潜ってきた ものだと仮定します。 そうなると、ゲートを通った魔物と違い、 それらは存在そのものが不安定となる…… 故に、魔物達の存在感が薄く、 消えてしまうこともありうる。 以上のような推論が成り立ちますね。 @100 なるほど……。\s それで一応の辻褄は合いますね。 @830 しかし、今肝心なのはむしろ…… @731 そうですね……。 時空間の歪みが戻り、次元シフト現象が 起こりえない状況に戻るまでの間…… この付近で、何が起きても不思議じゃ無い ということが、最も重要です。 @102 う〜ん……。 そう言われても漠然としすぎていて、 イマイチイメージが湧かないんですが。 @730 わかりやすい例を挙げるなら、 人や物が消えるといった現象。 逆に、無かったものが突然現れるという 現象が多く起こりえるでしょう。 @100 消えるのは、神隠しみたいなものか……。 @730 そう言えば……\s シシトさんが魔王と戦っていたとき、 降り注いだ雷……。 あれも、もしかしたら、どこかの世界から 導かれた雷かもしれません。 @102 え……?\s あれって、リクレールさんからの援護だと 思ってたんだけど……。 @830 女神様は攻撃魔法は使えぬぞ? @100 そういえば、そうだったね……。 という事は、他所の天災をこっちに 招いてしまうこともあるのか……。 ……本当に、なんでも起こりえそうだ。 @1 誰かが消えたり、災難を招いたり、か……。 @100 それを防ぐ方法は、何かありますか? @737 …………。 @1 僕の問いに対し、リクレールさんは 無言で首を横に振った。 何もできない……。\s 何もいえないくらい、どうしようもない、 ということだろうか……。 @731 現象が発生すること自体は、 まず止めることができません……。 @100 …………。 @730 しかし、起こった現象に対処することなら、 できることもあるでしょう。 @830 後手に回ることにはなるが……\s 我らがなんとかできることもあるはずだ。 @1 ……なるほどね。 @102 最初からどうしようも無いことなら、 仕方ないって諦めるけど……。 @100 僕らで出来ることがあるなら、 いくらでもやるさ。 それと、この事は、 僕からセトにも伝えておくよ。 @830 うむ。 こういう事に対処するのも、 魔法少女の役割だからな。 @730 シシトさん……。\s 頼りにしていますよ。 @100 うん。頑張るよ。 @1 それにしても……\s なんだか、妙にひっかかることがあった。 これはとんでもない事態のはずなのに、 今までに実際に起こった事は、 あの魔物出現のみ……。 あとは、ずっと穏やかなもので、 何も事件らしい事件は起こっていない。 リクレールさんの話の方が 間違っているという可能性は、確かにある。 だけど……\s僕の直感は、 この話は"大体"正しいと訴えている。 つまり……少し、違和感は感じている。 どちらにしても、 何かあることには違いないと思う。 !bgm !mvnil @0 \s !wait50 !mv住宅地 !bgm../SE/(Action)学内歩き !wait6 !bgs../SE/(Action)学内歩き @133 ――今思えば、あれは\r[所謂,いわゆる]、 嵐の前の静けさなのかもしれない。 @1 あの魔物を追いかけながら、 僕はセトにリクレールさんの話をし、 状況を振り返っていた。 @441 だとしたら、この先何があるかは…… @133 予測はできない。 だから、何が起きてもいいように 気をつけて……としか言えないけど。 @441 わかっています。 @830 むっ。\s 魔物が角を曲がったぞ。 @441 あの先にあるのは、確か……。 !bgm !bgs !mvnil !wait50 !bgmサスペンス !mv倉庫街 @130 倉庫街か……。 @440 ところで、あの魔物の姿が 見えないんですけど……。 @830 どこかに隠れたか……。\s つまり、ここが目的地ということだろうな。 @130 ここに一体、何があるんだろう? いや……\s 何か仕掛けられているんだろうか? @830 今のところ、それらしき気配は 無いようだが……。 !bgm @441 いや、待ってください! @830 む……? !mvマジカルパレス @130 霧……? @441 随分と、濃いですね……。 @830 これでは、迂闊に動けんな……。 @440 …………。 @1 これから一体、 何が起ころうとしている……? この霧が故意に作られたことは、 私でもすぐ判ったけれど、その狙いは一体……? @0 !se(Action)学内歩き @1 \c[2]無事にきてくださったようですね。 @441 !? @130 !? @1 急に響いてきた足音と、聞きなれない声。 その方向へ視線を向けると…… !se(Action)学内歩き !bgmサスペンス @960 \c[2]わざわざご足労いただき、 誠にありがとうございます。 @130 さっきの魔物……? @440 実は喋れるんですか……。 @1 しかも、妙に礼儀正しいですね。 @830 我らをここまで誘導した目的はなんだ? @960 \c[2]まだ、多くは語れません。 \c[2]ですが……\s簡単に申し上げますと、 あなた方を試させていただきたいのです。 @130 試して、何になる? @960 \c[2]そのことについては、 あなた方にお話できる範疇にございません。 @441 随分と、一方的に押し付けるんですね。 @1 私達をここへ連れてきて、変な霧を出して、 いきなり試すとか言い出して…… その上、意図は掴ませない……。 この魔物、何気に底が知れないものが あるかもしれませんね……。 @960 \c[2]それは重々承知しております。 \c[2]ですが……そうですね……。 \c[2]もしあなた方が、 ある問題をなんとかしなければ…… @440 …………。 @130 ……なんとか、しなければ? @960 \c[2]世界に魔物が溢れる以上の、 災厄が起こりうるでしょう。 @830 どういうことだ? @960 \c[2]真実は、この試練を乗り越えてから 確かめてください。 \c[2]もっとも、ここは既に神の見ている 夢の中なのですがね……。 @830 神の夢の中だと? @960 \c[2]おっと、少々お喋りが過ぎました。 \c[2]私はこれで失礼させていただきます。\s では、御武運を……。 @133 ま、待て!? @960 !v29=2 @260 @130 消えた……。 @440 あれは一体、 なんだったんでしょうか……。 @830 む?\s 霧が晴れていく……。 !mv中央公園 @130 え……? @440 ここは……? さっきいた場所とは明らかに違う……。\s アクアフロートじゃ、無い……? @1 あたりを照らすのは、星と月明かりのみ。 しかし……\s 周囲を見渡すには、それで十分だった。 それだけ、この夜空は明るい。 そんな夜空の下で、私達がいるのは、 とても広い草原の真ん中。 数キロ離れたところには、 鬱蒼としていそうな森が見える。 そして……。 @130 セト。\sクロウ。 @441 わかってます。 @1 私達の背後に居るのは…… @960 @1 \c[1]グゥ……     \s\c[3]ガァア……   \s\c[4]ウゥゥゥ……     \s\c[5]ガルルル……         \s\c[6]グルルル…… @1 数多の魔物達……。\s 10や20なんてものじゃないくらい多い。 @130 これがヤツの言っていた試練みたいだね。 @830 倒さなければ、帰れそうにも無いな。 !bgm @133 ならば。 @441 やるしかありませんね! @840 我は準備万端だ。 @131 相変わらず変身が早い……。 @441 きますよ! !bgmバトル02 @0 !se(Action)跳ね @133 やられる前に一気に数を減らすよ! !se(Action)跳ね @441 了解です! @840 犬山セト。\s お前は多数相手の戦いにまだ不慣れだ。 あまり無理はするなよ。 @441 わ、わかってます! @0 !se(Action)跳ね @133 たぁああああ!!! @1 シシトは先頭に立ち、 風の如く魔物の群れに切り込み―― @0 !mv !se(Action)殴打 !wait5 !se(Action)ビシッ !wait10 !se(Action)跳ね !wait2 !se(Action)ミス !wait8 !se(Shooting)撃破C @1 繰り出すは、掌打、蹴撃のラッシュ! !se(Action)殴打 !wait5 !se(Action)ビシッ !wait5 !se(Action)殴打 !wait10 !se(Shooting)撃破C 息をつかせぬ連続攻撃で、 集団の一角を一気に蹴散らす! @0 @440 流石ですね……シシト先輩。 @441 こっちも負けていられません! 行きますよ!\s \f[32]雷光!! @0 !mv !se(Action)雷光 !wait3 !se(Action)雷光 !wait3 !se(Action)雷光 !wait3 !se(Action)雷光 !wait3 !se(Action)雷光 !wait3 !se(Action)雷光 !se(Action)爆発音 @1 私の雷光は、広範囲に攻撃できる。 これだけの数を相手にするなら、 威力重視の波動よりも雷光の方が効果的! @441 まだまだいきます!! \f[32]雷光!! @0 !mv !se(Action)雷光 !wait3 !se(Action)雷光 !wait3 !se(Action)雷光 !wait3 !se(Action)雷光 !wait3 !se(Action)雷光 !wait3 !se(Action)雷光 !se(Action)爆発音 @1 私は、もっと強くならなきゃいけない……。\s 少しでも早く、シシト先輩に追いつく為にも。 だから、不慣れゆえ、なんて理由で 怖気づいているわけにはいかない! !se(Action)跳ね @960 \c[6]グガァアアッ!! @441 !! @1 雷光を掻い潜ってきた!? でも、この距離なら…… !se(Action)跳ね @441 はっ! @1 後退して―― @441 \f[32]波動!! !se(Shooting)カノン !wait4 !se(Shooting)撃破C @1 狙い撃ちで退けれる! @441 よし! @1 本来なら、多数を相手に戦うなら、 距離を取って戦える魔法の方が有効なんだ。 打撃中心で運動量の多いシシト先輩の負担を 減らすためにも、私が頑張らなきゃ……! @0 !mvnil 一方、シシトは―― !mv中央公園 @133 だりゃぁあっ! !se(Action)跳ね !se(Action)ミス @1 後ろ回し蹴りを―― !se(Shooting)撃破C 全力で叩き込む!! !wait30 !se(Shooting)撃破B !se(Action)ドゴン !se(Action)ビシッ !se(Action)殴打 !wait30 @133 っしゃ!! @1 何匹か巻き添えにしてふっとばせた! この隙に体勢を立て直して―― @840 シシト! 波状攻撃がくる! !se(Action)跳ね !wait2 !se(Action)跳ね !wait2 !se(Action)跳ね @1 \c[1]グラァッ!\> \<\c[3]ガルァ!!\> \<\c[5]ゴァアッ!! @133 くっ! @1 同時に3匹、その後ろに4匹―― !se(Action)跳ね !wait2 !se(Action)跳ね @960 \c[4]グォォッ! @1 更に両サイドから2匹!?\s 捌ききれるか!? ――無理矢理にでも切り抜けてやる!\s 多少のダメージは覚悟だ! @133 \f[32]\wx\f[24]こ、\f[32]のお!! @0 !mv !se(Action)跳ね !wait8 !se(Action)ミス @1 振りかざされた爪を紙一重で避け―― !se(Action)殴打 カウンター!\s そして―― !se(Action)ビシッ 振り向きざまに、もう1匹に裏拳! !se(Action)跳ね !wait3 !se(Action)ミス 続いて、牙をバックジャンプで避け―― !se(Action)ミス !wait6 !se(Action)ビシッ !wait3 !se(Action)殴打 追撃に対し、二連撃を叩き込む! @960 \c[3]ガァッ!! @133 ぐぅっ!? @1 くそっ……\s やっぱり捌ききれないか! それにしても、こいつら―― !se(Action)跳ね @840 タァッ!! !se(Shooting)撃破C @1 左から攻めてきたやつに、 その背後からクロウの跳び蹴りが命中。 そのお陰でなんとか、 魔物達と間を取ることができた。 @840 大丈夫か、シシト!! @133 ありがとう、クロウ! だけど、気をつけてくれ!\s こいつらは―― っ――!? @441 くうっ……! @960 @1 クロウにあることを伝えようとした時、 セトの八方を魔物が囲んでいるのが見えた。 そして、何匹かが同時に、その鋭い牙で 噛み付くべく襲い掛かろうとしている。 このままじゃマズい!! !se(Action)跳ね !se(Action)ミス @133 \f[32]セトぉ!! @840 シシト!? @1 セトにはオーラバリアがあるからって、 あれを受けたら――!! !mvnil !wait40 !mv中央公園 @441 くうっ……! @1 囲まれてしまった……。 流石に、多勢に無勢。\s 数にものを言わせてきましたか。 @440 さて……。 @1 ここからどうするかを、 数瞬で考える。 まず、この包囲の輪を抜け出し、 状況を変えないと流石に辛い。 でも、波動と雷光を併せて使えば、 輪の一箇所を突破するくらいはできる。 その際、多少は攻撃を受けることには なるでしょうが…… 私には、オーラバリアがある。\s だから、少ないダメージで切り抜けれる! @441 ……よし! @1 輪を狭められる前に…… !se(Action)跳ね 仕掛ける! @441 \f[32]\wx\f[24]波動!\f[28]波動!!\f[32]波動!!! !se(Shooting)カノン !wait5 !se(Shooting)カノン !wait5 !se(Shooting)カノン @1 威力にものを言わせて、突破口を作る! !se(Shooting)撃破C !wait5 !se(Shooting)撃破C @1 2発命中!\s ここで続けざまに―― !se(Action)跳ね @441 \f[32]雷光!! @0 !mv !se(Action)雷光 !wait3 !se(Action)雷光 !wait3 !se(Action)雷光 !wait3 !se(Action)雷光 !wait3 !se(Action)雷光 !wait3 !se(Action)雷光 !se(Action)爆発音 @1 雷で足止めし、追撃を防ぐ!! !se(Action)跳ね @960 \c[5]グォァァアア!! @441 !! @1 やはり、それでも追撃が。 でも、私にはオーラバリアがある。\s 受けるダメージは少なくて―― !bgm !se(Action)跳ね @133 \f[32]セトぉ!! @440 えっ――!? @1 その刹那、シシト先輩が 私と魔物の間に入り込み―― !se(Action)ドゴン !se(Shooting)撃破A @132 ぐぅっ――! @1 魔物の牙が、先輩の腕に食い込んだ。 @441 シシト先輩!? @133 ――っだあっ! !se(Shooting)撃破C @1 しかし、先輩はすぐさま、強烈な蹴打で 魔物にトドメを刺し、引き剥がした。 @133 セト!すぐに下がって!! @441 は、はい!! @0 !mv !se(Action)跳ね !wait3 !se(Action)跳ね @1 私は言われるままに急いで後退し、 先輩に合わせて体勢を整えた。 @441 シシト先輩!\s 何故、私を庇ったりなんか―― @133 理由は、後で、話す。 とにかく、魔物の、残りは、少ない。\s セトも、クロウも、絶対、咬まれるな! @441 わ、わかりました! !se(Action)跳ね @133 速攻で終わらせる!! @0 !mv !mvnil !wait40 @1 最初は、オーラバリアがあるにも関わらず 庇われてしまったことに、 思わずムッとしてしまいました。 私はそんなに頼りないのかと思って……\s 内心、ショックも受けました……。 でも―― シシト先輩が、息を切らせながら喋る様子や、 勝負を急いだ戦いの様子を見て、 何故か、背筋を冷たいものが走ったんです。 しかし、戦っている最中は、 その理由を考える余裕はありませんでした。 そして…… 理由が判ったのは、 なんとか魔物達を倒し終えた時でした。 @0 !mv !wait40 !mv中央公園 @133 ハァッ……\sハァッ…… @840 なんとか、終わったな。 @440 そうですね……。 @1 でも、シシト先輩の様子が、 明らかにおかしい…… @440 あの、シシト先輩……大丈夫ですか?\s 随分と息切れが酷い―― @131 いや…… @134 っ―――― @1 私が科白を言い切る寸前、 シシト先輩は―― @440 えっ――――? @1 全ての力が抜けたかのように―― @0 !mv !se(Action)ドゴン @1 その場に倒れた。 @441 シシト先輩!?\s シシト先輩!?!? @134 ぅぅ……っ、はぁっ、はぁっ…… @1 顔に浮かぶ苦悶の表情。\s 異常なまでに荒い息。\s 全身に浮かんでいる、嫌な汗…… シシト先輩の身体に、一体何が!? @840 ――!\s セト!!\s 魔物に咬まれた傷口を見てみろ!! @441 き、傷口ですね!? @1 確か、右腕の―― @441 こ、これは!? @1 傷そのものは、それほど深くなかった。 しかし、肌がその傷を中心に紫色に腫れ上がり、 傷口そのものは、腐食しかかっていた。 @840 やはり、間違いない。\s シシトは、毒に犯されている! @441 そんなっ……。 @1 悪寒の原因が、漸く姿を現した。 シシト先輩は、 魔物達が毒を持っていることに気付いていた。 だから、あの時、私を庇って……。\s 私の代わりに、毒を注ぎ込まれて……。 そして、毒に蝕まれ続けているにも関わらず、 戦い続けて、一気に毒がまわって……。 @134 ぐぅぅっ……!\sはぁっ!はぁっ!…… @1 "このままじゃ、シシト先輩が、 死んでしまう――?" そう考えた瞬間、 頭の中が白くなっていき @441 シシト先輩!?\sシシト先輩!?!?\s しっかりしてください!!\s 死なないで下さい!! @1 それから、ただひたすら叫んでいた気がする。 私は、どうしたらいいの?\s どうすればシシト先輩を助けれるの……? それが、頭に浮かんでこない…… もう、どうしていいのかわからない……。 シシト先輩を失うなんて、イヤ……。\s 失いたくない……!\s そんなことになったら、私は――!! @441 \f[32]シシトセンパイ!!\s \f[40]シシトセンパーイ!! @1 混乱しかけていた私は、 ひたすら取り乱し続けていて…… @0 !mv !se(Action)ビシッ @840 落ち着け、犬山セト! @1 クロウさんに頬を叩かれるまで、 ずっと、パニックを起こしていた……。 @840 いいか?\s 今、シシトを助けれるのは、 我とお前しかいないんだぞ? なのに、お前が取り乱してどうする!! @440 クロウ、さん……。 @1 そう言われて私は、 ようやく正気を取り戻した。 そうだ。\s 今は取り乱している場合じゃない! @840 ……女神様なら、 毒を浄化する魔法が使える。 故に、今は一刻も早くシシトを 女神様のところへ運ぶことだけを考えろ。 変身したお前なら、 今のシシトは軽いはずだ。 @441 は、はい!! @0 !mv !mvnil !wait40 @1 それから私は、 シシト先輩を背負って必死に走った。 リクレールさんのところまで行けば なんとかなると、ひたすら信じて走った。 草原を走り、\sあの白い霧の中を通り、\s 倉庫街に戻り、\sアクアフロートの街を駆け抜け、\s リクレールさんのもとにたどり着いた。 しかし……\sその時既に、 シシト先輩の容態は、更に悪化していた……。 @0 \s !wait60 \>Scene6:\<\s\> \r[理想,がんぼう] !wait60 シシト先輩を部屋に運び込んですぐ、 リクレールさんが毒の浄化を始めました。 ですが―― !v35=1 !wait40 !mvシシトの部屋 @134 はぁっ、はぁっ、……\sううっ、はぁっ…… @736 …………。 @402 シシト先輩……。 @1 呼吸が、さっきよりも荒い……。\s 苦悶を浮かべる顔の、眉間の皺も、 また一段と深くなっている……。 先ほど、クロウさんとリクレールさんに 勧められ、変身解除していたのですが…… その間に、また一段と 症状が進行したのでしょうか……。 @830 女神様……。\sシシトの容態は……。 @736 そうですね……。 @1 毒の浄化魔法に意識を集中したまま、 リクレールさんは静かに答える。 @736 まず……\sシシトさんが受けたのは、 即死しても不思議じゃ無いほどの猛毒です。 @402 ――っ!? @833 そんな!? @736 生きているのが奇跡、ですね……。 シシトさん以外がこの毒を受けていたら、 どうなっていたか……。 そして…… 毒があまりにも強く、魔法だけでは、 症状の進行を抑えるのがやっとです……。 @1 状況は、想像以上に酷だった……。 即死しかねない猛毒……。\s 症状も、進行を抑えるのがやっと……。 このままじゃ、 いずれシシト先輩は――! @402 あ……ぅ……。 @1 私のせいだ……。 あの時、私が魔物に噛まれそうになったから…… \sシシト先輩は気付いていたんだ……\s 魔物が、毒を持っていることに…… オーラバリアでダメージは減らせても、 毒は防げないことに……。 だから、シシト先輩は私を庇った……\s そして、身代わりに魔物の毒を――!! @402 ごめんなさい……。\sごめんなさい……!\s 私のせいで……\s私のせいで……! @1 あの時、私が魔物に囲まれなければ……\s 噛まれそうにならなければ、 こんなことにはならなかった…… 或いは、私も毒に気付いていれば…… いや、私がもっと強ければ、 こんなことにはならなかった!! @402 ぅ……ううっ……。 @1 泣いたって、仕方ないのに……。 泣いても……\sわめいても……\s 骨が砕けるほど強く拳を握っても……\s 何にもならない…… 私は、何にもできない!?\s 情けなく涙を流すことしかできないの!? 助けられてばかりで!!\s 迷惑かけてばかりで!! 何もできないの!? @830 …………。 @736 …………。 @1 他の誰もが黙ってしまい、 聞こえるのは、私の嗚咽と、 シシト先輩の苦しそうな息遣いだけ……。 もう、残されているのは、 絶望だけ……なんでしょうか……。 @736 薬草があれば……。 @402 え……? @1 薬草……? @830 女神様。\s 薬草があれば、なんとかなる見込みが? @736 浄化の魔法と、 摘みたての新鮮な薬草を解毒薬として 併用すれば、見込みはあります。 しかし、その薬草は……。 @830 …………。 @402 アクアフロートに、薬草なんて……。 @1 僅かにさした、希望の光。 しかしそれは、瞬く間に消えていく……。 \r[鉄の島,アクアフロート]にある土は僅か。 土がある場所には、観賞用植物くらいしか 植えられていない……。 薬草なんて、生えているわけが―― @402 ――! @1 ある……。\s 薬草が生えていそうな場所が。 希望の光は、消えなかった! @404 薬草を、摘んでくればいいんですね? @1 もう、泣いている場合じゃない。 今、私ができることをしなければ! !bgm(シューティング)準備画面 @404 リクレールさん! その薬草がどんな形をした植物なのか、 教えてください!! @736 あてが、あるんですか? @404 あります! さっきまで、 私も、シシト先輩も、クロウさんも、 そこにいたんです! @830 ……\sそうか! あそこなら、薬草があるかもしれない! @1 多数の魔物達と戦った場所……。 あの大地は、土で出来ていた。\s 遠くには森も見えた! なら、薬草が生えていてもおかしくない! @404 私、急いで採ってきます!! @830 我もいくぞ。 シシトを救う手があると判っていながら、 じっとなんかしれいられないのでな。 @736 わかりました。 二人とも……お願いします! 私は引き続き、魔法による シシトさんの治療に、全力を尽くします! @404 はい! @0 !mv !bgm !mvnil !wait30 @1 リクレールさんに必要な薬草の特徴と、 治療に必要な量を教えていただき、 私とクロウさんは、すぐに部屋を飛び出した。 @0 !mv !wait30 !mvシシトの部屋 @730 セトさんも、シシトさんの事を 大切に想われているんですね……。 …………。 @134 はぁ、はぁ、はぁ、はぁ…… @736 シシトさん……\s 絶対に死なせません……! @0 !mv !mvnil !wait30 !mv住宅地 !bgm../SE/(Action)学内歩き !wait6 !bgs../SE/(Action)学内歩き @830 必ず、シシトを助けるぞ! @441 ええ、必ず! @1 何が何でも、 シシト先輩の命を救わなければ……! 絶対に……\s絶対に失いたくない、 大切な人だから!! @0 !mv !bgm !bgs !mvnil \s !wait40 !mv倉庫街 !bgm../SE/(Action)学内歩き !wait6 !bgs../SE/(Action)学内歩き !wait60 !mvマジカルパレス @830 やはり、ここを境にして、 あちらと\r[こちら,アクアフロート]を行き来できるようだな。 @441 そうでないと、困るんですけどね! @0 !mv !v5=0 !mv中央公園 !bgm !bgs @441 ついた! @830 こちらはもう、日が出ているのか……。 @1 明るいお陰で、草原のより遠くまで 見渡すことができた。 街のようなものも見えますけど…… これは、気のせいでしょうか。 いや、今はそれよりも @441 クロウさん! あの森へ急ぎましょう! @830 うむ! @0 !mv !mvnil !wait30 森の中にて―― !wait30 !mv中央公園 @830 さて、薬草を早く見つけるためにも 二手に分かれたいところだが…… 魔物の事もある。\s まとまって探そう。 @440 そうですね……。 @1 もし、私たちまでやられてしまったら、 元も子もない……。 @440 でも、早く見つけないと…… @1 シシト先輩を、 助けられなくなってしまう……\sと、 焦る気持ちは、あります。 しかし、失敗は許されないのですから。 @830 さて、薬草は……。 @440 光の差し込んでいるあたりを、 重点的に探しましょう。 木漏れ日が程よくあたる場所に よく生えているらしいですし。 それを頭に入れて探せば、 見つけるのも早くなるはずです。 @830 そうだな。 魔物との遭遇に警戒しつつ、 手早く探そう。 @0 !mv !mvnil そして、暫くして―― !mv中央公園 @440 …\s…\s…\s…\s!\s クロウさん!ありました!! @1 木漏れ日を浴びて、白い小さな花を咲かせた、 捜し求めていた薬草が! @830 よし。\s では、すぐに摘んで、急いで持ち帰るぞ。 解毒薬にできるのは、 新鮮な薬草だけだからな。 @441 はい! @1 幸い、この薬草は群生しているため、 量の確保も問題ありません。 あとは、これを持ち帰るのが間に合えば、 シシト先輩は助かる!! 私は、逸る気持ちを抑えつつ、 薬草を丁寧に摘んでいきました。 \sそれを目撃したのは、そんな時でした。 @0 @1 \c[32]「うわぁアア!?」 !bgm緊迫状況 @441 !? @830 !! @1 突然、森に響き渡った叫び声。 @441 一体、何が――\s!? @1 叫び声の聞こえたほうへと振り向く。 その時、私の眼に映ったのは―― @441 あ!? !se(Action)ミス !se(Action)ズシャアアー !wait20 !se @2203 ぐぁっ!? @1 何者かが、少年を斬りつける光景。 @2203 あ……\sああ…… @1 \c[6]「へへ……\s人間さんよ。\s 無防備で森に入ったことを後悔するんだな」 その何者かは、脅える少年を じりじりと追い詰めていく……。 @441 た、助けないと! @830 う、うむ! @1 少年の負った傷は浅いのか、 流血はほとんどしていない。 今なら、まだ助けが間に合う! !bgm !se(Action)跳ね !se(Action)ミス @440 え――? @1 私達が動こうとした時、それより早く、 誰かが私の横を走りぬけ―― !se(Action)ミス !wait3 !se(Action)バリア音 一閃。\s 何者かが振りかざした剣を、弾き飛ばした。 !bgmバトル01 @2011 ちょっとアンタ。\s 丸腰の大人しそうな少年を襲うなんて、 卑怯だと思わないのかい? @1 その人は、少年を襲った者――\s 爬虫類が人間になったような者に対し、 剣と、鋭くもどこか妖しげな視線をつきつけた。 \c[6]「ちっ、邪魔な人間がまた一人……。\s お、お前も殺してやる!!」 イレギュラーの出現に、 爬虫類人間は、同様を隠せない様子。 @2011 やれるのかい?\sアンタの剣は、 あたしが弾き飛ばしたんだよ? @1 対し、その人は余裕の表情を一切崩さない。 @830 あの者は、一体…… @440 誰、なんでしょうか……。 @1 艶やかな黒髪をポニーテールにし、 昔の旅人みたいな装束を身に纏ったその人。 その顔立ちは、変身したシシト先輩や、 シイナさんにどこか似ている。 そして……\s 一見、年齢は私と同じくらいのようです。 しかし、その人から感じる雰囲気は、 ずっと年上のようにも思えます。 でも、何よりも印象的だったのは、 その、強い意志の感じられる瞳と―― @2011 さて……\s アンタが引かないんなら…… !se(Action)ミス !se(Action)跳ね あたしがアンタに、お仕置きしてやるよ!? @0 !mv !se(Action)バリア音 !se(Shooting)撃破B !wait10 !se(Action)ズシャアアー @1 華麗かつ、圧倒的な強さ。 \c[6]「ぐぅううう!?」 @2011 ほら、謝るなら今のうちだよ? @1 \c[6]「誰が……人間なんかに!!」 !se(Action)跳ね 激情した爬虫類人間が殴りかかるも―― !se(Action)ミス 容易く回避。 !se(Action)ミス また殴りかかっても !se(Action)ミス !wait10 !se(Action)ミス 蹴りを繰り出しても !se(Action)ミス !wait4 !se(Action)ミス !wait8 !se(Action)ミス 全くといっていいほど当たらない。 その華麗な体捌きは、 まるで舞を踊るかのよう。 !se(Action)跳ね \c[6]「こんのお!」 業を煮やした爬虫類人間は、 更に荒っぽい攻撃に出るも―― @2011 まったく……アンタって @1 それをあっさりと @2011 わからずやだねえ!! !se(Shooting)撃破C @1 投げ飛ばし、地面に叩きつけた。 \c[6]「グッハァッ!!」 @2011 さて……\sアンタ、まだやるきかい?\s それとも、まだお仕置きが必要かい? @1 \c[6]「うぅっ……!」 結局、その人が爬虫類人間を退けるのに、 1分とかかりませんでした。 @0 !bgm @440 …………。 @1 今、私の目の前で起きていたのは、 2分にも満たないほどの、短い出来事。 ですが……その僅かな時間、 私はその人から、目が離せませんでした。 一瞬たりとも見逃さないよう、 まばたきすら、しませんでした。 魅入ってしまった理由も、 すぐに理解しました。 その人は、私がなりたい自分……\s \r[理想,がんぼう]、そのものだと思ったから……。 @830 セト?\s犬山セト!! @440 え? @441 あ、は、はい!! @1 いけない。\s クロウさんに呼ばれるまで、 すっかり我を忘れていました。 @830 向こうは解決したようだし、 我々も薬草を見つけたのだ。\s もう、急いで戻るぞ? @441 はい! @1 今は、惚けている場合じゃない。 この摘みたての薬草を、 一刻も早く持ち帰らなければ! @441 クロウさん、行きますよ!! !se(Action)跳ね @0 !mv @830 ああ! !se(Action)跳ね @0 !mv @1 駆け出しながらも、 私は少しだけ後ろを振り返る。 \r[理想の女性,そのひと]と、助けられた少年は、 互いに微笑みながらその場で別れていった。 結局、二人とも最後まで、 こちらには気付かなかったようでしたが…… でも、またいつか会えたらいいな……と\s そう願いつつ、私は再び前を向く。 そして、力の限り速く走る。 !mvnil !wait30 シシト先輩を、助けるために……。 !wait60 待っていてください……\sシシト先輩!! !bgm !bgs