#恋話シリーズ・求める心 触れあう心 by飛鷹 !v27=1 !v28=1 !v35=1 !wait30 気持ち次第で世界の見え方は変わる。 あなたと居る時に見る景色は、 とても素敵なものになる。 心で感じる全てのものが、 鮮明に色づいていく。 そして思う あなたの心に触れることができて、 本当に良かった・・・と・・・。 !wait60 \f[20]\>Silhouette Note.恋話シリーズ \<\s\>冷たい雪 温かい雪・後日談\<\s \>\f[36]     求める心 触れあう心 \>Scene1 \<\s\>待ち合わせ !wait30 !bgmゆったり雰囲気 !mvショッピング街 @1 多くの人で賑わうショッピング街。 その中心部にある大きな時計台は、 待ち合わせの定番スポット。 そんな場所に、一人で立っている私・・・。 @402 はあ・・・。 我ながら、呆れてしまいそうですね。 @1 今日は、シシト先輩とデートなのです。 でも・・・。 @402 今は10時・・・。 約束の時間は12時・・・。 @1 今朝は6時に眼が覚めて、 朝食にかけたのは1時間程度。 それから3時間ほど、身支度に費やして・・・ ええ、髪のお手入れとか、服選びとか、 とにかく身だしなみを徹底的に・・・。 それでも、約束の12時までは時間が あったのに、こうして早々と 待ち合わせの場所に来てしまった・・・。 なんと言いますか、 これって、所謂"お約束"的展開・・・。 ・・・でも、それくらい、シシト先輩との デートが楽しみだったのは、本当。 昨日の夜は、まるで遠足前の子供みたいに ワクワクしている私がいて・・・ 今朝も、そんな気持ちを抑えられずに、 張り切っちゃっていたんです。 それでも、客観的に自分を見ると、 ちょっとおバカかも・・・と思ってしまう。 こういう時って、張り切りすぎて 空回りしてしまうのがよくあるオチですし。 シシト先輩、早く来ないかな・・・と 思うのは、わがまま・・・だよね。 先輩には先輩のペースがあるし、 電話とかメールで急かすのも良くないこと。 何より、私が勝手に早く来てしまった わけだから、こうなるのは自業自得・・・。 ・・・ここは、本でも読みながら 時間を潰そうかな。 @402 え〜っと・・・。 @1 確か、今日もバッグの中に入れているはず・・・。 @400 あったあった。 @1 最近は、とある本を熟読している私。 その本は、大和撫子について書かれたもの。 ・・・私見ですが、シシト先輩の好みは、 なかなか古風だと思うんですよ。 なので、もっとシシト先輩の好みにあった 女性になれるように、 この本をよく読んでお勉強してるんです! ・・・実践は、なかなか難しいんですけどね・・・。 その代わりに、デートの待ち合わせで 2時間も早く来るという古典的なことを してしまったのです・・・。 ちなみに、大和撫子とは・・・ 『清楚で凛とし、慎ましやかで、 一歩引いて男性を立て、男性に尽くす 甲斐甲斐しい女性像を指す』 ・・・と、書いてあります。 それは、なりたい自分の理想像・・・ そして、将来はそのような大人の女性になり、 シシト先輩と共にありたい。 その為には、日々精進あるのみ! 努力は惜しみません! !mvnil !wait10 !mvショッピング街 !se(Action)学内歩き !wait5 !se !wait20 !se(Action)学内歩き !wait5 !se !wait20 !se(Action)学内歩き !wait5 !se @100 お・・・セト、もう来てる。 @1 待ち合わせの場所に来てみれば、 立ったまま片手で本を熱心に読んでいる セトの姿を見つけた。 少し早足で近づく。 @403 あ、シシト先輩! @1 気配で察したのか、僕が声をかける前に こちらに気付いたセト。 ・・・なんだろう。 なんとなく、セトが、見えない尻尾を フリフリと振っているように見えた。 @102 セト・・・。 もしかして、結構待たせたかな? @404 いえ、そんなことはありません! @402 それに・・・まだ、予定の時間まで 2時間近くありますよ? @1 大時計を見てみると、10時10分・・・。 確かに、1時間50分も早い。 @102 あはは・・・。なんだか、 お互い随分と早く来ちゃったみたいだね。 @1 僕が早く来たのは、セトの事だから、 これくらい早く来ていると予想したから・・・ なんだけどね。 @403 で、でも、早く会えたので、嬉しいです。 @1 う〜ん、セトの見えざる尻尾の動きが 加速したように見える・・・。 それに、いつの間にやら しっかりと僕の腕にしがみついてるし、 瞳をきらきらと輝かせているし・・・ これをなんと例えるかは言わずもがな・・・\s だけど、とにかく可愛い・・・。 うん。早く来ることにして本当良かった。 例え、本を読んで時間つぶししてたとしても、 やはり忠犬ハチ公の如く待っているであろう セトが容易に想像できた。 ・・・この想像は、僕の自惚れかな・・・? @100 それじゃあ、時間にも余裕があるし、 のんびりと行こうか。 @403 はい! !bgm @0 !mvnil !wait45 \>Scene2 \<\s\>未だ知らぬ過去 !mvショッピング街 !bgmショッピング街 @403 ね、先輩! あの子犬のぬいぐるみ、 可愛いと思いません? @100 お。なんだかセトっぽいね。 @403 え・・・。 どういう意味です? @102 さあ、どういう意味だろうね? @404 むう・・・。 先輩、ちょっといぢわる・・・。 @1 ゆっくりと歩きながら、 先輩とウィンドウショッピング。 何も買わなくとも、こうやって一緒に 色んなものを見て回るだけでも、 とても楽しいものなのです。 色々とお喋りして、時にはからかったり、 時にはじゃれてみたり・・・。 こうやって、同じ時間を共有することが、 私にとって、一番大切なんだと思う。 先輩と遠く離れていた時や、 この前みたいにすれ違っていた時には、 それができなかった・・・。 だからこそ尚更、今、シシト先輩と こうして一緒にいられる素敵さが、 身にしみてわかるんです・・・。 そして、時の流れ行く中で、 全ての色がこんなにも変わるものなのかと、 初めて知った・・・。 そんなことを頭の隅で考えながら、 色々と見て歩いていると・・・ @0 @200 お、シシトにセトじゃねーか。 @1 道端で、友人の一人である岸先輩に 声をかけられました。 @100 やあ、リョウヘイ。 @400 こんにちは。岸先輩。 @200 はは〜・・・ デート中だったか? @403 は、はい・・・。 @102 その通りです。 @1 こう、はっきり言われると、 なんだか照れますね・・・。 からかい気味に言われているのは わかっていても、赤面してしまいます・・・。 @200 なるほどな・・・。 シシト。\s ようやく吹っ切れたみたいだな。 @100 ・・・うん。 おかげさまでね。 @402 ・・・・・・? @1 吹っ切れたとは、一体何の事を・・・? @200 そうか。\s 安心したぜ。 何はともあれ、二人ともおめでとさん。 @404 はい、ありがとうございます! @100 ありがとう、リョウヘイ。 ・・・・・・\s 今度は、リョウヘイがリョウヘイの為に 頑張る番・・・かな? @202 俺の為にっつーニュアンスはアレだけど、 気付いてたのか、シシト・・・。 @102 まあね。 リョウヘイが複雑な立場だったことも、 昨日気付いたよ。 @202 お前、意外と鋭かったんだな・・・。 @102 どうだろうね? @402 ・・・・・・。 @1 会話の本筋が、見えない・・・。 岸先輩とシシト先輩は、中学時代からの 友人で、親友と呼べる間柄。 少ない言葉でも通じ合える関係。 そんな二人だから、 岸先輩は、私の知らないシシト先輩を たくさん知っている。 ・・・シシト先輩の事で、私が知らないことが、 たくさん、ある・・・。 今の会話で、それをまざまざと 見せ付けられたような気がした・・・。 そして、今の話の中で、気になったことが いくつもあった。 その中でも特に気になるのは、 "シシト先輩がようやく吹っ切ったこと" ようやく吹っ切ったということは、 最近まで・・・それも、かなり長い間、 何かを引きずっていたということ・・・。 そのようなものがあることすら、 私は今まで気付かなかった・・・。 だからこそ尚更、それを知りたいと思った。 でも、そこで私の心は戸惑う。 "吹っ切った"と過去形で言っている以上、 それはあくまで、過去の話。 それを知ろうとすることは、 古傷を抉ることにもなりかねない・・・。 だから・・・ 詮索するべきではないのかも知れない。 知りたいという気持ちと、 詮索すべきではないという考えが、 私の中で葛藤を生み出した。 @200 おっと、お前の彼女さんが 何やら寂しそうにお前の事見てるぜ? @402 え・・・? @102 あ、ごめんよ、セト。 なんか話から置いてけぼりにしちゃった みたいだね・・・。 @402 い、いえ、気にしないで下さい・・・。 @200 じゃあ、俺は待ち合わせがあるから。 @100 うん。またね、リョウヘイ。 @400 さようなら。岸先輩。 @0 @402 あの・・・。 私、そんなに寂しそうな表情してました? @1 考え事が表に出ちゃったのかな・・・。 @102 あはは・・・。 例えるなら、捨てられた子犬みたいな 雰囲気が出てたよ? @402 う〜・・・ そうですか・・・。 @1 苦笑いながらも、優しく微笑んで 私の頭を撫でてくれるシシト先輩・・・。 嬉しいんですが、 ちょっとだけ複雑な気持ち・・・。 大和撫子への道は遠そうですね・・・。 @100 ・・・・・・・。\s やっぱり、気になる? 僕が何を引きずっていたのか・・・。 @402 え・・・。あ、それは・・・。 @1 シシト先輩、私の様子の変化に 気付かれていたんですか・・・。 確かに、物凄く気になるのは事実・・・。 それも、先輩はお見通しなんですね。 @100 ・・・大丈夫。 セトには、ちゃんと全て話すよ。 元々、遅かれ早かれ、 話すつもりでいたからね。 @0 !mv !mvnil !bgm !wait45 !mvショッピング街 !bgmショッピング街 @402 ・・・・・・・。 @100 ・・・・・・・。 @1 僕とリョウヘイとの話の中で、 戸惑いに満ちた色に変わった、セトの瞳・・・。 そこから、セトが何を思ったのか、 僕は直ぐに察することができた。 @100 やっぱり、気になる? 僕が何を引きずっていたのか・・・。 @402 え・・・。あ、それは・・・。 @1 多分、聞きたいけど、聞くべきかどうかで 戸惑っているんだろうな・・・。 @100 ・・・大丈夫。 セトには、ちゃんと全て話すよ。 元々、遅かれ早かれ、 話すつもりでいたからね。 @0 !mv !wait20 @1 まだ、僕は肝心なことをセトに話していない。 ・・・何故、この前、僕がセトに対して 上手く接することができなかったのか・・・。 何故、あれほどまでに僕が戸惑ったのか。 ・・・過去に何があって、 僕は、何を引きずっていたのか・・・。 ・・・これは全て、セトに話すべきこと、 なんだと思う・・・。 @0 !mvnil !bgm !wait45 @1 あの時、リョウヘイにも言われたしね・・・。 !wait45 !bgmけだるい午後 !v27=2 !v28=2 !mv301教室 @200 なあ、シシト。 ちょっといいか? @100 何?リョウヘイ。 @1 セトとのすれ違いが続いていたある日のこと。 リョウヘイが若干神妙な面持ちで、 そう話しかけてきた。 @200 単刀直入に聞くけどよ。 @202 お前とセト・・・何かあったのか? @100 ・・・・・・\sうん。 僕に原因があって、最近、 ギクシャクしてしまっているよ・・・。 @202 自分に原因があると自覚しているのか・・・。 @100 うん・・・。 最近、さ・・・ 迷いや戸惑いが、隠しきれないんだ・・・。 @1 セトとの再会、リュウゾウとの件、 セトの父親であろうジェイクさんの死・・・ そして、セトに魔物退治をしていることを 知られたこと・・・ それらが重なったことが、僕の戸惑いが 表に出る引き金となった。 サエちゃんを失ってから、それを引きずり・・・ セトにサエちゃんを投影してしまっていたのを ようやく自覚したが故に、 迷いと戸惑いが溢れ出てきた・・・。 @200 勘だが・・・サエちゃんのことと絡んでるか? @1 一発で核心を突かれた。 僕が戸惑うことがどのようなことか、 リョウヘイは流石によく知っているか・・・。 @100 そうだね・・・。 未だに引きずっていることに、 僕自身が驚いているよ。 もう、とっくに吹っ切れていると 思っていたしね・・・。 @202 まあ、なんだ・・・。 簡単に吹っ切れるものでも無いだろうよ。 @200 ・・・それに、セトが居たから、 あの時のお前は立ち直れた・・・。 そうだろ? @102 本当、よくわかってるね。リョウヘイ。 @200 付き合い長いんだし、当然だろ? @1 実際、セトとの出会いが切欠で、 あの忌まわしい事件から 立ち直ることができた・・・。 中学1年生の時からの友達であるリョウヘイは、 そのこともリアルタイムで見てきたから、 よく理解している・・・。 @200 今の事情はあまり知らないけどよ、 いずれはセトに話すべきなんじゃねえか? お前にとって、セトは、他の女子とは違う、 大事な存在・・・だろ? 例え、サエちゃんのことを別にしても、だ。 @100 ・・・・・・。 @1 セトが大事な存在ということは、 それなりに自覚があった。 それが、恋かどうかは、この時はまだ わかってなかったけど・・・ @200 俺から見た意見だけど、お前らは互いに 必要とし合っていると思うぜ? それがどういう意味かはともかくよ、 頑張って仲直りしてみたらどうだ? @100 そうだね・・・。 @102 気まずいままなのは、イヤだしね。 !mvnil !v27=1 !v28=1 !bgm !wait45 @1 あれから、セトが逃げていくのではという 不安はあったけど、無事に仲直りできた。 そして・・・ セトに対して恋心を抱いていることも、 ようやく自覚した。 だから・・・ セトに、全てを打ち明けて、 ようやく本当にふっきれるんだ・・・。 ・・・・・・ セトが、この告白を受け止めてくれれば・・・。 @0 !wait60 \>Scene3 \<\s\>告白 !wait45 !mv海岸公園 !bgm静かな時 @1 海岸公園に来た僕ら。 冬と言う季節柄、\r[人気,ひとけ]は無く、 どこまでも静かな海が広がっている。 @102 ショッピング街から随分離れたところに 来ちゃって、ごめんね・・・。 @1 静かで落ち着いて話せる場所が、 ここしか思い浮かばなかった。 @403 いえ、大丈夫ですよ。 それに、私、冬の海って好きなんですよ。 @100 そっか・・・。 @1 昨夜とは打って変わって、今日は快晴。 波間が作り出す\r[陽光,ひかり]の\r[乱反射,かがやき]が、 少し眩しい。 @100 寒くない? @403 先輩にくっついてるから、温かいです・・・。 @402 ところで、あの・・・。 この前・・・夜、ここで会った時に、 いきなり逃げたりして、ごめんなさい・・・。 @100 ううん・・・。 元はといえば、僕に原因があるんだ・・・。 僕が、迷い、戸惑ったせいで・・・。 @1 そして、セトを傷つけてしまった・・・。 @100 だから、謝るのは僕の方だよ・・・。 セト・・・。 本当に、ごめん・・・。 @402 そんな・・・。 それに、先輩はこの前にも、 謝っていたじゃないですか・・・。 @1 確かに、冬村さんが気を利かせてくれて、 久しぶりに一緒に塾から帰った時に、 僕はセトに"ごめんね"と言った。 だけど、それではまだ足りないとも 思っていた・・・。 @100 そうだね・・・。 でも・・・ まだ、肝心な理由を話してなかったよね? @402 聞かせて、くれるんですか・・・? @100 ・・・うん。 遅かれ、早かれ、ちゃんと話そうと 思っていたんだ・・・。 僕が引きずっていた事・・・ 戸惑っていた事に、ケリをつけるためにも。 @1 話すことに対して、不安は、ある。 受け止めてもらえるだろうか・・・。 卑怯と思われないだろうか・・・。 情けないと思われないだろうか・・・。 @0 @1 ・・・セトは、大切な存在・・・ 失いたくない・・・。 だからこそ、不安は尚強まる。 だけど・・・ セトと真正面から向き合うためにも、 自ら心をさらけ出そう。 心から触れあい、通じ合いたいから・・・。 @402 ・・・・・・。 @400 聞かせてください。 先輩の事を、私に教えてください。 !bgm @100 それじゃあ、話すよ・・・。 !bgm黄昏 !wait60 ・・・事の始まりは、僕が中学1年だった時。 つまり、セトと出会う1年前の事・・・。 ・・・・・・。\s 前に、僕がテロリストに撃たれて、 心臓移植を受けたって話したよね? @402 はい・・・。 その時、一緒に撃たれた女の子の心臓を 移植されたお陰で助かったんですよね? @100 うん・・・。 実は・・・その女の子が、 僕の初恋の相手だったんだ・・・。 @402 ・・・・・・。 @1 恋人になりたてである僕から、 いきなり、こんな話を出されたら、 セトは相当戸惑うかもしれない・・・。 それでも・・・ 一緒に撃たれた女の子・・・ つまり、サエちゃんの心臓を移植された事を セトが知っていたのは、幸いと言うべきか・・・。 知らないで聞かされるよりは、 まだ動揺は少なくて済むだろう・・・。 しかし・・・ @402 ・・・・・・。 @1 盗み見たセトの瞳には、\r[愁,うれ]いや戸惑いが、 はっきりと表れていた。 この話を、どう感じているのか・・・ そして、どう受け止めているのか・・・ @100 それから暫くの間、僕は、なかなか 立ち直ることができなかった・・・。 失った悲しみとか、後悔とか・・・ ずっと、抱えたままだった。 @1 やり場の無い感情や想い・・・。 当時の僕は、それをどうしていいのか わからず、引きずり続けていた・・・。 @100 ・・・セト。\s 僕らが出会ってからの事は、 どれくらい覚えてる? @400 シシト先輩の事は、 ずっと鮮明に覚えていますよ。 初めて会った時・・・ 先輩から感じた雰囲気や印象は、 他の人とは明らかに違いましたから。 @402 良い意味でも・・・\s 悪い、意味でも・・・。 @1 悪い意味でも・・・ということは、 やはり感じ取っていたんだろうな・・・。 セトと出会った当時も、 まだ立ち直りきれていなかったから・・・。 @102 やっぱり、傍目にもわかったよね。 僕、なんか暗いオーラが出てただろうから。 @402 そうですね・・・。 @404 で、でも! すぐにそんな印象は無くなりました! @1 そう、だろうね・・・。 @100 ・・・・・・。\s あの時のセトとの出会いが切欠で、 僕は大分立ち直ることができた・・・。 @403 え・・・・・・。 @1 セトの表情に表れる、期待。 確かに、出会ったことで立ち直れたと 聞いたら、何かしら思い描いてしまうだろう。 だけど・・・ @100 ・・・・・・。\s これは、最近気付いたことで、 少し、言い難いことなんだけどさ・・・。 あの時から、僕は・・・ セトに、その初恋の相手の姿を、 重ねていたんだ・・・。 @402 ・・・・・・。 @1 この言葉を聞いて、セトはどう感じただろう。 ・・・少なくとも、 気分は良くないだろうな・・・。 哀しませたかもしれない・・・。\s また、傷つけてしまったのかもしれない・・・。 @100 僕は・・・卑怯者、なんだ・・・。 ずっと、長い間・・・ セトに、過去の幻を投影し続けて・・・ そんな風にセトと接してきた、 卑怯者なんだよ・・・。 そんな自分に気付きだしたのは、 アクアフロートに来て、 色々とあってから・・・。 丁度、11月に入ってからだったかな・・・。\s その頃から、戸惑いだしていたんだ・・・。 そして・・・セトに、僕の秘密・・・\s 魔物退治をしていることがばれた時から、 戸惑いを抑えきれなくなった・・・。 セトに、僕の卑怯な部分に気付かれるのが、 怖かったんだ・・・。 だから、セトとどう接したらいいのか、 わからなくなってしまって・・・。 こんな事、言い訳にしかならないけど・・・。 そのせいで、僕は、セトを傷つけた・・・。 本当に、ごめん・・・セト・・・。 @1 @100 ・・・これが、僕の引きずっていたことと、 この前まで様子がおかしかった 理由の全て、だよ・・・。 !bgm @402 ・・・・・・。 ・・・・・・。 @100 ・・・・・・。 @1 セトは、何も喋らない・・・。 こんな話を聞かされて、直ぐに何かを 言うという方が無理な話、か・・・。 自分に誰かを投影されていたと知れば、 少なからず、傷つくと思う・・・。 想像は、していた・・・。 話すかどうかで迷った時に、色々と考えた。 セトを傷つかせず、心の隔たりも無くす・・・。 それが、求められるベストの結果だと思う。 だけど・・・僕にはそれに至る方法が、 思い浮かばなかった・・・。 今打ち明けたことが、僕とセトの間にあった、 『心の隔たりの原因』 それをなくすには、全て話す以外の方法が 見つからなかった・・・。 話さないということは結局、そのことを 隠しているのと、同じことだから・・・。 戸惑いを振り切るためにも、 ケリをつけるためにも、話しておきたかった。 そして・・・その上で、僕と言う人間を 受け入れて欲しいと、そう、思った・・・。 この願望は、僕の我侭なのかもしれない・・・。 それを話すということは、少なからず、 セトを傷つけることに繋がるのだから・・・。 それでも、僕は、話すことを選択し・・・ そして今、全てを話した・・・。 @402 ・・・・・・。 @100 ・・・・・・。 @1 お互いに言葉を交わさず、 静かに時が流れていく・・・。 僕は今、何を言うべきだろう・・・。 @0 @402 あの・・・。 @1 不意に、セトが口を開いた。 @0 !mv !bgs(環境)心拍 !wait30 !bgs @100 ―――! @1 その瞳は、涙で既に潤んでいて、 今にも泣き出しそうだった・・・。 @402 シシト先輩は・・・ 今も私に・・・ その人の姿を、重ねているんですか・・・? @1 そう問われて、ハッとした。 ああ、僕はなんて馬鹿野郎だ。 一番肝心なことを、 まだ言っていないじゃないか・・・。 !mvnil @0 !wait45 !mv海岸公園 !wait30 @402 ・・・・・・。 @400 聞かせてください。 先輩の事を、私に教えてください。 !bgm @100 それじゃあ、話すよ・・・。 !bgm黄昏 !wait60 ・・・事の始まりは、僕が中学1年だった時。 @0 !wait30 @1 静かな口調で、ゆっくりと語り始められた、 シシト先輩の、過去の話・・・。 それは、私が想像していた以上に切なく、 そして、衝撃的な内容だった・・・。 初恋の相手を事件で失ったこと・・・ その事件によって負った、先輩の心の傷は、 とても深いものだったこと・・・。 そして・・・\s その人の幻影を、私に重ねていたこと・・・。 それらは、 普段の先輩の様子からは察することが できないほど、重く心苦しいもので・・・ 私を戸惑わせるには、十分すぎる内容だった・・・。 でも・・・だからこそ、先輩があのように 戸惑いを見せたのも、理解ができた・・・。 すれ違いの日々が続いていた時、 私は悩み苦しんでいたけれど・・・ シシト先輩も、悩み、苦しんでいたんだ・・・。 ・・・・・・。 @100 ・・・これが、僕の引きずっていたことと、 この前まで様子がおかしかった 理由の全て、だよ・・・。 @1 ・・・ようやく、先輩の心の深くに 触れることができた気がする・・・。 !bgm でも、まだ、一つだけ・・・ 一つだけ、とても気になることがあった・・・。 @402 ・・・・・・。 @100 ・・・・・・。 @1 沈黙が、流れる・・・。 今、心に引っかかっていること・・・ それを先輩に聞きたい・・・。 だけど、なんと答えが返ってくるのか、 とても不安に感じてしまう私が居る。 肝心な時に、臆病者の私が出てきて、 聞く勇気を奪っていく・・・。 @0 @1 シシト先輩が、私との出会いを切欠に 立ち直れたといわれた時・・・ 私は確かに、 浮かれたような気持ちになった・・・。 だけど、それは、私に初恋の人のことを 重ねて見ていたからだと知って、 とても、ショックだった・・・。 心に傷を負っていたせいだとわかっていても、 やっぱり、悲しい・・・。 先輩は、私自身を見ていてくれたわけじゃ なかったのかな・・・。 ううん・・・。 例え、その人の事を重ねていたとしても、 私自身のことも見つめていてくれたなら・・・ 昔の事は、それでも構わない・・・。 今、一番知りたいのは・・・ 今も尚、 私に、その人の幻を重ねているのか・・・ ということ・・・。 欲張りな願い・・・かも知れないけれど・・・ シシト先輩には、今の私を、 真っ直ぐに見つめて欲しい・・・。 他の誰かを投影なんかしないで、 私自身を、見て欲しい・・・。 もし、そうじゃなかったら・・・ @100 @1 シシト先輩・・・\s あなたの心に、私は触れない・・・。 私は、私として、 あなたの心に触りたい・・・。 昨日、私はあなたの恋人になれたはずなのに・・・ それなのに、あなたのその心に 触れることができないなんて、 悲しすぎる・・・。 あなたは、今の私をどう見ていますか・・・? それを、私は聞きたくて・・・\s 聞くことを怖がってもいて・・・ それでも・・・ 言葉にしなきゃ、伝わらないことが たくさんあるんだって、私は学んだ・・・。 だから、ちゃんと言わなきゃ・・・。 言って、本当の事を聞かなきゃ・・・! @0 @402 シシト先輩は・・・ 今も、私に・・・ その人の姿を、重ねているんですか・・・? @0 !mvnil !wait45 !mv海岸公園 !bgm黄昏 !wait30 @100 セト・・・。 @1 セトの、涙が零れそうなほど潤んだ瞳を、 真っ直ぐに見つめる・・・。 今、一番伝えるべき言葉を、 真っ直ぐに届かせるために・・・。 @100 僕は、セトが好きだ。 他の誰でもない・・・ セトが、好きなんだ。 色々と迷ったり、戸惑ったり、 悩んだりしたけど・・・。 その中で僕は、セト自身が好きで、必要で・・・ そして、君に恋していることに、 ようやく気付いた・・・。 だからこそ、僕はクリスマスイヴの夜、 はっきりと、好きだと言えたんだよ。 でも・・・だからこそ、セトには、 過去も含めた僕自身を知ってもらって、 そして、受け入れて欲しいと思った・・・。 セトに僕の過去の話をしたのも、 これで、完全にふっきるため・・・。 過去に捕われることに、 ケリをつけたかったんだ・・・。 今はもう、セトをセトとして見ている。 昔は、セトに あの人の姿を重ねていたけど・・・ それでも僕は、 セト自身を好きになっていた・・・。 !bgm セト・・・。 君は、こんな僕を知った上で・・・ それでも・・・ 僕の事を、好きでいてくれる・・・? @0 !mv !wait50 @403 ・・・・・・\sはい! !bgmエンディング1 !se(Action)跳ね !wait30 @100 わっ・・・と・・・ @1 思い切り胸に飛び込んできたセトを、 しっかりと抱きとめる。 泣いている、のかな・・・。 @100 ごめんね・・・ 昨日の今日で、突然こんな話をして・・・ セトのこと・・・傷つけたよね? @402 ・・・正直、ショック、でしたよ・・・。 @1 少しだけ顔をあげた セトのその頬は、涙で濡れていた・・・ 嗚呼。 昨日といい今日といい、 僕はセトを泣かせてばかりだな・・・。 物凄く、罪悪感がある・・・。 @403 でも、それ以上に・・・ このことを話してくださって、 とても、嬉しいです・・・。 シシト先輩の・・・ あなたの心に、ようやくさわれたんだって、 実感、しましたから・・・。 @100 セト・・・。 @402 あなたとすれ違い始めた時から、ずっと・・・ あなたの心が、遠く感じていました・・・。 触れたいと思いつつも、拒まれることに 私は怯えていました・・・。 それで、私はあなたから逃げてしまって・・・。 !wait30 ・・・でも、やっぱり私は、 あなたのことが誰よりも好きなんだって、 その時に実感しました。 @403 だから・・・。大好きなあなたの心に、 私の心が触れることができて、 嬉しくて・・・っ。 @1 再び顔を伏せると、しがみつくように 抱きついてくるセト・・・。 僕は、そんな愛しい人を、そっと・・・ だけど、少しだけ強く、抱きしめた・・・。 ようやく・・・本当の意味で、 僕の心を、気持ちを・・・ セトに届けることができた・・・。 色んなことがあって、今の僕があって・・・ ありのままの僕を、ようやく、 セトにみせることができた・・・。 過去に捕われ、引きずることは、 これでもう、終わった・・・。 これから、やっと、 心を通わせた付き合いが始まるんだ・・・。 @100 セト・・・。 少しだけ、顔をあげてくれる? 君に、渡したいものがあるんだ。 @402 なんでしょう・・・? @100 僕からの、クリスマスプレゼント。 昨日は用意してなかったけど、 セトにちゃんとしたものを渡すって、 約束したよね? @1 渡すには1日遅れな気がするけれど、 今日は、12月25日・・・。 間違いでは、無いよね? @403 本当に、いただけるんですか・・・? @100 うん・・・。 @1 ポケットに忍ばせていた、 綺麗に包装されたそれを取り出す。 @100 これ・・・ 気に入ってもらえるか、わからないけど・・・。 @404 あ、ありがとうございます! @100 開けてみてくれる? @402 よろしいんですか? @100 うん。 @102 ・・・なんか、昨日もこんな感じの やりとりをしなかった? 立場は逆だけどさ。 @403 あはは・・・。 そ、そうですね・・・。 @404 それでは、開封させていただきます! @0 @400 これは・・・。 @403 シシト、先輩・・・。 いつの間に、これを・・・? @1 僕が渡したのは、 ハートのアクセサリーが2つ、ついた、 女性向けの少し素朴なデザインのネックレス。 二つのハートがネックレスに通されていて、 寄り添うように並んでいるものだ。 @100 待ち合わせ場所に行く途中、 偶然、見つけたんだ。 それで、さっきのことを全部話したら、 渡そうって決めたんだ・・・。 僕の心は、あなたと共にあります・・・と、 そんな意味も籠めて・・・ね。 @1 キザっぽいけど、それでも、 直感に響いたのがこれだった。 @403 凄く・・・嬉しいです・・・! 早速、つけますね・・・。 @0 @102 買った僕が言うのもなんだけど・・・ @100 よく似合ってるよ・・・セト。 @403 ありがとう、ございます・・・。\s 本当に、ありがとう、ございます・・・。 ところで・・・ こんなこと聞くのもなんですが・・・ 買うの、恥ずかしく無かったですか・・・? @102 あ、あはは・・・。 確かに、ちょっと、ね・・・。 @1 男が女性向けのアクセサリーを買うこと そのものもだけど・・・ 買うとき、店員のお姉さんにちょっと 色々言われたりもしたなあ・・・。 『彼女へのプレゼントですか?』なんて 店員らしく話しかけてきたのは、 多分通常の対応なんだろうけど・・・ クリスマスイブが過ぎたタイミングで 買ってるなんて・・・と言いたげな 雰囲気がさりげなく出てたし・・・。 正直に、イヴの夜に告白されたので・・・ と経緯を話したら、逆に店員さんが 勝手に盛り上がっちゃったりもして・・・ まあ、とにかく・・・ ちょっとだけ、大変だった。 でも・・・ セトがくれた、この十字架のついた ネックレスに籠められた気持ちに 応える為にも・・・ そして、セトの幸せそうな笑顔を 見るためにも、こうして良かったなって、 心からしみじみと思った。 @403 くすっ・・・。 ちょっとだけ、見てみたかった気もします。 これを買うときの、先輩の様子・・・。 @102 僕としては、見られたくないなあ・・・。 タダでさえ結構恥ずかしかったし、 店員の人にからかわれたし・・・。 @403 でも・・・。 本当に、嬉しいです・・・。 ずっと・・・大切にします。 @100 うん・・・。 僕も、セトに貰ったこれ、 大切にするから・・・。 @403 はい・・・。 あの、シシト先輩・・・。 @100 ・・・うん。 @1 真っ直ぐに向けられたセトの瞳。 それを見ただけで、セトがどうしたいのか、 すぐに、わかった。 @0 @1 そっと、セトを抱き寄せる。 お互いの息が肌を撫でるほど近くで、 暫くの間、見つめあう。 そして・・・ !mvnil !wait30 瞳を閉じて、\sそっと、唇を重ねた・・・。 @0 @1 伝わってくる、柔らかな温もり。 それは、心の中でも広がっていく・・・。 微かな動きも伝わってくる、 不思議な一体感。 優しく、甘く、そして、温かく・・・。 "セト"という存在が、心の奥へと 染み込んでいくみたいだ・・・。 @0 \s\s !wait45 !mv海岸公園 @1 暫くし、息が少し苦しくなりだした頃、 僕らはようやく少し離れた・・・。 @403 ・・・・・・。 @1 頬を朱に染めたセトの、 愛くるしい笑顔に、 僕も自然と、微笑んでいた・・・。 !mvnil @0 !wait45 終\sわ\s\s・・・らない\s\s\s\s\s\s !wait60 \>Scene+α \<\s\>本領発揮\s(極甘要注意) @0 !wait45 !mv海岸公園 @102 わ、ちょ、セト・・・っ・・・。 @1 さっきのキスを切欠に、 セトがまるでキス魔のように変貌した。 @403 @1 一回一回が長いんだけど、 回数も、とても多くて・・・ 何回したのか、わからない・・・。 と、言うよりも・・・三回目以降、 数える余裕すら既に無かったような・・・。 僕から、離れようとしても、 背中にまわされた腕に力を籠められて、 離れれなくなる・・・。 ・・・抜けようと思えば抜けれそうだけど、 でも、何故かそれができない・・・。 なんというか、こう・・・\s ついつい、応えてしまう・・・。 @102 はふぅ・・・はぁ・・・はぁ・・・。 @1 ああ、ようやく開放された・・・。 さっきのは、かなり長かった・・・。 もう、考える余裕も無いくらい・・・。 それなのに・・・。 @403 シシト先輩・・・あの・・・もっと・・・。 @1 嗚呼、もう・・・反則だ・・・。 そんな表情でせがまれたら、 断るなんてできないじゃないか・・・! @403 ・・・んっ・・・。 @1 そしてまた始まる、長い長い口付け・・・。 息が持つだろうかとか、そんなこと、 もう、考える余裕もほとんど無い・・・。 それどころか・・・ 毎回毎回、離れた時、 より名残惜しさを感じてしまうように なってしまった・・・。 もう、ある意味では僕、 セトに染まっているのかも・・・。 悪い気は、しないけどね・・・。 ただ・・・。 @102 っ・・・ちょっ、セト・・・? @1 唇を離したときとか・・・ 口以外にも、首筋にキスして、 そのままそっと唇を這わせたりとか、 耳朶に息を吹きかけながら、 絶妙な加減で優しく噛んできたりとか・・・ 一体、どこで覚えたんだ・・・? @403 あの、こういうのも、良いんですか・・・? @102 いや、良いというかなんというか・・・ 本当に、 どこでこんなことを覚えたの・・・? @403 えっと・・・覚えたというよりも、 なんというか・・・勘、です・・・。 @1 なるほど・・・。 勘と言うことは、本能なんだろうか・・・? さっきから、セトがどんどんと、 僕の知らない感覚を呼び覚ましていく・・・。 嗚呼・・・余裕の無い中で、 僕はようやく一つ悟った・・・。 セトは、切欠があると 重度のキス魔になっちゃうんだって・・・。 タイミングを間違えると、大変だ・・・。 気をつけ、なくちゃ・・・。 @403 はう〜・・・ シシト先輩・・・大好きです・・・。 @1 ああ、もう、この子は・・・\s キス以外の方法でも僕の思考能力を 奪っていく気なんだろうか・・・ @403 シシト先輩がいけないんですからね・・・? 私を、こんなにもあなたに病みつきに させたから・・・。 @102 ぼ、僕がいけないって言われても・・・。 @403 だって、あなたが・・・。 はう〜・・・・・・。 @1 そう言って、俯き・・・ しかし、しっかりと抱きついているセト。 だって・・・の後が、気になる・・・。 それに、僕のせいって言われても・・・。 とにかく、キスの嵐は収まったけど、 まだ当面は、離してくれそうに無いな・・・。 ・・・心地良いから、いいんだけどね・・・。 それに・・・ 色々とあった中で、 セトの事を傷つけしまったことも、 あったから・・・ これは、ちょっとした罪滅ぼしに なる・・・のかな・・・? ・・・いや、そんなこと関係なく、 こういうふうになっている気がする・・・。 それにしても・・・ 僕ら、1年もしないうちに、 キスするのが習慣になっていそうだ・・・。 ・・・・・・。\s それはそれで、良い・・・かな。 セトだけとしかしない、こういう、 特別なコミュニケーション・・・ きっと、大切・・・だよね? @403 あの、シシト先輩・・・。 もう一回だけ・・・。 @1 ・・・・・・。\s 息、持つかな・・・? @0 !mvnil !wait45 \> fin. !bgm !bgs