あの岡部恒治先生は数学ができない数学者??

 

2002年12月25日の朝日新聞の「科学」面の「直言」という欄に、このHPの読者の方にはお馴染みの、埼玉大学の経済学部教授(数学)のご高説が掲載されておりました。

慶応義塾大学の話ではないのですが、私の体調が悪く、長い間このHPを更新しておりませんので、番外篇として、この記事を取り上げてみました。
大学の先生の国語の学力不足という観点から、ニタニタしていただければと思います。

 

朝日新聞・直言数学者や数学教育学者の中から「”算数”という名前を”数学”に一本化したらどうか」という声が出ています。

”算数”は長い間親しまれてきたものですし、議論をする際に”小学校の”という断りを入れる必要がなくて便利な面もあります。例えば”算数ができない大学生”というタイトル本なら、”小学校の算数もできない大学生についての本だな”とわかります。

では、なぜ名前の一本化の話が出るか。それは名前の違いによって、数学と異なる印象を与えることが心配なのです。私は教科名については無関心派でしたが、最近は”(小学校)数学”にすべきだと思っています。

理由の一つは、”自分で考える力をつける算数の本”という本を出した経験からきています。

”小学校の知識で解ける”という意味で”算数”を用いました。この本はある新聞の連載でした。

最初”算数のパズル問題で1年続くかな”と危惧していたのでしたが、全く杞憂でした。道具は少ないものの、”算数”の問題も数学と同じくらいに豊富なことを再発見できたのです。

もう一つは”分数ができない大学生”に対して、”計算の仕方を忘れただけ”との反論があったことです。どうやら”算数”の計算練習が数学の基礎になっていることが理解されていないようなのです。

私自身”算数ができない数学者”ですが、算数の計算練習が考えるための基礎になっていることは、いくら強調しても足りないくらいです。

私は一生懸命練習しても計算が上達しなかっただけですから、”計算の仕方を忘れる”ことはありませんでした。
計算がヘタな分だけ工夫すればよいのです。

<筆者> 日本数学会教育委員長。学力低下論争に火を付けた”分数ができない大学生”の編者。

 

以上、原文のまま

 

珍妙な直言だという印象を持ちました。

算数という言葉を使って、どこがいけないのか良くわかりません。

先生のご高説に従って、算数を数学と言い換えますと、先生はご自身のことを「算数ができない数学者」とおっしゃっているわけですから「数学ができない数学者」ということになります。

数学ができない人を「数学者」とは通常呼ばないと、私めは思いますが・・・。
「計算が苦手な数学者」ぐらいなら、「頭は良いのだろうが、あまり勉強しなかったのかなぁ」とか、「面倒なことは嫌いなのかなぁ」などと納得は出来るのですが・・・。

ところが先生は、一生懸命練習しても計算が上達しなかっただけですから、「計算の仕方を忘れる」ことはありませんでしたと、おっしゃっておられます。

普通は一生懸命練習すれば、計算は上達するものです。どうして上達しなかったのでしょうか。不思議ですね。

「分数ができない大学生」は一生懸命練習しなかったので、計算の仕方を忘れただけでしょう。
分数の意味を理解は、していても、長い間使用しなかったのなら、不意の試験で計算の仕方を忘れるということも不思議ではありません。
勿論一生懸命練習していたのに、分数の意味を理解出来ていない人もいるでしょう。
これは取りたてて言うほどのことではないと思います。何の世界でも一緒です。
例えば稽古の嫌いな横綱もいれば、一生懸命練習しているのに、一向にピアノが上達しない人などもいるわけです。

どうしても分数が理解出来ない人は、もともと「大学にとって不要の人」なのです。こんな人を大学に入れておいて、学力低下はないでしょう。大多数の人は適切な指導、教育によって、そこそこ数学が出来るようになるはずです。

「算数ができない大学生」や「自分で考える力をつける算数の本」で何も不都合はないのです。

「算数の計算練習が考えるための基礎になっていることは、いくら強調しても足りないくらいです」と、おっしゃっていますが、それなら「算数」は大事だよ、しっかり勉強しなさいよ、と強調するだけでよいのです。

日本数学会教育委員長が、こんなつまらない直言を新聞紙上で述べていることのほうが問題だと思います。
勿論「算数ができない大学教授」や「算数ができない計量経済学者」、「算数ができない数学者」などというのは困りますが・・・。

ちゃっかり自分の書いた本を宣伝しようと思われたのかもしれませんが、こんな記事を読んだお父さんやお母さんは、自分の子供にはこんな本は買わないのではないかしら、と思ったことでした。

 

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