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見沼くらしっく館: 落語鑑賞会「見沼くらしっく寄席」
え〜、今年も春のお花見シーズンとともに見沼くらしっく館名物の落語鑑賞会「吉例・見沼くらしっく寄席」が開催されました。旧坂東家住宅「見沼くらしっく館」入口の木戸には今年も趣向をこらした手作りのビラが貼られて寄席気分をかもしだしております。
今回も出演はもちろん、あの埼玉落語会。東京のホールでNHKが主催している東京落語会とは違って生粋の素人落語集団、創立が昭和37年と聞けば、駆け出しの前座さんは裸足で逃げ出すほど、歳だけはみんな重箱のように積み重ねて、平均年齢はすでに50才を優に超える昔の若者たちが着物を抱えてうれしそうに集ってきました。集客のほうも、親戚・知人をあてにせず(見放された?)、中には街頭でビラまきをした会員も居たといいますから、この日の盛況もなるほどとうなづいたり、あきれたりというのが本当のところです。
データ: 平成16年4月11日 さいたま市旧坂東家住宅 「見沼くらしっく館」
打ち出し 15:40
入り: 午前の部 開演時13人 間もなく29人
午後の部 開演時20人 終演時は38人(家族を除く) コメント:
「見沼くらしっく寄席」は三年目を迎えて、自分たちで言うのもおこがましいのですが、「円熟」?してきました。 今回は今までと変わって初めて奥座敷を使わせていただきました。床の間を背景にした高座を囲む南向きの部屋には春の陽射しがさしこんでなんともいえないのどかな寄席になりました。上の写真は開演前の様子です。お客さんが居ないって?心配は要りません。このあと続々とお客様が詰めかけて、さいたま市に警備の応援を頼もうかという相談が楽屋で交わされたほどです。昨年会員が自発的に行なった照明と音声の改良はさらに本格化し、このまま常打ちの寄席になっても大丈夫と誰かが言っていました。もともとの寄席の起こりというのは、町内の少し大きめの座敷を使って口コミで集ったお客さんがひいきの芸人を呼んで落語や諸芸を楽しんだといいますから、こういう会場の形というのは寄席の本道で、ホール落語の東京落語会も真っ青といったところです。 会場はこのように非の打ち所のない立派なものですが、肝腎の演芸のほうもそれなりに楽しいものになりました。芸の巧拙を論じないのが埼玉落語会の長年の美風です。「杉は直ぐ(すぐ)松はいがみて面白し・・」という言葉がありますが、演者がそれぞれの個性を発揮してのびのびと自分の芸をやっているのが素人演芸会のよいところだと思っています。 前回は三優亭半鐘氏の向こうを張って『御柄礼亭半死半生』(おつかれで・はんしはんしょう)という珍妙な芸名で出演した会の主宰者宮内正勝先生。今年はどんな芸名にするのかな、という周囲の期待に応えて『堀亭小ばん』という見慣れない名前が書かれためくりが用意されていました。「堀りてえ小判ねえ、なるほどいい名前だ」って、「どこがいいの」なんて言ってはいけません。見沼くらしっく館の旧坂東家住宅の床下から「一分銀」がざくざく入った壷が掘り出されたのは有名なエピソードで、いまでも館の常設展示で見ることができます。今度は「小判」を掘り出したいという願いは民俗歴史研究家としては至極まっとうなものです。この日演じた「かぼちゃや」の中、与太郎がカボチャを担いで売りに行くところでは本物の天秤棒とかごを持ち出しての道具入り仕方噺で小ばん師匠の面目躍如たるものがありました。その他の演目は上の表にまとめて掲載してありますので、それをご覧ください。感心すると同時に驚くのは、過去2回の公演の記録と照らし合わせてみると、演目の重複がほとんど無いということです。出演者は毎回それなりに稽古して昔覚えた噺を思い出したり、あるいは新しい噺に挑戦しているのかも知れません。あっぱれ、あっぱれ、甘茶でかっぽれというところです。 三々五々集ったお客様は思い思いの場所に座布団に座ったり、うしろに設けられた椅子に腰掛けたりして暖かいまなざしで会員達の演じる演芸を楽しんでくださいました。特に後半、終演近くには座敷の縁側の外にも立ち見の方が何人もいらっしゃったのには出演者一同感謝しております。 あとがき: 高座の後ろ、床の間の鴨居に張り出された寄付受付のビラ(上の写真)が示すように、今回はたくさんの食べ物、飲み物の差し入れがありました。午後1時過ぎの遅い昼食タイムには、お客様にもお裾分けをさせていただき、客席と楽屋のそこ、ここでお寿司やサンドイッチ、お赤飯まで広げてお花見のピクニック気分を味わうことができました。差し入れの皆さん、楽しく食べてくださったお客様、有難うございます。来年もこのような会が持てますよう、会員一同さらに精進をしてまいります。平成16年4月12日 稲林記
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