見沼くらしっく館:
旧坂東家 今年のお正月

 え〜、昨年は夏の名物「物怪展示」以来くらしっく館のご紹介が途絶えておりまして誠に申し訳ありません。何をしていたんだと言われそうですが、昨年は秋の風水害、越後の地震、年末の大津波と、いろいろあって・・・というような偉そうなことではなく、ただぼんやりしておりました。

 今年の坂東家のお正月飾りでは神棚の注連飾りに添えられた「交譲葉(ゆずりは)」が真っ先に目に入りました。説明書きには「新旧交代、旧年から新年へのバトンタッチにつながる縁起を祝い、新春、正月のお飾りに用いる」とあり、

 ゆずりはや 口にふくみて 筆はじめ

という宝井其角の一句が添えられています。

 今年も見沼くらしっく館は勉強になります。家に帰ってから手元の歳時記をひもとくと、楪(ゆずりは)とも書くようで、「トウダイグサ科の常緑高木。高さは10メートルにもおよぶ。(中略)正月の輪飾りなどに使われる。若葉を食用にする地方もある。新葉が出ると旧葉が落ちるのでこの名がある」と説明されていました。

 つづいて奥の座敷を伺い見ると、床の間の飾りもお正月らしく清々しい掛け軸にお供え餅、両脇には御幣が置かれています。近づいて見ると掛け軸も、お公家さんの装束をしたお侍さん(なんというものを知らない言葉遣い)が弓の手合わせをしているという趣向です。

  

 さて、いつも珍しいものが展示されているショーケースは如何にと移動してみますと、今回は「日本全国土産のお酒 歴史面白酒器展」という、これもお正月らしい展示です。いろいろな歴史上の人物にちなんだお酒の入れ物がずらりと並んでいます。織田信長、徳川家康、真田十勇士、斉藤道三、があるかと思うと会津中将(松平容保)、西郷隆盛まで見飽きのしない歴史群像を眺めることができます。どなたのコレクションでしょうか。集めた方のお話をとっくりと(徳利と?)伺ってみたい気がしました。

 

 まあ、そういうことで今年も旧坂東家住宅見沼くらしっく館にはいろいろと楽しませていただくことになりますので、昨年後半の空白を取り戻すべくレポートに励もうと思います。

あとがき:
 旧坂東家住宅見沼くらしっく館の囲炉裏はいつも赤々と火が燃えていて、鉄瓶で湧かしたお湯で淹れたお茶をいただくことができます。そこにはなんともいえない懐かしいくつろぎがあり、昔の暮らしに思いをはせながらお茶をすすることもここを訪れる人々の楽しみとなっているようです。

 スケジュールのご案内も久しぶりに更新しましたが、今年もいろいろな催し、企画展示が予定されています。なにかお目にとまりましたら是非見沼くらしっく館をお訪ね下さいますよう。

平成17年1月8日 稲林 記