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1杯抽出の裏技
コーヒーの味・香りの表現

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  〜美味しいコーヒーの入れ方〜

コーヒーの入れ方についてペーパードリップを中心にまとめてみました。
ネルドリップも基本は同じです。
  

入れ方の基本は?  ドリッパーの選定は?  蒸らしとは?  新鮮な豆ならば?  お湯の注ぎ方は?  お湯の温度は?  抽出時間は?  3〜4分で落とすコツは?  ネル用の受け台  コーヒー豆の保存方法は?  紙フィルターの湯通しは必要?  豆の品質とお湯の温度との関係は?  どんな水が良いか?  浄水器の選定は?


美味しいコーヒーの入れ方の基本は?

1.豆で購入して入れる前に挽く、が美味しいコーヒーの入れ方の一番重要な基本です。コーヒーの豆は粉に挽いてしまうと3〜4時間くらいで香りを失ってきます。2日くらいすると味がかなり落ちます。従って、ミルは必須になります。美味しいコーヒーを飲む第一歩です。 写真左のカリタのセラミックミルC−90は、コーヒー専門店などでも売っています。性能からみたコストパフォーマンスが高いですが、微粉が多めです。 できれば、写真中央の同じカリタの「ナイスカットミル」がおすすめです。名前の通り「カット刃式」です。ネットで買えば2万円くらいです。 付属の粉受けは使いにくいので、100円ショップで買ってきたタッパーを加工して使っています。 もう一機種、家庭用ミルとしては写真右のロイヤルの「みるっこ」があります。このミルは「臼式」です。モーターの回転音が静かで高級感があり挽く速度も速いです。ネットで3万円くらいです。 味的には、「ナイスカットミル」はうま味が出て、「みるっこ」はコクが出るという感じでしょうか。コーヒーメーカーに付いているプロペラ式のミルは細かい粒子には挽けず、コクを出すのが難しいです。

2.中細挽きを基準にして挽き、その前後の粗さを好みで選んで下さい。ナイスカットミルの目盛りで2.5〜3.5くらいです。細かくすれば苦味・コクが増し、粗くすれば苦味が押さえられてすっきりした方向になります。粉の量は、1杯分の抽出量を100〜120ccとして、2杯淹れるときは20gで、1杯では12g、3杯の時は27gくらいを基準にし、自分の好みの味になるように粉の量を増減すれば良いです。
 ただし、コーヒーの味の好みは人によって様々です。その主なパラメーターは「焙煎度合い」と「粉の粒度」でしょうか。大雑把に、@深煎り・細挽き(ナイスカットミルの目盛りで2.5くらい)の濃厚なコーヒー、A深煎り・粗挽き(ナイスカットミルの目盛りで5くらい)のマイルドなコーヒー、B浅煎り・粗挽きのライトなコーヒー、の三つに分けてみました。自分の好みで焙煎度合いと粒度を選べば良いと思います。

3.次に重要なのは、湯温、蒸らし、抽出時間、の3点です。湯温は、95〜98℃。蒸らし時間は、30〜40秒。抽出時間は、蒸らしの時間を含めて、3〜4分で、1杯でも、3杯でも、この時間で抽出するようにします。 お湯の温度については、さまざまに言われています。自分の好みで選べば良いでしょう。

4.もう一点、美味しいコーヒーの入れ方で重要なのは、お湯の注ぎ方です。お湯は出来るだけ細く静かに、落ちるお湯で粉が掻き回されないようにし、液面を上げ過ぎないことです。また、紙フィルターの内面に付いているコーヒー粉の壁を壊さないように、紙フィルターの内面近くにはお湯を注がないことです。

 以上が、ペーパードリップによる美味しいコーヒーの入れ方の基本です。


ドリッパーの選定は?

 紙フィルター用のドリッパーは、何を選べば良いでしょうか?

 V形のフィルター
 紙フィルターの形には、大きく分けて、一般に広く使われているカリタなどの台形のフィルターと、ハリオ、コーノ式、松屋式のV形のフィルターの2種類があります。台形のフィルターは、特に1杯とか2杯の少量の抽出ではコーヒー粉の層の高さが不足して、コーヒー層をお湯が通過する距離が稼げず、どうしてもコクが出せません。
 それに対して、V形のフィルターでは1、2杯の場合でもコーヒー粉の高さが稼げるためにコクを出しやすい形状になっています。今はハリオが右のような円錐形のドリッパーと紙フィルターを広く販売しており、スーパーなどにも置いてあります。 大きなホームセンターでは徳用の紙フィルターを売っていて安く手に入ります。

 金枠式ドリッパー
 また、ドリッパーの形式としては、カリタ、コーノ式、ハリオの陶器やプラスチック製のものと、松屋コーヒーのドリッパー(松屋式)やユニフレームのコーヒーバネットなどの「金枠式」があります。
 陶器やプラスチック製では、紙フィルターの外表面とドリッパーの内面が接触していますが、ドリッパーの内面にある線状の突起によってフィルターとドリッパーの間に空間が形成されて抽出液が流れ落ちる流路が作られます。抽出液は、フィルターの底周辺から主に流出しますが、線状の突起によって作られた流路を通してフィルターの側面からも流出します。フィルター側面の上の方から流出する 抽出液は、コーヒーの粉を十分に通過しないでフィルターの外に出て落ちるため、水っぽさが出てしまいます。
 金枠式では、紙フィルターの外側が壁に接触したりしていないために、抽出液はフィルターの下端に向って流れ落ち、フィルター側面の上の方からの水っぽい抽出液の流出が最小限となっています。このため、コクが出しやすくなっています。金枠式は昔から味が良いと言われていますが、松屋コーヒーのドリッパーやユニフレームのコーヒーバネットの金枠式は間違いなく味が良いのに残念ながら普及していません。なお、ネルドリップは、この金枠式と同様に注いだお湯がネルの底に向って流れる抽出メカニズムになっており、ネルドリップの味の一つの要素になっています。写真は、V形のフィルターと松屋式の5人用のドリッパーです。

 mitoぐるめ@式ドリッパー
 松屋式の金枠のドリッパーを使ってカリタなどの普通のサーバーで淹れると、サーバーの口の内側と紙フィルターが密着してしまって抽出液が溢れてしまうということが、必ずではありませんが起きることがあります。そのため、松屋式のドリッパーは専用のサーバーで淹れなければならないのですが、専用のサーバーは値段も高いし、入手も面倒です。そこで、普通のサーバーやポットでも溢れることがないように工夫しました。 松屋式の5人用金枠ドリッパーは支えの針金が4本なのですが、写真は中間に1本ずつ増やして8本にしたものです。 増やした4本の支えがサーバーの口に接触し、元々の4本はやや内側に曲げることによってサーバーの口の内側と紙フィルターの間にギャップを作り、抽出液が溢れるのを防いでいます。しかも、元々の4本はやや内側に曲げてあるためにフィルターの下半分くらいが絞られていていることによりコーヒー粉の層の高さがオリジナルより高くなっていてお湯が通過する距離が更に稼げ、1、2杯抽出でもコクを出しやすくなっています。コーヒーカップに直接抽出することも出来るので便利です。名付けて「mitoぐるめ@式ドリッパー」です^^

 右の写真は、松屋式の10人用の金枠ドリッパーです。ただ、ちょっとだけ手を加えてあります。松屋式の10人用の金枠ドリッパーは支えの針金が6本なのですが、その針金を1本おきに内側に曲げてあります。5人用は支えの針金が4本でしたので新たに4本を加えましたが、10人用は6本なので6本のうちの3本を内側に曲げればフィルターの下の方を絞ると同時に、普通のサーバーで淹れてもフィルターとサーバーの内側にギャップが出来て抽出液が溢れないようになっています。10人用は2〜3杯淹れるにはちょっと大きいですが、手直しが簡単ですので10人用を買われた方が良いかも知れません。10人用のドリッパーで1〜3杯用の紙フィルターを使って淹れる場合は、写真の様に四角に折ってセットすると紙フィルターの収まりが良いです。


蒸らしとは?

 ドリップでコーヒーを淹れる場合には、蒸らしという工程が非常に重要になります。蒸らしをしないで淹れてみて味の違いを比べれば明らかです。蒸らしという作業は、ドリッパーにフィルターをセットし、コーヒー粉を入れた後、その粉を蒸らすというか、湿らすと言った方がよいかも知れませんが、抽出液がドリッパーから僅かに滴り落ちるくらいのお湯を粉に注いで、濃い抽出液の中に粉を一定時間保持することです。この時間が、大体、30秒〜40秒です。この蒸らしの過程で、コク、旨味、甘味の大部分がコーヒー粉の中からお湯の方に移動するようです。蒸らしの過程で、60〜70%の成分が抽出されてしまうと考えて良いかも知れません。 右上の写真は2杯分の蒸らしの状態を撮ったものです。

 ネルドリップで淹れる場合も、蒸らしの必要性と方法は紙フィルターの場合と全く同じです。右下の写真は、ネルドリップ3杯分の蒸らしの状態です。

 ところで、ドリッパーにお湯を注いだ時に、コーヒー粉の表面が、写真のように盛り上がってこなければ、その豆はあまり新鮮ではないと判断して良いでしょう。鮮度が落ちていると膨らまず、抽出液の保持があまり出来ません。


新鮮な豆ならば?

 写真は、ネルドリップで3杯分の蒸らしが終わった後にお湯を注ぎ始めた直後の状態です。 蒸らしの時に一旦は膨らみますが、その後お湯を注ぎ始めると、細かな泡が吹き出して写真のようにプックリと盛り上がってきます。
 このように蒸らしの時の膨らみと、その後の泡立ちが見られない場合には、その豆はあまり新鮮ではないと判断して良いでしょう。


お湯の注ぎ方は?

 お湯の注ぎ方で大切なのは、お湯は出来るだけ細く静かに、落ちるお湯で粉が掻き回されないようにすることですが、粉が掻き回されると、ザラついた抜けた味になってしまいます。これは、コーヒー粉が掻き回されることによって、蒸らしなどを経て析出した成分がコーヒー粉(活性炭)に吸着されてしまうことによると推定されます。お湯を細く静かに、落ちるお湯で粉が掻き回されないように注ぐには、注ぎ口が大きいポットでは難しく、カリタの細口のポットが良いです。
 また、お湯は粉にまんべんなく注ぎますが、紙フィルターの内面に付いているコーヒー粉の壁を壊さないようにして注ぎます。紙フィルターの内面にお湯を注ぐとコーヒーの層を通らないお湯がフィルターから出てしまって水っぽくなります。コーヒー液の液面をあまり上下させず、空にしたりしないで注ぐのが理想です。


お湯の温度は?

 コーヒーを淹れるお湯の温度は、95〜98℃が基本です。この温度で淹れて、苦味、甘味・旨味、酸味といった味とは別に、渋いような苦味やえぐみ、濁ったような雑味など、嫌な味を舌で感じたら、その豆に何らかの問題があると考えた方が良いでしょう。95〜98℃を基本として、この温度より低い温度のお湯で淹れると、相対的に甘味が表に出てきて舌触りが滑らかな感じになります。反面、力強さやコーヒーらしさが弱まります。
 お湯の温度は、沸かす過程で、しゅうしゅうと蒸気の発泡音が聞こえ出す時点が、やかんの内面の状態や、ほうろうかアルミかなど、やかんの材質などにも依存しますが、大体、85℃前後でしょうか。そして、激しく沸騰を開始するのは98℃あたりです。従って、95〜98℃で淹れたい場合は激しく沸騰する手前でコンロの火を消せば良く、低い温度の80℃前後で淹れようとするときには沸騰の初期に火を消せば良いです。この様な方法で大体大丈夫です。

 写真はカリタのケトルに天ぷら油用の温度計を取り付けた状態です。蓋に空いている蒸気抜きの穴に温度計を挿入して固定しています。 既存の穴は径が小さいので少し大きくしました。温度計はスーパーで買ってきたごくありふれたものですが、測定部があまり太くないものを探しました。 この温度計付きケトルは、これまでいくつか作って上げています。


抽出時間は?

 抽出時間は、2杯でも、3杯でも、蒸らしの30〜40秒を含めて3〜4分です。ドリッパーにお湯を注ぎ始めて、予定のカップ数のコーヒーが落ちたらドリッパーをポットから外します。ぴったりの量であれば、そのまま最後まで落とし切れば良いです。最後まで落とし切るとアクが落ちてしまうと言われたりしますが、豆の品質が良ければそのようなことはありません。


3〜4分で落とすコツは?

 ところで、3〜4分で落とすコツですが、例えば、3杯用のドリッパーで2杯分を抽出したい時は、ドリッパーの半分くらいの高さにコーヒー液面を保持するようにすれば、だいたい3〜4分に収まります。微粉の量やフィルターとドリッパーの密着具合などによっても落ちる速度が変わりますので、1、2度時間を計って3〜4分に収まるようにコーヒー液面の高さを調整すれば良いです。3杯分を抽出する場合には、それより1cmくらい高く液面を保持するようにすれば、3杯でも3〜4分に収まります。

V状の凹みが出来ませんか?

 ドリッパーから溢れるくらいにお湯を注いでいませんか?淹れた後にV状の凹みがコーヒー粉の中央に出来ている場合は液面が高過ぎです。次からは液面を上げないようにゆっくりお湯を注いで下さい。写真は2杯分を落としているところです。2杯分ですと、大体このくらいの高さに液面を保持すると良いです。


ネル用の受け台

 ネルフィルターを使った抽出も、基本的に紙フィルターと同じですが、市販のネルフィルターはドリッパーを手に持ってお湯を注ぐのが普通です。 あるいは、ネルドリップ用の受け台(ネル用やぐら)に載せて淹れます。 ネルのドリッパーは、サーバーにそのまま載せて淹れるとフィルターで抽出されたコーヒー液が脇から溢れてしまいます。
 そこで、右の写真のような受けを、ステンレスの針金で作って使っています。 サーバーの開口部とネルフィルターとの間に適当な隙間が出来て抽出液が溢れません。 サーバーの上にのせるタイプが身近で見当たらないので、自分の淹れ方に合わせて作ってみました。 コーヒーカップに直接抽出することも出来るので便利です。


コーヒー豆の保存方法は?

 コーヒー豆の保存方法は、焙煎後1〜2週間くらいで使い切るのでなければ、特に夏場や深煎りの豆は冷凍するのが良いでしょう。新鮮な焙煎豆を、1〜2週間分くらいの量を残して、密閉容器、出来ればガラス容器に入れて冷凍室に入れます。問題は、冷凍した豆を冷凍庫から出す時です。 そのまま冷凍室から出して蓋を開けると、容器の内外表面に霜が付くばかりでなく、もちろん豆にも湿気が付いてしまいます。 容器の蓋を開けないでそのまま常温に戻せば良いですが、残りの豆を全部常温に戻したのでは量が多すぎます。 コーヒー豆を冷凍保存する場合には1回分ずつ小分けして、と良く言われていますが、小分けするのは現実的にけっこう面倒です。
 そこで、当面使う分量を別の容器に移しながら使っていく方法をおすすめします。 別の容器に移す時のコツですが、冷凍しておいた容器を冷凍室から出さないで移し替えをやることです。容器の蓋を開けて小分けする容器に必要な量だけ豆を移し、両方の容器の蓋をするまでの作業を冷凍室の中ですることです。そうすることで、冷凍している容器への霜の付着が最小限に抑えられます。もちろん、小分けした容器の中の豆も、直ぐに使うと湿気を吸ってしまいますので、中の豆が常温になるまで待つ必要があります。このようにして冷凍した豆を小分けしながら使うと、新鮮な味を長く維持できます。


紙フィルターの湯通しは必要?

 コーヒー粉をフィルターに入れる前に、フィルターを湯通しして紙臭さを取るというようなことが良く言われますが、現在市販されている酸素漂白の紙フィルターは紙の臭いを感じないレベルと思います。どうでしょうか?むしろ、酸素漂白の紙は最初に濡らさない方が、味的には結果が良いような感じです。紙フィルターで注意しなければならないのは、解放状態で保管していると、紙が湿気を吸って臭いが付いてしまうことです。面倒でも、密閉して保管しておいた方が良いと思います。


豆の品質とお湯の温度との関係は?

 豆の品質と淹れるお湯の温度の関係について、おおまか、次のような傾向があるようです。

・ 高品質の豆(生豆そのものの品質が高く、焙煎が適切な豆)は、高い温度で淹れても、低い温度で淹れても、それぞれ美味しい。特に、冷めたときが美味しい。
・ 品質が比較的良い豆は、高い温度で淹れた時がバランス良く、低い温度で淹れると、味の一部が抽出されない感じで、バランスが崩れるケースが多い。
・ 品質に問題がある豆は、高い温度で淹れると、欠点が表に出てきてしまうが、低い温度で淹れると、口当たりが良くなり、なんとか飲めるようになる。

 冷めるとおいしくなかったり、高い温度で淹れると今ひとつだったりした場合には、豆の品質に何か問題があると考えて良いと思います。


どんな水が良いか?

 コーヒーを淹れる水は、沸かす前の水を飲んで美味しいと思えばそのままの方が良いでしょう。最近は水道水も不味くなくなっていますが、塩素臭などの不味さを感じるようでしたなら、浄水器を通す必要があるでしょう。浄水器を通した水は無味無臭で美味しいとは感じませんが、少なくとも不味いと感じる成分は除去されています。水道水をそのまま沸かし、カルキなどを除去するために十分に沸騰させて、それを冷まして使うというということが良く言われています。しかし、この方法はおすすめできないです。浄水器を通した水でも沸騰させ過ぎると、そのお湯で淹れたコーヒーは不味くなるからです。


浄水器の選定は?

 いろいろな浄水器が売られていますが、実際に買うとなるとどれにしたら良いのか迷います。分類すると、国内製品か、海外製品かに大きく分かれるでしょうか?国内製品は浄化機能のみの製品はもちろんですが、アルカリ水を作る機能など高機能な製品が多いです。一方、海外製品は浄化機能のみのシンプルな製品が多いようです。
 お茶など、コーヒーも含めて、アルカリ水が良いという意見をけっこう見かけます。はたしてアルカリ水でコーヒーを淹れたらどうでしょうか?アルカリ水の方がおいしいと言う人もいます。何回か飲み比べてみましたが、味は明らかに違いました。でも、まずいというのではないないのですが、おいしいという方向でもなかったというのが個人的な感想です。日本茶も同じ印象でした。従って、アルカリ水を作る機能は、他の飲料や料理に使うのでなければ、コーヒーや日本茶を飲むには必要ないと思われます。