〜定期借家権について〜

平成13年3月1日より、「定期借家権」が施行されました。 内容を一言でいえば、貸家が今までより貸しやすくなった(貸主に有利)という事です。 では具体的な概要を見てみましょう。

Q.従来の借家契約とはどう違うのですか。

A.定期借家契約とは「契約で定めた期限が来ると契約が必ず終了する契約」です。 従来の借家契約は期限が来ても借主が退去を拒否すると出て行ってもらうことは出来ませんでした。 今回の定期借家契約は、期限が来たら必ず退去してもらうことが出来ます。期限は自由に決められます。 (1ヶ月でも50年でもOK)

Q.現在、家賃を滞納したり、近所に迷惑をかける人が入居していて困っています。 今度の更新から定期借家契約に出来ますか。

A.当分の間アパート、マンションについては現在の契約を解除して定期借家契約に変更することは出来ません。 あくまでも3月以降に新しく入居してきた人との契約から結ぶことが出来ます。 ただし、店舗や貸事務所などは合意解除(更新ではない)の上、新たに定期借家契約を結ぶことが出来ます。

Q.その他特に注意すべき点はありますか。

@ 中途解約できない旨の契約を結ぶと契約期間中は原則として契約解除出来ません。 (一定の居住用建物でやむを得ない事情がある場合のみ借主側からの中途解約は可能です) 10年の契約でしたら借主は10年間は賃借料を払い続けなくてはいけないのです。 また、貸主は10年間は貸し続けなければいけないのです。
A 必ず契約書を作成し、契約書と別に定期借家契約である旨を記した書面により 説明をしなければなりません。そして説明をうけた確認書に署名押印をしてもらうことが必要です。



(定期借家権オーナーのメリット)
@ 立退き料を支払う必要がなくなります。
A 契約期間中の家賃を一定にする契約を結べば、 値下げ要求に対する交渉は必要なくなります。
B 中途解約できない旨を契約に入れることにより、 長期安定収入を確保することが出来ます。
C 取り壊し予定の貸家で空室がある場合には、 定期借家契約により空室を有効利用できます。
D 子供が独立して広い自宅を持て余している高齢者の方が、 自宅を貸して、安いアパートに住み、 賃貸料と賃借料の差額を年金代わりとすることが出来ます。
E 家賃の値上げ交渉や立ち退き交渉などの煩わしさがなく、 期間も決まっている為、相続税対策としてのアパート経営も安心して出来ます。

定期借家権のスタートにより、賃貸住宅の供給量が徐々に増えていくことが予想されます。 家賃にも影響が出てくると思われます。

しかし、家賃は多少高くても良い環境で住みたいという需要はあるでしょうから、 例えば1年毎の定期借家契約にして近所に迷惑をかける賃借人やゴミ捨てルールを守らない 賃借人には出て行ってもらい、イメージの良いアパートにして家賃を維持する方法も考えられます。

契約形態の多様化により、貸主借主ともに選択の幅が広がったわけです。

また、相続税対策のアパート経営としては貸主の権利が強くなった分借家権割合が低くなるでしょうから、 対策効果は多少薄くなることが予想されます。