作者学習日記
(2002年前半:広東語サナギ後期〜広東語モンシロチョウ)

2002年 1月- 3月 (広東語サナギ後期)
2002年 4月- 6月 (広東語モンシロチョウ)

−広東語モンシロチョウのまとめ−


2002年 1月- 3月 (広東語サナギ後期)


正月2日に先生とお会いし、6日から早速レッスン再開。
まずは復習の為、『広東語四週間』を音読。
文法のおさらいと広東語ノリを取り戻すのが目的。文法はそんなに問題ない。

が、広東語ノリ(言語的リズム)が取り戻せない。
最初の基礎部分(挨拶・初級会話)は頭に残っている声調を頼りにし、後半の会話部分は変な調子のまま読む。
先生は根気良く、正しい発音・声調に直して下さる。

半年のブランクで前に出来ていたことが出来なくなっている教え子に、ちょっと残念そう。
(そりゃマンツーマンレッスンで育てた生徒が、これまでの授業を全て白紙にしたらショックだ)
少しでも早く元の状態まで戻したいとヤル気も出、家で『広東語研究』のテープを聞く。

イマイチ調子を取り戻せないまま『広東語四週間』は終了。
次はDVD、「痩身男女」(アンディ・ラウ/サミー・チャン主演)の聞き取り。
自分で聞き取れず、先生に繰り返して言ってもらう。
(このストーリーは主人公二人がダイエットの苦しみのうちに愛を育む、というもので、
二人とも肥満体に扮し、それを強調した話し方をして特に聞き取りにくい)
「ヒアリングだけでなく、スピーキングも一緒に練習しましょう」と御提案頂き、先生の後について自分もセリフを繰り返す。
ここで大発見。

広東語の声調は1声から6声(千島式・イエール式)へと数字の順番に考えるのではなく、
普段自分が日本語を話す時の高さを3声(ライ式2声)と設定し、それより高ければ1声、低ければ6声(ライ式3声)。
その3声(ライ式2声)より高いところで上がり調子なら2声(ライ式/:上昇極高)、低いところでなら5声(ライ式/:上昇中高)。
と判断すると良い。

北京語学習で声調はいつも1声から考える(1声から始まる)ものだったし、
普段自分が日本語を話す高さを3声(ライ式2声)に設定すると知る機会もなかったので、
広東語でも1声を基準にして(1声から始めて)各声調の感覚を掴もうとばかりしていた。
これがマスターできない原因だった。

確かに「基準の音より高いか低いか、どの高さで上がり調子なのか」の感覚で話していれば、
「それ何声ですか?」と尋ねられても、ネイティブスピーカーだって答えられない。
ネイティブスピーカーでも数えなければ声調が分からない秘密は、きっとここにあると思う。
北京語は各声調ごとに調子が異なるので(平ら・上がり調子・一旦下がって上がり調子・下がり調子)すぐ何声か判断できたのだ。

この大発見はとても嬉しかった。
これさえ分かってしまうと声調は難しくなくなった。
セリフも前より聞き取れるし、声調矯正されることも減った。
声調マスター出来たことと、GWに行く香港のホテル・レストラン予約を広東語で直接出来たことにより、
ミイラは蘇生し、広東語サナギ後期となる。


2002年4月−6月 (広東語モンシロチョウ)


レッスンは周星馳の『少林足球』の聞取り。
これまで彼の映画は古語や彼独自の単語が多く使われ、
聞取り教材として選ぶことは無かったが、今回の作品は一線を画す。
単純に笑えて、しかもホロッとさせられて、今一番オススメの作品。

GWの香港旅行も最高だった。
以前、NHKの「ごちそう賛歌」という番組でエッグタルトのお店「泰昌餅家」が紹介されていて、
その職人のオヤジさんが「私は9才でこの道に入り、非常に苦労しましたが、
今は私が作ったエッグタルトをお客さんが喜んでくれるのが何より嬉しいのです(私の記憶による要約)」と、
真っ直ぐで迷い無く、温かい人間性を感じさせるインタビューに心惹かれたのが出発動機。

いざ現地に行ってみると、そのオヤジさんはTVに映っていた時と全く同じ調子で
同じTシャツを着て、店で立ち働いていた。
あまりに期待通りで、「会いたかったあの人だ!」と興奮した。

「私、あなたが紹介されている番組を見て
あなたのエッグタルトを食べるために日本からやって来ました。
お会いできて嬉しいです!」と告げると、
「あんたの広東語スゴイネ!」と言って、喜んで記念撮影に応じて下さった。

店が忙しいので一緒に過ごした時間はほんの数分だが、
「オヤジさんと自分」という「香港と大阪に離れた二つの点」が、
情報を介し、広東語を介し、一箇所に集まり並んで、直接交流したことに感動した。

(もちろんそのエッグタルトの美味しさにも感動した。
これまで私はエッグタルトはパイ生地のものこそ美味、と考えていたが、
このオヤジさんのクッキー生地のものには仰天させられた。

オヤジさん独自のバターとマーガリンを混ぜて作った生地は、全くボソボソせず、
プリン部分も卵の黄身と白身が其々に味がする不思議なものだった。
きっとバターとマーガリンの調合も量り等使わず、オヤジさんの手でチョイチョイっとすくって、
コネコネっとしてあるに違いない。
プリン部分も卵ベースの液をグルグルッと混ぜて、チーンとオーブンで焼いてあるのだろう。
エッグタルト一つ一つがオヤジさんの分身なのだ。

とにかくそれは食べた人を幸せにする食べ物で、私は心から満たされた。
今こうして書いていても、とても温かい気持ちに包まれる)

それ以後、仕事で疲れた時も、私達という点は線で結ばれていて、その気になればいつでも会えるのだ。
地球上にはそんな点や線がたくさんあって、生きてるっていいもんだなーと思うと、
まるで甘いおやつを食べた後かのように、和らいだ気持ちで嬉しくなる。

この旅行のラストディナーは雑誌に載ってたジャッキー・チェンの海鮮料理店、「Fishermen's Wharf」。
3月末に国際電話で予約も入れてある。
ミーハーノリでウキウキして行ったが、店のネオンに明かりは無く、シャッターには張り紙。
「テナント契約期間が満了しました。これまでのご愛顧どうもありがとう」。

えっ、おばちゃん予約の時「あなたの連絡先は?」って聞いてくれてたのに、
閉店の連絡が無いなんて、あれは一体何のためだったんだ・・・。
しかも「休み」じゃなくて、「閉店」って、あの時点で、すでに知ってたんでないの?
「香港らしくて面白いオチじゃないか、やられたぁー!!」と思った。

宿泊先のゲストハウスオーナーによると、
「結構前に閉まってたよ。香港不景気で、最近あちこちよく閉まるからね」とのことだった。

皆さんも行きたい店は、事前予約だけでなく、香港到着後に電話で開いているか確認しましょう。
不景気な昨今、どこが閉まっても全然おかしくないそうです。

この旅行にて、香港とより深く、より自由に接触でき、
広東語サナギはついに広東語モンシロチョウへ進化したと認定する。
おめでとう!広東語モンシロチョウ!バンザーイ!(嬉)


−広東語モンシロチョウのまとめ−


香港旅行の後、作者学習日記(北京語版)の公開もあり、これまでの広東語学習を振り返った。

作者学習日記(北京語版)−【効率学習法の模索】を書き、今なら広東語も全く同じと言える。
「段階別、脳の働き」の章も、簡体字の部分を繁体字に置きかえるだけだ。
これまで、その学習法について「あーでもない、こーでもない」と迷ってきたが、
結局、広東語も「ピンインを聞取り、ピンインを発する言葉」と確信した。

皆様の今後の学習に役立つかもと考え、
「これまでの分析」と「効率学習法」をまとめてみた。


これまでの分析:

1:発音・声調解説の後、いきなり本文で発音・声調・単語・文法を同時進行させ、大混乱
2:教材ごとに異なるピンインに動揺。音を聞いても、何式ピンインにも変換不可能
3:声調を北京語のように第1声から考え、基準となる音を掴めず、耳と記憶に頼りあやふや


効率学習法:

1:まず発音、それから声調と分けて練習し、ある程度マスターしてから本文に入る。
(すぐ「ネイホウ」と始めたいが、本文で音を蓄積するのは却って時間がかかる。
本文に入った後も発音練習を意識するなど、ピンインマスターの為の訓練を続ける)

2:極力同一ピンインの教材を続けて使い、自分の中で核となるピンインを設定する
(イエール式が教材も多く、他ピンインとの融通も利きやすい気がする)

3:声調は常に「第3声(ライ式:第2声)を基準とした、その声調の高さ位置」図をイメージする
(第何声と数字で考え、その声調を第1声から数えていると、いつまでも正しく掴めない)

極力早い時期に、解説付き声調練習集(広東語版)を公開し、
「なぁんだ、はじめからこう言ってくれれば分かったのに」と、
この広東語声調における「コロンブスの卵的発見」を、皆様と共に分かち合いたい。

今後は更なるレベルアップを目指し、再び卵期からスタートする。
張り切って、頑張るぞ!エイエイオー!!



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