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不安から入れ歯のファンへ


患者不安心理から精神的に心が乱れ入れ歯がなかなか上手く行かないことがあります。神経症、精神分裂病などの病気でなければ、義歯のファンになりますよ。 現在、心を病んでいる人は、昔より、確実に増えています。

患者さんは、入れ歯が初めてであれば、入れ歯で食事が出来るだろうか、入れ歯で会話が出来るだろうかという不安をもっています。 不安を持つのは当たり前です、それは訓練と工夫で上手く使えるようになります。最初から上手く使える 人はいません。スキーのことを思い出してください。最初からうまく滑れる人はいません。最初は転びまくりますが、段々とスキー板が使えるようになりますが、期間(時間) がかかります。その間ジレンマに悩まされますが、きっと上手くなります。期間は運動神経によりますが、1から3ヶ月です。心構えを大きく持ってください。

必ず上手く使えるようになります。その期間は辛く、悲しい時間でしょうが、どうか自分で乗り越えてください。 痛い時は、遠慮は要りませんから痛い程度と場所をお教えください。発音もしにくいでしょうが、何の音の発音(カ音、サ音など)が他人から おかしいと言われたか、お教え下さい。発音はすぐに治さないですが、入れ歯が落ち着いたら、直す必要がありましたら直します。 他人が聞く音と自分が聞く音では、音が違います。自分の音は胸郭の振動が入るので、他人の音とは、違って聞こえます。テープリコーダーの 自分の声が違うのと同じ理屈です。


入れ歯の前歯の配列-審美性

審美性に影響を与える前歯の配列は、心理面に影響を及ぼします。前歯の配列が、気にいっていただければ、多少の痛みも我慢して使用されるご婦人もいれば、前歯の配列 が気に入らないと、何度もやり直しになるご婦人もいれば、全く無頓着な殿方もいます。本当に気に入って頂けたかどうかわかりません。本当に気に入った方もおられるでしょうし、 あきらめた方もいらしゃるしょう。その方の若い頃の感じが総入れ歯では、分かりません。また部分入れ歯では、残った歯が人工歯の大きさを規制するため少し隙間が開いたり、 さまざまなことが起こります。入れ歯になったら、やせた感じになりたいと思われている方もいます、逆に少しふっくらしたいと思われて いる方もいます。全ての要求を満たす事は出来ません。ただおかしく感じない事を目標にするしかないのです。少し若く見えて、おかしくなく、不自然でない状態です。 ここで前歯が気に入られないと、最後まで、入れ歯に不満を持つことになります。しかし出きること、出来ないこともあるのも事実です。そこを分かって頂くために最善を尽くしますが、 歯科医師の言い訳、と取られる方もいます。私は、クレオパトラを作れません。でもどんな顔になるのだろうという不安も理解できます。筋肉が十分につかわれるとすこし細面になります。 その辺の兼ね合いで最後は歯科医師は決定していますが、不安だけだと、最後は不満になります。なるべくそのへんの変化をお話しますが、ほとんど雲をつかむような話で理解してもらえないのが、現状のようです。 前歯部の配列の変化が、生じるのは、セット後、6週間以降必要なのです。


心理面の影響

心理面の影響は、入れ歯を作るときに影響を与えます。最初の出会いから、そもそも影響します。 出会いのときから、不信感を剥き出しにされる方もいます。途中よいほうに、好ましい方に、心が変化されることも、たまにあります。 痛みがでると、心理的には、悪い方に傾きます。移ろい易いというのが、心の問題の特徴です。 良好な人間関係を維持することに、工夫を凝らしますが、移ろい易い心をとらえるのは、大変です。 その心の変化のなかで、入れ歯を作り機能させて、痛くなく、安定させるのです。 初対面で、かたくなな人の心をほぐすことから、行わなければならない場合もあります。痛みが出て、良好 な関係から、やや険悪な関係になりそうになり、それを、またよい関係の方向にもっていくようにしなければ ならない場合もあります。たえず良好な関係が続く場合もあります。いろいろな場合が有ります。 いずれにしても痛みと不安定が、引き金になります。

そこにお金の問題がからみます。事情を更に悪くする場合が多いようです。坊主にくけりゃ袈裟までの感じです。 入れ歯は、通常、無から形あるものをつくりますので、患者さんの目の前で作業する事は、少ないのです。 チェア-サイドがすくなくて、患者さんが帰られたあと、作業する時間が多いのです。その作業時間をふくめての料金なのです。


うつろいやすい心理

人の心はうつろいやすいものですが、その心をいつも自分の味方に付けられれば、入れ歯は上手く行きます。 入れ歯を入れる目的、方法、痛みの出る可能性、それに対する注意事項、入れ歯の限界、使い方など患者さんがよく理解されていれば、かなり上手く行きます。

松尾芭蕉は”松の事は松に習え、竹の事は竹に習え”と言っていますが、”入れ歯のことは歯科医師に、作り方は歯科技工士に聞いて、任せる。”と言う事です。

きっと貴方が出会った歯科医師、歯科技工士さんは、己が最善を尽くすと思います。患者さんには、入れ歯を受け入れてもらい、入れ歯なしではいられないほどの、入れ歯のファンになってもらうような入れ歯を作ることです。


不安心理への対策

話し合いながら加療を進めるしかないと思います。やっている内容が理解できないと、とんでもない方向でこじれます。患者さんは、素人ですが、聡明でなければなりません。やさしく噛み砕いて話をしなければなりません。これは歯科医師の義務です。内容を理解するのは、患者さんの責任です。


不安心理が変わるとき

患者さんの不安心理がなくなった時が、一番良い入れ歯になります。時間が解決してくれますが、そのときその時の処置が適切であれば、必ず心を開いて 良い関係になります。問題点が解決しないと、良くない、難しい関係になります。一進一退をくりかえしながら、良い関係になるよう、ベストを尽くさなければなりません。---不安がへれば、ファン(fan)になる可能性が高まるが、そのきっかけは、患者さんが気がつくことです。その問題に対する回答を自分自身で向き合い、何が問題であり、どうすればよいかを自分自身で気づき、その結果、 自分で内面から変わろうと決意すると、変わります。じぶんで気がつかなければなりません。医師の説明にうなずくだけでは、駄目です。はっきり自分自身で気がつくことです。ここまで行き着くのに時間がかかり、大変なのです。心を入れ替えるほどの衝撃を与えられないのです。すべて自分自身で考えて気がついた時こそが、劇的なチャンスです。


精神科、神経内科と提携の重要性

誰でもかかる可能性のある精神疾患の構造です。  医患ともになるべく健全な精神と肉体でお会いしたいものです。正常と異常の境も漠然としていて、治療手段もないのです。 プロでさえ難しいと言えるのかも知れません。闇のなかの心ーーこれからは入れ歯の話から少しはずれて精神疾患について述べます。 ここの部分の患者さんの治療が一番おくれていて、打つ手がないのが現状です。我々歯科医は、確定診断は出来ませんが、又加療も出来ません。どうも様子がおかしいなと言う感じをうけたまま、何となく治療を開始して、何となく患者さんとの間柄が うまくいかなくなる事が多いのですけれども、兆候的には心因性が断然多く、トラブルの種になります。 神経症すれすれの方も来院するでしょうし、神経症を恣意的にふせて来院される方もおられますでしょうし、我々には判別がつかない状態で来院されるのです。器質的病変がなくても痛いなどの症状を訴えられたら、歯科医はどこまでその感覚の要求に対応できるのだろう。しかし自分の患者さんを、神経症と判断も出来かねるため、すこしづつ痛みを和らげるわずかばかりの工面をするしかない。 歯科医療は心因的にも健全に近い人を対象としているが、心因的に異常な方が紛れ込む可能性も多い。予防的手段はない。コンピューターのウイルス・メールみたいなものです。善意でのみ運用しようとするところで、悪意に充ちたウイルスが活動するようなものです。 常識の尺度も人それぞれです。患者さんは、人間ですから様々な考えの持ち主がいます。患者さんの取る対応も様々です。その対応の取り方の差を瞬時に判断しながら臨床を進めなくてはなりません。理解するのに時間の掛かることもあります。理解できない表現にぶつかり、悩む事もあります。臨床では何がおきても、おかしくないと思っています。


精神疾患の分類

1.心因性疾患 心理的ストレスにより生じてくるもので、精神病ではなく、どちらかというと軽い心の病気である。神経症、心身症などがこれに入る。 精神療法(心理療法、カウンセリング)が治療の主体になる。
2.内因性疾患 誰にでも起こる病気ではなく、体質・素質が重視される病気である。躁鬱病、精神分裂病などがこれにはいる。 薬剤(抗精神病薬、抗うつ薬など)が重視される。
3.外因性疾患 脳の外傷や器質的な病気(炎症や腫瘍など)によって精神症状をしめすものである。 それぞれの対象療法が重視される。

よくある歯科と精神科の話


1.口腔内寄生虫妄想症ーーー口腔内に虫がいると訴える患者。誤った考えに支配され、訂正不能である。精神分裂病圏内の疾患を疑う。

2.Phantom bite syndromーーかみ合わせが悪いと歯科治療を受けるが、なかなか満足せずに、転々と歯科医を変わる。うつ病や心身症に多くみられる。

3.舌痛症ーーーーーーーーー身体的には異常所見は認めないにもかかわらず、舌や口腔粘膜がヒリヒリしたり、ピリピリすると訴えるもので、中高年女性に多く、舌ガン恐怖になっている場合が多い。神経症とくに ヒステリー傾向がある。

4.顎関節症ーーーーーーーー心理的要因が関与する症例がある。

最近患者さんが増えている感じがします。入れ歯恐怖症で30歳〜40歳の女性に多く、入れ歯になるのを恐れて、いろいろな歯科医のもとを渡り歩く患者さんもいます。


神経症


神経症とは心理的な病気である。いくら「具合が悪い」と訴えてもそれに相当する器質的病変はない。状況次第で誰にでもおこりうる病気なのだが、もともと神経質傾向をもつ性格(小心・取り越し苦労・敏感・自分本位) の人に起きやすい。口臭恐怖(体臭恐怖)がよくみられる。基本的には対人恐怖があり、うまく人間関係を結べないのは口臭のためだと考えている。思春期から青年期にかけての男女によく見られる。

神経症はかなり重症であっても3、4ヶ月の入院治療でよくなるのが普通である。 しかし強迫神経症の症状が精神分裂病の初期症状と鑑別診断が、つかないこともある。神経症には、幻覚や妄想はない。しかし精神分裂病にはそれらが認められる場合があるし、病識欠如のために精神療法を受け付けない事もある。


精神分裂病


精神分裂病は強迫神経症とくに対人恐怖や体臭恐怖などとの鑑別診断が必要になる。精神分裂病の初期症状として出現するばあいがしばしばあるからです。

神経症の対人恐怖はいわゆる「人嫌い」ではない。他人と良い人間関係を保とうと願っている。それに対し分裂病性対人恐怖は、根っからの人が嫌いだということが特徴である。 精神分裂病の訴えは執拗でグロテスクなことが多い。精神分裂病では顔貌は固く表情に乏しい。暖かい人間関係が認められない。幻覚・妄想・独言・空笑などがみられる。

精神分裂病者は、概して精神科医を嫌っている。言い方が問題となることもある。家族に相談することも大切である。神経症は、説明すれば説得できるが、分裂病はなかなか説得できない。話がこじれて、結局は恨まれることもある。


うつ病


うつ病は、精神症状だけでなく、ありとあらゆる身体症状を発現してくる。不眠、食欲不振、体重減少、抑うつ、焦燥、希死念慮、胃腸障害、性欲減退、関心の喪失、疲労感などがみられるが、仮面うつ病といって身体症状が全面にでて、精神症状が見逃され、本人も治療者もうつ病とは気づかず、身体疾患の治療に専念し結果として病気がなかなか治らないことも多い。

うつ病になると、口腔内の異常乾燥、味覚障害、入れ歯の咬合不全といった口腔内セネストパチーなどが良くみられる。特に初老期から老年期にかけて入れ歯の具合が悪いと訴える患者が多く、転々と歯科医を変える人がいる。

うつ病は、一般に全ての事に気を病むものだが、防衛単純化といってひとつのことだけ注意を集中する人がいる。これは、いろいろと気を病むとつかれるので、一つことに敵を集中して、歯の具合さえ良くなれば気分が良くなると思い込んでいるためです。 防衛単純化は、うつ病だけでなく神経症にもよくみられます。

治療方法が違うので、うつ病と神経症とは正しく鑑別する必要がある。神経症は心理的な病気であり、うつ病は生理的な病気であるが、初老期以降の神経症はうつ状態を伴うことが多く、またうつ病では心理的な因子が加わることが多いので、鑑別が容易でないこともある。  
うつ病 神経症
不眠 必発症状で、80%以上の患者でみられる。早期覚醒型で、寝つきは比較的に良いが、2、3時間も眠るとすぐに目ざめて、七転八倒の苦しみである。 入眠困難だが、いったん眠るとよく眠る。
食欲不振 1ヶ月10〜15キロもやせることがあるが 食欲がないと言っても結構間食はしており、体重減少も1、2キロである。
自殺 抑うつ、不平、絶望が強く、しばしば自殺を企てる。自由浮動性の不安といって特別の原因もなく突如として不安の起こることもある。 比べて深刻さはなく、自殺を口にしても実行に移すことはない。
気分 気分の日内変動といい、気分がガラガラと変化する。 それがなく、持続的にいつも不調である。
気質 自分を犠牲にして家族や会社のためにつくそうとする他人本位の性格がみられる。 自分本位の人が多い。
抗うつ薬 効果的である。 あまり効かない。
アプローチ 優しいアプローチが必要です。 ある程度きびしい生活指導が必要です。

優しいアプローチとある程度きびしい生活指導という2方法のアプローチがあり、それぞれの病気により相対立する患者さんへの接し方がある。診断が確立しなければ、どちらの方法で接するか分からないのです。そのためにも早期に精神科医の判定を受けていた方がよい。優しくすることだけが、患者さんへの接し方ではなく、時には厳しくしなけれならないこともある。これを、早く診断してもらいたいが、患者さんが、なかなか、精神科医の所に行かない。 やや、厳しく接したら、入れ歯が入る可能性が高いのなら、行ってみた方がよい。病気でなく、どちらの傾向に自分があるのかを、知ることも一つの手です。だいぶ、歯科医療も変わると思います。

薬物依存者


麻薬、イソミタール、ソセゴンなどの常用者が、歯の激痛を訴えて歯科受診することが稀にある。この種の患者のなかには人格障害(性格異常)が混ざっている。人格障害は、病気というよりは、人格の偏りである。一朝一夕で改善は望めない。長く通院、はかばかしい結果が期待できなくても、問題をおこさなけれよいことだが、時々攻撃性を現してくることがある。


病の陰に「うつ」あり。


一般人口のうつ病有病率は、3〜5%だが、体の病気に合併する、うつ病の割合は、がん(20〜38%)脳卒中(27%)心筋梗塞などの冠動脈疾患(16〜19%)糖尿病(24%) 痴呆(11〜40%)パーキンソン病(28〜51%)慢性疼痛(21〜32%)になる。それらの病気で入院している患者さんの約30%と外来患者さんのほぼ10%にものぼる。入院患者さんの場合退院に要する期間も、合併していない患者さんの2倍もかかる。内科外来ですらうつ病患者さんが3.0%もおり、軽症のうつ状態の人は3.4%もいるとの調査報告もある。 内科医ですら、3.0%のうつ病患者のうち、19.3%しかうつ病患者と認識できず、8割近くの患者さんを、見過ごしている。精神科専門医の助けを借りなければ、何も出来ない。精神科と連携し加療を進めなければ、 直りも悪く、結果も思わしくないのが現状です。しかも通常患者さんは神経科、精神科の受診すら拒むのも現状です。精神科医の助けなくて、痛みを必ず伴う歯科治療を完結できません。ここのところが一番頭の痛いところです。10%の患者さんの入れ歯が、なかなか上手く入らないというのも、外来患者さんのうつ病の割合とほぼ一致します。もつれ、ねじれた、なかなか上手くいかない治療になりますし、わずかな症状の好転しかありません。人間関係は、最悪の状態で推移します。 人間関係の好転の糸口すら見えないことが多い。


文明国になればなるほど、神経症の患者さんも増えて来ています。神経症も精神科の支援を得られれば、状況は好転し、疼痛もへり、入れ歯の不評も減ると思います。しかも神経症は加療により必ず治る病気です。軽い神経症状態の患者さんでも精神科、あるいは、神経内科医の支援があれば、入れ歯の難しさの軽減に必ずなります。アメリカのように心のケアー、キュアーのことをもっと積極的に考えたいものです。 子供に、小児義歯を入れた経験では、ほとんど問題になることはありません。子供は、大人よりも上手に入れ歯を使いこなします。 あまり痛いと言われたこともなく、噛みにくいと言われたこともありません。なぜ大人になると、邪魔だ、痛い、噛めない、駄目だという言葉がでてくるのでしょうか? 大人だけがストレスを受けているのでしょうか?


結局、歯科医師にとり、やりやすいのは、明るくハキハキして生きる喜びに満ちている人です。やりにくいのは 、暗く、細かい事をいつもクヨクヨし、自己中心的な人です。自分で診断し、自分で思い込み、相手の意見を無視する人は、本当に扱いの難しい症例となります。船頭が二人いるのと同じで、注文が多すぎることが多く、意固地になる。軟着陸する事すら出来ずに、歯科医師が頭を悩まし、超難症例になる可能性が多く、精神的プレッシャーを強く受けます。人騒がせな事です。 難しい方向に、複雑な方向に、患者さんは、知識がやゝ不足しているために、持って行こうとします。「力学の原理原則は、はずせっこない。」という所を理解してもらわないと、入れ歯は出来ません。見えないところの空中戦のあたりに気づきにくいという、致命的欠点を含みながらの作業なので、どおいう結果になるかは、入れ歯になり実際に使用してみるまで分かりません。ここをクリアーしてはじめて、お口に中へ入ってきたインベーダー との戦いが開始されます。大きさも硬さも様々なインベーダーを、捕食、粉砕しなければなりません。この戦いは、全く見ることが出来ません。多分こうなっているだろうという想像です、科学的ではありませんが、食べ物と上下入れ歯の間は、力学の原理原則が支配しています。歯茎(土手)の状態に応じながら、入れ歯とインベーダーは、衝突という空中戦をやっていると思います。それを支えるのは、上下の骨です。 骨の中央で上下かめればよいのですが、段々と骨の中央の高まりも高さが減ってきて、どこだかわからなくなる、中央で使用したくても頼りない歯茎になります、その時に今まで食べれていたのが、食べれなくなります。また、歯茎の中央が、上下とも少しづつ、頬舌的に離れ始めるとある程度の距離になると、入れ歯がひっくりかえって食べられなくなります。食べ物との衝突戦でも、力学の原理原則が支配しています。 この力学からはずれて、かめる入れ歯をと言われても、神様じゃないから出来ません。おそらく神様でも出来ないでしょう。無理な注文です。 あきらめてください。その人の条件の中で作るものです。条件がよければ、飛び切りよい入れ歯になります。条件が普通なら、普通の入れ歯になり、条件が悪ければ、何とかかめる入れ歯にしようと努力せざるを得ないのです。


どのような入れ歯になるのかが、分かるのは物理的には咬合採得し、咬合器上につけて、配列してみて始めて分かります。心因的なものは、いつわかるか、全く分かりません。心因的な方が性質が悪いのです。


総義歯(入れ歯)の話
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