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入れ歯と骨


入れ歯になるのは、歯周病で骨が減るとなります。ですからインプラントの一番の問題点は、40歳以降の骨量の減少に、如何に対応するのかにかかります。しかしむずかしい問題を含んでいます。

一般的に、

20〜30歳の入れ歯は、骨量が多いので大きく作れません。薄く作るしか手がありません。薄く作ると、かむ力が強いので、入れ歯が割れやすくなるというジレンマが、あります。

40才代は、骨量もあるのですが、骨があまり減っていないので、入れ歯を収容するスペースの問題が、依然として存在します。この頃大きな入れ歯を作ると、お猿みたいにほっぺたが膨らんでいると言われることが、あります。

50歳以降は骨が減っていきますので、スペースの問題はあまりなくなります。

60歳以降は、入れ歯での変なかみ癖などの習癖問題が、入れ歯を、難しくします。

70歳以降は、減りすぎた骨量の問題と、運動神経が、落ち始める問題が生じます。この年代から、かむ力も衰えはじめるので、噛めないという訴えが、増えます。力の強い人の入れ歯が、割れるということがなくなり始める時期でもあります。

80〜100歳は、運動神経が左右しますし、痴呆の問題も出はじめます。勿論それ以前に出る患者さんも、います。入れ歯を使えなくなる事もあるのです。80歳の元プロ野球選手でも、運動神経が落ちて、入れ歯を使いこなせない日が必ず来るのです。その日が来れば、歯科医師は、お手上げです。飾りの入れ歯です。その日は、ゆっくりと、確実に忍び寄ります。歯科医師が作れば、入れ歯は、必ず、機能するものではないことも、憶えていて下さい。

ある意味、骨が減らないと、入れ歯を収容できません。また骨が減りすぎると、入れ歯をむずかしいものにします。前門の虎ーーー二重背反なのです。そこで歯科医師は。もがき、苦しむのです。そこを無我夢中で努力して、初めて良い入れ歯にするのです。 その無我夢中の最中、打つ手がない時もあります。はっきりとした、原因が分からないのです。この時、誰も助けては、くれません。その中で孤独な闘いをしなければ、なりません。下手ではないのです。暖かく見守って下さい。お願いします。

その年代に応じた入れ歯の作り方が、あるように感じます。

入れ歯の問題は、骨に合わせた入れ歯が作れるかです。骨の上下の対向関係が悪いと、すごく難しくなります。


骨の吸収の仕方も、上下顎で違いがあります。 一般的に骨は、上は頬側側より吸収が始まり、舌側の骨が残ります。 下顎は、舌側側より吸収が始まり、頬側の骨が残ります。

結果、歯が存在していた時の歯並びよりも、上下が反対になりやすい。奥歯が、反対咬合でなくても、入れ歯になるときに、あたかも反対咬合になったように歯を配列する必要性も出てくることもあります。


上下顎とも、骨の残っている中で、一番高い所を探します。そこを分水嶺として上顎はその分水嶺より内側に人工歯の舌側咬頭を配列したい。 頬側に配列すると、上顎入れ歯は、転覆します。 下顎は、高まりを見つけ、その分水嶺上に、ピッタリ人工歯の中央窩を置きたいのです。しかしその高まりがなくなり、えぐれてしまうことも、下顎では、大いにあり得ます。 こうなると難易度はまして、保険の値段、費用など吹っ飛んでしまうほど、時間も材料もかかり、不採算部門になります。


通常、骨は歯牙と違って、吸収と添加を繰り返し、常に一定となるように恒常を保つようになっています。。 ところが歯根の周りにある歯槽骨は抜歯と同時に吸収が始まります。歯槽堤の吸収は、その体積のほとんどを急激に失うほど大きな吸収を起こします。他の骨では、全身の骨では、どこにも見あたりません。どこにもない特殊な骨を扱っているのが歯科医学の 特殊性です。それが入れ歯を難しくします。通常、下顎骨は上顎骨の四倍吸収が早いと言われています。 異常な咬合力が顎骨を吸収する証拠は、紐状になった下顎義歯床で咬合圧を負担すると、上顎に比べて単位面積あたり の荷重量が過大となり、そこに咬合が不適切であると、さらに確実に歯槽骨は吸収します。下顎の入れ歯が、やはり難しいのです。 下顎の総入れ歯が難症例になりやすい理由もここにあります。そのために入れ歯にかかる時間も長くなり、入れ歯の値段、費用がより大きくなります。 保険での入れ歯では、対応できません。費用、値段だけ突出しているように考えられますが、時間を割いてオーダーメイドする必要性があるのでそれだけの、費用を頂くことになります。決して吹っ掛けた値段では、ありません。難症例の総入れ歯は、かなり増えています。長生きできるようになった、証でしょうか?


骨の状態の良し悪しが、入れ歯の性能を左右します。骨が問題なのです。骨に命を握られています。


骨を覆う粘膜いわゆる歯茎は血管や、リンパ管、神経、結合織、血球、リンパ球などが多数豊富にあります。そのため圧をかけると時間をかけて組織 が周囲に移動し、徐々に沈下します。粘弾性という特性があります。だから入れ歯は機能すれば、粘膜が少しづつ変形して行きます。 そこでピッタリしていれば痛くないと想像できますが、圧力は、食べ物の固さによって変化します。 入れ歯は靴下をはかずにぴったりの木靴を裸足で履いているのに似ています。通常痛くなって歩けません。 でも入れ歯はかめて何ぼです。かめるようにするのは、変形に対応できるように入れ歯を調整しなければなりません。


入れ歯では、歯茎という粘膜で外力を軽減し、骨でその外力を分散します。このような形で道具を使用して咀嚼機能を維持する生物は人間だけです。 歯茎も骨も入れ歯を使用するために本来作られていません。ですからこの機能を入れ歯に持たせることは、かなり強引な手段だと思います。 でも歯科医は入れ歯を入れることが天職ですから、入れ歯を入れなければなりません。 どうか実情に合った入れ歯の値段を、費用を負担してください。入れ歯の一番難しいのは、値段、費用の設定かも知れません。骨は、その人の現状ですから、改良しようがなく、その条件のもとで入れ歯を機能しなければならないのが、歯科医の仕事ですからね。


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