人生は短く、術のみちは長い。機会は逸し易く、試みは失敗すること多く、判断は難しい。というヒポクラテスの言葉が身に沁みます。
入れ歯の経過は、いろいろである。しばらく経つと紊まるのが、普通なのだが、たまに途中で悪くなる症例があります。
このような症例では、人工歯がすり減ると現れるようです。つまり夜間入れ歯を装着して寝ていて、歯ぎしりを強くする人に多い気がします。 このとき来院される人はまだ良いのですが、未来院で使い続ける人は、人工歯が、ほとんど平になっての来院です。 そのとき環境を変えると、思わぬ落とし穴が待っています。
入れ歯が痛い
入れ歯が噛むと痛いとのことで、調整削合していました。2週間ぐらいの期間毎日来院されました。御主人が付き添って来ました。 なかなか思うような結果が出ませんでした。普段は何ともないとのことです。おかしいな?
患者さんに入れ歯の着脱をしてもらいました。ちゃんと入っていませんでした。入れ歯がいい加減に入れて噛みこむのですから、痛いとこでてもおかしくない。 でもこれだけが、原因なのかな?もう少し様子を見ることにしました。部分入れ歯で食事に1時間半もかかるのを、いつもご主人が見守っているそうです。 しっかり入れ歯を入れているか、ご主人に確認を依頼しました。
わずかに浮いていて入れ歯を使えるのかな?ここばかりは、入れ歯経験者じゃないと分らない。確認方法は、どうすればよいのだろうか?
国際化
ウエブを見られたアメリカ人女性から、電話がかかってきました。針金なし部分義歯を入れて欲しいので、来院したいとのことです。OKしました。久しぶりの英語なので、すごく緊張しました。後で気がつくと聞かなければ、いけないことを、かなり聞いていませんでした。あのときは、精一杯でした。英語でWeb を作った訳ですから、当然考えることですが、まさかという気持ちで一杯です。くたびれ果てました。習慣が違うので、心配です。日本語でも、通じない日本人がいるのですから、 同じかもしれません。通じるようにひたむきにやった方がお互い、気持ちが通じ合うかもしれません。外人ならそれしかないのですから。HPを立ち上げてから2年10ヶ月のことです。
8月23日2004年にアメリカのフロリダ州開業の歯科医師から、もっと自分のテクニックを学びたいという、手紙が来ました。 e-mailでなく、手紙が先に来ました。嬉しいことです。
入院手術と入れ歯
義母が、肝臓手術のため入院全身麻酔下手術をして、術後経過良好で退院してきました。手術後1週間ぐらい経過すると、入れ歯がすぐ落ちると言われました。女房が見舞い方々見に行くと、 箸を口に持って行くとドアーが閉まるように、上の入れ歯落ちるようだとのことです。しゃべる時も同じようなもので、時々、落ちるようです。入院前は吸いついている入れ歯だったのですが、ーーー 東京の病院なので、退院して帰ってきたら、すぐにリライニングをする予定でいました。退院してきてみると、入れ歯は、落ちていないようです。本人も大丈夫とのことです。 手術後、筋肉の使い方が、上手くいかなかったものと思われます。慣れるのに4週間ぐらいかかる模様です。やはり筋肉の使い方でも入れ歯が落ちるのでしょう。むかし、上の入れ歯が落ちるといわれ、直せなかった患者さんのことを 思い出しました。その方は舌でうわくちびるをなめ回す癖があり、なめた後、かならず上の入れ歯が落ちました。なめるときに、入れ歯と粘膜面の間に空気が入り、辺縁封鎖が解除されるので落ちるのだと説明しましたが、患者さんは、入れ歯の作り方が悪いという信念と平行線で 大変苦労しました。義母の経験から、手術後の入れ歯が落ちる患者さんに対して、手術後の期間などで、対処の仕方に変化をもたせなければ、いけないのかなーーーという感じがします。
老人の独り言
入れ歯治療をおわり、老人が一言言いました。”悪いね、こんなに長い間面倒をかけちゃって”
”年よりを悪くするよ、おんぶにだっこに肩車だもんな。”
その真意は分かりませんが、確かに時間のかかった上下総入れ歯で、むずかしい症例だったと思います。
最後の帰り際、つぶやいた言葉です。それ以上聞く勇気はなかったです。
入れ歯がお口の中に入らない!!!
入れ歯を1年くらい入れていなかったご婦人から、往診を依頼され病院にいって参りました。上下総入れ歯 の2種類の組み合わせから、お口の中に、入れようとしましたが、上の入れ歯を入れようとしましたが入りません。横にして入れようとしましたが、入りません。お口が小さすぎて入りません。小一時間かけてお口の周りの筋肉を柔らかくしながらやっと収まりました。下の総入れ歯は、入れられませんでした。ご本人に下の入れ歯を入れる練習をしてもらい、入るようになったら、主治医に伝えてもらうようにお願いしました。
一日だけ入れ歯を入れていましたが、痛いのではずしたそうです。困ったなぁ。入れられないと入らない。お口が段々と固くなり、ますます、小さくなる。患者さんを説得できるかが、ポイントだなぁ。 T-con を上の総入れ歯に付けたので、入れてられないほど、痛いのかなぁ。心理戦の様相を呈し始めた。
元気で明るい前向きなおばあちゃま
8年ほどまえに入れ歯を入れたおばあちゃまが、御主人を連れて来院されました。上顎の総入れ歯が割れたのでみて欲しいとのことです。修理しました。先代の作った入れ歯で、25年前のものです。人工歯はすりへって、平らになっています。でも使えるそうです。いつもは御主人が運転して来院されるのですが、 今日は、目まいがしたので、タクシーできたそうです。体の調子が今一なので、修理で終わろうとしたところ、奥様より、”先生に作ってもらった入れ歯は調子よくて、なんでも噛める、先生思ったより上手だね、私は、自分の入れ歯を入れてくれた先生が一番上手で上手いと宣伝して歩いてるのさ”と冗談を言われました。 ”入れ歯がないと困るし、元気がでないので、85歳のちょっとわがままな主人のため、良い入れ歯を作ってください。”と言われました。”めがね、入れ歯、補聴器は、年よりの必需品で、元気の出る入れ歯を作ってください。”と御主人にも言われました。ありがたいことです。いつも元気を頂ける賢い人です。